概要・あらすじ
『火の鳥 ギリシア編』から時代を下ること300年。再生を待つ眠りのままギリシアで安置されていたダイアとクラブは、ローマ人アンドロクレスに引き取られ、ローマで目覚めると彼の息子と娘となる。ダイアの歌は評判になり、ローマ皇太子ネボケタスは、ダイアに宮中で歌うように命じるが彼女が拒否したため、アンドロクレスを殺しクラブとダイアを奴隷に落とす。
苦しめられている奴隷たちを不死鳥火の鳥の長寿の血で救おうと、ダイアは1週間のひまを願いでる。1週間で戻らなければクラブを処刑するという条件で解放されたダイアは、処刑直前に火の鳥を連れて戻り、火の鳥の策略で皇太子は頭が赤ん坊に戻ってしまう薬を飲んでしまう。
機に乗じて蜂起しようとする奴隷たちに、正々堂々と交渉しようと説得するクラブ。その姿に、きっと彼が次の皇帝となるだろうと火の鳥は予言する。
登場人物・キャラクター
チロル
天国を逃げ出した不死鳥火の鳥の娘。カメのノロ、キツネのヨタ、ウサギのポポという母親の火の鳥の血を飲み3千年の長寿を得た3匹の動物に守られ、山奥の泉に隠れ住む。3千年の寿命を持ち、その血を飲んだものにも3千年の命をもたらす。
ダイア
『火の鳥 ギリシア編』において、トロヤ戦争で傷つくも、不死鳥火の鳥の長寿の血のおかげで死ぬことなく、ローマ人アンドロクレスのもとで目覚める。人も動物も魅了する歌声はローマ中の評判となる。横暴なローマ皇太子ネボケタスに、宮中で歌うように強要されるが、拒否したため奴隷に落とされる。
クラブ
かつてのエジプトの青年王ファラオ3世。『火の鳥 ギリシア編』で妹同然に愛する娘ダイアとともに海に身を投げるが、不死鳥火の鳥の長寿の血のおかげで死ぬことなく、ローマ人アンドロクレスのもとで目覚める。ダイアが横暴なローマ皇太子ネボケタスに奴隷にされた時、同時に捕らえられて奴隷となる。
ネボケタス
ローマ皇太子。横暴な政治で奴隷たちを苦しめ、また、彼の宮中に呼ばれた娘たちは2度と帰してもらえないという。ダイアを宮中で歌わせようとするが、彼に育ての親を殺されたダイアの歌は憎しみの歌となり宮中にヘビやコウモリがあふれた。火の鳥の策略で皇太子は頭が赤ん坊に戻ってしまう薬を飲んでしまう。
アンドロクレス
シーザー大帝率いるローマ軍の兵士としてギリシアに進軍。宝倉に生きているかのように安置されているクラブとダイアを見つけ、戦利品としてローマに持ち帰る。彼らが目覚めてからは自分の子どもとして平和にパン屋を営む。
レオ
『火の鳥 ローマ編』に登場するライオン。ローマの森に住む。足に刺さった槍をダイアに抜いてもらったことから彼女の味方となる。コロシアムでの猛獣に娘たちを襲わせる見せ物の最中、ダイアを背に乗せて火の鳥が住む場所へと連れて行く。
木の精
奴隷となったダイアの前に老婆の姿で現れる。ダイアに火の鳥の長寿の血の力を教え、その居場所を告げる。
ノロ
『火の鳥 ローマ編』に登場するカメ。母親の火の鳥に代わってその娘チロルの面倒をみる。不死鳥火の鳥の血を飲んだことで3千年の長寿となり、人語を解するようになる。
ヨタ
『火の鳥 ローマ編』に登場するキツネ。母親の火の鳥に代わってその娘チロルの面倒をみるキツネ。不死鳥火の鳥の血を飲んだことで3千年の長寿となり、人語を解するようになる。
ポポ
『火の鳥 ギリシア編』に登場するウサギ。母親の火の鳥に代わってその娘チロルの面倒をみる。不死鳥火の鳥の血を飲んだことで3千年の長寿となり、人語を解するようになる。
場所
コロシアム
『火の鳥 ローマ編』に登場する古代ローマの競技場。奴隷の娘たちが猛獣と戦わせられる。猛獣を倒したものには、奴隷であっても何か一つ願いが聞き届けられる。
ローマ
『火の鳥 ローマ編』に登場する古代帝国。横暴な皇太子ネボケタスによって、奴隷たちは猛獣と戦わせられるなど悲惨な境遇に苦しめられている。
関連
火の鳥 (ひのとり)
火の鳥と呼ばれる超生命体が見守る古代から超未来にわたる人類の叙事詩。 関連ページ:火の鳥