機動旅団八福神

機動旅団八福神

中国の属国となりアメリカと敵対することになった近未来の日本を舞台に、絶対防御の最新兵器「福神」に乗って「誰も死なない戦争」という道を模索する青年名取不二雄の姿を描いたSF戦記漫画。第九回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門推薦作品。

正式名称
機動旅団八福神
ふりがな
きどうりょだんはちふくじん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
戦争
レーベル
ハルタコミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊10巻
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概要・あらすじ

中国の提唱するアジア圏をまとめ上げる汎亜細亜共栄圏に組み込まれた近未来の日本はアメリカと対立。人を救うことを目標とする青年・名取不二雄は、汎亜細亜共栄圏の軍隊の一つ、環東軍に入隊を決意。名取は癖のある同期と共に訓練を積んでいく。そして環東軍が誇る新兵器、「絶対防御」のパワードスーツ「福神」に乗るためのメンバーが選出、名取は隊長に任命される。

名取ら隊員たちは福神に守られ、底の見えない戦いに臨んでいく。

登場人物・キャラクター

名取 不二雄 (なとり ふじお)

福神2号機のパイロット。「誰も死なない戦争」という道を目指して環東軍に入隊した青年。「考える兵隊」になろうとしている。普段は気弱だが、自分の信念に合わないものに反抗する強情さも持ち合わせる。福神隊の隊長に任命された当初は隊員たちからの反発もあったが、数々の戦場を経験する内に急成長していく。 考え事をする際に、顔面を手で覆う癖がある。

半井 亜矢 (なからい あや)

福神1号機のパイロット。奇妙な言動が目立つ白髪の少女。環東軍に入隊し、その圧倒的な運動神経からいち早く福神を乗りこなすことが出来た。しかし、自分で考えること嫌っており、他人からの命令でしか動くことが出来ない。

王 玲花 (うぉん れいふぁ)

福神3号機のパイロット。中国本土から特待生として環東軍に所属することとなった中国人女性。美人だが、キツイ性格の持ち主。しかし、実際には己のプライドを傷つけることに快楽を感じるマゾヒスト。

向田 兆治 (むこうだ ちょうじ)

福神4号機のパイロット。自衛隊に所属した経験のある福神隊のメンバー。左目に切り傷がある。あらゆる戦闘技術に長けた屈強な男であるが、精神的弱さも持ち合わせている。非常に喧嘩っ早く、福神隊が結成された当初は名取不二雄の指示に不満を抱いていたが、しだいに成長していく名取に信頼を置いていく。

布施 幹夫 (ふせ みきお)

福神7号機のパイロット。福神隊のメンバーの一人。突拍子もない行動が目立つ軍一番の変人でありながら、他人の性格を顔を見るだけで判断出来るという鋭い観察眼の持ち主。当初はアメリカのスパイではないかとの疑いがかけられていたが、実は中国が抱える諜報員だったことが後に判明する。

夏目 宇宙 (なつめ こすも)

福神5号機のパイロット。福神隊のメンバーの一人で、明るく人懐っこい性格。生まれ故郷や家族を戦争によって無くしており、時折暗い影が差す。当初は隊長の名取不二雄に対して好意的に接していたが、後に名取が方向性を固めていくと、彼の正義感を偽善として反発することが増えていく。

弓削 豪 (ゆげ ごう)

福神6号機のパイロット。福神隊のメンバーの一人で、銃を撃ちたいという幼稚な理由から環東軍に入隊した男性。努力家だが、要領が悪い上に能力も人並み。

中道 晶 (なかみち あきら)

福神隊のメンバーの一人。衛生兵であるため、白地に赤十字マークの入った福神に搭乗する。戦争を憎み、祖父の発明品が軍事利用されていることに行き場のない怒りを感じている。良くも悪くも真っ直ぐな性格をしており、行動力にも優れる。

四方田 (よもだ)

当初福神隊の監督をしていた妙齢の女性軍人。階級は軍曹。有能だが軍律に厳しい性格であり、手も早い。「考える軍人」を目指す名取不二雄に微かな期待を抱いている。

千年屋 晴香 (ちとせや はるか)

軍需企業・よつば重工業の社長を務める初老の男性。奇抜な格好をしているが、正論を言うことが多い。中道晶の祖父が開発した、衝撃吸収ゼリーを用いて、防御面で優れるパワードスーツ・福神を開発した。

ノーマン・ヒューム

アメリカ軍に所属する男性で、無人兵器・リカオンの操縦者で随一の腕前を誇る。資本家を悪党として敵視しており、殺してもいいと考えている。生まれつき足が不自由で、車椅子で生活している。活字中毒の母親と長い間二人で暮らしており、ある日唐突に彼女を殺してしまったことが深い心の傷となっている。

集団・組織

環東軍 (かんとうぐん)

『機動旅団八福神』に登場する軍隊。汎亜細亜共栄圏を提唱する中国が作った軍隊で、主に日本人を中心に構成されている。新兵器の福神で構成された部隊があり、名取不二雄が隊長を務めている。日本を中国から取り戻そうとする自衛隊とは折り合いが悪い。

その他キーワード

リカオン

『機動旅団八福神』に登場する兵器。アメリカ軍が開発した無人兵器で、死刑囚などの脳を兵器に移植させることで遠隔操作を可能にしたもの。死刑囚は既に法的に人間ではないため、誰も死なない戦争が出来ると開発者・ファインマンは語る。同時に、半重力マシンを用いることで空中を浮遊するように跳ぶことも可能であり、福神隊を幾度となく追いつめた。

福神 (ふくじん)

『機動旅団八福神』に登場する兵器。軍需工場・よつば重工業が開発したパワードスーツ。二足歩行をする太ったカエルのような容姿。中道晶の祖父が開発した特殊なゼリーを緩衝剤として用いることで核兵器にも耐えうるほどの防御力を持つ。しかし、ゼリーは有害であり、体制を持つ者でないと搭乗することが出来ないという欠点を持つ他、斬撃に弱いと言う弱点もある。

書誌情報

機動旅団八福神 10巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉

第9巻

(2009-02-14発行、 978-4757746954)

第10巻

(2009-12-16発行、 978-4047262034)

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