概要・あらすじ
鎌倉に住む高校生、源義経の周りでは、源氏と平氏の生まれ変わりの少年少女が、霊力を武器にした「霊帯剣」を手に戦いを続けていた。だが、義経は、何の役にも立たない源平合戦の再来を心底嫌っていた。前世で自分を殺した兄の源頼朝に対しての不信感も強く、距離をおきつづけている。ところが前世の因縁で、霊能力源平合戦に巻き込まれ、自らも霊帯剣「弁慶」で戦わざるを得なくなってしまう。
登場人物・キャラクター
源 義経 (みなもと よしつね)
小柄で熱血漢の少年。教員の白河美鈴いわく、どこか人間ばなれした美少年。前世で恋人だった舞野静に慕われており、付きまとわれている。周囲が前世を引きずって殺し合いをしているのに対し、前世という言葉や戦闘そのものに対して無意味さを感じており、強く嫌っている。彼自身は源平合戦の時の源義経の生まれ変わり。 兄の源頼朝とは距離をおいており、源頼朝が理事長を務める鎌倉源氏高校に通うのを避け、鎌倉西高校に通っている。霊帯剣の「弁慶」を使い、大鎚型の「武蔵坊」、移動型の「青海貝」などを呼び出して戦うことができる。河越志乃がやってきた際、悩んでいた源義経は彼女と平泉に戻る。 その時、自分の中に禍々しき神、平清盛の一部が入っていること、自分が源氏及び日本を滅ぼす可能性があることを知り、驚愕する。その後、この戦いから逃げられないことを悟り、戦いから逃げないことを決意。スケートボードを常に持ち歩いている。
源 頼朝 (みなもと よりとも)
源義経の兄で、前世から蘇った源氏の面々を束ねている。学校中の女子が騒ぐほどの美青年。源氏ならば誰でも入れる鎌倉源氏高校の理事長。前世は源平合戦時代の源頼朝。平泉で暮らしていた源義経を呼び寄せて引き取り、二人暮らししている。前世の記憶ゆえ、弟の源義経は源頼朝と距離を置こうととしている。 総理大臣とも通じており、鎌倉一帯の出来事は彼の一存で守秘することが可能。彼の霊帯剣はほとんどの人物が知らない。
舞野 静 (まいの しずか)
前世は静御前。元気いっぱいの、ポジティブなショートカットの少女。友人は那須与一(女子)。源義経には前世の恋人同士のつながりのみならず、今もベタボレで、普段から彼の家に忍び込んで下着姿で詰め寄ったり、キスを迫るほど積極的。源義経を無理やり連れ回すことも。彼を常に励まそうとするも、ドジで失敗することが多い。 前世で源義経の正夫人だった河越志乃が現れて、源義経とともに平泉に帰ったことに激しく嫉妬。その後、優しい平敦盛少年に出会い、平氏側にも親切心があることを知り、今の殺し合いがはびこる状況に困惑。後に平泉から帰ってきた源義経から、戦いから逃げない覚悟を決めたことを知らされる。
河越 志乃 (かわごえ しの)
前世は源義経の正室。平泉にいる源義経に思いを寄せている黒髪メガネの少女。礼儀正しく、おしとやか。源頼朝に呼ばれて引っ越した源義経を追いかけて、彼のもとに藤原国衡と共にやってきた。源義経が好きな舞野静や白河美鈴には激しい嫉妬を抱かれている。彼女自身もほかの女性に対しては心ひそかに嫉妬を抱いており、源義経にキスを迫りながら、戦をさけるため平泉に帰るよう呼びかける。 2人で平泉に戻った後、彼の中に禍々しき神、平清盛の一部が入っている真実と、彼が源氏と日本を滅ぼす可能性があることを話す。困惑する源義経に抱かれた彼女は、彼を守る決意をする。
藤原 国衡 (ふじわら くにひら)
金髪でガラの悪い少年。前世は藤原国衡。源義経は平泉にいた時に藤原家に居候しており、ともに育った幼なじみ。短気な性格で喧嘩っ早い。河越志乃と共に、平泉から鎌倉にやってきて、源義経の家に居候する。高校生になっても、源義経とはあらゆる場所でケンカをする仲。
白河 美鈴 (しらかわ みすず)
源義経が通う鎌倉西高校の産休代替教員。23歳。美少年が大好きで、転任してすぐ源義経に惚れ込んでしまう。普段はキリッとした女性だが、妄想癖がひどく、興奮するとよだれを垂らして自我を失う。源義経と常に一緒にいる舞野静や、彼を追いかけて平泉からやってきた河越志乃に激しい嫉妬を抱いており、焦りから源義経を押し倒そうとする。
梶原 景時 (かじわら かげとき)
前世は梶原景時。源頼朝の下で戦うメガネをかけた冷静沈着な生徒。忠誠心が非常に強く、平家側の生徒が侵入した際には真っ先に戦いに挑む。霊帯剣「石切」という、短刀に鎖がついた武器を操り、敵の虚を突きながら、攻防一体の戦い方をする。
北条 政子 (ほうじょう まさこ)
鎌倉源氏高校の生徒で、理事長の源頼朝の側に常にいる大人びた少女。前世は北条政子。源氏側に力を貸しているように見えるが、偵察にきた平時忠に情報を漏らすなど、怪しげな行動が多い。この世界に必要な源平合戦を、永遠に続けるための地ならしをして、バランスを陰から取っている人間。
那須 与一 (なす よいち)
鎌倉源氏高校の生徒で、舞野静の友人。ショートカットにそばかすの少女。前世は那須与一。過去を感じることができ、源義経の過去を見た時、その暗黒の深さゆえにめまいを起こしてしまう。源氏側の守護の一人で、攻め込んでくる平氏を迎え撃つ任を負っている。霊帯剣「蒼月」を操る。 弓の名手で、相手の防御が鉄壁であろうと、その隙間を正確に穿つ矢を放つことができる。
平 時忠 (たいら ときただ)
平氏一門の一人。前世は平時忠。「おじゃる」という語尾を使い、平安時代の公家のような顔つきと物腰の少年。高慢で、「平氏であらねば人にあらず」という言葉を多用する。霊都を調べるために鎌倉送り込まれた。平氏方の生徒の指揮を執り、源氏側の生徒に攻め入る任を負っている。霊帯剣「守扇」を持ち、攻撃に、守備にと、変幻自在に操る。 卑怯な戦法も、源氏相手であれば遠慮なく使い、味方の平氏側の生徒すらも戦略のためなら犠牲にする。
平 宗盛 (たいら むねもり)
平氏一門の一人。前世は平宗盛。本来は後方で平氏の仲間を束ねる立場の少年。しかし、攻撃的な性格のため我慢ができなくなり、平時忠の援軍として自ら鎌倉に入る。霊帯剣「連枝」という、手の指が自在に鋭い刃になる武器を用いて、前世の恨みと共に源義経に攻撃を仕掛ける。人一倍源氏への恨みが強く、禍々しき破壊の意思を集めた存在、平清盛を自らに取り込む。
平 清盛 (たいら きよもり)
前世は平清盛。かつて日本に集まる「闘争心」を、「戦い」という行為で発散させるため、源氏と平氏の2つにわけ、合戦することで世界はバランスが保たれていた。しかし平清盛は「闘争心」を自分の意志で身体に集めたところ、想念に飲み込まれてしまい、破壊衝動だけが凝縮して残るようになった。かつて平清盛を、前世の源義経が殺した際、想念の塊の一部が現世の源義経の中に残ってしまい、暴走する恐れがあった。
クレジット
- 原作