シティーハンター

シティーハンター

北条司の代表作。主人公冴羽獠が、依頼人から受ける様々な問題を超一流の凄腕技術を使って次から次へと解決していく姿を描く。集英社「週刊少年ジャンプ」にて1985年13号から連載。

正式名称
シティーハンター
ふりがな
してぃーはんたー
作者
ジャンル
アクション
 
ギャグ・コメディ
レーベル
集英社文庫コミック版(集英社)
巻数
既刊18巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

舞台は東京・新宿。主人公冴羽獠の仕事は、この街で起きるトラブルを解決するスイーパー。彼のもとには、ボディガードなどの合法的なものから、連続殺人鬼の暗殺といった非合法なものまで様々な依頼が持ち込まれる。シティーハンターの名は、裏社会はもちろん表の世界でも知られており、一般人から依頼が舞い込むことも。また、知り合いの女刑事野上冴子の頼みで、警察の捜査に協力することもある。

依頼の方法は、まず依頼人が新宿駅東口にある伝言板に「XYZ」の暗語と連絡先を残す。それをパートナーである槇村香がチェック。問題なれば依頼成立となる。ただし、冴羽獠には、依頼が美女からのものか「心が震えたとき」しか依頼を受けないというポリシーがあり、依頼についての選り好みは激しい。

スイーパーは冴羽獠以外にもおり、作中にも元傭兵の海坊主やその相棒の美樹、冴羽獠の元相棒ミック・エンジェルなど何人かのスイーパーが登場している。ちなみにシティーハンターとは、元々は冴羽獠がこのミック・エンジェルとアメリカで組んでいたときに使っていたコードネームである。

依頼の報酬には作中では具体的に明記されていないが、結果的にタダ働きになる場合も多かった。また、依頼人が野上冴子など美女の場合は報酬に「一発」を要求することも多かったが、こちらに関しては支払われたことは一度もない。

依頼によってはヤクザなどの犯罪組織を相手にする場合もあり、なかでも強敵だったのが全米を牛耳る麻薬組織ユニオンテオーペ。日本進出の足がかりとして、新宿にエンジェルダストと呼ばれる麻薬を広めようとしたが、冴羽獠の活躍によって阻止された。しかし、その戦いにおいて、冴羽獠はパートナーである槇村秀幸を失っている。ユニオンテオーペの首領の正体は長らく謎とされていたが、物語終盤でその正体が冴羽獠の育ての親である海原神であることが明らかになった。

作品が描かれた背景

本作の連載が開始された1985年は、日本中が好景気に沸いた「平成バブル景気」が始まった年。一大消費ブームが起き、再開発目的の地上げなどが社会問題になった。テレビドラマでは沢口靖子主演の『澪つくし』、斉藤由貴主演の『スケバン刑事』が大ヒット、アニメでは『機動戦士Zガンダム』『タッチ』の放映がスタートしている。また、ファミリーコンピュータ用ソフト『スーパーマリオブラザーズ』が発売され、大ブームとなった。掲載誌である「週刊少年ジャンプ」に関しては、本作に前後して『北斗の拳』や『ドラゴンボール』、『聖闘士聖矢』、『ジョジョの奇妙な冒険』といった人気作が次々と連載を開始。「ジャンプ黄金期」と呼ばれている。

あらすじ

東京の新宿に拠点を置くシティーハンター冴羽獠。新宿駅東口の伝言板に「XYZ」が書き込まれると、依頼者のもとに現れ、たちどころにトラブルを解決する超一流のスイーパーだ。しかし、彼が依頼を受けるのは、依頼が美女からのものか、「心が震えた時」場合のみ。元刑事の相棒槇村秀幸にぐちられても、主義に反する依頼は決して受けることはない。

しかし、その相棒が麻薬組織ユニオンテオーペの手にかかり、無残に殺されてしまう。相棒の仇を討った冴羽獠は、組織から奪った金を持って彼の妹槇村香のもとを訪れる。金を持って逃げるように告げる冴羽獠に対し、槇村香は兄に代わって新しい相棒になると宣言。冴羽獠も彼女をパートナーと認め、2人はシティーハンターとしてコンビを結成する。

スケベで女好きな冴羽獠は、美女の依頼人に手を出そうとしては槇村香にハンマーで殴られたり、すまきにされたりとさんざんな目に遭いながらも、毎回見事に依頼を解決していく。

特殊設定

シティーハンターへの依頼の際に使われる暗語「XYZ」は、実在するカクテルの名前から来ている。作中でも、依頼人が冴羽獠との待ち合わせの目印にこのカクテルを注文するシーンが登場する。

作者の代表作である『キャッツ・アイ』のパロディも盛り込まれており、元傭兵で冴羽獠の同業者である海坊主が経営する喫茶店には、『キャッツ・アイ』の主人公である三姉妹が経営していた喫茶店と同じ店名キャッツアイが付けられている。また、作中には『キャッツ・アイ』の三姉妹を連想させるレオタードがコスチュームの女怪盗、麻生かすみも登場。のちに彼女はバイトとしてキャッツアイで働いている。

読み切り版

基本設定は読み切りとして描かれた『シティーハンター-XYZ-』(「週刊少年ジャンプ」1983年掲載)、『シティーハンター-ダブルエッジ-』(「フレッシュジャンプ」1984年掲載)が元になっている。数話完結形式で、主人公である冴羽獠のもとに依頼が持ち込まれる形でストーリーが進行する。冴羽獠が大の女好きということもあり、依頼主が美女、もしくは美女絡みの事件というケースが多い。

それまでの「週刊少年ジャンプ」連載のハードボイルド作品と違いコメディ色が強く、冴羽獠が美人の女性依頼者にやたらと「もっこり」(興奮して股間をふくらませること)したり、パートナーである槇村香が怒るたびにハンマーを振り回したりといったギャグ描写もふんだんに盛り込まれている。ただ連載開始当初は、作風もややシリアスよりで冴羽獠が悪人を容赦なく殺す場面もあった。

なお、作者の北条司は冴羽獠のトレードマークともいえる「もっこり」について、公式HPで「最初は下品かなぁと少し抵抗があったけれど、毎回実は、自分自身も楽しんで描いていたことは確か」と振り返っている。

メディアミックス

TVアニメ

最初のTVシリーズとなる『シティーハンター』が、よみうりテレビ・サンライズ制作で1987年より放送開始。その後、『シティーハンター2』(1988年)、『シティーハンター3』(1989年)、『シティーハンター’91』(1991年)と4度に渡り、アニメ化された。TVスペシャルも放送され、『ザ・シークレット・サービス』(1996年)、『グッド・バイ・マイ・スイートハート』(1997年)、『緊急生中継!?凶悪犯冴羽獠の最期』(1999年)の3作が制作されている。

放送時間帯を考慮してか、冴羽獠のトレードマークである「もっこり」に関しては、台詞のみで画としての描写は省かれている。

アニメオリジナルのエピソードも多く、中でも洗脳された槇村香が冴羽獠の敵となる『シティーハンター2』第49・50話「さらばハードボイルド・シティ」は、屈指の名エピソードとしてファンの評価も高い。

オープニングおよびエンディングには、TM NETWORKや小比類巻かほるなどの人気アーティストを起用。TM NETWORKが歌うエンディングテーマ『Get Wild』は、アニメのタイアップ曲としては異例の大ヒットとなった。なお、「本編のラストシーンにエンディング曲がフェードインし、そのままエンディングへ突入」というスタイルは、シリーズで共通している。

映画

1989年に初の劇場版作品となる『シティーハンター 愛と宿命のマグナム』が公開。翌1990年には『シティーハンター 百万ドルの陰謀』と『シティーハンター ベイシティウォーズ』が二本立てで公開された。また、1993年には香港のアクションスター、ジャッキー・チェン主演で実写映画化もされている。凄腕の私立探偵冴羽リョウが香港で失踪した日本の大企業の娘の行方を捜すというストーリーのアクションコメディで、当時国民的アイドルであった後藤久美子がヒロインの日本人令嬢役を演じ、話題となった。

ドラマ

2011年、韓国で『シティーハンター in Soul』のタイトルでドラマ化された。亡き父の復讐のため社会の悪を制裁していくシティーハンターイ・ユンソンと、大統領令嬢警護官キム・ナナの恋を描いたラブロマンスで、主演は神尾葉子の人気漫画をドラマ化した『花より男子~Boys Over Flowers』で道明寺司役を演じたイ・ミンホ。

2015年には『シティーハンター』のパラレルワールドを舞台にした『エンジェル・ハート』が実写ドラマ化。冴羽獠を上川隆也、槇村香を相武紗季が演じている。日本人俳優によるシティーハンター冴羽獠はこれが初となる。

小説

オリジナルストーリーとしては、原作のその後を描いた『CITY HUNTER』(著者:外池省二)、チャイニーズ・マフィアとの対決を描く『CITY HUNTER2』(著者:稲葉稔)の2冊が刊行。また、96年に放送されたTVスペシャル『ザ・シークレット・サービス』、同じく99年に放送された『緊急生中継!?凶悪犯冴羽獠の最後』がそれぞれ『CITY HUNTER SPECIAL』(著者:天羽沙夜)、『CITY HUNTER SPECIAL2』(著者:岸間信明)としてノベライズ化された。

ゲーム

1990年、サンソフトからPCエンジン用ソフトとして『CITY HUNTER』のタイトルで発売された。横スクロールタイプのアクションゲームで、プレイヤーは冴羽獠を操作し、用意されたミッションをクリアしていく。敵としてロボットやサーベルタイガーが登場したり、ラストで海坊主が冴羽獠の代わりにラスボスを倒してしまったりと、トンデモ展開のゲームだった。『シティーハンター』を単独で題材にした家庭用ゲームはこれ1本のみだが、主人公である冴羽獠は1989年に発売された『ファミコンジャンプ英雄列伝』にもゲームキャラとして登場している。

著名人との関わり

TVアニメで主人公冴羽獠を演じた声優の神谷明は、「自分が演じた中で冴羽獠が最も好きなキャラクター」と語っている。氏の公式ホームページのタイトル『冴羽商事』も、冴羽獠が由来となっている。

登場人物・キャラクター

冴羽 獠 (さえば りょう)

裏の世界でナンバーワンと呼ばれる程の腕を持つスイーパー。依頼は美女からのものか、「心が震えた時」しかしない主義。大変な女好きで、下着を餌にされたりすると簡単に罠にかかったり、野上冴子の色香に惑わされてはいいように仕事をさせられ、依頼人の女性にはほぼ夜這いをかけようとしている。しかし女性にちょっかいを出そうとするたびに、槇村香の100tハンマーで殴られたり、巨大こんぺいとうが飛んできたりして天誅がくだる。 幼い頃乗っていた飛行機が、長く内乱が続いていた中米の小国のジャングルに墜落して唯一生き残った生存者。そこで生き残るためにゲリラの戦士となった。そのため飛行機恐怖症になり、自分の誕生日なども解らず、国籍などもない。 そんな冴羽獠に槇村香は、二人が出会った3月26日を誕生日に決める。アメリカにいた頃は破滅的で、戦いの中に死に場所を求めているようであったが、槇村秀幸、槇村香の二人のパートナーと出会ったことで誰かのために生きようと変化する。

槇村 香 (まきむら かおり)

ヒロイン。誕生日は3月31日。槇村秀幸の警官であった父が、赤ん坊であった槇村香を引き取った。本当の父親は、槇村秀幸の父が追跡中に事故死させた殺人犯で、本当の母も亡くなっている。槇村秀幸が実の兄ではないという事は実は知っているがそれは秘密にしている。髪はショートカット、身長は170cm超で、服によっては男に間違われる事もあるが、いいスタイルをしている。 槇村秀幸が殺されて冴羽獠の新しい相棒になるが、冴羽獠の仕事のえり好みや、飲み歩いての散財などによりいつも資金に困っている。とにかく女性好きの冴羽獠に頭を悩ませ、100tハンマーで殴ったり、巨大こんぺいとうや海坊主直伝のトラップで冴羽獠が女性に手を出すのを阻止している。 香りが使っている銃は昔槇村秀幸が使っていたものだが冴羽獠によってまともに真っ直ぐ飛ばないように細工されている。冴羽獠に初めて会ったのは、高校2年の春。

槇村 秀幸 (まきむら ひでゆき)

冴羽獠の親友で相棒。槇村香の兄。元警察官で野上冴子とコンビを組んでいた。人身売買組織の捜査中に同僚で囮捜査官の婦人警官が殺された責任を取らされて辞職。巨大麻薬組織ユニオン・テオーペの手によって殺害される。

野上 冴子 (のがみ さえこ)

警視庁特捜課の刑事。槇村秀幸が警察を辞めるまでコンビを組んでいた。銃の腕前はかなりのもの。投げナイフを体に忍ばせている。冴羽獠に色香で迫っては危険な依頼を押し付けこき使っている。冴羽獠への報酬は「もっこり」で払うという話になっているが、のらりくらりと毎回逃げている。 冴羽獠と槇村秀幸とは三角関係であった。二人の事を愛したが、どちらかに決めなければと思った矢先に槇村秀幸が死亡し、その時から野上冴子の心に槇村秀幸へのこだわりが強く残り、心が宙ぶらりんなままでいる。自分より弱い男と結婚する気は無いと、父親が選び抜いた6人の見合い相手の力試しをして全て断っている。 野上麗香、野上唯香、さらに双子の女の子の5人姉妹の長女。

伊集院 隼人 (いじゅういん はやと)

冴羽獠の悪友で親友。超一流のスナイパーで冴羽獠の同業者。トラップの名手で槇村香にそのテクニックを教えている。かなりの巨体でこわもてだが猫が苦手で、女性や美樹に対してはゆでダコの様に顔が真っ赤になる。スキンヘッドで口ひげをはやしていて、いつもサングラスをかけている。愛称はファルコン、海坊主。 本名は伊集院隼人だが、あまりにも立派過ぎる名前という事で冴羽獠が海坊主という名前を付けたら、瞬く間に仲間に広まって定着した。海坊主はその仕返しに冴羽獠に「新宿の種馬」というあだ名をつけて広めた。元傭兵で、PCP(エンジェルダスト)を投与された冴羽獠に海坊主の部隊は彼以外殺され、海坊主も眼を負傷し視力がかなり悪くなり、後に失明した。 眼が見えなくなっても普段の生活等に支障はなく、車の運転もする。美樹に好かれていて、彼女が始めたCOFFEE HOUSE CAT'S EYEを共に営むようになる。

教授 (きょうじゅ)

冴羽獠のことを「新宿の種馬」や昔のあだ名の「ベビーフェイス」などと呼ぶ。冴羽獠は彼には敬語で話す。外観は日本家屋、中は洋風なかなり立派は屋敷に住んでいる。冴羽獠をこの世界に引き込んだ男で、コンピューターをハッキングして世界のあらゆる情報をのぞく事ができる。冴羽獠のスケベの先生で、気絶してもお尻をなでてくる。 ゲリラ兵の軍医だったことがあり、PCP(エンジェルダスト)の死の淵から冴羽獠を助けた事がある。

名取 かずえ (なとり かずえ)

T大の研究室に籍をおいていた免疫学者。喜多川産業の生化学研究部にいた彼女のフィアンセが生物兵器とは知らずに殺人蜂を作ってしまった。その事を知ったフィアンセは計画に反対したことで殺されてしまう。殺人蜂を手に入れて、フィアンセが開発していた未完成の解毒薬を完成させるため、喜多川産業に乗り込むが見つかり追われている所を冴羽獠に救われる。 殺人蜂は冴羽獠の助けを借りて壊滅させることができた。その後アメリカの大学の研究所から誘いが来ていたが、冴羽獠の事が好きになり一時身をよせていた教授のアシスタントになり冴羽獠のそばにいることを決める。

麻生 かすみ (あそう かすみ)

表の顔は三つ編みおさげで、眼鏡をかけた田舎娘な感じの17歳の女子高校生。しかし実は代々泥棒請負業の家系で怪盗305号というドロボーをしている。怪盗305号のときの姿は眼鏡をはずし、髪をおろしてレオタードを着ている美人。ある老花師が育てていた、盗まれた黒いチューリップを取り戻すのを手伝ってほしいと冴羽獠に協力を依頼する。 またその2年後冴羽獠に再会する。成人したら泥棒をやめ、決められた相手と結婚しなければいけないという一族の掟から逃れたくて、冴羽獠に偽の恋人役を依頼する。冴羽獠を好きになった麻生かすみは彼の心を狙うため、COFFEE HOUSE CAT'S EYEで住み込みでバイトすることにする。 誕生日は1月15日で美樹と同じ誕生日。

野上 麗香 (のがみ れいか)

野上冴子の妹で元警察官。相棒の友村刑事が殺され、その犯人を見つけるために刑事を辞め、冴羽獠が住む隣のビルにRN探偵社を開く。友村刑事の事件を追う内に冴羽獠を好きになり、冴羽獠と結婚して夫婦探偵になる夢を持つ。そのため野上冴子が警官復帰の話を持ってきたにも関わらず新宿に留まる。 24歳。バスト88C。野上冴子、野上唯香、さらに双子の女の子の5人姉妹の次女。

美樹 (みき)

海坊主に結婚を申し込んだ女傭兵。右目の下にほくろがある。海坊主と、冴羽獠をやったら結婚するというカケをして冴羽獠を狙う。伊集院隼人の事をファルコンと呼び、冴羽獠が海坊主と呼ぶ事を許せない。8歳のとき内乱の続く国で両親を亡くしたところを海坊主に育てられ、身を守る術を教えられた。 海坊主を慕って同じ傭兵部隊に入ったが、海坊主は美樹を戦場から遠ざけ、普通の女性としての人生に戻すため噓をつき彼女を置いて立ち去った。しかし海坊主と一緒になりたいために彼を追いかけて日本まで来る。COFFEE HOUSE CAT'S EYEを経営していて、冴羽獠と槇村香が来ては喧嘩をし、よく店が壊されている。 誕生日は1月15日で麻生かすみと同じ誕生日。

ローズマリィー・ムーン

冴羽獠がアメリカにいた頃のアシスタントで、その道では通称ブラッディ・マリィーと呼ばれるプロの始末屋。ローズマリィー・ムーンの父親が冴羽獠の一番最初のパートナー。名前と同じブラッディ・マリィーという酒を好んで飲む。表向きは美貌を生かしてモデルをしていて、マネージャーとは恋人同士。 その恋人であるエリックが冴羽獠とブラッディ・マリィーに恨みを持つ者に誘拐され、冴羽獠を殺すように命令される。

ソニア・フィールド

父ケニー・フィールドを殺した相手が冴羽獠だと知り、復讐をするために裏の世界に入り腕を磨く。しかし冴羽獠を殺るまでの力は得られず、代わりに海坊主に冴羽獠を消す事を依頼する。海坊主に復讐を依頼したにも関わらず、勝手に行動して槇村香を人質にとったりと復讐のことしか頭になく暴走。 しかし事実は、ケニー・フィールドは犯罪シンジゲートに人質にとられた自分を助けるため冴羽獠に決闘を挑み、わざと倒された事を知る。その事を知って裏の世界から足を洗い表の世界で生きていく事を決める。冴羽獠がユニオン・テオーペに狙われている事を知り、海坊主に冴羽獠を助け一緒に戦ってほしいと頼みに再来日する。 しかし海坊主からは断られ、一人で海原神を暗殺しようと彼のいる船に行くが、返り討ちにあう。

ケニー・フィールド

アメリカでトップを争うバウンティー・ハンター。冴羽獠の元相棒。右目に十字の傷がある。娘のソニア・フィールドを犯罪シンジゲートに人質に取られ、冴羽獠を殺せと命令される。娘と共にシンジゲートから逃げ切る自信はなく、冴羽獠にわざと殺され、自分が死ぬ事で娘の命が狙われないようにした。 自分は事故で死んだと娘に伝えてほしいと遺言を残す。

ミック・エンジェル

冴羽獠のアメリカでの相棒で凄腕スイーパー。二人でコンビを組んだときのコードネームがシティーハンターだった。冴羽獠を殺すために来日した。とてつもなく女癖が悪く、そのあたりで冴羽獠と気が合う。仕事に私情は挟まず、極めてクールでドライ。金の折り合いがつけば恋人でも殺すといわれている。 ターゲットの男に恋人がいた場合は、その恋人が後で涙を流さないよう、必ず自分に惚れさせてから仕事を行うのがポリシー。そのためターゲットである冴羽獠に惚れている槇村香にちょっかいをかけていたが、彼女と接しているうちに本気で好きになる。冴羽獠殺害を放棄した彼は依頼者により、搭乗した飛行機と共に爆破される。 海原神によってエンジェル・ダストを投与される。

海原 神 (かいばら しん)

日系人。冴羽獠の育ての親であり名付親でもある。血のつながりは無いが冴羽獠は彼のことを「おやじ」と呼び、彼は冴羽獠の事を「息子」と呼んでいた。冴羽獠やケニー・フィールドと共にゲリラで戦う同志であった。しかし地獄のような戦争の中で生き延びるためには狂気に走るしかなく、冴羽獠をだましエンジェル・ダストを投与し戦場に送り込む。 今はユニオン・テオーペの総帥で長老(メイヨール)と呼ばれる人物。昔捕虜になった冴羽獠を助けにいき左足を失っていて、その足の義足には爆弾が仕込まれている。

将軍 (じぇねらる)

ユニオン親衛隊の将軍。右腕、右足に武器を仕込んでいる。表向きは普通の綺麗なお店だが、実は盗品を扱っている宝石店を経営している。その店も、屋敷も冴羽獠によって荒らされ、ユニオンに収める上納金まで奪われる。その失敗によりユニオンの長老により額に死の烙印を焼かれ、最後通告を受ける。 自らにエンジェルダストを投与して冴羽獠に戦いを挑むが、左足の義足に仕込んだグレネードランチャーの砲身に弾を撃たれて爆死。

竜神 信男 (りゅうじん のぶお)

竜神会の会長。髪が左右だけ残して禿げており、ちょび髭をはやしていている太ったおじさん。冴羽獠に一億で竜神会幹部4人をユニオン・テオーペから守ってほしいと依頼する。それに対して冴羽獠は一人1億で5億とふっかけ交渉決裂。お互い隠しもった銃や隠れていた部下とやりあうが、あっけなく冴羽獠が勝ち、用意されていた1億をお持ち帰りする。 その後一億持っていったなら仕事しろと、娘の竜神さやかのボディガードを依頼する。

竜神 さやか (りゅうじん さやか)

竜神信男の娘で、高校3年の女子高生。スケバンの頭。ヤクザが嫌いで一人暮らしをしている。ディスコで暴走族の頭に大怪我を負わせて恨みを買い、その仕返しを心配した父が冴羽獠に竜神さやかのボディーガードを頼む。住み込みの家庭教師として来た冴羽獠を最初は追い出そうとするが、次第に惹かれて好きになる。

佐藤 由美子 (さとう ゆみこ)

冴羽獠が彼女の初主演映画を5回を見るくらい大好きな女優。ワタベプロダクション所属。撮影中に何度も危険な事にあい、命を狙われているのではないかとプロダクションの社長が冴羽獠に彼女のボディガードを依頼する。しかしその事故は、恋人を失った佐藤由美子が、自分を殺してくれと海坊主に頼んで起こったものだった。

片岡 優子 (かたおか ゆうこ)

世界でもトップ企業の片岡グループの会長の娘で、会長が亡くなり遺産相続を巡って片岡優子が狙われるようになる。片岡家で働く執事の四谷政男から、ある人の変わりに片岡優子を守ってほしいという依頼を冴羽獠は受ける。そのある人とは、幼い頃の片岡優子を誘拐しようとした犯人を一瞬のうちにたたき伏せ、ペンダントだけを残して立ち去った片岡優子の白馬の騎士的存在であった。 人嫌いの片岡優子でも、そのある人物に似ている冴羽獠なら側においてくれるのではないかと執事は依頼しに来たのだった。

牧野 陽子 (まきの ようこ)

鬼英会のカジノで働くディーラー。さらにトランプのカードが何かを100%当てられるという力を持っている。そのため鬼英会は牧野陽子を手放そうとしないが、彼女は好きな人ができて自由になりたかった。鬼英会と対抗組織の大勝負に勝つ事ができたら足を洗っていいという条件でディーラーをする事になったが、それを知った対抗組織が牧野陽子を消そうと動き始める。 その事を知った牧野陽子は、冴羽獠に自分を守ってほしいと依頼をする。恋人の条件は自分より勝負運が上の男。

氷室 真希 (ひむろ まき)

20歳の天才バイオリニスト。幼い頃唯一の肉親の父親を亡くす。父の死後、「昔の父の親友-隼」と書かれた人物から毎月お金が送られてくるようになる。実はその人物は海坊主だった。海坊主は傭兵時代の上官で命の恩人である氷室真希の父への恩返しに、氷室真希にお金を送っていた。一度でいいから会いたいという彼女に、海坊主は冴羽獠に自分の代わりに会ってほしいと依頼をする。

立木 さゆり (たちき さゆり)

槇村香の実の姉。幼い頃両親が離婚して、母のほうに姉妹ともにひきとられた。しかしそれに納得できなかった父の久石純一が妹の槇村香を連れ出し行方をくらましてしまう。その事実を母が亡くなるときに知らされ、2年かけて槇村香の居所を探し出し、冴羽獠が妹の行方を知っていると聞き、会わせてほしいと頼む。 しかし槇村香は槇村秀幸のことを本当の兄だと思っていて、真実を伝える事が槇村香の幸せかわからないからと、姉と名乗らずにしばらく同居する事を提案される。ウィークリィ・ニュースという硬派なニュース誌の編集長を勤めている。大企業のスキャンダルをあばいた記事を載せ始めてから脅迫文や電話が来るようになった。

北原 絵梨子 (きたはら えりこ)

槇村香の高校の同級生。北原エリの名前で新進デザイナーとして活躍している。ファッションセンスの無い人をけなす傾向があり、冴羽獠もその一人。街中で見つけた槇村香のスタイルにほれ込みモデルにナンパして再会した。あるところで手に入れた化学式を水着のデザインに取り入れたところ事務所が荒らされたりするようになる。 実はそれは国家機密の生物化学兵器の化学式だった。敵に拉致されそこから逃げる際、冴羽獠の服に仕込まれた武器の数々を駆使して戦う姿を見て、冴羽獠の服のセンスを生きるためのファッションだと認めるようになる。

神宮寺 遙 (じんぐうじ はるか)

神宮寺道彦の息子の親友の娘。神宮寺道彦の息子と神宮寺遙の父親は、お互い子供が生まれたら結婚させようと約束をしていた。神宮寺遙は、両親が事故死し身寄りがなくなったが、神宮寺道彦が自分の孫の嫁になる娘だということで養女として迎え入れた。和服の似合う髪の長いおとなしい感じの女性だったが、冴羽獠と槇村香に出会い、待っているだけの人間ではなく、自分から動く人になろうと変化する。 その変化は外見にもあらわれ、長かった髪をバッサリと肩まで切る。

神宮寺 道彦 (じんぐうじ みちひこ)

神宮寺遙の義理の祖父。家の中にのぞきの為の隠し通路を作るくらいスケベで女好き。27年前中米で行方不明になった親子3人を探している。行方不明になった子供の名前は神宮寺諒一といい、冴羽獠が諒一でないかと思っている。冴羽獠に神宮寺遙のガードを依頼し、一つ屋根に暮らさせて既成事実を作って結婚させようと計画する。

北尾 裕貴 (きたお ひろたか)

立河署から本庁の一課に移ってきた、たたきあげの警部補。見かけは槇村秀幸にそっくり。野上冴子の7人目のお見合い相手。兄を尊敬しあこがれて警察官になったが、その兄が職務中に殺し屋と撃ち合い殺された事で、殺し屋に強い嫌悪感を抱くようになった。そのため裏のナンバー1の殺し屋といわれるシティハンターを逮捕しようとしている。

野上 唯香 (のがみ ゆか)

野上冴子、野上麗香、さらに双子の女の子の5人姉妹の三女。北野ユカの名前でミステリー小説を書いていて、最新作は「警視庁の女豹 刑事サヨコ」でベストセラーになっている。実はこの小説は姉の野上冴子がモデルで、内容は野上冴子のコンピューターから盗み見た実際の事件をほとんどそのまま書いているもの。 リアリティーを追及するタイプの小説家で、冴羽獠をモデルにスイーパーものを書こうと密着取材を試み、冴羽獠の家におしかけてくる。

集団・組織

ユニオン・テオーペ

『シティハンター』の登場組織。中南米が本拠地の、麻薬密売組織。PCP(エンジェルダスト)という麻薬を製造している。総帥は海原神で長老(メイヨール)と呼ばれる。

場所

COFFEE HOUSE CAT'S EYE

『シティハンター』の登場する店。美樹が傭兵を辞めた後に始めた店。海坊主と思いが通じた後は美樹と二人で店を切り盛りするようになる。麻生かすみも後に住み込みのバイトとして働くようになる。シェルターや、地下には射撃場があったりする。冴羽獠と槇村香が顔を出しては喧嘩をしてその度に店が壊れる。

その他キーワード

PCP (えんじぇる・だすと)

『シティハンター』に出てくる麻薬の名前。この薬を使うと超人的な体力と回復力を得る事ができる。銃弾を20数発撃たれても、痛みを感じず生きていられるようになる脅威の薬。ただ親友だろうが、恋人だろうが関係なく人を殺す殺人マシーンになってしまう。槇村秀幸はこの薬を打たれた人間に殺された。新型は洗脳効果も高く、ミック・エンジェルは新型を投与され海原神の命令で冴羽獠を殺そうとする。

関連

エンジェル・ハート (えんじぇる はーと)

殺人兵器として生きてきたグラス・ハートが、自殺を図り、別人の心臓を移植されたことで、違う人生を歩む姿を描くアクション漫画。北条司の漫画『シティーハンター』のパラレルワールド的世界観の作品。 関連ページ:エンジェル・ハート

エンジェル・ハート 2ndシーズン (えんじぇる はーと せかんどしーずん)

北条司の代表作『シティーハンター』を、家族愛をテーマにリメイクした『エンジェル・ハート』の第2シーズン。中心となるストーリーは存在せず、数話にわたって展開される中編で構成。どんな依頼でもこなすシティハ... 関連ページ:エンジェル・ハート 2ndシーズン

今日からCITY HUNTER (きょうからしてぃー はんたー)

北条司の代表作『CITY HUNTER』のスピンオフ作品。『CITY HUNTER』オタクのOL、青山香(西園寺沙織)が『CITY HUNTER』の世界に転生し、あこがれの冴羽獠や槇村香と共に第二の人... 関連ページ:今日からCITY HUNTER

CITY HUNTER外伝 伊集院隼人氏の平穏ならぬ日常 (してぃーはんたーがいでん いじゅういんはやとしのへいおんならぬにちじょう)

北条司著『シティーハンター』のスピンオフ。一話完結形式。現代の新宿が舞台。高層ビルに囲まれた場所にある喫茶店「キャッツアイ」の名物マスター「海坊主」こと伊集院隼人が主人公。喫茶店を訪れる人々の悩みに応... 関連ページ:CITY HUNTER外伝 伊集院隼人氏の平穏ならぬ日常

アニメ

シティーハンタースペシャル グッド・バイ・マイ・スイート・ハート

プロのスイーパー、シティーハンター冴羽獠に、新宿歌劇団の男役トップ真風笑美が、唯一の肉親である兄の捜索を依頼してきた。だが、彼は家を出るときに写真をすべて処分してしまったため、顔がわからなかった。 そ... 関連ページ:シティーハンタースペシャル グッド・バイ・マイ・スイート・ハート

シティーハンター 3

冴羽獠は、伝説のスイーパー(始末屋)「シティーハンター」として、探偵や用心棒をこなす、銃の名手。新宿駅東口の伝言板に「XYZ」を書いた美女達の依頼を解決していた。ある日、麻薬密売組織により、獠の相棒、... 関連ページ:シティーハンター 3

シティーハンター2

冴羽獠は、伝説のスイーパー(始末屋)「シティーハンター」として、探偵や用心棒をこなす、銃の名手。新宿駅東口の伝言板に「XYZ」を書いた美女達の依頼を解決していた。ある日、麻薬密売組織により、獠の相棒、... 関連ページ:シティーハンター2

シティーハンター'91

冴羽獠は、伝説のスイーパー(始末屋)「シティーハンター」として、探偵や用心棒をこなす、銃の名手。新宿駅東口の伝言板に「XYZ」を書いた美女達の依頼を解決していた。ある日、麻薬密売組織により、獠の相棒、... 関連ページ:シティーハンター'91

シティーハンター

冴羽獠は、伝説のスイーパー(始末屋)「シティーハンター」として、探偵や用心棒をこなす、銃の名手。新宿駅東口の伝言板に「XYZ」を書いた美女達の依頼を解決していた。ある日、麻薬密売組織により、獠の相棒、... 関連ページ:シティーハンター

書誌情報

City Hunter(シティー・ハンター) 18巻 集英社〈集英社文庫コミック版〉

第1巻

(1996-01-01発行、 978-4086171618)

第2巻

(1996-01-01発行、 978-4086171625)

第3巻

(1996-01-01発行、 978-4086171632)

第4巻

(1996-01-01発行、 978-4086171649)

第5巻

(1996-01-01発行、 978-4086171656)

第6巻

(1996-01-01発行、 978-4086171663)

第7巻

(1996-01-01発行、 978-4086171670)

第8巻

(1996-01-01発行、 978-4086171687)

第10巻

(1997-01-01発行、 978-4086171700)

第11巻

(1997-01-01発行、 978-4086171717)

第12巻

(1997-01-01発行、 978-4086171724)

第13巻

(1997-01-01発行、 978-4086171731)

第14巻

(1997-01-01発行、 978-4086171748)

第15巻

(1997-01-01発行、 978-4086171755)

第16巻

(1997-01-01発行、 978-4086171762)

第17巻

(1997-01-01発行、 978-4086171779)

第18巻

(1997-01-01発行、 978-4086171786)

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