概要・あらすじ
1989年3月シルクロード。その一年前、少壮気鋭の歴史学者・伊波がシルクロードの単独調査中に忽然と姿を消した。一年後、手掛かりを求めて、シルクロードを訪れた、伊波の恋人・京子は、謎の黒雲に巻き込まれて時の壁を越える。ジンギス・カンの君臨する13世紀のモンゴルで、奴隷闘士として生き抜いていたのだ。再会を果たした伊波と京子の前にさらに苛酷な運命が待っていた。
登場人物・キャラクター
伊波 (いば)
日本剣道界では学術剣士として知られ、2年連続日本一となった実力の持ち主。変形上段からの面が得意技。シルクロードで黒雲に呑まれて、13世紀のモンゴルに飛ばされてしまう。ヤン将軍の奴隷闘士として、相手を殺さずに闘い続け10か月生き抜いてきた。相手を殺せば兵士として召し抱えると言われているが拒否している。 北の蛮族を掃討して帰還。ヤン将軍下したことで、ジンギス・カンに将軍として取り立てられる。死に場所を求めたジンギス・カンを下して、現代へ帰ろうとしたが叶わず。歴史を変えないために、自らジンギス・カンとして生きることを決意する。
京子 (きょうこ)
伊波の婚約者。行方不明となった伊波を探してシルクロードを調査中、謎の黒雲に飲み込まれて13世紀、1212年の西夏に飛ばされてしまう。ヤン将軍に見初められて、召し上げられてしまう。伊波によって救われ、ジンギス・カンのもとに身を寄せる。伊波との間に子を設けるが、ジンギス・カンが後継ぎとするため、子を奪われてしまう。 奪回に向かった伊波との集合場所の砦で待っていたが、突然現れた黒雲に飲み込まれ現代へ戻ってしまう。
ヤン将軍 (やんしょうぐん)
モンゴル帝国軍の軍人。時空を超えて迷い込んだ京子を我が物にしようと、奴隷闘士として所有していた伊波を、生きて帰れないと言われる、北の最前線へと送り出す。ジンギス・カンに次ぐ力を持つと豪語し、前線より帰還した伊波を窮地に陥れた。伊波の袈裟懸けで真っ二つとなり、絶命する。
弁髪の奴隷闘士 (べんぱつのどれいとうし)
奴隷闘士として8か月生き抜いてきた男。ヌンチャクが武器。伊波と戦い、斬撃をヌンチャクで受けたが、防ぎきれず、両腕を骨折して敗退する。
ジンギス・カン (じんぎすかん)
1189年衣川の戦いに敗れて、戦死したと言われていた源義経が正体。中国大陸に渡り、ベンケイこと武蔵坊弁慶と共にモンゴル帝国を打ち立てた。あらゆる国に源氏の白旗を掲げさせるため戦い続ける。静御前への愛に生きるため、自身では子を成さない。京子の生んだ子供を、後継ぎにするため奪ったが、これが伊波の逆鱗に触れて、激闘の末に自刃する。
ベンケイ
1189年衣川の戦いに敗れて、戦死したと言われていた武蔵坊弁慶。中国大陸に渡り、ジンギス・カンこと源義経と共にモンゴル帝国を打ち立てた。伊波と京子の間に生まれた子供に跡を継がせるため、ジンギス・カンに邪魔な伊波を抹殺するように命じられる。戦いを共に過ごしたことで、伊波に友情を感じている。
フビライ
伊波と京子の子供。伊波が自刃したジンギス・カンの後を引き継いだため、フビライと命名された。
その他キーワード
奴隷闘士 (どれいとうし)
『王狼』に登場する用語。兵役を拒否した人間や、身分の卑しい流れ者を奴隷としたもの。闘技場でどちらかが死ぬまで戦わせる。