王子と魔女と姫君と

王子と魔女と姫君と

女ながら女子にモテモテの大路昴は、実は前世では王子様だった。さらに、前世で王子様の昴を取り巻いていたおとぎ話の姫君たちは、全員が男に転生しており、女子に転生した昴に猛烈なアプローチをしてくる。昴の、逆ハーレムかつ三角関係を描いたラブ・コメディ。「花とゆめ」2010年年1月号から2014年9月号にかけて掲載された。

正式名称
王子と魔女と姫君と
ふりがな
おうじとまじょとひめぎみと
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

緒伽林高の1年生として転入して来たイケメン女子の大路昴。彼女は前世が王子だったことを、幼なじみの黒森仁たちに知らされる。そして、同じく転生していた前世が姫君の男子たちによって、昴の争奪戦が始まるのだった。男子たちにちやほやされるのに慣れていない昴は、最初はドギマギしていたが、男子たちの過去や性格を知るうちに、徐々に仲良くなっていく。

登場人物・キャラクター

大路 昴 (おおじ すばる)

緒伽林高に転入してきたイケメン女子生徒。大路陽と大路光の娘で、黒森仁とは幼なじみの関係にある。さばさばとした性格で、男子よりむしろ同性の女子にモテる。ところが緒伽林高に来てからは、急に何人もの男子に囲まれるようになり、腰が引けている。実は前世は、何人もの姫君たちを誘惑していた王子。

黒森 仁 (くろもり めぐみ)

緒伽林高の男子生徒で、大路昴とは幼なじみ。1年生の時は昴とは隣のクラスで、雪梨真白と同じクラス。2年生に上がってからは、真白とともに昴と同じクラスになる。ラッキーカラーを信じており、よく身に着けている。前世は魔女だが、その事実を知る者は小津魔姫のみ。昴も黒森仁自身も知らない。家庭環境が複雑なため、人を信じることを難しく感じている。

煤原 零時 (すすはら れいじ)

緒伽林高の男子生徒で、前世はシンデレラ。1年生の時も2年生の時も大路昴と同じクラス。負けず嫌いなため、一方的に昴と張り合っている。潔癖症なところがあり、常に身の回りを綺麗にしていないと気が済まない。当初は昴のことを「バカだ」と罵倒していたが、次第に昴の前世と変わらない優しさに惹かれていく。煤原深夜と煤原正午という2人の兄がいるが、家では彼らの分も家事を担当している。

雪梨 真白 (ゆきなし ましろ)

緒伽林高の男子生徒で、前世は白雪姫。1年生の時は大路昴とは隣のクラスで、黒森仁と同じクラス。2年生になってからは仁とともに昴と同じクラスになる。好きなものは小動物とりんご、嫌いなものは運動と野菜と、好みがはっきりしている。少し体が弱いため、よく体育を休んでいる。継母である母親に愛されていないと思い込んでいるものの、継母の子供である妹の雪梨緋色と弟の雪梨浅葱は溺愛している。

指宿 元親 (いぶすき もとちか)

緒伽林高の男子生徒で、前世はおやゆび姫。大路昴が2年生になった時に、高等部に進級する。かつて親戚中をたらいまわしにされていたことがあり、それがきっかけで暗いところが苦手になった。小さい体に見合わない怪力の持ち主で、色々な部活に勧誘されているが、入部はせずに助っ人だけしている。

魚住 隼人 (うおずみ はやと)

緒伽林高の男子生徒で、前世は人魚姫。大路昴たちの先輩にあたる。知る人ぞ知る音痴で、「歌うぞ」が脅迫の言葉になっている。中等部まで水泳部で、大きな大会の記録保持者でもあるほど水泳が得意。女と見れば見境のない茨城夢路のストッパー役になっている。姉の魚住小鶴を通じて、幼なじみとなった染井吉野がいる。

茨城 夢路 (いばらき ゆめじ)

緒伽林高の男子生徒で、前世は眠り姫。大路昴たちの先輩にあたる。三度の飯より昼寝と女子が好きで、一度寝たら異性の声以外で起きることはない。一度謹慎処分を受けており、昴たちが2年生に上がる直前に謹慎が解け、復学する。

緋頭 米子 (ひとう こめこ)

緒伽林高の男子生徒で、前世は赤ずきん。家業の米屋とかけて背の低さをからかわれることがあり、「誰が米粒だ」と返すのが口癖となっている。あまり表情が変わらず淡々としゃべるため、変人と思われており、あまり友人がいない。中等部の頃に森田稲男という名前の婚約者に振られており、まだそれを引きずっている。

染井 吉野 (そめい よしの)

緒伽林高の女子生徒。女子に人気の高い黒森仁や煤原零時たちの隠し撮り写真を売り歩いている。近くにある総合病院の院長の娘。強気でさばさばした性格で、家柄を鼻にかけることはない。魚住隼人に想いを寄せているが、隠している。

小津 魔姫 (おず まき)

緒伽林高の理事長を務める男性。ちょっとオカマっぽい。本名は「小津悟」という。王子である大路昴と姫君たちの心の距離が、少しずつ近づいていくのを見て、楽しんでいる。また、黒森仁が魔女であることを知る唯一の存在でもある。

煤原 深夜 (すすはら しんや)

煤原零時と煤原正午の兄で、ホストとして働いている。緒伽林高のOB。職業柄女子への接し方が上手く、茨城夢路が憧れている人物。煤原家の稼ぎ頭ではあるが、ホストという職業柄、零時にはあまり快く思われていない。

榊先生 (さかきせんせい)

緒伽林高の養護教諭を務める男性。小津魔姫理事長を、本名の「悟」と呼び捨てにするほどの旧知の仲。緋頭米子が婚約者の森田稲男に振られたことを多少知っており、米子と仲がいい大路昴に、「米子をよろしく」と頼む。

音鞍 (ねくら)

緒伽林高の女子生徒。虐められているところを指宿元親に助けられて以来、元親に想いを寄せている。ファンタジー小説が好きで、自分でも執筆している。大路昴に自分が書いた小説を見られたことがあるが、そのことを周囲に黙っていてくれることに感謝している。

雪梨 緋色 (ゆきなし ひいろ)

雪梨真白の義妹で、漆黒の髪をしている。小学1年生ながら、しっかりした女の子。真白に溺愛されており、本人もその自覚はある。初めて大路昴が雪梨緋色と会った時には、あまりの可愛さに悶えていた。昴に好感を抱いており、真白と付き合えばいいと思っている。

雪梨 浅葱 (ゆきなし あさぎ)

雪梨真白の義弟で、漆黒の髪をしている。小学3年生で、ちょっと鈍感なところがある。真白に溺愛されており、本人もその自覚はある。初めて大路昴が雪梨浅葱と会った時には、あまりの可愛さに悶えていた。昴に好感を抱いており、真白と付き合えばいいと思っている。

森田 稲男 (もりた いねお)

緒伽林高のOBで、緋頭米子の元婚約者の男性。米子に対して優しい、おっとりとした文系大学生。婚約を破棄した今でも米子のことを大事に思っており、心配していた。米子に友達ができたことを知って安心している。

魚住 小鶴 (うおずみ こづる)

魚住隼人の姉。元水泳部で、優秀な成績を残している。隼人が水泳を始めたのも魚住小鶴に影響を受けたため。しかし、ある日、水泳の帰り道で事故に遭い、歩くことさえままならなくなったため、水泳をやめてしまった。今は、染井吉野が撮ってくる隼人たちの写真を見ることが楽しみ。

煤原 正午 (すすはら しょうご)

煤原深夜の弟で、煤原零時の兄。彼女によく電話をしている。零時が大路昴に恋をしていることにいち早く気付き、零時が恋心を抱くようになったことを、すぐに深夜に報告した。零時の恋を応援している1人。

黒森 優 (くろもり ゆたか)

黒森仁の母親で、烏丸偲の元妻。偲とはかなり前に別れ、現在は1人で仁を育てている。夜勤により、仁を夜1人にしておくことが多いが、仁への愛情は深い。大路光とは家が隣同士のため仲が良く、大路昴とも親しい。

烏丸 偲 (からすま しのぶ)

黒森仁の父親で、黒森優の元夫。優とはかなり前に別れている。仁と話をしたがっているが、仁には拒否されている。優と別れた理由を「若気の至り」と語っており、今も優のことを想っている。

大路 陽 (おおじ ひなた)

大路昴の母親で、大路光の妻。お祖母ちゃんによれば、ロクに笑うこともなく素直じゃない、可愛げのない娘だったという。心臓が生まれつき悪く、大路昴を生む際にも、身体が保つかどうかわからないと言われていた。ちなみに、昴の大路光に対する態度は、大路陽のそれとよく似ていると評されている。

大路 光 (おおじ てる)

大路昴の父親で、大路陽の夫。7年間の長期海外出張をしていた。昴に一緒に来てほしいと思っていたが断られたため、その間、昴を全寮制の女子高に入れていた。死んでしまった陽のことをとても愛しており、彼女によく似ている昴のこともとても愛している。ちょっと童顔で、若く見える。

お祖母ちゃん (おばあちゃん)

大路昴の祖母。大路光と昴がうまくやっているか確認するために現われた。娘の大路陽とよく似ている昴を遠回しながら気にかけており、うまく高校生活を送れているか黒森仁に尋ねる。のちに昴と電話をするほどに仲良くなる。

場所

緒伽林高 (おとぎばやしこう)

大路昴たちが通っている高校。小津魔姫が理事長を務めている。姫君たちは性別を変えてイケメンに転生したため、女子生徒たちにもファンが多い。かつて姫君であった煤原零時たちは、女子なのにイケメンな昴とともに、女子たちに遠目からうっとりとした眼差しで見られている。

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