あらすじ
第1巻
本能寺の変で謀反に遭った織田信長は現代にタイムスリップして、スーパー本能寺の裏で倒れているところを店長に拾われた。これを明智光秀による改革の結果とカンちがいした信長は、そのままパート店員としてスーパー本能寺で働くことになる。そんな生活の中、信長は現代の技術に驚愕し、主婦たちの猛攻にとまどいながら、自らの居場所がもうどこにもなくなったと絶望するが、そんな姿を共に働く杏子から一喝される。
登場人物・キャラクター
織田 信長 (おだ のぶなが)
現代にタイムスリップした戦国武将の男性。本能寺で謀反に遭った直後からの記憶がなく、スーパー本能寺の裏で倒れているところを店長に拾われてパートとして働くことになった。織田信長自身にはタイムスリップしたという認識がなく、明智光秀が南蛮の大国と密通した結果、一晩で別世界のように変わったと思い込んでいる。スーパー本能寺でのポジションは一番低いものの、スタッフ全員の能力を冷静に把握しており、現代の常識に囚われない的確なアドバイスを与えることがある。実在の人物、織田信長がモデル。
杏子 (あんこ)
スーパー本能寺のアルバイト店員の女性。織田信長の教育係としてよく行動を共にしている。長い金髪を低い位置でツインテールにした女子高校生で、巨乳の持ち主。店内では惣菜係を担当しており、新商品の開発なども積極的に行っている。スーパーそのものに深い愛情を抱いており、スーパーでのアルバイトやパート職を軽んじられると怒りをあらわにする。また家族が不仲であることから、子供の目の前でケンカしている親に対しては、それが客であっても激怒する。名札には「ひらで」と書かれている。
店長 (てんちょう)
スーパー本能寺の店長を務める男性で、本名は「吉沢」。線の細い青年で、オーバルタイプの縁なし眼鏡を掛けている。気弱な性格で物腰が柔らかいため、厄介な来店客には強く言い返すことができない。もともとは大手企業から転職してきたやり手で、仕入れの独自ルートを開拓したりと辣腕を振るっていた。しかし本部から「余計なことはするな」と警告され、唯々諾々と流される状況に落ち着いてしまった。織田信長のことをリストラされたしがない中年だと思っている。
田中 (たなか)
スーパー本能寺でパート店員として働く主婦。長い黒髪をうなじでまとめている。表情が乏しくつねにひょうひょうと振る舞っており、少々物言いの厳しいところがある。レジ係を担当しており、何時間客をさばいてもレジ打ちの正確性は99.9%で、お客様満足度No.1を誇る。しかし、スーパーに対する愛情は薄く、求人広告くらいは派手にしなければスーパーで働きたい人間などいないと話している。
近藤 (こんどう)
スーパー本能寺でパート店員として働く女性。おばちゃんパーマをかけている。店内では菓子などのグロッサリー部門を担当しているが、その正体は万引きGメン。万引き犯を捕まえる際の行動力や身のこなしから、織田信長には隠密の者ではないかと疑われている。
森 成利 (もり なりとし)
スーパー本能寺の正社員を務める男性。外に跳ねた肩までの髪をハーフアップにしており、複数のピアスをつけている。非常に能力が高く、筆記試験は満点、準中型運転免許も即日取得して入社した。織田信長とは違うタイミングでタイムスリップしてきた戦国武士であり、信長の小姓だった人物。チャラチャラした態度で適当な仕事ぶりを見せていたが、かつての主人である信長との再会をきっかけに、仕事に対する態度を改めた。信長からは「蘭丸」と呼ばれている。実在の人物、森成利がモデル。
場所
スーパー本能寺 (すーぱーほんのうじ)
織田信長たちが働いているスーパーで、日本の天守閣を模した外観をしている。特売日には豆腐15円、卵77円、カレールー60円などの激安商品が並ぶ。そのため、近所の主婦たちの特価品を巡っての争いが激しく、さながら戦場のようになって信長が客に押し潰されることも多い。