「病魔」を祓う「闇医師」の物語
本作の舞台は、現実世界のパラレルワールドであり、時代設定は明治時代あたり。この世界には、大昔に呪術師が病気に見せかけて人を殺すために作っれた「病魔」という化け物が存在する。病魔は人に取り憑き、憑いた人間もしくは周囲の人間の命を吸う。病魔を倒せるのは「闇医師」と呼ばれる存在だけであり、「怪体真書」という医術書から呪術で対病魔用医療器具を取り出し、手術(オペ)によって病魔を倒す。主人公・鳴滝宗太郎の場合は、「手術室」という結界を作り、メスと呼ばれる刀で病魔を浄化する。宗太郎の華麗な太刀さばきで、ハチや蜘蛛、ネズミなどをモチーフにした病魔を倒すため、バトルアクションの要素が強い。なお、怪体真書は、血の契約を交わした闇医師一人につき一冊しか使用できない。また、医療器具は闇医師によりさまざまで、怪体真書から式神を出す者や、銃器を出す者もいる。
病魔を根絶するため「怪体真書0巻」を探す
宗太郎は、闇医師の血族の人間ではないため、怪体真書を使用することができず、専用の手袋をはめていないと病魔用医療器具を持つこともできない。そんな宗太郎をサポートするのが、幼なじみの出雲桃である。闇医師としては落ちこぼれの桃だが、宗太郎の指示に従い、怪体真書から病魔用医療器具を取り出す、看護師の役割を果たしている。宗太郎は殺し屋一族である鳴滝家の出身で、父や兄たちによって親友を病魔にされた過去を持つ。宗太郎は、親友が味わった悲しみを二度と繰り返さないため、病魔を根絶できるという幻の「怪体真書0巻」を探す旅に出ると決意し、宗太郎のことが大好きな桃は、自分から彼に同行したいと申し出た。
宗太郎に立ちはだかる謎の勢力
怪体真書0巻を探す旅の途中、宗太郎たちは、朱炎・琥雷・蒼水という「謎の三人組」に出会う。彼らは病魔を体に取り込むことで、病魔の力を利用しており、例えば朱炎は病魔「蚤飛飛蝗(そうひバッタ)」の能力で、超人的な素早さを手に入れている。三人組の上に立つ・二葉葵は、目的は不明だが病魔の生成を研究・改造しており、宗太郎の一族・鳴滝家ともなんらかの関係があるらしい。また、宗太郎らが所属する闇医師協会の上層部には、怪体真書0巻に触れてほしくない連中がいるという噂もある。謎が謎を呼ぶ構成だが、ストーリーが進むにつれ、怪体真書0巻や病魔の謎が少しずつ明らかになっていく。
登場人物・キャラクター
鳴滝 宗太郎 (なるたき そうたろう)
病魔を根絶するため「怪体真書0巻」を求めて旅をする16歳の闇医師。目の前の命を絶対にあきらめない強い心を持つ。幅広いジャンルの本が好きな自由人。暗殺者の頂点に立つ鳴滝家でしごかれたため、凄まじい剣術の腕前を持ち、対病魔用のメス(刀)を自在に操る。なお、闇医師の血筋を持たないため、一人では怪体真書が使用できず、看護師の出雲桃のサポートを得ている。
出雲 桃 (いずも もも)
鳴滝宗太郎の幼なじみで、「怪体真書0巻」を求めて一緒に旅をする美少女。闇医師の血族の生まれで、怪体真書の保持者。怪体真書から対病魔用医療具を取り出す看護師の役目を果たしている。天然でおっちょこちょいな一面を持つが、宗太郎への想いは一途で強い。巨岩を軽々と持ち上げる怪力の持ち主。