概要・あらすじ
『火の鳥 エジプト編』で古代エジプトの青年王ファラオ3世と王妃ダイアが再生を待つ深い眠りに落ちてから約300年後。ナイル川の洪水で2人の体は海へ流され、王はギリシアに流れ着き、目覚めた時に出会ったスパルタ国の武将ユリシーズの家来となり、ダイアはスパルタ国へ向かうトロヤの軍船に拾われて目覚める。
スパルタ国で再開した2人はかつての記憶を失っていたため、それぞれダイアとクラブと名のり、出会った途端にお互いの深い絆に気づく。やがて2国は敵同士となり、戦いの中でダイアは傷つき、クラブはダイアを抱いて海に身を投じる。
登場人物・キャラクター
クラブ
かつてのエジプト王ファラオ3世。『少女クラブ版火の鳥 エジプト編』で、刺客によって致命傷を負うが、不老不死の火の鳥の血のおかげで死ぬことなく、深い眠りのうちに時を過ごしていた。ナイル河の洪水で海に流されギリシアに漂着。目覚めてからは、過去の記憶はなく、そこで出会ったスパルタ国の武将ユリシーズに拾われる。 名前も思い出せないため、仮にクラブと名のる。
ダイア
『少女クラブ版火の鳥 エジプト編』でエジプト王子に思いを寄せる女奴隷。傷ついて深い眠りに落ちた王子に殉じ、自らの胸に剣を突き立てる。王子と同じく不老不死の火の鳥の血のおかげで死ぬことなく、深い眠りのうちに時を過ごし、ナイル河の洪水で海に流されトロヤの船に拾われる。
火の鳥
3千年の命を持ち、また、その血を飲んだものにも3千年の長寿をもたらす。寿命をさとり、カメ、うさぎ、キツネの3匹の動物に長寿の血を与え、彼らに娘チロルを託して炎に身を投じる。
チロル
好奇心が強く、お守役の3匹の動物たちを説得して、渡り鳥の舞踊団に加わり旅に出る。嵐で動物たちとはぐれ、トロヤでパリス王子に捕えられる。
ノロ
『火の鳥 ギリシア編』に登場するカメ。母親の火の鳥に代わってその娘チロルの面倒をみる。不死鳥火の鳥の血を飲んだことで3千年の長寿となり、人語を解するようになる。
ヨタ
『火の鳥 ギリシア編』に登場するキツネ。母親の火の鳥に代わってその娘チロルの面倒をみる。不死鳥火の鳥の血を飲んだことで3千年の長寿となり、人語を解するようになる。
ポポ
『火の鳥 ギリシア編』に登場するウサギ。母親の火の鳥に代わってその娘チロルの面倒をみる。不死鳥火の鳥の血を飲んだことで3千年の長寿となり、人語を解するようになる。
ヘクター
トロヤの王子。軍船で敵国スパルタ国へ向かう途上、ナイル河の氾濫で海に流されたダイアを救い上げる。スパルタ国対トロヤの戦いにおいて、ダイアをめぐり、クラブと剣を交えるが、その場に現れたスパルタ国の武将アキレスに倒される。
ユリシーズ
スパルタ国の武将。記憶を失って海岸に漂着したクラブを家来とする。巨大な木馬に兵士を忍ばせてトロヤに入り込む計略を立て、スパルタ国を勝利に導く。
ヘレナ姫 (へれなひめ)
スパルタ国の王女。トロヤの王子ヘクターにスパルタ国からトロヤへ連れ去られる。ヘクターの弟パリスと親しくなるが、トロヤに攻め込んできた実の父であるスパルタ国王の手にかかり斬られてしまう。
ラオコーン
トロヤの予言者。トロヤの空に現れた不死鳥火の鳥の輝く姿を、戦勝の予兆であると告げる。
アキレス
スパルタ国の武将。体のどこをついても死なないと言われる強者であるが、唯一の弱点であるかかとをトロヤの王子、パリスの矢に射抜かれて命を落とす。
パリス
トロヤの王子。ヘクターの弟。弓の名手であるにもかかわらず、戦いに明け暮れる人たちの中にあって、死を恐れ、戦を嫌い、長生きを願う少年。スパルタ国との戦いに向かう兄ヘクターのために3千年の命を得られる不死鳥火の鳥を追い求める。しかし、ヘクターは、スパルタ国の猛将アキレスに討たれてしまう。 パリスは弓でアキレスのかかとを射抜きアキレスを倒す。
スパルタ国王 (すぱるたこくおう)
スパルタ国を訪れたトロヤの王子ヘクターと酒の上からいさかいを起こし2国の争いの発端となる。家来を前にトロヤにさらわれたヘレナ姫を取り戻したものへの褒美として「文房具ひとそろい」または「せっけん1ダース」と、贅沢は敵というスパルタ国の王らしいところを見せる。
スパルタ国王妃
娘ヘレナ姫の美しさを自慢にしていたが、トロヤの船で現れたダイアが娘より美しかったため、怒ってダイアを牢に閉じ込めてしまう。トロヤのヘクター王子は、かわりにヘレナ姫をさらい、ヘレナ姫を取り戻すためにスパルタ国はトロヤに攻め込み、トロヤ戦争が始まる。
場所
スパルタ国 (すぱるたこく)
『火の鳥 ギリシア編』の舞台となる都市国家。贅沢を嫌うお国ぶり。酒癖の悪い王。智将ユリシーズ、体のどこをついても死なないと言われる猛将アキレス、美しいヘレナ姫がいる。トロヤと敵対している。
トロヤ
『火の鳥 ギリシア編』の舞台となる都市国家。ヘクターパリスの兄弟王子、予言者ラオコーンがいる。スパルタ国と敵対している。
その他キーワード
木馬 (もくば)
『火の鳥 ギリシア編』に登場する建造物。スパルタ国の武将ユリシーズの策略の為に作られた巨大な木馬。兵士をなかに忍ばせ、退却したと見せかけ、戦利品としてトロヤに運び込まれ、勝利の酒に酔って油断したトロヤ軍に攻撃を仕掛け、スパルタ国に勝利をもたらした。
関連
火の鳥 (ひのとり)
火の鳥と呼ばれる超生命体が見守る古代から超未来にわたる人類の叙事詩。 関連ページ:火の鳥