燃えるV

燃えるV

テニスを題材に、男たちの燃えるような戦いを描く熱血スポーツ漫画。ルールは実際のテニスに則っているが、相手を一撃で倒す必殺技が数多く登場するなど、型破りなアクションとコメディが展開される。「週刊少年サンデー」1986年6号から1986年52号にかけて連載された作品。

正式名称
燃えるV
ふりがな
もえるぶい
作者
ジャンル
テニス
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概要・あらすじ

10年前に両親と生き別れた狭間武偉は、育ての親が亡くなったことを契機に、行方不明の両親を探す旅に出る。そんな途中に訪れた軽井沢で、武偉はテニスに挑戦する。プレイしながらルールを覚えていくという対戦ながら、見事に全日本5位の選手を撃破。その武偉を待っていたのは、ダブルスのパートナーを探していた赤十字風郎だった。

彼との勝負を続けるうちに、武偉の実力はみるみる上昇。赤十字たちが所属する緑川高校テニス部の一員として、インターハイに出場することになる。しかし、高校テニス界は外国人留学生たちが席巻しており、インターハイ制覇を目指す武偉たちの前に、大きな壁として立ちはだかるのだった。

登場人物・キャラクター

狭間 武偉 (はざま ぶい)

中学卒業の15歳。両親と生き別れてからは、父親の親友である源さんに育てられていたが、その源さんも亡くなり、無一文で彷徨っていた。行方不明の父親と会うためには、さまざまな武道で勝つことが近道と、どんな勝負にも勝ち続け、たどり着いた軽井沢でテニスと出会い、緑沢高校に編入。テニスは未経験だったが、次に打つコースをあえて相手に示す必殺技「予告パッシング」をはじめとした破天荒なプレイで、強者を打ち倒していく。

狭間 恵 (はざま けい)

狭間武偉の父親。病に倒れた妻の絵夢の治療費を稼ぐため、武偉に「10年たったら迎えに来る」と告げて海外に渡航。自らの信条である「常に勝ち続けていく」行動を続けるなかでテニスと出会い、ウィンブルドン(全英大会)では準々決勝に進出する。しかし彼の生き様であった無敗記録は、そこで途絶えることとなる。

源さん (げんさん)

狭間恵の親友で、狭間武偉の育ての親。さまざまな武道を教えるなど、武偉の成長に欠かせない存在だったが、絹江という女性との別れ話から酒に溺れる。その絹江から突然の手紙を受け取った源さんは、すぐさま街に飛び出し、彼女を救うことに成功するが、そこで命を落とす。

三日月 真澄 (みかづき ますみ)

黒百合高校テニス部の2年生女子。1年生の時に参加したインターハイでは、女子団体戦の一員として優勝を経験した。「新月真澄」という偽名を使って大学生向けのテニススクールに参加していた軽井沢で、狭間武偉と出会う。

赤十字 風郎 (せきじゅうじ かぜろう)

緑沢高校テニス部に所属する1年生男子。16歳。軽井沢での合宿中に狭間武偉から侮辱され、さらにラケットで殴られたことで武偉に復讐を誓う。しかし、武偉の才能を知って、ダブルスのパートナーに指名する。コートで対決するなかで武偉にテニスの基本を教えていく。フラットの重いボールを次々と打ち返す必殺技「スパイダーガッデム」を使う。

手嶋 姫彦 (てじま ひめひこ)

緑沢高校テニス部の2年生男子。そのルックスから女子部員に慕われている。1年生時に出場したインターハイでは、男子シングルスで準優勝。白銀高校テニス部の2年生であるベスト・セラーとの試合では、スライス合戦によってガットにズレが発生。ベスト・セラーが、ハープを弾くように美しい旋律を奏でながらガットを直したのに対し、手嶋姫彦は手首を負傷して試合を落とすものの、女子人気の好感度アップに成功する。

ゼロックス・キッド (ぜろっくすきっど)

白銀高校テニス部の1年生男子。インターハイに向かう新幹線車内での因縁から、ダブルスの試合で狭間武偉と一騎打ちで戦う。ボクシングの経験者で、相手の顔や体にボールを当てる、強烈なボディショット戦法を得意としている。武偉との勝負後は、団体戦を1人で戦う武偉のために、対戦高校の選手を1人だけにするように暗躍する。

シャーク・ジョーンズ (しゃーくじょーんず)

本郷高校のテニス部に所属する男子。インターハイ準決勝で狭間武偉と対戦。試合を一方的に優勢に進めていたが、弱い相手と戦うと身体に変調をきたしてしまう体質を持つため、武偉が強くなるよう、試合途中から彼にテクニックを伝授し始める。船から海に落ちてサメに襲われた時に編み出した必殺技「垂直ボンバー」の使い手。

ディープ・グリーン (でぃーぷぐりーん)

レッドサン高校のテニス部に所属する男子。ウィンブルドン(全英大会)の準々決勝で狭間恵を倒した。連勝記録を樹立しているなか、日本庭球会会長の誘いを受けてインターハイに出場。決勝で狭間武偉と対決し、ケタ外れの実力と、武偉を鉄柱へと激突させることを狙ったショットで、彼を苦しめる。

レッドクロス

仮面の戦士。インターハイ終了後に日本から姿を消し、「ビクトリー狭間」として戦う狭間武偉の前に幾度となく立ちはだかる。プレイスタイルは狭間恵そのもので、全仏大会で恵と対決することとなる。

その他キーワード

予告パッシング (よこくぱっしんぐ)

狭間武偉の必殺技。「そこにパッシング!」と叫んでコースを指定しながら、相手の横を打ち抜くパッシングショットを打つ。弾道、コース共に明かしてしまうため、パッシングショットとしては致命的だが、それが逆に相手の動揺を誘い、武偉の強烈なショットがより活きる。

スパイダーガッデム

赤十字風郎の必殺技。頭上に投げ上げた無数のボールを連続して打つことで、打たれたボールがお互いに弾き合いながら飛んでいく。そのため相手はボールの軌道を読むことができない。試合ではフラットの重いボールを連続で返し、相手の腕を破壊する技として使用される。

垂直ボンバー (ばーちかるぼんばー)

シャーク・ジョーンズの必殺技。体中のバネをすべて使った強烈なトップスピンロブ。垂直に落ちたボールは通常のトップスピンロブよりも大幅に威力を増し、相手を襲う。

迎撃ビクトリースマッシュ (げいげきびくとりーすまっしゅ)

狭間武偉が一撃で勝利するための必殺技。食事もままならないその日暮らしを続けていたため、体力の落ちた武偉が編み出した。ロブを上げて相手のスマッシュを誘い、倍の威力で顔面に打ち返す必殺技。

攻撃ビクトリースマッシュ (こうげきびくとりーすまっしゅ)

狭間恵との試合で狭間武偉が見せた必殺技。ネット際へのドロップショットを打ち、前方に出てきた相手に強烈なスマッシュを打ち込む。

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