森子物語

家族に振り回され、自分のしたい事もできない現実から逃げ出したいと考えている女子高校生・秋葉森子が、一人葛藤する姿を描くヒューマンドラマ作品。コンプレックスとなっている自身の出生や、東山一信への初恋など、森子の有するさまざまな感情が丁寧に描かれている。「週刊マーガレット」1983年12号から25号にかけて不定期に連載された。

正式名称
森子物語
ふりがな
しんこものがたり
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全2巻完結
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あらすじ

第1巻

女子高校生・秋葉森子は父親が異なる三人の兄弟達の世話をし、家事全般を担っている。誰かに感謝されるわけでもなく、褒められるでもない日常に森子は嫌気がさしていたが、高校を卒業して家を出るまでの辛抱だと耐えていた。森子は同級生の東山一信に片思いしているが、卒業後にはこの生活から逃げ出す事を決めているため、行動は起こさず遠くから見つめているだけだった。そんな中、森子は同級生の男子から、遠回しにいちいち口うるさい奴だと嫌味を言われてしまう。自分だけが周囲と比べて所帯じみている事にショックを受けた森子は、自分を取り巻くすべてが嫌になって学校をさぼってしまうが、それを運悪く東山に目撃されてしまう。さらに森子が帰宅をすると森子の母と、いつも反抗的な態度ばかりを繰り返す秋葉花子秋葉草太郎秋葉桃太郎が四人で楽しそうに過ごす姿を目にし、森子は自分には居場所がないと涙する。そして家出を決意した森子は、最後に一目だけでもと、初めて東山の両親が営む酒屋に立ち寄る。(エピソード「森子物語Ⅰ」。ほか、2エピソード収録)

第2巻

秋葉森子は3年生に進級し、東山一信と同じクラスになる。森子は以前、東山がポチを蹴った場面を目撃してからも、やはり気になる存在である事は変わらなかった。一方、森子は森子の母がベビー用品を手作りしている事を知り、また新しい兄弟ができるのではないかと不安を覚えていた。そんな中、森子のもとへ母親が他人の家で倒れたと連絡が入り、お腹の子供になにかあったのではないかと焦り、森子は電話口で伝えられた覚えのない住所へと向かう。そんな森子に偶然通りかかった東山は話しかけ、住所を頼りに無事に送り届ける。そして森子は母親から、兄弟が増える事と、この家の男性と結婚する事が伝えられる。(エピソード「森子物語Ⅳ」。ほか、1エピソード収録)

登場人物・キャラクター

秋葉 森子 (あきば しんこ)

17歳の女子高校生で、秋葉家の四兄弟の長女。それぞれ父親の異なる三人の兄弟、秋葉花子、秋葉草太郎、秋葉桃太郎がいる。森子の母が家事や育児をほとんどしないために森子が家族を支えている状況に、強い不満を抱いている。また、同級生と比較して自分だけが所帯じみており、妙に老けている外見を恥じている。そして、ほかの兄弟達とは違い、森子の母親が森子の父親だけを好きではなかったため、出生にコンプレックスを持っている。高校を卒業したら家を出て行く事を目標に日々暮らしている。東山一信に初めての恋心を抱くも、子犬を蹴っている場面を目撃して幻滅したが、それでも気になる存在ではある。ふだんは口数が少なく、森子の母親からは「根暗」と評される。真面目で責任感の強い性格の持ち主だが、完璧主義者のため思い通りにならないと怒りを抑えきれなくなってしまう。また、融通の利かない性格である事を自分でも認識している。

東山 一信 (ひがしやま かずのぶ)

17歳の男子高校生で、秋葉森子とは3年生になって初めて同じクラスになる。バレーボール部に所属している。実家は酒屋を経営しており、東山一信も配達を手伝っている。高校卒業後は酒屋を継ぐ事を受け入れているものの、時々その現状から逃げ出したくなる衝動に駆られている。目立つ存在ではないが、長身で爽やかなルックスの持ち主で、森子から密かに好意を抱かれていた。しかし、自分に近寄って来た子犬を躊躇なく蹴った場面を森子に目撃され、幻滅されてしまう。だがのちに、犬が嫌いなわけではなく、商売をしている自分の家では飼えないため、余計な情が湧かないための手段だった事が判明する。口数が少なく、なにを考えているのかわからないタイプ。

愛本 さち子 (さっちゃん)

17歳の女子高校生で、秋葉森子とは同じクラスで親しい間柄。周囲からは「さっちゃん」と呼ばれている。森子とはいっしょにお昼ご飯を食べるなど、学校内ではつねに行動を共にしている。優しくおっとりとした性格で、愛らしい容姿の持ち主。趣味はレコードを聴く事とお菓子作り。森子からはあこがれの感情を抱かれている。

花岡 あつひこ (はなおか あつひこ)

秋葉森子が高校3年生に進級した際、同じクラスになった男子。整ったルックスをしており、明るい性格な事から愛本さち子から気に入られている。森子のとなりの席になり、犬を飼っている共通点からすぐに意気投合した。

秋葉 花子 (あきば はなこ)

秋葉森子の小学生に通う妹で、秋葉家の四兄弟の次女。すぐ下の弟・秋葉草太郎とはそりが合わず、つねにけんかをしている。年齢の割にませており、おしゃれを生きがいにしている。毎朝自分が納得するまでヘアスタイルを整えるため、30分以上を要する事もある。細川先生がお気に入りで、メイクをして登校しようとするため、森子が必死に止めている。森子、草太郎、秋葉桃太郎とは母親が同じだが、父親は違う。

秋葉 草太郎 (あきば そうたろう)

秋葉森子の小学生に通う弟で、秋葉家の四兄弟の長男。すぐ上の姉・秋葉花子とはそりが合わず、つねにけんかをしている。食べる事が大好きで、頭の中はつねに食べ物の事でいっぱい。家族の残した朝食も一人で平らげてしまう。登校時には夕ご飯のリクエストをするなど、食べ物が一日の原動力になっている。森子、花子、秋葉桃太郎とは母親が同じだが、父親は違う。

秋葉 桃太郎 (あきば ももたろう)

秋葉森子の弟で、2歳の男の子。昼間は保育園に通っている。秋葉家の末っ子のため、家族からは「桃ちゃん」と呼ばれ、非常にかわいがられている。やんちゃな性格で、森子を平手打ちする事もしばしば。森子、秋葉花子、秋葉草太郎とは母親が同じだが、父親は違う。

森子の母 (しんこのはは)

秋葉森子、秋葉花子、秋葉草太郎、秋葉桃太郎の母親で、全員父親が異なる。年齢は36歳。森子の父親は周囲の勧めでお見合い結婚をさせられた相手であるため、森子が「自分だけは母が愛し合った人から生まれた子ではない」とコンプレックスを抱く原因となっている。明るく気さくな性格の持ち主で、さらに美しい外見から男性から言い寄られる事が多い。森子の母はもう一人くらいは子供を産んでもいいかと考えているが、子育てができていない事から森子には反対されている。家事や育児をすべて森子に任せているため、取っ組み合いのけんかをする事も多い。

ポチ

秋葉森子の家で飼われている犬。元は雑種の捨て犬で、東山一信について行こうとしたところ、蹴られてしまう。その場面を目撃した森子に拾われ、秋葉家のアイドル的な存在となる。

書誌情報

森子物語 全2巻 集英社〈マーガレットコミックス〉 完結

第1巻

(1984年6月1日発行、 978-4088508634)

第2巻

(1984年11月30日発行、 978-4088508849)

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