概要・あらすじ
貴島隆志は、彼女ができたこともない28歳の冴えないサラリーマン。街で声をかけてきた美人OLと交際することになり、夢心地で彼女に尽くしていた。しかし、彼女に金ヅルとして利用されていただけであったことに気づいた時には、多額の借金を抱えてしまう。返すあてのない貴島は、サラ金屋社長の提案により、全身整形でイケメンに生まれ変わって「タクヤ」と名乗り、出張ホストとして働くことになる。
毎日飲むバイアグラにより心臓は痛み、無理な整形で流れ出す鼻血に悩まされながらも、醜い女たちに金で買われ、SEXする毎日を送っていた。売れっ子ホストになるものの、借金は減らず、貧乏暮らしから抜け出せない日々が続く。
登場人物・キャラクター
タクヤ
借金を返済するために整形して、別人のようなイケメンになった28歳の男性。本名は「貴島隆志」で、もともと小さな会社に勤める冴えないサラリーマンだった。影が薄く、サラリーマン時代は苗字の「キジマ」に「ミジメ」をからめて、同僚から「キミジメ君」と呼ばれていたほど、みじめな人生を歩んでいた。彼女ができたこともなく、AVを見てオナニー三昧の毎日だった。 ところが、美人OLの山下静江と交際を始めて、生きる希望を見出す。山下を抱くこともできないまま彼女に貢ぎ続け、貯金の300万円をすぐに使い果たし、多額の借金を抱えることになる。山下に騙されていることに気づいた時には、借金が返済不可能な額にまで達していた。自暴自棄になるが、ハッピーローンの社長の提案を受けて整形。 イケメンホストの「タクヤ」として、借金を返済するため、「ダイヤモンドクラブ」という出張ホストクラブで働く。醜い客を抱くために毎日バイアグラを飲んでおり、時折心臓に激しい痛みを感じるほか、整形の影響か、鼻血が止まらなくなることがある。人気ホストとして大金を稼ぐものの、借金が多額すぎるため、カップラーメンすら満足に食べられないほどの極貧生活が続いている。 もともと気弱で地味な性格だったが、ホストとして生活を続けていくうちに身も心もすさんでいき、犯罪にも手を染めることになる。
山下 静江
タクヤを金ヅルとして利用した美人OL。一流企業に勤めており、父親は大手家電メーカーのエリート部長で、家は裕福。母親と大学生の弟、高校2年生の妹と5人で暮らしている。まだサラリーマンだった貴島隆志に声をかけ、交際を始めた。外見がいいだけの男は嫌いだと、巧妙にタクヤの心を惑わし、ブランドもののバッグなどを貢がせていた。 自分のせいでタクヤが多額の借金を抱え、整形してホストになったことは知らない。のちに再会したタクヤの復讐を受けることになる。
ハッピーローンの社長
サラ金屋「ハッピーローン」の社長を務める男性。どこからも金を借りられなくなった人間が最後に行きつくサラ金屋。一見すると、気の弱そうな中年男に見えるが、時おり蛇のような凶悪な人相を見せる。保証人、担保なしで即500万円まで融資する、という売り文句で、タクヤにも500万円を即金で貸した。利息は月イチで、タクヤはさらに500万円を上乗せして1000万円を借りたため、利息だけで月100万円になる。 返済できない場合は、目、肺、腎臓と2つあるものの片方で支払ってもらううえ、足りなければ片手、片足の一部ももらうという非情な人物。利息さえも払えなくなったタクヤを整形させて、弟の田丸が経営する出張ホストクラブで働かせる。
田丸
ハッピーローンの社長の弟で、38歳の男性。「ダイヤモンドクラブ」という出張ホストクラブのオーナーを務めている。実際の経営はタコ社長にまかせている。ホスト不足で困っているところに、整形してイケメンに生まれ変わったタクヤを、兄から紹介され、雇うことになる。
叶
ホスト送迎のドライバーの男性。タクヤが勤める出張ホストクラブ「ダイヤモンドクラブ」で働いている。カメラのレンズを作る町工場を経営しており、一時は50人近くの従業員を抱えるほどだったが、不況で半年前に倒産した。タクヤの送迎を続けるうちに親しくなり、のちにタクヤからの依頼で、ゆすりや身辺調査といった悪事を手伝うようになる。
奥平 絹子
金持ちの美人妻。出張ホストのタクヤを買っている。普段醜い女性ばかりを相手にしているタクヤにとって、唯一心が躍る、色っぽい年上の女性。タクヤのSEXの虜となり、タクヤの1000万円の借金を返済して独占しようと考えている。夫は70歳近い老人で、先は長くないからと、邸宅を担保にして5000万円を借りるために、タクヤに保証人になってほしいと持ちかけてくる。
ユリエ
田舎から出て来て短大を卒業し、安アパートで暮らす若いOL。黒髪のボブカットの髪型で顔立ちも整っており、スタイルも抜群。アナルSEXでしか快感を得られないことに悩んでいる。出張ホストのタクヤの上客でもある。タクヤの金ヅルとして、アナルSEX専門のソープで働くことになる。
赤川 アサミ
貧乏でブスな女性。出張ホストのタクヤを買っている。タクヤがまるでカバだと語るほどデブで、そのうえ貧乳。自分の人生には絶望して諦めているが、タクヤに叱咤され、全身を整形して生まれ変わることになる。タクヤの紹介で、サラ金屋「ハッピーローン」から金を借り、3か月をかけて巨乳の美人に生まれ変わった。その身体で風俗で働き、タクヤに金を貢ぐ。
タコ社長
タクヤが勤める出張ホストクラブ「ダイヤモンドクラブ」の経営をまかされている男性。クラブのオーナーの田丸から依頼されている。スキンヘッドで口ひげを生やしているため、タクヤからは陰で「タコ社長」と呼ばれている。左の耳にイヤリングをしている。組員ではないが、ヤクザと深い関係を持って商売をしている、企業舎弟。タクヤから組を紹介してほしいと頼まれ、紹介料として1000万円を請求する。
ホモジジイ
本屋のチェーン店の社長を務める中年男性。カツラと思われる頭に、上を向いた鼻の醜い人相をしている。タクヤが勤める出張ホストクラブ「ダイヤモンドクラブ」に、ワンプレイ10万円で、ソース顔の美青年を派遣してほしいと依頼し、タクヤの上客となる。プレイ中の様子をタクヤに密かに録画され、それをネタにゆすられることになる。
タマキ
高校中退のフリーター。タクヤが暮らすボロアパートに無断侵入していた、茶髪の美女。出会い系サイトで知り合った男の家に泊まろうとしたところ、身体を求められたので逃亡。男と同じアパートで、鍵のかかっていなかったタクヤの部屋に入り込んでいた。行くあてがないため、そのままタクヤの部屋に居候することになる。
脇坂
復讐代行屋「エンマ堂」の男性。屈強な身体をスーツに包み、笑顔の裏に鋭い顔つきを見せる。山下静江から、タクヤへの恨みを晴らしてほしいと依頼される。死ぬほどの辱めを与え、肉体的にもボロボロにしてほしいという依頼内容に対して、1000万円の料金を提示する。支払えないという山下に、ソープで働くか、月50万円でとある社長の愛人にならないか、と持ちかける。