概要・あらすじ
時は平安時代。母一人子一人という桐壺の更衣は、後宮に入内する。美貌と教養を兼ね備えた桐壺であったが、なんの後ろ盾もなかったため、陰口を叩かれることもしばしばであった。ある日、桐壺の部屋に汚い白猫が迷い込み、着物に爪を立てるという事件が起きる。しかし桐壺はまったく怒る気配を見せず、白猫をかわいがり、世話をしてやる。しばらくして、桐壺の部屋に帝が訪ねてくる。そこで、白猫は帝のものだったことが判明。これがきっかけで、桐壺は帝にみそめられ、帝は桐壺の部屋に入り浸るようになる。桐壺は周りの嫉妬に耐えながら、やがて男の子を出産する。しかし、気苦労からか、数年後に桐壺は亡くなってしまう。悲しみに暮れる帝であったが、桐壺とのあいだに儲けた男の子を「光る君」と呼んで寵愛した。これが光源氏誕生の物語である。その後、帝は14歳の藤壺を後宮に迎え入れる。藤壺は、亡き桐壺にそっくりであった。その姿を見た光源氏は、藤壺をことに慕うようになり、その気持ちはやがて恋愛感情へと発展していくのであった。
登場人物・キャラクター
光源氏 (ひかるげんじ)
桐壺の更衣を母に持つ皇子。光り輝くような美しい容貌を持つことから「光る君」と呼ばれる。また成長したあとは「源氏の君」と呼ばれた。幼い頃から母にそっくりな藤壺を慕い、成長後ははっきりと継母である藤壺に愛を告白。手紙を送り続けて、逢瀬に成功し、藤壺と関係を持つ。
桐壺の更衣 (きりつぼのこうい)
光源氏の母。亡くなった父の夢でもあり遺言であったとおり、後宮に入内。美貌と教養を兼ね備えた優しい女性だが、後ろ盾もなく後宮に入ったため、周りからは陰口を叩かれる。帝の寵愛を一身に受け、やがて光源氏を出産するが、数年後に死亡する。
藤壺 (ふじつぼ)
先の帝の姫君。14歳で後宮に入内する。亡くなった桐壺の更衣に瓜二つで、帝の寵愛を受ける。継子である光源氏との恋愛を、理性で抑えようとするが、抗いきれずに禁断の恋に落ちる。一夜の逢瀬であったが、光源氏の子供を身ごもる。
書誌情報
源氏物語~愛と罪と~ 3巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2019-05-24発行、 978-4098704767)
第2巻
(2019-08-26発行、 978-4098705986)
第3巻
(2019-12-26発行、 978-4098707072)