江戸モアゼル

江戸モアゼル

キリエ(江戸キリエ)の代表作の一つ。平成の日本を舞台に、江戸時代からタイムスリップしてきた花魁・仙夏が現代人を翻弄し、次々と騒動を巻き起こしながらも、彼女の破天荒な行動が人々を癒していく姿を描いた奇想天外なジャパネスク・ギャグ。幻冬舎コミックス「コミックスピカ」No.10(2012年7月27日)からNo.42(2015年3月27日)まで連載されたのち、同社「デンシバーズ」で2015年2号から2018年35号まで配信。2021年1月に『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』のタイトルで実写ドラマ化され、日本テレビ系で放映。仙夏を岡田結実、寿乃を山口まゆが演じている。

正式名称
江戸モアゼル
ふりがな
えどもあぜる
作者
ジャンル
ラブコメ
 
タイムトラベル
レーベル
バーズコミックス スピカコレクション(幻冬舎コミックス)
巻数
全3巻完結
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江戸時代の花魁が現代に迷い込むタイムスリップ・コメディ

本作は、江戸時代から平成時代にタイムスリップした花魁・仙夏が、戸惑いながらも現代の生活を謳歌するギャグコメディ。江戸時代からやってきた仙夏、寿乃、平吉の三人は、平成の文化や道具に驚き、時にはカンちがいから奇行に走って、行く先々で騒動を巻き起こす。また、彼女たちは平成時代でも浮世絵風の独特な絵柄で描かれており、現代人から明らかに浮いている彼女たちが織りなすシュールなギャグやドタバタ劇も見どころとなっている。

売れっ子の花魁が現代を生きる

仙夏は、妹分の寿乃や付き人の平吉と共にタイムスリップし、なんとか住居を見つけてアルバイトに励みながら現代社会になじんでいく。しかし、江戸時代を生きてきた彼女たちにとって、平成の風景や文化は驚きの連続だった。一方で、過酷な環境で培われた仙夏の芯の強さや気風のよさに加えて、その魅力と行動力は現代の日本人をも惹きつけ、時には彼らを骨抜きにしてしまうこともある。そんな仙夏は、非常に適応力の高い寿乃や平吉と共に、行く先々でトラブルを起こしながらも、悩める現代人たちを魅了し、励ましながら、たくましく生き抜いていく。

タイムスリップした花魁の日常とロマンス

本作は、基本的に東京での仙夏たちの日常ギャグが中心に描かれているが、アルバイト先の同僚である草食系男子・蔵地との時を超えた恋愛模様も見どころの一つとなっている。また、各エピソードは仙夏の江戸時代の回想から始まることが多く、彼女の過去や当時の江戸、遊郭に関する豆知識も盛り込まれている。物語の途中で、仙夏は一度江戸時代に戻ることになるが、新たなメンバーと共に再び平成へと舞い戻ってくる。そして、新たな騒動を巻き起こしながら、二度目の東京生活や恋愛を謳歌する。

登場人物・キャラクター

仙夏 (せんか)

江戸時代の吉原で生きる花魁。一人称は「わっち」で、艶やかな廓(くるわ)言葉を巧みにあやつる。寿乃や平吉と共に、ひょんなことから現代日本にタイムスリップしてしまう。コンビニでアルバイトを始めるものの、現代の常識とはかけ離れた言動が目立ち、店長を悩ませる存在となっている。二人に比べて現代文化や機械に適応するのに時間がかかっており、目にするものすべてに驚き続けている。それでも、吉原で培った圧倒的な美貌と人を惹きつける術は健在で、通りすがりの人や初対面の相手にも物おじせず声をかけ、一瞬でその心を奪う。

寿乃 (ひさの)

江戸時代の吉原で生きる遊女で、仙夏の妹分。明るくポジティブな性格をしている。仙夏や平吉と共に、現代日本にタイムスリップしてしまう。三人の中で最も早く現代文化に適応し、メイドカフェなど、いくつかのアルバイトを掛け持ちしている。当初の黒髪から金髪へと大胆にイメチェンし、平成時代の生活を誰よりも楽しんでいる。

平吉 (へいきち)

江戸時代の吉原で仙夏の付き人を務める男性。一人称は「あたし」。仙夏や寿乃と共に、現代日本にタイムスリップしてしまう。誰よりも仙夏を深く慕い、献身的に尽くしているが、実は自らがタイムスリップの原因をつくってしまったことを悔いている。生粋の祭り好きでミーハーな性格のため、メイドカフェやアイドルファンといった平成時代の刺激的な文化に夢中になっている。一方で、街中での職務質問がトラウマとなっている。

書誌情報

江戸モアゼル 全3巻 幻冬舎コミックス〈バーズコミックス スピカコレクション〉

第1巻

(2013-10-24発行、978-4344829442)

第2巻

(2016-04-23発行、978-4344837010)

第3巻

(2018-03-24発行、978-4344841901)

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