猫田一金五郎の冒険

猫田一金五郎の冒険

主人公の名探偵・猫田一金五郎が様々な犯罪事件に挑み、解決したり混乱のまま終わったりするギャグ漫画であるが、過去の名探偵ものの小説・映画・漫画をパロディにしつつ、同時に実験的な笑いを大量に盛り込んだ短編連作漫画。シュールなキャラクターが理解不能な行動を起こしたり、推理小説作家に絵を描かせたり、ひたすら勘違いギャグを続けたりと、ギャグの極北に挑んだ作品。猫田一金五郎とその近辺以外は、とり・みきの他の作品にも登場する漫画俳優たちが演じるという、いわゆる「スター・システム」をとっている。

正式名称
猫田一金五郎の冒険
作者
ジャンル
探偵
 
パロディ
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概要・あらすじ

名探偵と誉高い猫田一金五郎は、様々な難事件解決の依頼を受け、助手の小咄少年とともに各地へ出向き、警視庁の宮入警部達と功を争いながら、誰も想像し得なかった事件の真相を明らかにしたり、しなかったりする。時として、ギャグを並べていくうちに、事件そのものがあやふやになってしまうものもある。怪人2001面相が敵であることが多い。

登場人物・キャラクター

猫田一 金五郎 (ネコダイチ キンゴロウ)

いわゆる名探偵。切れ長の目をした美青年で、たいていポーカーフェイス。髪にはウエーブがかかっている。服装は、金田一耕助のように袴にお釜帽そして下駄という出で立ちか、明智小五郎のように黒ずくめのスーツ姿であることが多い。唐突にギャグを始める強力なボケキャラだが、名探偵という立場上ツッコミに回ることもある。 難事件をズバリと解決することも多いが、ギャグを重ねているうちに話があいまいのまま終わってしまうこともある。フチが波打ったお釜帽と思っていると、波打った別のものだった(金魚鉢・シャンプーハット等々)というルーティン・ギャグを何度も繰り返す。

小咄少年 (コバナシショウネン)

私立探偵猫田一金五郎の助手の少年。年齢と名前は不明。詰め襟で金ボタン三つの学生服で登場することが多い。髪型は坊主頭で、顔立ちに特に際立った特徴はない。江戸川乱歩の『少年探偵団』の団長、小林少年(小林芳雄)のパロディキャラクター。

宮入警部 (ミヤイリケイブ)

警視庁の警部。外見は太った中年男性だが、肉体は不定形物質でできており、よく流動する。年齢・名前は不明だが、『美容院坂の罪作りの馬』でのみ「忠夫」という名前が与えられる(与えたのは共作者の京極夏彦)。とり・みきの『ポリタン』(1985)という警察漫画のキャラであったが、以後もよく登場し「スター・システム」の一員となっており、様々なとり・みき作品に登場している。

怪人2001面相 (カイジンニセンイチメンソウ)

怪盗で、変装の名人。予告状を送りつけた後に金品や財宝を強奪する。短い八の字ヒゲで切れ長の目をした男の仮面をつけており、仮面には鋲が打ってある。江戸川乱歩の『怪人二十面相』のパロディ。「短い八の字ひげで切れ長の目をした男」も、名前はついていないがとり・みき作品によく登場するキャラクターである。

小人探偵団 (ショウニンタンテイダン)

身長が10cmくらいしかない、童話の小人のような子供が7人で結成している探偵団。私立探偵猫田一金五郎の下で働いており、ちゃんとMDバッジと小人探偵団手帳をもらっている。メンバーは団長(苗字不明)・大下・木村・西川・藤井・堀切・山田で、堀切が紅一点。 いうまでもなく江戸川乱歩の『少年探偵団』のパロディ。『小人探偵団~西瓜喰い人形の秘密~』『巨人対怪人』の二編に登場する。

犬家当主 (イヌケトウシュ)

大富豪の「犬」一族の主人。名前・年齢は不明。太い眉で二重まぶた、唇は厚いが小さな口で、犬のようなタレ耳とヒゲがある。マキという若い娘がおり、西洋の王女のような格好をしている。『犬家の一族』に登場する。タレ耳とヒゲを除けば、名前はついていないがとり・みき作品によく登場するキャラクター。

一ツ橋 (ヒトツバシ)

警視庁の刑事。身長が高く、眼鏡をかけた青年。とり・みきの『ポリタン』(1985)という警察漫画のキャラであったが、以後もよく登場し「スター・システム」の一員となっており、様々なとり・みき作品に登場する。

川森 (カワモリ)

警視庁の刑事。色黒で禿げており、太い十時十分の眉毛でヒゲ剃り跡がある。モデルはメカニック・デザイナーの河森正治。とり・みきの「スター・システム」の一員となっており、様々な作品に登場する。

マリ子 (マリコ)

とても大きな髪(ショートカット)にベレー帽をかぶっている若い女性。私立探偵猫田一金五郎を「先生」と呼ぶので助手か関係者と思われるが定かではない。『悪魔の蹴鞠歌』と『いろは歌留多の謎』に登場する。

効果音を出す男 (コウカオンヲダスオトコ)

漫画の中の効果音を出す役目の男。丸顔で目鼻口はなく、顔面には「三目並べ」が描いてある。蝶ネクタイに背広姿で、杖を持っている。弟子が一人いてやはり効果音を出すが、汽車の音のドップラー効果を忘れるなど未熟なため、いつも杖でせっかんを受けている。弟子の顔には3本の円弧が三角を形成している図が描いてある。 弟子からは「師匠」と呼ばれる。『本人殺人事件』などに登場する。

苗字不明の一族 (ミョウジフメイノイチゾク)

婚礼を挙げたばかりの長男・生彦(なまひこ)と妻の咲子(さきこ)が惨殺された事件に登場する、その家族。生彦(なまひこ)の母と弟の借彦(かりひこ)、妹の鮫子(さめこ)、そして叔父の鰐彦(わにひこ)と祖父の虫彦(むしひこ)である。みんな何かに寄生されている。『本人殺人事件』に登場する。

法眼 さつき (ホウガン サツキ)

法眼家連続殺人事件の被害者の家族である若い女性。さつきの夫とその愛人、さらに愛人の愛人の三人が殺された。登場する作品、『美容院坂の罪作りの馬』は小説家京極夏彦との共作なのだが、このキャラクターは京極夏彦が描いている(京極はアートディレクターの経験がある)。 登場当初は、髪はアップにしててっぺんでお団子にしてまとめ、和服の喪服を着ていたが、途中から髪をといてレオタードを着た姿になった。口調も当初はべらんめえ調だったが、次第に普通になる。共作者二人がお互いを困らせようとしたので物語は混乱し、一時的に結末はつけられたが、さつきの正体ははっきりせずに終わった。

喜国 ひさいち (キクニ ヒサイチ)

『第3セクター殺人事件』の被害者で、有名な漫画家。「漫画界一のミステリマニア」と紹介される。長髪でサングラスをかけており、漫画家だという記号のベレー帽をかぶっている。雪の中を走る一両だけのディーゼル列車の中で死んでいて、刺殺であったが凶器が見当たらなかった。4コマ目がない4コマ漫画のダイイング・メッセージを残す。 漫画家の喜国雅彦がモデルと思われる。

カステラーダ・タツヤ (カステラーダタツヤ)

「百八つ墓村」連続大量殺人事件に巻き込まれた青年(小説『八つ墓村』の主人公・寺田辰弥がモチーフ)。『百八つ墓村』に登場。顔はぞんざいに描かれている。連続大量殺人事件は百八人の落ち武者のたたりと思われたが、すべてはタツヤが属するタジマハル家にまつわる悲しい出来事が引き起こした事件であった(モチーフとなった小説『八つ墓村』では「田治見家」)。

漫画俳優たち (マンガハイユウタチ)

とり・みきの「スター・システム」を担う漫画俳優たちが、この作品にも多く脇役として登場している。『斜めすぎる屋敷の犯罪』では、下膨れの輪郭で目つきの悪いタキタさん(とり・みきの「小松左京研究会」での友人、元書店員の田北鑑生(たきたかんせい)がモデル)、丸い眼鏡をかけて白髪で口ひげを生やした初老の吉田さん(よしださん)(『吉田さん危機一髪』では主役を務める)。 『美容院坂の罪作りの馬』では、鑑識を演じた、野球のホームベースのような輪郭で猫のような口のウブカタさんと、長身のヨネダさん(イラストレーターの米田裕がモデル)、そしてヒョウタンの頭にに楕円がいくつか生えたようなキャラ等々である。

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