餓狼伝

餓狼伝

夢枕獏の同名小説のコミカライズ。同作は複数のコミカライズがあり、こちらは『孤独のグルメ』でも知られる谷口ジローが作画を担当。のちに「グラップラー刃牙」シリーズの板垣恵介作画によるコミカライズも行われている。格闘家丹波文七が修行を経てプロレスラー梶原年雄との因縁の戦いに決着をつけるまでを描いたハードボイルド格闘技漫画。

正式名称
餓狼伝
ふりがな
がろうでん
原作者
夢枕 獏
作画
ジャンル
裏社会・アングラ
関連商品
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概要・あらすじ

25歳の丹波文七は東洋プロレスに道場破りをかけるが、若手レスラーの梶原年雄に無様な形で敗北する。文七は6年間のストイックな修行と道場破りを経て再度梶原年雄との対決に挑もうとする。多くの人を巻き込んで最後に文七梶原年雄と路上での対決を実現する。勝利した文七だが、勝利の喜びよりも孤独感が勝っていた。孤独な格闘家の戦いを描いたハードボイルド格闘技漫画。

登場人物・キャラクター

丹波 文七 (たんば ぶんしち)

31歳。一匹狼でストイックな格闘家。ケンカ屋。25歳のときに東洋プロレスに道場破りにでかけ、当時はまだ新人レスラーだった梶原年雄にチキン・ウィング・フェイスロックで敗北する。その後、自分の肉体を鍛えながらプロレスの組み技も身に付け、さまざまな流派の格闘技道場へ他流試合、道場破りを行い、再び梶原年雄と戦う準備を着々と行っていた。 準備が整い、梶原年雄との試合を実現するために東洋プロレスへ乱入するなどの手を尽くすが対戦は実現せず、最後は非公式な路上での対決の形で梶原年雄との再戦を実現する。

梶原 年雄 (かじわら としお)

丹波文七が対戦を願う東洋プロレス所属の人気プロレスラー。30歳。25歳のときに道場破りに来た丹波文七を関節技で返り討ちにするが、文七の打撃技に興味を持って北辰館で空手を習い自らのレスリングに取り入れている。文七には因縁を感じており試合ができる日を心待ちにしている。 文七から非公式な路上での再戦を挑まれて応じるが、今度は敗北する。

久保 涼二 (くぼ りょうじ)

奈良公園で掏摸を働いた際のヤクザとのいざこざに丹波文七を巻き込み、刃物を持ったヤクザを全く寄せ付けない文七の格闘技に惚れこんで文七の押しかけ弟子となる。文七と梶原の非公式な路上での試合を見届けることになる。

姫川 勉 (ひめかわ つとむ)

北辰館の松尾象山の門下で空手4段。冷静で物事に動じない。文七と泉宗一郎との野試合に立ち会い、文七に興味を持つ。北辰館福岡支部長が文七に負けたことを逆恨みして文七を狙う北辰館館員と文七との間の調停を松尾象山に求められ、文七を追ううちに文七と梶原の非公式な路上での試合を見届けることになる。

川辺 (かわべ)

東洋プロレスのレスラー。6年前は若手レスラーの指導をしていて、道場破りに来た丹波文七を梶原年雄と戦わせた。現在はオフィス勤務をしている。再び梶原年雄と対戦するために道場破りに来た文七に指を折られるがそのことを恨んではいない。東洋プロレス全体のことを考えて梶原年雄と文七との試合が実現しないようにさまざまな手を打つ。

伊達 潮雄 (だて うしお)

東洋プロレス所属の日本人だが外人枠の悪役レスラー。北辰館の3人に襲われても簡単に返り討ちにする丹波文七に興味を持ち、文七に梶原年雄の試合への乱入方法についてアドバイスをする。文七と梶原年雄の非公式な試合では後始末を買って出る。以前、道場破りに来た松尾象山に負けたことがある。

泉 宗一郎 (いずみ そういちろう)

柳生新陰流の傍流で素手で戦うことに特化した竹宮流の高名な武術家。丹波文七と対決して重傷を負う。

松尾 象山 (まつお しょうざん)

北辰館の館長で武術家。一時期、泉宗一郎から竹宮流を学んだことがある。若い頃は丹波文七と同じように道場破りをしていたが、空手の事業が大きくなったために試合をすることはできない。丹波文七に強い興味を持ち、会ってみたいと思う。姫川勉に文七の動向を探らせる。

斎藤 (さいとう)

空手を習っていて、ケンカが強くケンカ好き。若き日の丹波文七にケンカを挑まれるが簡単に返り討ちにする。文七は斎藤に負けたことで斎藤の押しかけ弟子となり空手を始める。そのケンカに強いはずの斎藤がヤクザとケンカをして文七の目の前で喉を切られて絶命する。この斎藤の死をきっかけに文七は格闘家となる。

北辰館 (ほくしんかん)

松尾象山が率いる実践空手道団体。東洋プロレスとは深いつながりがあって東洋プロレス所属のレスラーが空手の練習に訪れることがある。福岡支部長が丹波文七との非公式な試合で敗れ、それを逆恨みした北辰館館員が館長の象山には知らせずに密かに文七を狙っているが、ことごとく返り討ちにあっている。

クレジット

原作

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