概要・あらすじ
小児科に勤務する医師のエマ=サイラスは、ビリーから転勤を打診される。王立医療センターの小児科医としてオルデー王国を訪れたエマは、そこでかつて学生時代に家庭教師をしていた、ハラール=フィルベルト=マリーギョームと再会した。成長したハラールは国民のことをきちんと考える良き国王になっていて、エマはときめきを隠せない。
そんなある日エマを呼びつけたハラールは、シルヴィアという子供を診て欲しいと頼む。サンドラ王妃はシルヴィアはハラールの子供だと語り、エマに衝撃を与えるのだった。
登場人物・キャラクター
エマ=サイラス (えまさいらす)
小児医療のエキスパートとしてオルデー王国の王立医療センターに引き抜かれた女性。シカゴ小児健康センターに勤務していた。ぽっちゃり体系で、学生時代はよく周囲にバカにされていた。ハラール=フィルベルト=マリーギョームとは学生時代から知り合いで、彼の家庭教師をしていたことがあるが、良い思い出はない。再会したハラールがしっかりとした人間になっていることに驚きを隠せず、ハラールにどきどきしてしまう。
ハラール=フィルベルト=マリーギョーム (はらーるふぃるべるとまりーぎょーむ)
オルデー王国の国王で、サンドラ王妃の息子。エマ=サイラスは学生時代に彼の家庭教師をしていたことがある。学生時代は女遊びが激しく勉学はおろそかだった。現在は見た目こそ派手だが、国のことをしっかりと考える良き青年となっている。エマのことを大きなテディベアだと思っており、よく抱きしめている。
ビリー
シカゴ小児健康センターに勤務する男性で、エマ=サイラスが勤めていた当時の上司。エマをオルデー王国の王立医療センターに推薦した人物。温厚で人望厚く、エマもビリーのことをとても信頼している。
カール=スミス (かーるすみす)
オルデー王国の王立医療センターで、センター所長を務める男性。ビリーの恩師であり、エマ=サイラスのオルデー王国での上司。温厚で人望も厚く、小児科医療センターを作ることがオルデー王国の悲願だということをよく理解している。
ミケ=アントニオーニ (みけあんとにおーに)
オルデー王国の王立医療センターで、小児病棟の責任者を務める男性。イタリア人。軽薄な性格で、よくエマ=サイラスを食事に誘っては所構わず誘惑している。ハラール=フィルベルト=マリーギョームとの関係はあまり良くなく、エマを巡ってよく対立している。
サンドラ王妃 (さんどらおうひ)
厳しくも優しいオルデー王国の皇太后。今は皇太后だが、先代の国王であるハラール=フィルベルト=マリーギョームの父親が存命の間は、仲睦まじい理想の王妃として評判だった。ハラールが忙しいため、シルヴィアの面倒は彼女と付き人のハンナが見ている。
シルヴィア
ハラール=フィルベルト=マリーギョームの娘だとされている子供。城の裏門に置き去りにされ、一緒に王家の紋章のネックレスがおいてあったため、王家の血を引く子供として扱われている。実際はハラールの兄であるヘンリクとソフィの子供である。
ソフィ
シルヴィアを生んだ母親。ハラール=フィルベルト=マリーギョームの兄、ヘンリクが好んで訪れていたホテルでメイドとして働いていた。ヘンリクと関係を持ち子供をもうけたが、体が弱くシルヴィアを生む時に亡くなってしまった。ヘンリクとの身分違いの恋に悩んでいた。
場所
オルデー王国 (おるでーおうこく)
公用語がフランス語の、ヨーロッパにある国。現在はハラール=フィルベルト=マリーギョームが治めており、皇太后が後見人をしている。ハラールが国王になる前は、ハラールの兄がオルデー王国の国王だった。しかし、不慮の事故で亡くなったため、ハラールが国王の座についた。
シカゴ小児健康センター (しかごしょうにけんこうせんたー)
エマ=サイラスがアメリカで勤めていた病院。エマは、ここの上司であるビリーには世話になっており、彼の願いを無下にできない。彼女はここを辞めて、オルデー王国の王立医療センターに移った。
王立医療センター (おうりついりょうせんたー)
オルデー王国にある医療センター。カール=スミスが所長を務めている、小児専用の医療センター。エマ=サイラスは小児科のエキスパートとして、シカゴからここに呼ばれた。アメリカでも少ないような最新鋭の機器を揃えている。