湖畔にて -エーリク 十四と半分の年の夏

湖畔にて -エーリク 十四と半分の年の夏

『トーマの心臓』の後日談。全28ページで、1ページごとに2色カラーのイラストが描かれ、そこに詩のような物語がつけられている。『トーマの心臓』のラストシーンのすぐ後の話になり、マンガではないが、ストーリー性が高い。ドイツ・ボーデンの湖畔の古家で、エーリクが義父であるシドとひと夏を過ごしたときの心象風景を描いている。1976年に新書館から刊行された単行本『ストロベリー・フィールズ』のために書き下ろされた。

正式名称
湖畔にて -エーリク 十四と半分の年の夏
ふりがな
こはんにて
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

14歳と半分の夏、エーリクはドイツ・ボーデンの湖畔の古家で、義父であるシドとともにひと夏を過ごした。シドはおよそ父親らしくなく、「夏中は花や草になろう」と言う。二人は静かな共同生活のなかで、心を通わせていく。そして、ようやく事故でなくなった、妻であり母であったマリエの話もできるようになる。そんなある日、寄宿学校の友人・オスカーが突然に訪ねてくる。

神学校に転校した友人・ユーリに会ってきたのだと言う。

登場人物・キャラクター

エーリク

ドイツの寄宿学校に通う少年。愛する母・マリエを事故でなくしてから初めての夏休みを過ごすため、義父であるシドが待つドイツ・ボーデンに向かう。大人でも子供でもない、思春期の少年特有のきらめきとゆらぎを多く持つ少年。『トーマの心臓』の主人公でもある。

シド

エーリクの母・マリエの再婚相手。ドイツ・ボーデンの湖畔で古いホテルを経営していたが、交通事故でマリエと自分の左足を失い、ホテルは兄夫婦にまかせ、近くにある古家を借りて暮らし始めた。物静かで愛情豊かな男性。

マリエ

エーリクの母親。離婚してからずっと息子と二人で暮らしていたが、旅行先のホテルでオーナーのシドと出会い、再婚。新婚旅行の途中で交通事故に会い、なくなる。きかん気で楽天家で少女のような、美しい女性。

オスカー

エーリクの通う寄宿学校の友人。帰るべき家を持たないため、休日はいつも1人で旅行をしている。エーリクより1歳上だが、精神年齢はもっと高く、全体を見回した上で他人を慮ることができる。『トーマの心臓』でも重要な登場人物である。

ユーリ

エーリクの通う寄宿学校の友人。神父になるために神学校に転校した。寄宿学校時代にはよくエーリクとケンカをしていたが、のちにエーリクにとって特別な存在になる。転校してからは会っていないが、友人のオスカーによると、神学校でもいい成績をとっているらしい。『トーマの心臓』では、最も重要な登場人物である。

SHARE
EC
Amazon
logo