孤高の女子×陽キャ男子
氷川小雪は、クラスの誰ともつるまず、いつも不機嫌に見えることから、クラスメートから恐れられていた。中学時代に、背が低いことをいじられ、バスケの部活で嫌がらせに遭った小雪は、一人でいることを望んでいた。一方、雨宮湊(ミナト)は、誰とでも仲よくなれる陽キャなイケメン。一人ぼっちでいる人を見かけると可哀想だと感じて、声をかける癖がある。小雪に対しても同じで、いつも一人の彼女が気になり、ある日ついに声をかけた。しかし、他人との間に壁をつくっている小雪に、強い警戒心と苦手意識を持たれてしまう。こうして、人との距離の取り方がまったく正反対の2人は運命の出会いを果たした。
小雪を取り巻く人間模様
小雪の数少ない友達が、幼なじみの同級生・安曇美姫。美姫は5組の女神と呼ばれ、アイドル扱いされていたが、中学時代はゴリラ扱いされていたほど活発な女の子。あまりにも周囲から持ち上げられ、素の自分を出せずに疲れていた。背がものすごく高い日野陽太(ヨータ)は、ミナトの連れ。ミナトが小雪に声をかけた時に一緒にいたことから知り合いになる。その後、小雪がナンパされて困っていたところを助け、小雪と仲よくなった。美姫、ヨータ、ミナトの3人は、中学時代に同じ塾に通っていた友人だったことから、小雪も彼らに加わることになる。小雪は「誰とも関わりたくない」という従来の感情と「また3人で話したい」という新たな感情の矛盾に気づいて、自分の気持ちがわからなくなる。
変化する小雪とミナトの気持ち
4人で過ごすようになったものの、相変わらず小雪はミナトが苦手だった。そんなある日、ミナトは小雪の中学時代の同級生・五十嵐の話を持ち出す。ミナトと五十嵐はサッカーの練習試合を通しての知り合いだったが、五十嵐は小雪の元カレでトラウマでもあった。五十嵐から何かを聞いたと思った小雪は、ひどい言葉でミナトを拒絶してその場を去った。しかし後に、それが自分の勘違いだったことを小雪は知る。今までちゃんとミナトを見ずに、勝手に分類して拒絶していたことを反省し、小雪はミナトに謝罪する。何事も気にしないタイプのミナトも、小雪のことになると感情が揺らぐことに自身で気がついた。その後、初めての対話を経て、相いれなかった二人の関係が変化していく。
登場人物・キャラクター
氷川 小雪 (ひかわ こゆき)
明天高校1年2組の女子高生。小さい頃に両親が離婚してからは母と暮らしている。前髪をそろえた茶髪のロングヘアと鋭い目つきが特徴。クラスの誰ともつるまず、誰も近づけないオーラを出している孤高の少女。本人に自覚はないが、他人から見るとすごく不機嫌で恐ろしく見えてしまう。背が低いことがコンプレックス。中学時代はバスケットボール部に所属していたが途中で退部した。中学時代の嫌な出来事がトラウマとなり、高校では他人と関わりを持たないように過ごしているが、幼なじみの安曇美姫だけには心を開いている。愛称は「こゆん」。
雨宮 湊 (あまみや みなと)
明天高校1年6組の男子。サッカー部に所属している。茶髪のイケメンで陽キャ。日野陽太(ヨータ)とはクラスメートで中学時代からの親友。また、中学時代はヨータ、安曇美姫と塾が一緒だった。女の子とすぐに仲よくなって交際を始めるが、真剣みがないと言われて最終的にはふられてしまう。一人でいる人を可哀想だと思って話しかける癖がある。氷川小雪のことも、見かけるたびにいつも一人なのが気になって話しかけた。作中では通常「ミナト」と表記される。
安曇 美姫 (あずみ みき)
明天高校1年6組の女子高生。茶髪のショートカットが特徴。女神、天女と崇められている、5組のアイドル。常に女子に囲まれており、男子で話しかけることができるのは、カースト上位の人だけ。しかし、実際はガサツで少々おバカな少女。周囲からアイドル扱いされていることに苦痛を感じており、中学時代のようにゴリラ扱いしてほしいと嘆く。氷川小雪の幼なじみで、数少ない友人。中学時代はバスケットボール部に所属していた。また、雨宮湊、日野陽太と塾が一緒だった。
日野 陽太 (ひの ようた)
明天高校1年6組の男子。すごく背が高い。雨宮湊(ミナト)とはクラスメートで中学時代からの親友。また、中学時代はミナト、安曇美姫と塾が一緒だった。天然なところがある優しい雰囲気を持つ少年。小学生の時に母を亡くし、後に父が再婚。まだ幼い弟と妹がいる。作中では通常「ヨータ」と表記される。
書誌情報
氷の城壁 13巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-07-04発行、 978-4088835440)
第2巻
(2023-07-04発行、 978-4088835822)
第3巻
(2023-08-04発行、 978-4088835839)
第4巻
(2023-09-04発行、 978-4088836485)
第5巻
(2023-10-04発行、 978-4088836492)
第6巻
(2023-11-02発行、 978-4088836508)
第7巻
(2023-12-04発行、 978-4088837505)
第8巻
(2024-01-04発行、 978-4088837512)
第9巻
(2024-02-02発行、 978-4088837529)
第10巻
(2024-03-04発行、 978-4088837536)
第11巻
(2024-05-02発行、 978-4088837543)
第12巻
(2024-07-04発行、 978-4088837550)
第13巻
(2024-09-04発行、 978-4088841984)