あらすじ
第1巻
英霊の力が宿る7枚のカード、通称「クラスカード」を回収するための戦いに勝利したイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、戦いの最中に出会い、親友となったもう一人の魔法少女、美遊・エーデルフェルトと平穏な日常を過ごしていた。しかし、戦いの日々から1か月あまりが経過し、夏も間近になった6月。二人のもとに現れた遠坂凜とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの手によって、再びトラブルが持ち込まれる。それは騒動の余韻ともいえる地脈の異常を修復するという任務だった。簡単に終わるはずだった任務は、イリヤと瓜二つの容姿を持つ少女が現れた事により、想定外の方向へと動き始める。イリヤの命を執拗に狙って襲撃を重ねる少女を前に、アクシデントの影響からか弱体化したイリヤは苦戦を余儀なくされてしまう。しかし、奮闘の末に凛やルヴィア、美遊の協力によって少女を罠に掛け捕らえる事に成功すると、唯一イリヤと異なる色黒の肌を持つ事から「クロ」と名付けられた少女のクロエ・フォン・アインツベルンに対して、凛達はイリヤと痛覚を共有する呪いを掛けた。これにより、イリヤの命を狙う事ができないようにされたクロは、ルヴィアの屋敷へと幽閉される事となるのであった。
第2巻
簡単に屋敷を抜け出したクロエ・フォン・アインツベルン(クロ)の手によって、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの日常は浸食されつつあった。義兄である衛宮士郎やクラスメイト達を騒動に巻き込んだクロの行いによって、いよいよ隠しておく訳にもいかなくなったイリヤ達は、普通の10歳の少女として過ごしたいという彼女の願いを聞き入れ、イリヤの従妹である「クロエ・フォン・アインツベルン」という架空の戸籍を作り上げる。さらに、クロをイリヤと美遊のクラスメイトにする事で、周囲に対する一応の体裁を整える。しかし、相変わらず日常をかき回される状況に、イリヤはやがて元の生活に戻りたい、と思わず口にしてしまう。クロどころか魔法少女としてくぐり抜けた日々すら否定しかねないその言葉は、クロとイリヤの対立を決定的なものとしてしまい、二人の衝突は避けられないものとなってしまう。しかし、ついに戦いの火蓋が切って落とされようとした時、二人の戦いを止めたのは、イリヤの母親であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンだった。
第3巻
クロエ・フォン・アインツベルンを家族に加えた新しい日常が続いていく中、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、このままの日常が続く事はないのではないかという漠然とした不安を抱えていた。果たして、予感は的中し、魔術協会から新たに送られてきた封印指定執行者のバゼット・フラガ・マクレミッツによって、エーデルフェルト邸への襲撃が行われる。クラスカードの回収において、イリヤや遠坂凜達の前任者でもある彼女の圧倒的な力を前に、為す術のないイリヤ達だったが、とっさの機転によってからくも窮地を脱する事に成功する。しかし、遠坂凜によって新たに示された「8枚目のクラスカード」の情報に美遊・エーデルフェルトは尋常ならざる反応を示すのであった。
第4巻
冬木の街の地脈深くに眠る8枚目のクラスカードを、手に入れるための準備を進めるイリヤスフィール・フォン・アインツベルン達は、束の間の平穏な日常を過ごしていた。イリヤとクロエ・フォン・アインツベルン、そして美遊・エーデルフェルトが同日の誕生日を迎え、クラスメイト達と共に誕生会を開いて盛大に祝うなどしながらも、美遊の表情にはどこか影が付きまとっていた。やがて、8枚目のクラスカードを手に入れる準備が整うと共に、一時休戦していたバゼット・フラガ・マクレミッツも同行する事が決定する。五人がかりで戦いに臨む事となったイリヤ達は、地下へ掘り下げられた空間から8枚目のクラスカードの待つ鏡面界へと侵入する。しかし、クラスカードによって現界していた英霊の力は、イリヤ達の想像を遙かに絶するものだった。
第5巻
鏡面界から辛くも脱出したイリヤスフィール・フォン・アインツベルンだったが、彼女達に予期せぬ事態が襲い来る。鏡面界から出る事のできないはずの英霊が、鏡面界から現実世界へと飛び出してしまったのだ。街へと向かう英霊を前に、秘匿すべき魔術が露出するという最悪の事態と街への被害を想像し、イリヤ達は困惑し混乱する。そんな彼女達の前に現れたのは、イリヤの通う小学校の養護教諭であり、聖堂教会のシスターでもあるカレン・オルテンシアだった。クラスカードをめぐる事件の監視者でもあるカレンの言葉により、冷静さを取り戻したイリヤ達は、英霊の目的が聖杯の眠る地、円蔵山の地下大空洞である事に気がつく。空を飛ぶ事のできる美遊とイリヤは英霊のもとへと先行して駆けつけるが、二人を待っていたのは英霊だけではなかった。それは美遊がひた隠しにして来た、クラスカードをめぐる一連の事件の真実と自分自身の生い立ち。誰もが予期せぬ状況で、八人目の英霊の口によってそれは語られる事となる。
単行本の装丁
単行本各巻の本体表紙と裏表紙には各キャラクターの設定や小話、巻末漫画の続きなどが描かれている。中には本編で明かされていないキャラクターのフルネームや設定など、作品世界をより楽しむための情報が多く含まれている。
コラボレーション
「月刊コンプエース」五周年記念
「月刊コンプエース」2010年5月号において、『魔法少女リリカルなのは』と『Fate/stay night』とのコラボレーション企画が行われた。誌上には「なのは」シリーズの原作者である都築真紀とTYPE-MOONの武内崇対談のほか、コラボレーション漫画も掲載された。そのうち、ひろやまひろしによって描かれた「特別編 魔法少女リリカルなのは×Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ」が本作のコミックス第2巻巻末に収録されている。
メディアミックス
TVアニメ
本作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』のTVアニメ版が、2014年7月から2015年9月にかけて、TOKYO MXほかにて放送された。TVアニメ版は、前作にして第一期の『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』に続き、第二期『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』、第三期『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!』と二期分に分割されているが、第二期から第三期にかけての内容は、漫画版『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』のものとなっている。アニメーション制作はSILVER LINK.が担当。監督は神保昌登で、前作の監督であった大沼心は総監督という立場となった。シリーズ構成は井上堅二、脚本は水瀬葉月。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを門脇舞以、美遊・エーデルフェルトを名塚佳織、クロエ・フォン・アインツベルンを斎藤千和が演じている。
ねんどろいどぷち「プリズマイリヤ」とドラマCD
本作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』コミックス第4巻の限定版特典として、フィギュア・ねんどろいどぷち「プリズマイリヤ」とドラマCDが付属した。フィギュアの製作はグッドスマイルカンパニーが行っている。ドラマCDの脚本は本作の原作者のひろやまひろしによる書き下ろしで、キャストはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンを門脇舞以、美遊・エーデルフェルトを名塚佳織、クロエ・フォン・アインツベルンを斎藤千和が演じている。
登場人物・キャラクター
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン (いりやすふぃーるふぉんあいんつべるん)
強制的に魔法少女にさせられてしまった私立穂群原学園初等部5年の少女。マジカルルビーの力で、「魔法少女カレイドルビー・プリズマイリヤ」に変身する。衛宮士郎、セラ、リーゼリットと共に住んでいる。母親はアイリスフィール・フォン・アインツベルン、父親は衛宮切嗣で、2人は遠出しているため共には暮らしていない。 思い込みが強い性格で、それが魔法を操作する技術力に反映されている。クロエ・フォン・アインツベルンが分離してから魔力が弱まったため、力押しは得意ではなく、テクニックを駆使して戦うように心がけている。何もしていないのに周囲に巻き込まれてしまう体質で、苦労人。誰に対しても親切で、友達は多い。前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』でもう1人の魔法少女美遊・エーデルフェルトと出会い、行動を共にしている。 もう1人の自分として出てきたクロエとは最初牽制しあう仲だったが、消えてしまいそうになった彼女を助けたことで、親しくなっている。その後はクロエが消滅しないように、キスによる魔力供給を行っている。 義兄である衛宮士郎のことが気になる年頃。美遊という親友も得て、ごく普通の小学生へと戻ろうとしていた矢先、新たな事件へと巻き込まれたことで、やがて一般人だと思っていた自分の普通ではない出生が明らかとなっていく。
美遊・エーデルフェルト (みゆえーでるふぇると)
マジカルサファイアと契約したもう1人の魔法少女。孤高を旨とするクールな性格だったが、前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の騒動を通してイリヤスフィール・フォン・アインツベルンと接し親友へと至る過程で、大分柔らかなものに変化。イリヤに対しては、過剰ともいえる親友愛を見せる。反面、イリヤ以外の同年代に対して意識が向かないのか、名前や顔を覚えていないこともある。 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの妹ということになっているが、本当の妹ではなく、ある事情からルヴィアが戸籍を改竄したもの。今まで人並みの生活を送って来なかったため、誕生会など一般的な楽しみを知らなかった。比較的頭が硬く、順応性が乏しい。 イリヤと彼女に生き写しのクロエの関係を知ってからは、2人に協力するよう行動している。
クロエ・フォン・アインツベルン (くろえふぉんあいんつべるん)
前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の騒動からひと月。未だに地脈の異常が収まらないことから、その解決へと向かったイリヤスフィール・フォン・アインツベルンたちを襲ったアクシデントの最中に現れたイリヤと肌の色以外は瓜二つの謎の少女。イリヤのみならず、その母親であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンにも並々ならぬ反応を見せ、その命を狙うかのような素振りを見せる。 かと思えば、イリヤに成り代わり衛宮士郎を誘惑するなど、イリヤの日常を脅かすような騒動ばかりを引き起こす。また、現れた当初からアーチャーのクラスカードを夢幻召喚(インストール)しているなど、謎の塊のような人物。存在維持が難しい体のため、様々な人にキスをして魔力を吸収していた。 中でもイリヤからの唾液摂取は、一般人の10倍の効果がある。
マジカルルビー
自我を持った魔法のステッキで、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと半ば強制的に契約し、魔法少女「カレイドルビー」に仕立て上げた張本人。その正体は、稀代の魔法使いである大師父によって作り出された特級の魔術礼装カレイドステッキである。非常に愉快でコミカルな性格をしており、イリヤをはじめとした周囲の人物を弄(いじ)り倒すはた迷惑な存在。 だが、魔術礼装としての性能は一級品。戦闘中はイリヤの頼れる相棒として様々なアドバイスをしたりする。また、シークレットデバイスという機能を数多く備えており、単なる魔法のステッキの範疇を逸脱した活躍を見せることも。同じ制作者によって作られたマジカルサファイアのことを妹として認識している。
マジカルサファイア
マジカルルビーと同じく自我を持った魔法のステッキだが、ルビーと異なり思慮深いクールな性格をしており、比較的常識に沿った考え方をする。前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』で美遊・エーデルフェルトと契約を結び、魔法少女「カレイドサファイア」とした張本人。同じ制作者によって作られたルビーのことを姉と慕っており、ルビーのはた迷惑な性格の暴走を止め、また引き起こしたトラブルを鎮圧する苦労人としての側面も持つ。 魔術礼装としてはルビーと同様に一級品。その性格も相まって、理論立てて行動する美遊を上手くサポートしている。
遠坂 凜 (とおさか りん)
冬木の管理者である魔術師の家系、遠坂家の長女。魔術協会の総本山であるロンドンの時計塔へ留学していたが、現在は稀代の魔法使いである大師父への弟子入りを目指して、そのための条件である冬木の事件の解決を目指して日本に帰郷している。マジカルルビーを大師父から与えられた張本人かつ「カレイドルビー」の前任者。 前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の影響で金欠に陥っており、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの屋敷でメイドとしてアルバイトをしている。魔術師としての腕前は、総本山とされる時計塔で主席の座をルヴィアと争うほどに優秀。宝石魔術と呼ばれる希有な魔術を操る。性格はいたってリアリストながら攻撃的。 ライバル関係にあるルヴィアとの喧嘩はしょっちゅうで、周囲に甚大な被害を数多くもたらしている。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの義兄である衛宮士郎と同じ学校に留学生として編入しており、彼のことを少なからず気にしている様子。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト (るゔぃあぜりったえーでるふぇると)
魔術協会の魔術師養成機関である時計塔で、遠坂凜と主席の座を争う優秀な魔術師であり、名門貴族エーデルフェルト家の娘。金髪に縦ロールと特徴的な風貌をしている。性格は貴族然として高飛車で好戦的。凜とは時計塔時代から数多くのいざこざを引き起こしており、優秀な能力とも相まって周囲に甚大な被害をもたらしてきた。凜と同じく宝石魔術の使い手だが、彼女とは違って実家が遙かに裕福であるため、高価な宝石を惜しげもなく使用する。 凜同様、大師父への弟子入りを目指して日本にクラスカード回収任務のため訪れる。マジカルサファイアを与えられた、「カレイドサファイア」の前任者。編入先の学校で出会った衛宮士郎との間に数多くのラブコメイベントを引き起こしている様子で、彼のことを「シェロ」と呼び慕っている。
バゼット・フラガ・マクレミッツ (ばぜっとふらがまくれみっつ)
魔術協会一線級の戦闘屋である封印指定執行者たる魔術師。前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の開始時点で集められていたクラスカードを、英霊を打倒して集めた張本人。神代の時代からの神秘を伝えるフラガの家系出身で、逆光剣フラガラックと呼ばれる魔剣を所有する女性。性格は任務至上主義の真面目なもの。 しかし、行きすぎた真面目さから日常生活の中では浮いて見えることもある。一度はクラスカードをめぐる事件から手を引いたものの、魔術協会上層部のパワーゲームの結果として再派遣されてきた。生身で英霊と渡り合えるほどの実力を持つ。
カレン・オルテンシア (かれんおるてんしあ)
私立穂群原学園初等部の養護教諭を務める保健の先生。しかしてその正体は聖堂教会から派遣されたシスターで、クラスカードをめぐる冬木の街の事件全体を監視する役割を帯びた監視者。怪我した子供を間近で見るのが楽しい、と口にする性癖の持ち主で、特徴的な白い髪とスカートを履き忘れているかのような、見た目のファッションセンスを持つ。
アイリスフィール・フォン・アインツベルン (あいりすふぃーるふぉんあいんつべるん)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの実の母親で衛宮士郎の義理の母親にあたる女性。夫である衛宮切嗣とは訳あって籍を入れていないために別姓で、養子として切嗣に拾われてきた士郎とも同様である。普段は切嗣を助けるため、彼についてヨーロッパの各地を回っている。豪放磊落な性格の持ち主で、常に明るく、細かいことを気にせずノリとテンションで生きている。 どの魔術協会にも属さず、他家との関わりの一切を絶ったヨーロッパの魔術師の家系アインツベルン家の出身で本人も魔術を使える。愛車はメルセデスベンツ300SLクーペ。
衛宮 士郎 (えみや しろう)
10年前に衛宮切嗣がどこからか拾ってきた養子でイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの義兄。幼少時の経験から料理好きであり、その熱意たるや料理に関して嘘は許さないと公言するほど。イリヤたちの物語の裏側で、学校生活では数多くのイベントを引き起こし数多くの恋愛フラグを立てているらしい。同じ学校に通う遠坂凜にルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトをはじめ数多くのヒロインから特別な感情を寄せられている。 その一方で、人間関係の大半が女性であるためか、女難に数多く見舞われており、男女比率的にも肩身が狭く、養父である切嗣の帰りを心待ちにしている。
リーゼリット
アインツベルン家のメイドである女性。白い髪を肩口でそろえた髪型とふくよかな体型をしている。怠け気味の性格をしており、普段はメイドらしい姿と言うよりもイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの姉といった振る舞いをしている。前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』ではイリヤの中での魔法少女イメージを固めた作品である「魔法少女マジカルブシドー☆ムサシ」のDVD-BOXを買ったりと、イリヤと共にアニメを見るのを楽しみにしている様子がうかがえる。
セラ
アインツベルン家のメイドである女性。白い髪を背中の中ごろまでのばしたスレンダーな体型をしている。職務に対していたって勤勉で真面目。反面、融通の利かない頭の硬い性格をしている。仕えるアインツベルン家の皆を深く愛しているが、メイドとしての職務柄、またアイリスフィール・フォン・アインツベルンに留守を任された手前、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンや衛宮士郎には小言が多い。 職務には誇りを持っているため、遠坂凜や美遊・エーデルフェルトのメイド姿に触発され、普段は袖を通してないアインツベルン家のメイドの正装をわざわざ着用して見送るなどといった面を持つ。
桂 美々 (かつら みみ)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのクラスメイトで友人である少女の1人。純朴可憐な性格をしているせいか、他のキャラクターたちの騒動の合間に挟まれることが多く気苦労が絶えない。また、美遊・エーデルフェルトに顔と名前を中々おぼえてもらえないなど、不幸な役回りが多い。1つ下の弟からは危なっかしいと評される人物である。
嶽間沢 龍子 (がくまざわ たつこ)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのクラスメイトで友人である少女の1人。嶽間沢流武闘術を今に伝える嶽間沢家の末っ子。上に兄が2人いる。金髪は母親のステラ讓りの模様。厳(いか)つい男達の間で育ったためか、自分のことを俺と呼ぶなど口調が荒っぽい。その反面、泣き虫で心身ともにあまり強くない。唯一受け身だけは上手いらしく、車にはねられてもまともな怪我1つ負わずにすんだ。 考えなしの直感で行動するところがあり、イリヤのクラスメイトの中でトリックスター的役割を帯びている。
栗原 雀花 (くりはら すずか)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのクラスメイトで友人である少女の1人。姉と一緒に同人誌を作るなどしている腐女子で、衛宮士郎と柳洞一成の関係を疑うなどBLのネタ探しに余念がない。お下げに眼鏡という知的な感じの見た目に反して成績は非常に悪い。基本的にその場のノリだけで行動するものの、自分以上に自由な行動を示す嶽間沢龍子がいるため、最終的には龍子の暴走のフォローに回ることが多い。
森山 那奈亀 (もりやま ななき)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのクラスメイトで友人である少女の1人。栗原雀花とよく一緒に行動しており、2人で嶽間沢龍子の奇行に振り回されていることが多い。さりげなく龍子をいじめるのが趣味で、特に言葉攻めが好きな隠れS。また、隠れた怪力の持ち主でもある。基本的にみんなから一歩引いた位置にいるため目立たないが、画面端で暴走した龍子をなだめるためのボディーブローを叩き込んでいたりするところから、その性格の片鱗がうかがえる。 姉の森山奈菜巳が遠坂凜とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの騒動に巻き込まれたことでカエルがトラウマとなり、また、衛宮士郎に対する恋路を邪魔されたことから2人のことを怖れている。
衛宮 切嗣 (えみや きりつぐ)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの父親で衛宮士郎をどこからか拾ってきて養子にした人物。『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』では、意図的に顔が描かれていない。クロエ・フォン・アインツベルンが生まれるきっかけとなった事件にアイリスフィール・フォン・アインツベルンと共に絡んでおり、現在いたるまでその件で海外の各地をめぐりながら戦い続けている模様。
柳洞 一成 (りゅうどう いっせい)
衛宮士郎の友人で柳洞寺という寺の息子。眼鏡をかけた青年で堅苦しい独特の言葉遣いをする。学校では生徒会長をしており、その関係から士郎にはいつも雑務を手伝って貰ったりしているらしい。士郎手製の弁当や味噌汁を毎日食べてもいいと口にしたり、遠坂凜やルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに士郎を任せておけないなどと対抗意識を燃やしたり、並々ならぬ感情を士郎に対して抱いている様子がうかがえる。
藤村 大河 (ふじむら たいが)
私立穂群原学園初等部の教師をしている女性で、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンたちのクラスの担任を務めている。虎柄のような特徴的なストライプの服をよく着ている。裏表なく親しみの持てる大らかな性格で、また芸人のようなオーバーリアクションを特徴としており、クラスで事件が起こるたびに大仰に驚いた様子を見せる。
オーギュスト
エーデルフェルト家の執事でルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに付き従う初老の男性。非常に優秀で、ルヴィアに頼まれた裏の仕事まで難なくこなす。また、メイドとして遠坂凜が働くこととなった際には、ルヴィアの命令もあってか、仕事を叩き込むためにと小姑のように凜をいびっていた。ルヴィアの護衛も兼ねており、戦闘の際にはナイフを武器に戦う姿を見せることも。 ルヴィアの想い人である衛宮士郎が屋敷を訪れた際には、一緒に風呂に入って士郎のことを見極めようとするなど、ルヴィアに対する親心に似た感情を覗かせる。
大師父 (だいしふ)
TYPE-MOONの『月姫』や『Fate/stay night』など各作品に登場する稀代の魔法使い。魔法使いという名称は魔術師とは異なり、あらゆる技術や魔術でも実現不可能な奇跡であるところの「魔法」を使用できる魔術師のことを指す。その魔法を使用して魔術礼装カレイドステッキを作り出した人物である。『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズはこの大師父が弟子をとる条件としてカレイドステッキを遠坂凜とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに与え、クラスカードの発見された冬木の街へ送り出したことに端を発しており、物語が始まる原因となった人物の1人である。
高町 なのは (たかまち なのは)
「特別編 魔法少女リリカルなのは×Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ」に出演する。AIを有する魔法のステッキであるレイジングハートを武器に、必殺のディバインバスターと、持ち前のポジティヴな精神で戦う魔法少女。全力全開が信条のくじけない強い意志を持った純真な女の子で、その圧倒的な魔法少女っぷりから、マジカルルビーからはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンたちの53倍の魔法少女力を持つといわれた。 フェイト・テスタロッサと友達になろうと奮闘している。
フェイト・テスタロッサ (ふぇいとてすたろっさ)
「特別編 魔法少女リリカルなのは×Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ」に出演する。AIを有する魔法のステッキであるバルディッシュを武器に戦うクールな魔法少女。窮地に陥ったなのはを助けるなど、言動や表情のそっけなさとは違った優しさも持ち合わせる。マジカルルビーによれば、魔法少女力は測定不能とのこと。
集団・組織
魔術協会 (まじゅつきょうかい)
この世界の魔術師を束ね管理する組織の一派。総本山はロンドンの時計塔にある。魔術に関するものを管理・運営する組織であり、一般に魔術が露見することを防ぐために隠匿する一方で、時計塔の運営によって後進を育て、魔術世界全体を発展させることを使命としている。遠坂凜、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、バゼット・フラガ・マクレミッツが所属している。 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』では、上層部の方でパワーゲームが行われたりと、きな臭い様子がうかがえる。
聖堂教会 (せいどうきょうかい)
カレン・オルテンシアが所属する組織。『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズにおける、クラスカードをめぐる冬木の事件を監視している。宗教を基盤とする組織であり、所属するカレンのことをシスターと呼ぶ。魔術協会とは良好な関係にはない。聖堂教会に所属するシスターらは魔術師とは異なり、解呪(かいじゅ)などの神秘を行使できるのが特徴。
アインツベルン
表向きはドイツの古い貴族を装う1000年以上の歴史を持つ魔術の名門。どの魔術協会にも属さず、他家との関わりの一切を絶った単一の魔術師の一族。有する魔術体系も方式も一切不明とされている。アイリスフィール・フォン・アインツベルンの実家であり、リーゼリット、セラが仕えていた家。10年前に大きな儀式を行おうとしていたが、アイリと衛宮切嗣によって阻止されて以降、活動らしい活動をしていない。
場所
鏡面界 (きょうめんかい)
この世界を無限に連なる合わせ鏡のうちの1枚の鏡の像だとした場合、そのうちの鏡面部分で、空間的には本来存在しないはずの境目の世界。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンたちの住む世界と平行世界の境界面に位置する、クラスカードの存在する空間である。本来ならば空間的に存在しないはずなのだが、クラスカードによって歪められたことによって生じている。 そのため、クラスカードを回収すればするほどに空間は狭くなっていき、もともとは数キロ四方あった鏡面界も前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の最後には高層建築を1つ覆う程度の大きさになっていた。イリヤたちは空間の歪みを観測することで鏡面界が発生している位置を特定し、鏡面界へ侵入、クラスカードを回収することができる。 反面、クラスカードによって現出した英霊は原則、鏡面界より外に出ることができない。
その他キーワード
クラスカード
作者不明の魔術礼装で英霊の力を宿したカード。空間を歪める形で鏡面界と呼ばれる場所に存在しており、宿した英霊の姿となって侵入者に襲い掛かる。セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカーの7つのクラスに分類され、それぞれに対応した英霊の力が宿っている。前作『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』において7枚のクラスカードに宿っていた英霊を倒し、すべてのカードを回収し終えている。 クラスカードを利用することで英霊の力の一端を行使することが可能で、限定展開(インクルード)では英霊の宝具を、夢幻召喚(インストール)では宝具を含む英霊の能力その物を、自身に一定時間宿すことができる。
英霊 (えいれい)
過去・現在・未来における神話、伝説、実在の英雄たちの魂のこと。または召喚された英雄そのものを指す。『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』では、クラスカードと呼ばれるアイテムが英霊の座に存在する英霊の力を部分的に宿しており、クラスカードを通してその力の一端を使用できる。英霊は各々を代表する象徴的な逸話や武器、技能を宝具とよばれる力の形で所持しており、それは魔術であったり、特殊な結界であったり、概念的な守護であったり、特殊な力を宿した武器であったりと様々である。
カレイドステッキ
大師父によって作られた愉快型魔術礼装。2本1セットで製造された。それぞれに人工精霊が宿っており、マジカルルビーやマジカルサファイアがそれである。平行世界へ限定的に干渉し、持ち主に無限の魔力を供給するという強力な魔術礼装で、本来ならばこの時代に存在してはいけないほどのオーパーツ(時代錯誤遺物)である。ステッキの使用にはマスター契約が必要だが、そのためには宿っている精霊達の好みが強く反映される。 普段はステッキの先端部だけで自立行動しており、必要になるとステッキ部分が展開される。またシークレットデバイスと呼ばれる機能を内蔵しており、電話や近未来を予測しての占いなど、単なる魔術礼装や魔法のステッキに留まらない利便性を有している。
クレジット
- その他
-
TYPE-MOON
- 原作
-
Fate/stay night
アニメ
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei!
魔法のステッキ・マジカルルビーの口車に乗せられ魔法少女となってしまった少女・イリヤ。心を閉ざしていた美遊との友情も芽生え、ふたりは協力して7枚のクラスカードの回収に成功する。そんなふたりに新たな指令が... 関連ページ:Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei!