白い窓の向こう側

白い窓の向こう側

変わらない仲でありたいと思いながらも、互いのことが気になって仕方がない、幼なじみの男女。高校生になり、微妙な心境の変化を迎えた2人のすれ違いを描いた、青春ラブストーリー。「ララ」1980年8月号から1981年4月号にかけて掲載された作品。

正式名称
白い窓の向こう側
ふりがな
しろいまどのむこうがわ
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

倉石聖子は、矢野義人と幼なじみのまま、高校生になっても変わらない関係を貫いていた。しかし、女子生徒に人気の高い義人が、クラスメイトのひとりから告白されている現場を目撃し、聖子の心中は穏やかではなくなる。それでも聖子は、そんな自分の胸の内を見て見ぬふりをし、2人の変わらない関係を維持しようと努める。そんななか、聖子は兄の友人である太堂昌禎に出会う。

義人とは正反対の、男らしく自信家な彼に、聖子はどんどん惹かれていく。そんな彼女の姿に、義人は焦りを見せ始めるのだった。

登場人物・キャラクター

倉石 聖子 (くらいし せいこ)

中瀬高校2年の女子生徒。おっちょこちょいなところもあるが、クラスメイトからは頼りにされる存在。幼い頃から付き合いのある矢野義人とは、幼なじみとして変わらない関係でいようと思っている。しかしいつからか、子供の頃とは違う違和感のようなものを感じ、その気持ちに対処できずにいる。そんなときに出会った太堂昌禎に、興味を持ち始める。

矢野 義人 (やの よしと)

中瀬高校2年の男子生徒。倉石聖子の幼なじみ。聖子とは、これまでと変わらない関係でいたいと思いながらも、彼女を想う気持ちを、止められなくなっている。明るい髪色に、女性のような繊細な顔だちのため、よく目立ってモテる。しかし、男らしくないことが、本人にとっては、コンプレックスとなっている。幼い頃は、ストレートな感情表現が苦手で、素直になれずにいたが、聖子の存在により、感謝も謝罪もできる人間に変わった。

若子 (わかこ)

中瀬高校2年の女子生徒。倉石聖子の親友。いつも聖子のそばにいて、彼女と矢野義人の関係を見守っている。吉祥寺優が、聖子と矢野を離れさせようとしていることに気づくが、うまく止められずにいる。

吉祥寺 優 (きちじょうじ すぐる)

中瀬高校2年の男子生徒。矢野義人の親友。肩の下まであるロングヘアーがトレードマークのプレイボーイ。矢野と倉石聖子が、いつまでも幼なじみの状態で一緒にいることが気に入らず、2人を離れさせようと働きかける。

太堂 昌禎 (たいどう まさよし)

中瀬高校3年の男子生徒。倉石聖子の兄・倉石茂のクラスメイト。聖子の気持ちに気づき、彼女に興味を持っている。精悍な顔だちと浅黒い肌、自信家で荒々しい言動の、男らしいタイプ。一方で、相手を問わず、思ったことをすぐ口にしてしまう、気が利かない一面も持つ。前年度の生徒会長を務めた人物。彼のワンマンだが行動力のある活動が、貧弱だった学校を内部から大きく変えた。

倉石 茂 (くらいし しげる)

中瀬高校3年生の男子生徒。倉石聖子の兄。クラスメイトの太堂昌禎とは、よく行動を共にする。妹の聖子をかわいがっており、聖子の心境の変化に、うすうす気づいているが、特に行動を起こすことなく見守っている。

ノブ

小学校6年生の男子。倉石聖子の弟。小学生とは思えない、しっかりした性格。姉の聖子の矢野義人に対する微妙な感情の変化を、敏感に感じ取る。「亜美」という名の同級生の彼女がいる。

八重沢 望 (やえざわ のぞみ)

中瀬高校1年の女子生徒。学校内で、教師から言いがかりを付けられて困っていたところを、倉石聖子に助けてもらう。これをきっかけに、以後は聖子を「お姉さま」と呼び慕うようになる。その後も、女子生徒から言いがかりを付けられたりと、何かとトラブルに巻き込まれがちだが、聖子と若子に幾度となく助けられ、すっかり懐いてしまう。

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