極道イレブン

極道イレブン

一匹狼のトラブル解決屋として任侠の世界では名の知れた借馬良。彼は、日本進出を狙うイタリアのマフィア、フェラリーノ一家との抗争が激化している関東一の暴力団組長に、横浜の縄張りを掛けた組員たちによる命がけのサッカー対抗試合に監督として雇われる。助っ人の元プロサッカー選手の奥崎加寿彦とコーチの伊藤機久馬を除き、素人ばかりが集まった極道チームを率いて、ルールも常識も超越した喧嘩戦法で試合に挑むサッカーアクション漫画。

正式名称
極道イレブン
ふりがな
ごくどういれぶん
作者
ジャンル
アクション
 
サッカー
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概要・あらすじ

一匹狼のトラブル解決屋として任侠の世界では名の知れた借馬良だが、半年前にイタリアのマフィア、ドン・グッシャーリの娘に手を出した事で怒りを買い、鎖に巻かれ海に沈められるという失態を犯して以来、仕事も激減し酒浸りの日々を送っていた。そんな中、舞い込んだ依頼は、関東一の暴力団組長からで、日本進出を狙うイタリアのマフィア、フェラリーノ一家との抗争の助っ人。

しかし、横浜の縄張りを掛けた対決の方法は、組員同士によるサッカーの対抗試合。借馬良は監督として極道チームを率いて戦う事になる。コーチには借金取りに追われるA級ライセンス取得者の伊藤機久馬を雇ったものの、あてにしていた元プロサッカー選手の奥崎加寿彦は現在服役中。

さらに選抜テストを行っても、集まってくるのは暴力自慢の危険な奴らばかり。そんな逆境の中で借馬良が編み出した奥の手の数々は、どれも反則スレスレの喧嘩サッカーだった。決戦が迫りイタリアに向かった極道チームの前には、借馬良と因縁のあるグッシャーリ一家も待ち受け、警戒厳重な刑務所トルサロディで行われる試合の内外で、血で血を争う抗争の火蓋が切られる。

登場人物・キャラクター

借馬 良 (かりうま りょう)

組に属さず客人として数々のトラブルを解決してきた、任侠の世界では名の知れた男。暴れ出せば組の一つや二つはわけなく潰せると噂され、通り名は時梅の借馬。ときめきのカリーナと間違われる事もある。口が悪くすぐに手が出る粗暴な性格で、喧嘩慣れしているため、突然の襲撃でも硬貨を靴下に詰めて相手を殴るなど、身の回りの物を武器に戦える。 半年前に関西の組が起こした揉め事でイタリアに向かった際に、地元マフィアのドン・グッシャーリの娘に手を出し、鎖で巻かれて海に沈められてしまう。それ以来仕事も激減し、酒浸りの日々を送っていた。そんな時にイタリアのフェラリーノ一家と抗争中だった関東一の暴力団組長から、横浜の縄張りを掛けたサッカー対抗試合の監督として迎え入れられる。 組員で結成した極道チームは、中学レベルの実力しかなかったが、喧嘩慣れした面々の特技を活かして、反則を取られないラフプレーを次々と考案し、メンバーに伝授していく。サッカーは高校選抜に出場する程の実力だが、半月板を痛めており、試合に出れば松葉杖の生活を余儀なくされてしまう。

伊藤 機久馬 (いとう きくま)

4年のサッカー留学でA級ライセンスを取得しながらも、一流チームからの契約金をあてにサラ金6社から総額6000万円の借金をし、取り立てに来た暴力団・捜査一家に1億円の生命保険を掛けられて殺される寸前だった人生の負け犬。高校時代、国立競技場の舞台に立ってプレイする機会に恵まれながら、敵キーパーとの一対一の勝負に怖気づき決勝のチャンス逃した意気地なしで、未だここ一番のチャンスを活かせずツキにも見放された生き方をしている。 命を救ってもらった組長にイタリア遠征のコーチの話を聞き、県リーグあたりのチームと思い引き受けたが、そのスジの面々で構成された極道チームだった。ほとんど中学生レベルの実力で、小さな揉め事で乱闘が絶えない子分達の練習態度に頭を痛める。 恋人は金曜日のバラと呼ばれるお嬢様で、時々練習風景を見学に来ている。

奥崎 加寿彦 (おくざき かずひこ)

ヨーロッパで10年活躍した元プロサッカー選手。イタリア側のチームがプロの選手を雇った事が分かり、地元横浜出身として真っ先に助っ人候補としてその名が挙がった。しかし、身元を確認したところ服役中で、釈放まで残り4か月だった。借馬良が幼馴染の陣場刑事や法務省の高官を脅迫して無理やり釈放させ、さらに家族を連れ出し強引にイタリアに呼びつけた。 ベンツSLを報酬に組長から雇われる。俊足が自慢。スポーツマンとして借馬良の卑怯なプレイスタイルに嫌悪感を抱いている。フェラリーノ一家に家族を人質に取られ、試合では八百長プレイを強いられてしまう。

組長 (くみちょう)

関東一の暴力団組長。日本進出を狙うイタリアマフィアのフェラリーノ一家と横浜の縄張りを争い、サッカー対抗試合の申し出を受ける。表向きはドイツ菓子を扱う大規模チェーン店を展開し、店舗の上の階が組事務所になっている。金に物を言わせ、暴力団抗争の専門家の借馬良やサッカー経験者の伊藤機久馬、奥崎加寿彦を次々雇い入れ、系列20組2000人の組員の中から11人を選んで極道チームを結成させる。 金は出すものの、節操のない子分達の使い方に手を焼いている。派手好きで、花札やサイコロがデザインされた柄の悪いユニフォームをデザインし、強制的に選手達に着させた。自宅ではシルベスター、ドルフという亀やアーノルドという名のアライグマなど、さまざまな動物をペットとして飼い、子分達に世話をさせている。 試合中は敵の汚いやり口によって頭に血が上り、審判に悪態をついた揚句、出されたレッドカードも燃やしてしまう。

ドン・グッシャーリ (どんぐっしゃーり)

イタリアマフィアの首領。シシリー島にある本場マフィアの村で一族と暮らしながら、国内のみならずロンドン、ニューヨーク、香港、東京といった世界各国の組織を牛耳って陰から動かす大物中の大物。借馬良には半年前娘に手を出された恨みがあり、一度は捕らえて鎖で縛りつけたまま海の中に放り出している。 ダイバーを使い生き延びた事を知り、再びイタリアを訪れた機会に捕え、古くから伝わる方法で苦しませながら殺すつもりだったが、300年間抗争を続けている宿敵フェラリーノ一家が日本に勢力を伸ばす事は都合が悪いため、極道チーム側に立ち試合をサポート。借馬良の処刑も1週間後まで延ばす。 広大な庭にはサッカー練習場が備わっている。

古城 (こしろ)

関東一の暴力団組長の系列20組2000人を集めて選抜したテストに合格した組員の一人。極道チームのメンバーとしてイタリアに向かう。巨大な石を素手で割る空手の使い手で、得意技はヒジ打ち。スキンヘッドと両こめかみのホクロが特徴。主力選手としてピッチに立ち、借馬良から奥の手を出す合図が出ると、仲間の電車専門のスリ・ハコ師の竹さんやラインズマンの肩の関節を外す元マッサージ師の行う反則行為をサポートした。 PKのチャンスを掴むため、アバラを3本折られても敵からファールを奪おうとする、極道の手本のような根性の持ち主。

板前 (いたまえ)

関東一の暴力団組長の系列20組2000人を集めて選抜したテストに合格した組員の一人。サッカー経験が無くルールにも詳しくないため、ピンチの場面で敵の息がかかった審判の態度に激怒し、不用意に暴言を吐いて退場処分となってしまう。チームに迷惑を掛けてしまった事を悔やみ、場内に入れない借馬良から伝令を頼まれると、敵の襲撃を受けて瀕死の状態になりながらも、誰にやられたかも告げずに最後の力を振り絞って仲間に奥の手の合図を出して貢献した。

植田 竜 (うえだ りゅう)

関東一の暴力団組長の系列20組2000人を集めて選抜したテストに合格した組員の一人。港町一丁目一家から来た居合抜きの達人。極道チームのメンバーとしてイタリアに向かう。165センチあるかという背の低さながら、借馬良に鼻先10センチで相手の剣をかわして相手に踏み込む剣道のセンスを買われ、センターフォワードに抜擢。 優れたタイミングのヘディングを決めた。同じテストに合格した他の組員には、キックボクシングで鍛えた足の力が自慢の十文字一家のゾンビや、得意なゴルフで培った距離感をフリーキックに活かす陣内一家桜組の花形、さらに首からぶら下げた数珠に見立てたビー玉を葡萄の種飛ばしの要領で敵の目にめがけて打ち込む男などがいる。

金曜日のバラ (きんようびのばら)

父親は航空会社の社長というお嬢様で、自社CMの水着ポスターも評判の絶世の美女。タレントにしようとテレビ局が追いかけ回しているが、本人は派手な事が嫌いで一切断っていることが週刊誌でも話題になっている。伊藤機久馬の恋人だが、たまたま練習を見学に来ていた所を何も知らない借馬良に一目惚れされた。 高嶺の花にもかかわらず、習い事の乗馬や生け花、通いのジャズクラブ・バードランディまで付きまとわれ、果敢にアタックされる。堕落してツキにも見放された伊藤機久馬を現状から立ち直らせて欲しいと、借馬良に懇願する。

陣場 (じんば)

横浜管内の刑事で、奥崎加寿彦を逮捕した男。警察の発砲騒ぎなどでうるさい世論を気にして、射撃練習も吹き矢で行うような堅物。借馬良とは高校時代からの友人で、昔から金がなくなり下宿に転がり込まれるといった迷惑を散々掛けられてきた。シチリア島の新婚旅行先にまで借馬良が押しかけ、奥崎加寿彦の釈放を要求された上に、借馬良の命を狙うグッシャーリ一家の襲撃の巻き添えを食い、新妻とともにドン・グッシャーリの屋敷に連行されてしまう。

イタリアのギャング

ドン・グッシャーリの側近。本人は気に入っていないが、借馬良からこう呼ばれる。日本語の通訳としてグッシャーリに代わり屋敷で借馬良達を待ち受けた。ドン・グッシャーリの命令で極道チームに協力する一方で、義理人情よりも将来性のある方に付いて人生を楽して過ごしたいという思いから、敵対するフェラリーノ一家とも手を結ぶ。 何も知らない借馬良から救出した奥崎加寿彦の家族を護衛するように頼まれる。

モモ田浦 (ももたうら)

試合会場となるイタリアでも有数の厳戒警備を誇る刑務所、トルサロディに服役中の囚人。場外で人質になっている奥崎加寿彦の家族を救出するために、ドン・グッシャーリの村出身の看守部長の人選で、敵の元に人知れず素早く辿り着く方法を教えた脱獄の名人。これまでに他の刑務所で3回脱獄未遂を起こし、牢獄内には日用品に見せかけて脱出用のボーガンやロープ、ヤスリなどを隠し持っている。 ヒゲ面にメイクをしウィッグをつけたゲイ。どさくさに紛れて逃亡しようと救出に同行する。

マリ

借馬良の娘。小学3年生。おませで口うるさい。親子二人でキャンピングカーで暮らしている。幼いながらもしっかり者で、借馬良の食事などの世話をしている。部屋にポスターを貼る程マッチが好きで、上から勝手に自分好みのポスターを貼った借馬良に小言を言っている。

借馬の子分 (かりまのこぶん)

能天気なチンピラ。借馬良がイタリア遠征に行くと聞きつけ、買い物旅行目当てに自分もサッカーチームのマネージャーとして雇ってもらえるように、組長に口を利いて欲しいと借馬良に頼んでいる。借馬良には、その邪な気持ちよりも、目当ての買い物が暴力団らしい銃ではなく、アルマーニの背広やジーンズであったり、フォンタナのバッグであることを怒られている。

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