概要・あらすじ
昭和2年、東京田端に居を構える漫画家芥川龍之介は、田端漫画家村の人々を中心とした漫画家仲間と親しく交流しつつ『歯車』『或阿呆の一生』『西方の人』などの作品執筆に取り組んでいた。しかし、その一方で、精神を疲弊させていきやがて自殺に至ってしまう。
登場人物・キャラクター
芥川 龍之介 (あくたがわ りゅうのすけ)
30冊の単行本を世に出してきた人気漫画家であり、田端漫画家村の中心人物。神経衰弱、胃腸病、痔を患い、煙草と睡眠薬、精神安定剤を常用する。初登場時35歳。実在の小説家である芥川龍之介がモデル。
芥川 フミ (あくたがわ ふみ)
芥川龍之介の妻。初登場時27歳。芥川龍之介との間に3人の男子を持つ。実在の人物芥川文がモデル。
葛巻 義敏 (くずまき よしとし)
芥川龍之介の甥。度々芥川龍之介の作品制作を手伝う。田端漫画家村の一員。初登場時18歳。実在の文筆家である葛巻義敏がモデル。
芥川 フキ (あくたがわ ふき)
芥川龍之介の伯母。片目が不自由。生涯未婚で過ごし、芥川龍之介の養育に人生を捧げる。初登場時71才。実在の人物芥川フキがモデル。
小穴 隆一 (おあな りゅういち)
芥川龍之介の友人であり、芥川龍之介の単行本の装丁を手がける画家・装丁家。脱疽を患ったため、右足首から先が義足である。初登場時33歳。実在の画家である小穴隆一がモデル。
宇野 浩二 (うの こうじ)
芥川龍之介の友人の漫画家。梅毒を病んだことにより、一時的に精神のバランスを崩す。初登場時36歳。実在の小説家である宇野浩二がモデル。
菊池 寛 (きくち かん)
芥川龍之介の高校時代からの友人。漫画家にして漫画雑誌「漫画春秋」を主宰する編集者でもある。田端漫画家村の一員。初登場時39歳。実在の小説家であり文藝春秋社創設者の菊池寛がモデル。
内田 百閒 (うちだ ひゃっけん)
芥川龍之介が夏目漱石に師事していた際の兄弟子。漫画家としては不遇で、語学教師としての収入で生活しており、度々芥川龍之介や出版社に金を無心する。初登場時38歳。実在の小説家である内田百閒がモデル。
佐藤 春夫 (さとう はるお)
芥川龍之介の友人の漫画家。初登場時35歳。実在の詩人である佐藤春夫がモデル。
下島 勲 (しもじま いさお)
芥川龍之介のかかりつけの医師であり書家。田端漫画家村の一員。初登場時57歳。実在の医師である下島勲がモデル。
室生 犀星 (むろう さいせい)
芥川龍之介の友人の漫画家。田端漫画家村の一員。初登場時38歳。実在の詩人である室生犀星がモデル。
斎藤 茂吉 (さいとう もきち)
4コマ漫画家にして精神科医。芥川龍之介との交際は漫画家としてのみならず、医師として芥川龍之介を診察もしている。初登場時45歳。実在の歌人・精神科医の斎藤茂吉がモデル。
堀 辰雄 (ほり たつお)
東京帝国大学漫画科の学生。田端漫画家村の一員。室生犀星の紹介で芥川龍之介の仕事を手伝う。初登場時23歳。実在の小説家である堀辰雄がモデル。
平松 満寿子 (ひらまつ ますこ)
芥川フミの幼馴染の女性。初登場時29歳。芥川龍之介が女性を主人公にした作品を描く際に相談役となった。芥川龍之介から心中を迫られる。実在の人物平松満寿子がモデル。
久米 正雄 (くめ まさお)
芥川龍之介の学生時代からの友人で同人誌仲間。多くの作品が舞台化・映画化されている流行漫画家。初登場時36歳。実在の小説家である久米正雄がモデル。
室賀 文武 (むろが ふみたけ)
芥川龍之介の実家で働いており、幼い頃の芥川龍之介の世話をしていたほか、10代半ばの芥川龍之介にキリスト教を説く。初登場時58歳。実在の俳人である室賀文武がモデル。
集団・組織
田端漫画家村 (たばたまんがかむら)
『澄江堂主人』に登場するグループ。芥川龍之介ら、東京田端に居を構える漫画家の集団を指して周囲がつけた呼称。実際に田端に文士が多く集ったことからついた呼称である田端文士村がモデル。