あらすじ
第1話(第1巻)
ある日、望月杏子は親友のたまちゃんと、色白でいつも気怠そうで瞳の色素が薄いクラスメイトの由良くんが、吸血鬼のイメージにピッタリだと話をしていた。だが、そんな話の内容を、たまたま側にいた由良くんに聞かれ、少々気まずい雰囲気になってしまう。そのため、杏子は下校中に彼に会わないようにと図書館で時間潰しをしていたところ、指を怪我してしまう。そこへ由良くんが現れ、杏子の指から流れる稀血を舐めてしまう。こうして、由良くんが本物の吸血鬼であることを知り、秘密を共有する2人は急接近する。さらに由良くんは稀血を持つ杏子を気に入り、「付き合って欲しい」と交際を申し込む。
第2話~第6話(第1巻)
由良くんが本物の吸血鬼であることを知った望月杏子だったが、他の人にはそのことを秘密にしていた。そんな中、保健室で杏子の血に興奮した由良くんが、襲いかかろうとした場面を先生に目撃されてしまう。そこから2人が付き合っているという噂が学校内に流れることとなった。由良くんに告白はされたものの、彼のことをよく知らない杏子は、「吸血鬼」という存在について詳しく調べようと思い立つ。特に気になるのが、もし吸血鬼に血を吸われたらどうなってしまうのかということだった。ところが、思い悩む杏子の首筋に、由良くんは突然キスをする。この出来事をきっかけに、杏子は由良くんを異性として意識し始めるが、そこに由良くんの弟のサツキが登場。こうして、稀血である杏子を巡り、由良くんら兄弟の争いが勃発することとなる。
第7話~第9話(第2巻)
望月杏子が由良くんに自分の血を吸わせたところ、由良くんはいつもとはまるで別人のような、爽やかで眩しいほどのイケメンオーラを放つようになった。そのギャップに戸惑う杏子であったが、どうやら血を吸うことで体調が良くなるだけでなく、吸血鬼特有のフェロモンが増幅するらしいことが発覚。これにより、由良くんがクラスメイトたちと打ち解けられたことに杏子は安堵するが、途端に今まで隠してきた吸血鬼の秘密を周囲にあっさりと告白しようとする由良くんに不信感を抱く。そこでサツキに相談したところ、血を吸わせた本人がキスをすれば、もとに戻ることができるという。こうして杏子は由良くんと、どうにかしてキスをしようと奔走する。
第10話~第11話(第2巻)
由良くんが血を吸ってイケメンとして覚醒したことで、望月杏子には、彼に対する独占欲が湧き始めていた。そして、もし自分以外に稀血を持つ者が現れたらどうなってしまうのかと不安を抱き始める。そんな中、杏子は学校の図書室で、転校して来たばかりの1学年後輩である百瀬梨華と出会い、吸血鬼の話で意気投合。さらに梨華は、小さい頃から吸血鬼の彼氏を作ることが夢だったのだと語る。そして梨華は、ちょっとしたアクシデントから由良くんが吸血鬼であることを知り、猛アタックを開始する。
登場人物・キャラクター
望月 杏子 (もちづき あんこ)
高校2年生の女子。髪を2つくくりの短い三つ編みにしている。趣味は読書で、妄想癖がある。色白でいつも気怠そうなクラスメイトの由良くんを、吸血鬼のイメージにぴったりだと妄想していたが、彼が本物の吸血鬼であることを知り、秘密を共有する仲に発展する。可愛いらしい顔をしているが食の好みは男っぽく、大好物は食堂の「20食限定ごってり大盛り集英ラーメン」である。 由良くんのために吸血鬼について真剣に調べたり、ランチにトマトジュースを持参して来たりと真面目な性格だが、一方で純粋すぎ、何かと騙されやすい少々天然な部分がある。吸血鬼が好む稀血の持ち主。
由良くん (ゆらくん)
高校2年生の男子で、望月杏子のクラスメイト。前髪が長く、整った顔立ちをしている。色白でいつも気怠そうにしており、日光にも当たらないことから、杏子に吸血鬼ではないかと妄想されていた。結果、それは事実であり、杏子と秘密を共有することとなる。吸血鬼とはいえ、その要素は10%程度でほとんどの部分が人間と変わらないため、血を吸わなくとも生きていくことは可能。 しかし、稀血を持つ杏子に出会い、初めて血を吸いたいと性的興奮を覚えたことから、杏子に交際を申し込んだ。ただし、杏子にはなかなか受け入れてもらえていない。血を吸うと吸血鬼のフェロモンが増幅され、いつもの気怠そうな雰囲気とは一変し、男女問わず魅了するアイドルのような輝かしいオーラを放つさわやかイケメンとなる。 その間は性格も軽くなるが、由良くん本人にはその時の記憶がない。
たまちゃん
高校2年生の女子で、望月杏子のクラスメイトにして親友。黒髪を縛り、1つにまとめている。常に杏子と行動をともにしているが、時に杏子の妄想についていけずにいる。いつも無表情でクールな性格だが、杏子の天然な言動に的確なツッコミを入れて場を和ませたりと、賢く空気を読む能力に長ける。
サツキ
高校1年生の男子で、由良くんの弟。長身でさわやか、キラキラとしたオーラをまとったイケメンで、性格も元気で明るい。吸血鬼だが、由良くんと同じくその要素は10%程度。ただし、由良くんとは違って適度に加減しながら色々な女性の生き血を吸っている。ちなみに、血を吸われた人はそれまでの数時間の記憶がなくなるという副作用がある。 当初は稀血の持ち主である望月杏子が気になっていたが、由良くんと杏子が相思相愛であることに知ってからは、純粋で天然な杏子に嘘を吹き込んでからかいながら、由良くんとの仲を取り持つようになった。
百瀬 梨華 (ももせ りか)
高校1年生の女子で、望月杏子が通う高校に転校して来たばかり。黒髪ロングヘアで、端正な顔立ちをした美人。図書室で杏子と出会い、吸血鬼の話で盛り上がったことで杏子に懐き始める。幼い頃から、祖母にかつて吸血鬼に血を吸われたことがあるという話を聞かされていたため、吸血鬼に血を吸われることを夢見ている。由良くんの第一印象は根暗で怖い人という最悪なものだったが、由良くんが吸血鬼であることを知ってからは態度が一変し、血を吸ってもらえるように猛アプローチをし始める。 吸血鬼が好む稀血の持ち主。
その他キーワード
稀血 (まれけつ)
A、B、O、AB型のいずれでもない、数万人に1人しか存在しないというごく稀な血液。吸血鬼であれば匂いで判別することが可能で、吸血鬼が稀血の匂いを嗅ぐと、性的興奮を覚えて血を吸いたくなる欲求を抑えられなくなる。望月杏子と百瀬梨華の2人は、稀血の持ち主である。