探偵・日暮旅人の隠し物 ~刑事・増子すみれの事件簿~

山口幸三郎の小説『探偵・日暮旅人』のスピンオフで、山口幸三郎自らが脚本を手掛けてコミカライズした作品。捜査一課の女刑事が、目に見えないモノを視る事ができる不思議な探偵と協力しながら、数々の難事件に挑む姿を描く。「月刊コミック電撃大王」2015年10月号から2016年12月号にかけて不定期に掲載された。

正式名称
探偵・日暮旅人の隠し物 ~刑事・増子すみれの事件簿~
ふりがな
たんてい ひぐらしたびとのかくしもの けいじ ますこすみれのじけんぼ
原作者
山口 幸三郎
作者
ジャンル
探偵
 
異能力・超能力
レーベル
電撃コミックスNEXT(株式会社KADOKAWA)
巻数
全2巻完結
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あらすじ

第1巻

捜査一課の刑事である増子すみれは、ダンボールに入れられて竹林に放置された遺体遺棄事件の捜査をしていた。被害者である狭川洋一の死因は首を切られた事による失血死で、遺留品も見つかっていない事から、物盗りの線で一課の捜査方針は固まる。しかし、すみれ自身はそれに強い疑問を抱いていた。そんな矢先、上司の命令で行方不明になっている幼女の宮川さくらの捜査も掛け持つ事になったすみれは、母親であるホステスの宮川恵理のもとを訪れた際に、風変わりな探偵の日暮旅人と出会う。洋一の遺体遺棄現場とさくらの家が近かった事から、双方の事件に関連性があると見て捜査を始めたすみれは、聞き込みの場に居合わせた旅人と共に、洋一の殺害現場の可能性がある部屋へと足を踏み入れる。

第2巻

捜査一課の刑事である増子すみれは老舗百貨店を占拠した、過激思想組織、天空の爪を名乗るテロリストへの現場対応に追われていた。テロリストは五人で、人質は百貨店の従業員十人。過去の事件で逮捕されている幹部の釈放を要求しているものの、具体的な指示や金銭の要求はなく、監視カメラの電源を切らないまま素顔を晒し続ける犯人達の様子を見て、捜査一課は死を覚悟した行動であると推測。捜査一課が対策を協議していたその最中、監視カメラの映像に中にあの日暮旅人がいるのを発見したすみれは、何とか旅人とコンタクトを取り、テロリスト鎮圧への協力をさせようと試みる。

登場人物・キャラクター

増子 すみれ (ますこ すみれ)

刑事部捜査一課の「特殊班」に配属する警部補の女性。監察官のもとで極秘に発足された諜報部、通称「改革派」のメンバーでもある。以前は警備部公安課に所属しており、刑事部の職員にも増子すみれの個人情報は秘匿されている。つねに冷静で規律を厳格に守る優秀な刑事だが、一方で目的を遂行するためなら手段を選ばず、私情も平気で切り捨てる冷酷な一面を持つ。 柔道の有段者であり、学生時代にはキックボクシングのプロライセンスを取得している。公安時代に追っていた事件を解決できなかった事を今でも心残りに思っている。捜査の過程で出会った探偵の日暮旅人に対し、情報屋として協力を求める事になった。

日暮 旅人 (ひぐらし たびと)

探偵を生業としている男性。増子すみれに情報屋として雇われている。五感のすべてを宿す目を持っており、普通の人間が見られない「モノ」を視る事ができる。その情報を駆使し、色々なモノを探し当てる事が可能になったが、その代償として視覚以外の感覚をすべて失っている。特殊な目を持つ事になった原因である両親の死の真相を探るため、あるモノを探している。 温和な性格をしているが、時折冷酷で残忍な目をする時がある。雪路雅彦が保護した女の子の百代灯衣を娘として育てている。

土井 (どい)

増子すみれのパートナーを務める男性。刑事部捜査一課「特殊班」のメンバーでもある。役職は巡査部長で、すみれは上司に当たるため、敬語を使っている。冷酷で手段を選ばないすみれのやり方に最初の頃は疑問を抱いていたが、行動を共にするうちに彼女に対する信頼を徐々に深めていく。

中上 千花 (なかがみ ちばな)

増子すみれにあこがれる刑事の女性。階級は巡査。総務も兼ねた刑務部に所属する中上仙警部補の娘で、のちに刑事部捜査一課「特殊班」のメンバーとなる。時に周りが見えなくなる猪突猛進な性格をしており、すみれにあこがれるあまり、現パートナーである土井とは言い争いが絶えない。土井からは「ハナ公」と呼ばれている。

築地 (つきじ)

増子すみれの上司の中年男性。刑事部捜査一課の「特殊班」をまとめあげる警部。恵比須様のような見た目をしており、思慮深く仕事もできる優秀な人物。中上仙とは先輩後輩の仲で、過去に同じ交番に勤務していた。

雪路 雅彦 (ゆきじ まさひこ)

元市長で政治家でもある雪路照之の次男。警察内部でもちょっとした有名人で、まるでホストかチンピラのような外見をしているが、同年代の若者や行政関係者に顔が広いという一面を持つ。日暮旅人をアニキと慕っており、探偵業の手伝いなどもしている。自殺した兄と妹がいる。

百代 灯衣 (ももしろ てい)

日暮旅人が娘として育てている少女。年齢は5歳。雪路雅彦に保護されたあと、旅人の里子となったが、実の両親の事や里子になった経緯は明かされていない。ほとんどしゃべらないが、旅人と雅彦にはよく懐いている。

山川 陽子 (やまかわ ようこ)

百代灯衣が通っている幼稚園の先生。日暮旅人とも交流がある女性。ごく普通の生活を営んでいたが、友人である七尾満里奈が恋人に監禁された事件に巻き込まれてしまう。旅人に対しては、淡い思いを抱いている。

中上 仙 (なかがみ せん)

警察組織のまとめ役といわれる警務部に所属する警部補の男性。中上千花の父親。生真面目で、融通が利かない性格をしている。千花を溺愛しており、娘の事になると冷静さを失ってしまう一面を持つ。

狭川 洋一 (さがわ よういち)

25歳の男性。突如として行方不明になり、家族から捜索願が出されていたが、郊外の竹林で、ダンボールに入れられた姿の遺体で発見された。生前を知る者によると、人望も厚く大きなトラブルを抱える事もない、善意の塊のような人物だった。趣味は釣りとパチンコ。

江園 大樹 (えその たいき)

アニメオタクでロリコンの男性。宮川恵理と同じアパートに住んでいる。宮川さくらとも面識があり、よく遊び相手になっていた。狭川洋一とは同じ予備校に通っていたという共通点を持つ。現在は行方不明。

宮川 恵理 (みやがわ えり)

日暮旅人が経営する探偵事務所と、同じビルに入っているキャバクラで働くホステス。年齢は22歳。宮川さくらの母親で、前日の夕方から行方不明になっているさくらの身を案じ、旅人に相談を持ちかける。

宮川 さくら (みやがわ さくら)

宮川恵理の娘。年齢は5歳。行方がわからなくなったため、公開捜査が行われている。隣人である江園大樹に懐いており、よくいっしょに遊んでいたが、大樹を怪しむ理恵からはそれを咎められていた。

矢口 凛子 (やぐち りんこ)

宮川恵理と同じアパートに住んでいる独身の女性。年齢は33歳で、現在は無職。人付き合いが苦手で、あまり外出をする事はない。上の階に住んでいる江園大樹の奇行を耳にしており、聞き込みに訪れた増子すみれに対し、その事を証言した。

白石 (しらいし)

組織犯罪対策課に所属するベテランの男性刑事。役職は警部。麻薬のスペシャリストと称され、幾度も密売犯を検挙している敏腕刑事。かなり強引なやり方でチンピラや暴力団員を数多く検挙しており、警察内部でもよく知られた存在となっている。

七尾 満里奈 (ななお まりな)

ドラッグの売人をしている恋人に監禁されてしまった女性。その際、友人である山川陽子を巻き込んでしまう。恋人である男は新種とみられるドラッグを服用しており、その薬物依存により暴力的な犯行に及んでいた。

南波 凛世 (なんば りせ)

科学捜査研究所で法医学研究員を務めている女性。増子すみれとはファーストネームで呼び合う仲。すみれが七尾満里奈の恋人宅から持ち出したドラッグを、ロストであると解明した。

熊谷 (くまがい)

暴力団である鳥羽組の組員の男性。スキンヘッドに大量のピアスを付けており、やせ細った骸骨のような見た目をしている。金のためならどんな悪事でも引き受ける、根っからの悪人。

サン

革命の戦士を謳う過激思想組織、天空の爪のリーダーを務める若い男性。名前は一種のコードネームで、本名は不明。以前に捕まった天空の爪の幹部らの釈放を条件に、老舗百貨店に立て籠った。

スノー

過激思想組織、天空の爪に属するテロリストの女性。メンバー内では唯一30代とみられる。名前は一種のコードネームで、本名は不明。恋人に裏切られ続け、世を恨んで組織に入ったが、人を傷つける行為に疑問を抱いている。

集団・組織

諜報部 (ちょうほうぶ)

監察官の指揮のもと、警察内部に極秘裏に発足された部署。通称「改革派」といわれ、警察内部の不祥事を特定・剔抉(てっけつ)する事を主な任務としている。増子すみれ以外のメンバーは不明。

天空の爪 (てんくうのつめ)

革命の戦士を謳う過激思想組織。社会の悪をすべてを排斥した、浄化された完全な理想郷を目指して活動している。とあるテロ計画の失敗により、初期メンバーを含む幹部数名が逮捕された。支柱を失った組織は内部分裂を起こし、今や崩壊の危機に瀕している。

その他キーワード

ロスト

悪魔の発明品とも呼ばれるドラッグの名称。その昔、とある暴力団が囲っていた天才ドラッグデザイナーが精製した。使用すれば必ず廃人になる、といういわくつきの代物だが、透視や千里眼のような超能力が身につくとも噂されている。視覚が異常に発達する代わりに、人格が失われる事から、ロストと名付けられた。

クレジット

原作

山口 幸三郎

キャラクターデザイン

煙楽

書誌情報

探偵・日暮旅人の隠し物 ~刑事・増子すみれの事件簿~ 全2巻 株式会社KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉 完結

第1巻

(2015年11月26日発行、 978-4048654937)

第2巻

(2016年12月17日発行、 978-4048925020)

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