深東京を踏破し、東京タワーを目指せ
深東京に堕ちた者たちは、さまざまな地獄に送られ、そこで刑吏を殺さなければ、定められたルールに従って処刑されてしまう。脱出する唯一の方法は、東京タワーにたどり着くこと。そこで深東京の支配者であるタワー大統領から恩赦「くもの糸」を与えられた者だけが、現実の東京へ帰還することができる。しかし、この処刑は深東京の住民たちにとって「娯楽」でもある。ヨミたちはそれぞれの刑吏の特性を見抜き、致命的な一撃を与える方法を模索しながら、処刑を免れ、生き延びる道を切り開かなければならない。
霙木エンラが深東京の謎を解く鍵
かつて、ヨミとヤミは両親の失踪の謎を追う中で、唯一の手がかりを握る父親の親友、霙木エンラを探し出そうとしていた。しかし、エンラは深東京に堕ちており、彼は浅草刑場を管理する上級刑吏「のぶなが」として多くの罪人を処刑する一方で、支配者のタワー大統領に反抗した「最重罪人」としても扱われていた。深東京の奥深くまで精通しているエンラを味方に引き入れ、彼の拠点である浅草刑場を確保することが、神田兄弟にとって深東京を攻略するための最も重要な鍵となる。
ヨミの最重罪と封印された記憶の真実
深東京の「豊洲罪人市場」で、罪の重さを測定する装置にかけられたヨミは、「最重罪人」の歴代記録を塗り替えるほどの「特等罪人」であることが明らかになる。しかし、クラスの中での彼は誰からも慕われる優等生であり、周囲の誰も、そしてヨミ自身も、恨みを買った記憶はまったくなかった。だが、ヨミとヤミの意識の中には「顔のない子どもの姿のヨミ」が存在しており、二人の肉体を同期させる人形や、各部位をつなぐコード、そして鎖で閉ざされた子供部屋が広がっていた。この空間こそがヨミの罪と深くかかわっており、ヨミはやがて刑吏たちとの戦いを通じて、自らに隠された罪と封印された記憶の真実に向き合うことになる。
登場人物・キャラクター
神田 ヨミ (かんだ よみ)
台場高校2年A組に在籍する男子高校生。年齢は17歳。ヤミの双子の兄で、ストレートの黒髪が特徴。成績は優秀で正義感が強く、曲がったことが大嫌いな性格だが、喧嘩は非常に弱い。5年前に両親が失踪して以来、ヤミと共に東京中を探し回った経験から、東京の地理に詳しい。また、弟のヤミとは不思議な体質でつながっており、それは「シンクロニシティ」と呼ばれている。この体質は一方がケガをすると、もう一方の身体にも同じ症状が現れるというもの。深東京の「豊洲罪人市場」で行われた計測では、歴代最重罪記録を更新する「特等罪人」と判断されてしまう。
神田 ヤミ (かんだ やみ)
台場高校2年A組に在籍する男子高校生。年齢は17歳。ヨミの双子の弟で、ツートンカラーの逆立った髪が特徴。一見すると不まじめでつかみみどころのない性格に見えるが、5年前に失踪した両親を今も健気に待ち続けるという純粋な一面を秘めている。また、兄のヨミとは「シンクロニシティ」という不思議な体質でつながっている。深東京の「豊洲罪人市場」での計測では、善人寄りの「六等罪人」と判断される。
書誌情報
深東京 12巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2022-12-02発行、978-4088833668)
第2巻
(2023-03-03発行、978-4088834467)
第3巻
(2023-05-02発行、978-4088835259)
第4巻
(2023-08-04発行、978-4088836164)
第5巻
(2023-11-02発行、978-4088837338)
第6巻
(2024-01-04発行、978-4088837840)
第7巻
(2024-03-04発行、978-4088838755)
第8巻
(2024-05-02発行、978-4088840765)
第9巻
(2024-08-02発行、978-4088841519)
第10巻
(2024-11-01発行、978-4088842615)
第11巻
(2025-01-04発行、978-4088843445)
第12巻
(2025-02-04発行、978-4088843735)







