概要・あらすじ
テキサス州ダラスで凶弾に倒れたジョン・F・ケネディ大統領が最後に発した言葉指令0とは、世界の平和のために純粋で欲のない少年だけの国際的平和維持組織ケネディ騎士団を結成させる事だった。ジョン・F・ケネディとはハーバード大学からの親友だった藤原誠はその遺志を継ぎ、8年の歳月をかけて、国を超えて手を繋ぎ平和のために戦う支部を世界各国に作り、その国の少年たちから優秀な騎士を選び出した。
日本支部では源、一ノ木、平の三人が、危険な任務を遂行するA級騎士へと昇格し、さまざまな国で起こる戦争、内乱、原爆、伝染病などから人々を守り、平和を取り戻すために戦い続ける。
登場人物・キャラクター
源 (みなもと)
日本支部のA級騎士。正義感が強く騎士団としての誇りを持ち、常に命を落とす覚悟で過酷な任務に就く少年。反面、無茶も多く命令違反の常習者でもある。階級は少尉。どんな乗り物でも1分もあればベテランのように乗りこなせるほど操縦が得意。数々の作戦で各国の騎士たちのリーダーを務める。 その功績により、ケネディ騎士団で長官の藤原誠に自分の次の地位である北半球支部連合長官に就くように薦められるが、実戦で働きたいという理由で断っている。欠点は、注意力に欠け最後に気を抜いてしまう事。腹話術が得意で、マスコットとして飼っている犬のベンケイが話してるかのように思わせる特技がある。英雄となっていく過程で、仲間を信じられず疑心暗鬼になっていた時期もあったが、赴任先で子犬から面倒を見ていたジャンゴの命を懸けた忠誠心により、精神面の弱さを克服し、さらにたくましく成長した。
一ノ木 (いちのき)
日本支部のA級騎士。手先が器用で、投げられた爆弾を静かに受け取りながら信管を抜いたり、故障した2台から1台の車を作るなど、機械いじりで才能を発揮する。アメリカ支部のジミーと仲が良かったり、爆撃を受けた村の立て直しに力を貸して村人たちから信頼されるなど、愛嬌の良さで人々から好かれる性格。 床屋に隠れ店員に変装して追跡をかわしたり、空から狙う貨物列車が区別できるように屋根にペンキで落書きに見せかけた目印を書くといった、頭の切れる所もある。欠点はオッチョコチョイなところ。
平 一平 (たいら いっぺい)
日本支部のA級騎士。源へのライバル意識が強く、喧嘩も絶えない。演説が得意な理屈屋。任務には忠実で計算高く、簡単には情に流されない。欠点は、用心深すぎて決断力に欠ける所と、上の者へのゴマすり。他人を言い負かしている内に、自分の身に置き換えて反省する素直さがある。源の行動に怒りを覚え、飛び出して行動を別にする事があっても、誤解と分かればすぐに反省して親友に戻る仲。
藤原 誠 (ふじわら まこと)
ケネディ騎士団の長官。ジョン・F・ケネディとはハーバード大学時代からの親友で、大統領になった時にケネディ騎士団の計画を聞いていた。ダラスで凶弾に倒れた時に発した指令0の合図を受け、世界各地にケネディ騎士団を設立させる。敵味方に関わらず、同窓生や戦時中に面倒を見てもらい恩がある人も多く、人々からの信頼も厚い。 ガミガミとうるさく、次々指令を送ってくるため、平一平からケネディ騎士団の名誉第一で騎士の事は将棋の駒程度にしか思ってないと言われるが、極地で任務に就く騎士たちに、それぞれのサイズと好みの色に合わせたセーターを黙って送るといった、さりげない部下への気遣いも忘れない、世界中の騎士たちにとって頼もしい上官。
張 (ちゃん)
中国支部のA級騎士。黒地獄結社への潜入作戦で、源とともに7人の騎士に選ばれた。強がって甘やかされることを嫌い、すぐムキになる。黒地獄結社の基地で水爆衛星の発射を阻止するために連れ出した、唯一複雑な計算と機械の操作ができる博士とは、始めの頃はいがみ合っていたが、逃走用の凧作りで意気投合し、やがて孫のように可愛がられる存在になる。 事件後には博士と一緒に暮らすようになる。身勝手だが純粋で、自分の誤解で源に悪い事をしてしまったと感じた時には、大声で泣き叫び悔やんだ。一度はケネディ騎士団を離れていたが、調子のいい事を言って現場に復帰し、どこにも所属していない寄せ集めの騎士を無理やり部下に引き連れ、勝手に源の任務に同行した。
アフリカの星 (あふりかのほし)
一部黒人部族が不当に抑圧されているアフリカ新興国の小国家サマーラで、首相たち支配者から政権を奪うために、単身ゲリラ活動を行っている戦士。チコというジャガーを手懐け、アフリカ経済を牛耳る近隣6か国の大臣たちを暗殺していく。これまで支配され続け、戦う気力を無くしていながらケネディ騎士団の支援で、独立に向けて戦闘訓練を行う部族の人間たちを軽蔑し、自分が新たなリーダーになるため源たちとは協力せずに戦う。 砦を落としたケネディ騎士団の活躍を自分の功績として人々に売り込み、原住民たちの自主独立の意識を高めるとともに、英雄となり首相に新たな指導者として迎え入れられる。
ゲバルト
アフリカ新興国の小国家サマーラで権力を与えられているモズ族の酋長の息子。ハーバード大学留学の天才で、専攻の天文学を応用した占星術に熟知しているため、未来予測や人事に活用させる。プライドが高く、黒人を馬鹿にした態度を取る白人には、屈辱的な制裁を加える。誤って部下に多大な犠牲が出た場合は、指導者として自ら危険な目に遭うことも辞さない。 戦局を読み、砦が落とされると人質として投降し、アフリカの星が大臣になると、村人たちの怒りの収まった隙につけこんで解放を願い出て、逃げ延びようとした。
メッサー
バジ国と戦争をしているミロネシアに雇われた腕利きのパイロット。ドイツの戦闘機メッサーシュミットに乗る。飛行機への思いは人一倍強く、いい機体や整備が行き届いている相手には敬意を払う。捨て子としてドブに浮いている所を拾われ、16歳までそのドブの周りの貧民街で飢えをしのぎながら生活していた。 その後、飛行サーカス団に入り、パイロットとしての腕を磨き、金目当てで渡り歩いた戦場でその実力を発揮していった。自分の腕だけを信じ、二度とドブの中の生活に戻らないために、どこの国であろうと、より高い金を支払う相手に付くようになる。
富田 (とみた)
南米ペルニア国で兵士たちに厳しい訓練を行う鬼隊長。藤原誠から連合長官候補として名前が挙がるが、無愛想でスカウトに来た騎士団たちの話もろくに聞かなかった。軍での評価は、人情家と好かれる面もあるが、同じくらい戦争屋と嫌われてもいる。ペガサス二世を操る源の腕は認め、親切に好物のドロップを薦めている。 広島で原爆を体験したため家族を失い、一度は藤原に面倒を見てもらっていたが、それでも原爆に対する怒りだけが大きくなっていった。
山下 (やました)
男らしい職業に就けという父に反発し、詩人になるため家を飛び出し、その後俳優の道に進んだ事で演技力が買われケネディ騎士団の作戦に特別参加している。父は世界石油社長で、世界平和よりも金というタイプの男だが、勘当して家を飛び出した息子がケネディ騎士団で危険な任務に就いている事を知り、源が要望していたタンカーを貸出し、自ら水先案内人を買って出た。 父親と話をすれば相変らず喧嘩になるが、根は親思いの優しい男。
ケルク
文明国の仲間入りをするため新たにケネディ騎士団の支部が設けられることになった、半年前まで裸足でジャングルを駆け回っていた人食い人種の酋長の娘。わざわざ訪れて訓練をしてくれる源たちの事を頼りにしているが、それが原住民たち訓練生には面白くなかった。偵察に行ったヘリが何者かに攻撃され重傷を負ったため、源たちのせいだと訓練生たちの反乱が始まるきっかけとなってしまう。
集団・組織
ケネディ騎士団 (けねでぃないつ)
『ケネディ騎士団』に登場する組織。ジョン・F・ケネディが、世界平和を守るために、欲があり過ぎる大人ではなく、純粋な気持ちを持った少年たちだけを集めて結成しようとした平和維持組織。ジョン・F・ケネディが暗殺されててしまったため、その遺志を親友の藤原誠が継いで設立された。国益に捕われないもっと大きなレベルの平和を目的に、世界各地にそれぞれ支部を作り、その国の少年による騎士を育てていった。 ケネディ騎士団の七本の柱は勇気、誇り、友情、努力、情熱、希望、誠実。本部は、自衛隊立山基地内の外れにある古ぼけた格納庫と建物でカムフラージュされた地下施設で、世界最高設備の電子計算機が置かれていた。 その後、飛騨の奥地にある湖の下に建造された巨大施設に移っている。騎士のランクは、任務を指揮、実行するA級と訓練生のB級に分けられ、A級騎士は世界各国どの場所でも国賓扱いで迎え入れられ、さまざまな施設に自由に出入りできる権限を持つ。支部は全世界50か国、訓練所は70か所に存在してなお増え続けているが、治安の悪い国など支部を作る資格のない国は、その国の賛同者たちが陰ながら良い国を作るために働いている。
ゼウス結社 (ぜうすけっしゃ)
『ケネディ騎士団』に登場する組織。ギリシャに本部のある、万能の力を手に入れて神になろうとするゼウスと呼ばれる男を中心とした組織。ゼウスは元々、体が小さかったため最高の人類を目指して、3年かけて20人のサイボーグ研究の学者が搭乗した飛行機を誘導して、弾丸を跳ね返す肉体、1km先の音まで捕らえる聴力、レオナルド・ダ・ヴィンチ並みの頭脳を手に入れた。 飛行機は搭乗機のパイロットを事前に洗脳しさらってきた後、乗員たちをデスプレートと呼ばれる爆弾内臓のベストを着けて操り、部下として従えていた。ゼウスと直接会話ができ、部下との取り次ぎ役の神官長は、組織を利用して世界を征服しようとしていた。
黒地獄結社 (くろじごくけっしゃ)
『ケネディ騎士団』に登場する組織。世界各地の首都上空に水爆衛星を打ち上げ、各国政府に多額の金を要求してきた犯罪組織。指揮官は0総統。武装した兵士が配備され、猛獣や毒草のエリアや、研究開発中ではあるが一人用装着型の追跡ロケットマッドドッグといった兵器を装備し、強力な防衛網を誇っている。要求期限が残り1か月と迫り、これまで潜入したFBI、CIA、イギリス諜報部らのエージェントが、誰一人帰ってこなかったため、ケネディ騎士団では訓練施設タイガー島での厳しい訓練に合格した各国代表のA級騎士7名がチームとなり、爆破を中止させるために漂流者を装って敵の衛星基地に渡った。 メンバーは源・日本、張・中国、サッカー・イギリス、ガラナ・コンゴ、テキーラ・メキシコ、ネバダ・アメリカ、エッフェル・フランス。
その他キーワード
ペガサス号 (ぺがさすごう)
『ケネディ騎士団』に登場する戦闘機。一部隊3名が搭乗できるケネディ騎士団の主力機。全長13m、全幅11m。最高速度マッハ4で飛ぶ。機体上部に360度回転する機銃が2門取り付けられている。各国支部が所有し、機体にはそれぞれ固有のエンブレムが描かれている。非常時には、コックピットを含む機首部分が外れてパラシュートが開き、脱出用カプセルとなる。 性能の高さは他の軍からも羨ましがられるほど。 のちに改造を加えてペガサス二世(ジュニア)となった。両翼に1台ずつ、1人乗りの小型攻撃機ポニー号を格納しており、コックピットから機内を通って乗り込むとせり上がり、畳んだ尾翼を広げて発進する。ポニー号はバイクの下に円盤を敷いたような形状で、宙を浮いて移動し、操縦者がいなくてもペガサス号からのリモコン操作で自動で格納することができる。