概要・あらすじ
容姿端麗で頭脳明晰な女子高生の桐谷翔子は、男女を問わず校内の人気者。しかし、幼い頃からうさぎや野鳥といった、身の回りにいる生き物を食材として強く意識したり、校内で飼育されているうさぎを抱っこしながらよだれをたらすなど、その本性は食欲旺盛かつ無類ともいえる雑食性の女でもあった。ゲテモノじみた珍料理の提案を繰り返したため、翔子は所属していた料理部からも追放されてしまう。
自身の好奇心と空腹を満たすため、ご近所さんでもあり教師でもある榊伸一とともに、理科室でカエルやマムシといった怪しげな食材を使った料理にチャレンジするようになるのだった。
登場人物・キャラクター
桐谷 翔子 (きりたに しょうこ)
頭脳明晰でスタイルやルックスも抜群という大和なでしこな女子高生。性格もいいため、男女を問わず人気が高いが、その本性は未知なる食材に強い好奇心を抱く雑食性の女性。町や学校で見かけたうさぎや野鳥を食材として認識してよだれをたらしたり、ホルマリン漬けの爬虫類と爬虫類レシピを見比べながら恍惚とした表情を見せるなど、超がつくほど食欲は旺盛。 小学生の頃から「死ぬまでに食べたいヘンな食べ物リスト」というニッチなリストアップをしていた。普通の料理も大好きだが、自身が食べたことのない食材に対して特に興味をそそられる性格。所属していた料理部では、トカゲや昆虫を食材にしたゲテモノ料理を数多く提案していたため、部を追放された。その満たされない好奇心と欲求を満たすため、教師の榊伸一を半ば強引に仲間に引き込み、理科室でカエルやマムシ、野ゴイなどを調理することになる。 未知の食材に対する探究心と情熱は半端ではなく、謎の中国人から複数のサソリを買い付けたり、肉屋の同級生から豚の睾丸をもらう際には「私にキンタマをください!!」などとなんの躊躇もなく頼み込み、周囲の男子生徒をひどく狼狽させていた。 なお、食材のさばき方は伸一を呆然とさせるほど的確かつ豪快。
榊 伸一 (さかき しんいち)
桐谷翔子が通っている高校の男性教師。翔子とはご近所さん同士で、彼女の兄である桐谷翔馬の親友でもある。翔子が、幼い頃から食欲と好奇心が旺盛で、身の回りの動物を食材として見るという性質を知り尽くしており、校内の飼育小屋に翔子がいると聞きつけた時には、すかさず現地に向かってよだれを足らす彼女を諫めていた。少々意志が弱く、他人に強く出られない性格なため、翔子が理科室で行う珍食材を使った調理を咎めることができず、なし崩し的に彼女と一緒にそれらの料理を食するハメになる。 校内に生えている食用ハーブを集めたり、即興でかばやきのたれを作ったりするなど、気が利くタイプなため、翔子からの信頼は厚い。
桐谷 翔馬 (きりたに しょうま)
桐谷翔子の兄で、榊伸一の親友でもある青年。27歳。テンガロンハットをかぶり、裸の上半身にマントを羽織った風来坊。「ガイアが俺にもっと飛び出せとささやいてんだ」と翔子に言い残し、5年前に家を出てそのまま行方知れずとなった。現在は鳥取で漁師をしている。自由気ままな生活をしているが、時折翔子たちに近況を知らせる手紙を送ることがあり、翔子の中学卒業記念として鹿を1頭送ったこともある。 妹に負けず劣らずの変人だが、幼少の頃から自身や翔子のワガママに付き合ってくれていた伸一には感謝の気持ちを抱いており、大きな信頼を寄せている。
神宮寺 義郎 (じんぐうじ よしろう)
桐谷翔子が通っている高校で校長を務めている男性。校内で飼っている錦鯉を丹念に世話している紳士な愛鯉家。錦鯉を捕獲していた翔子を咎めたことがきっかけで、彼女と知り合うことになった。翔子が川で釣ってきた野ゴイで作った鯉こくを味わった際に、彼女から「鯉男爵」の称号を授けられる。なお、翔子からは校長と認識されていない。
小清水 (こしみず)
桐谷翔子の同級生である男子高校生。学級委員を務めている優等生だが、保健体育の授業で、女子と一緒に性について学んでいることに興奮を覚えるムッツリスケベ。校内一の美女と仰ぐ翔子が授業中につぶやいた「キンタマってどんな味するんだろ」という台詞に驚愕し、そのまま卒倒する。
豊島 (としま)
桐谷翔子の同級生である男子高校生。実家は肉屋を営んでいる。取引先である知り合いの居酒屋が寝込んだため、豚の睾丸や子宮をもてあましていた。それを引き取ってもらえる相手を探していたところ、翔子から「私にキンタマを下さい!!」と懇願され、激しく動揺していた。
その他キーワード
芋茎 (ずいき)
イモの茎を干したもの。別名「芋がら縄」。戦国時代には兵士たちの野戦食として使われ、縄として荷物を縛ったり、腰に巻いて携帯していた。水で戻すと肉厚になる。神宮寺義郎が地元の知り合いからもらったものを、桐谷翔子におすそわけしていた。食材ではなく、ただの縄と誤解した翔子は、露骨にテンションが下がっていた。
ババア
グロテスクな姿形をした深海魚。「ババア」は鳥取での俗称で、本当の名前は「タナカゲンゲ」。鳥取で漁師をしている桐谷翔馬が、カニとどちらを送るか迷った末、桐谷翔子に送ってきた代物。刺身にしてもさして美味くないが、身の性質を活かせる「ばばちゃん鍋」は絶品。
書誌情報
桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 18巻 双葉社〈アクションコミックス〉
第14巻
(2022-10-27発行、 978-4575857733)
第15巻
(2023-04-27発行、 978-4575858402)
第16巻
(2023-10-26発行、 978-4575859041)
第17巻
(2024-05-28発行、 978-4575859713)
第18巻
(2024-10-24発行、 978-4575860207)