盤上のポラリス

盤上のポラリス

チェスプレイヤーの頂点である「グランドマスター」を目指す少年・椿一兵が、仲間と出会い成長していく姿を描く物語。「月刊少年マガジン」2015年2月号から2016年4月号にかけて連載された作品。他に、「月刊少年マガジン」2015年8月号に掲載された番外編がコミックス第3巻に、「月刊少年マガジン」2013年7月号に掲載された特別読み切りであり、本作『盤上のポラリス』のもととなった『ギャンビットオンガール』がコミックス第4巻に、それぞれ収録されている。

正式名称
盤上のポラリス
ふりがな
ばんじょうのぽらりす
原作者
木口 糧
漫画
ジャンル
頭脳スポーツ
レーベル
講談社コミックス月刊マガジン(講談社)
巻数
既刊4巻
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概要・あらすじ

冒険に憧れている小学5年生の椿一兵のクラスに、東京からの転校生・氷見崎ひめがやって来た。ひめは身体が弱く、入院加療の日が長かったため人と話すのが苦手で、クラスの遊びにも加われずにいた。浮いた存在になりつつあるひめを心配していた一兵は、ある日空き教室の中で1人チェス盤に向かうひめを見つける。一兵はそんなひめの姿に興味を抱き、2人は徐々に交流を持つようになっていく。

しかし、ようやく互いを理解し合える友人になれたと思った矢先に、ひめは病気療養のためアメリカに引っ越すことになってしまう。将来の夢はチェスプレイヤーの頂点「グランドマスター」になることだと語るひめに、一兵は必ず追いつくと誓い、彼女が大事にしていたチェス盤を譲り受ける。

小さな島の小学校ではチェスの相手にも事欠くようになった一兵は、市内のチェス教室へ足を運び、そこで好敵手となる灰堂レンに出会う。

登場人物・キャラクター

椿 一兵 (つばき いっぺい)

明るい性格の声の大きな男子。小学5年の時に、転入して来た氷見崎ひめの影響でチェスに強い興味を抱く。ひめはすぐにアメリカへ転校したが、その際にチェス盤を譲り受け、いつか世界のトップクラスの舞台でチェス盤を返すと約束を交わす。幼い頃から冒険に憧れていたが、現実ではできることに限りがあることを悟り、最近ではその夢もあきらめがち。 しかしチェスに出会ったことで盤上に冒険世界を感じ、楽しみながら独特のセンスを発揮していく。チェスに長く触れていたいとの思いから、生まれ育った島を離れて一ノ星学園に進学する。

氷見崎 ひめ (ひみさき ひめ)

椿一兵のクラスメイトの女子。小学5年の時、一兵のクラスに転入して来た。可愛らしく華奢な容姿でクラスの男子に注目されたものの、身体が弱く口下手で、転居転校を繰り返していることもあって友人を作るのが苦手。チェスに真剣に取り組んでおり、一兵がチェスに興味を抱くきっかけを作った人物でもある。チェスの世界最高位のタイトルである「グランドマスター」になることを夢見ている。

灰堂 レン (はいどう れん)

チェスの小学生日本チャンピオンの男子。椿一兵が荒辺麻衣が講師を務めるチェスの教室を訪れた際、18歳以下では間違いなく日本一強い存在と紹介された。表の顔と裏の顔を使い分け、大人に対してはいい子を演じているが、一兵に対しては辛辣に振る舞う。一方で、一兵の発した「盤上に見える光」という言葉に強い関心を持つ。現在は行方不明になっている「グランドマスター」の父親を持ち、灰堂レン本人も「グランドマスター」を目指している。 父親からは「相手のすべてを否定しろ」と教わったため、その考え方を守っていたが、真逆の対戦姿勢を見せた一兵と対局してからは、少し心に余裕を持ち柔和になった。中学に進学しても荒辺のチェス教室に通い、一兵に突っかかりながらも親しく接している。

じーちゃん

椿一兵の祖父で、事故で亡くなった一兵の親代わりの男性。一兵が自分の夢のために、遠く離れた街にある一ノ星学園への進学を希望した時には、自身の寂しさを胸にしまい応援に徹した。高齢だが現役でバリバリ働く頼もしい人物。

ばーちゃん

椿一兵の祖母で、事故で亡くなった一兵の親代わりの女性。チェスの試合に出場したいと願い出た一兵に付き添って東京まで行ったり、やる気をなくした一兵を元気づけるために自分の用事のついでだと街に連れ出したりと、年齢を感じさせないフットワークの軽い元気な人物。

荒辺 麻衣 (あらべ まい)

喫茶店の2階でチェススクールを開いている、人目を引くほど容姿端麗な女性。ヘビースモーカーでよく煙草をくわえている。灰堂レンが幼い頃からチェスの指導をしており、公私にわたる良き理解者でもある。椿一兵やレンが中学に進学してからも交流は続き、チェスの指導もしている。

安西 纏 (あんざい まとい)

一ノ星学園2年生の女子で、チェス部唯一の部員にして部長を務めている。下級生からも可愛いと言われる容姿と、巨乳の持ち主。初対面の椿一兵の前で制服の前ボタンをはじけ飛ばしたまま自己紹介をするなど、おっとりとしたおおらかな性格。新入生の一兵が入部する前までは、部員がいないこともありやる気を失って廃部を考えていた。しかし、安西纏のネット対戦の戦績が良いことを知った一兵の提案により、持ち時間の少ない電撃戦(ブリッツ)形式の対局披露で部活紹介を行い、大成功を収める。

日田 照親 (ひだ てるちか)

一ノ星学園に進学した椿一兵がチェス部で出会った同級生の男子。負けることを嫌うあまり、自分に言い訳しやすいようにあえて全力で勝負することを避ける傾向がある。また、人の神経を逆撫でするような態度を取り、一定の距離を保とうとしている。チェスの対戦においても、のらりくらりと引き分けに持ち込むことを目的に戦っている。しかし一兵との対戦を通し、全力の戦いでしか得られない熱い気持ちを思い出す。

瓜生 蝶子 (うりゅう ちょうこ)

椿一兵の同級生の女子。自信家で自分は何でもできると考えており、小学生の頃からずっと一兵と張り合っていた。だが、小学5年の頃にはかけっこや喧嘩では一兵に勝てないと感じ始め、それと同時に一兵のことを意識し始める。思ったことはためらいなく口にする強気な性格だが、一兵に対しては彼に想いを寄せ始めてから素直に振る舞えずにいる。 チェスに熱中する一兵の相手になれるようにとチェスを独学で学ぶなど健気なところがあるが、肝心の一兵は瓜生蝶子の気持ちにはまったく気づいていない。第一志望校に落ちてしまったため、一兵と同じ一ノ星学園に進学する。

クレジット

原作

木口 糧

棋譜制作

南條遼介 , 小島慎也

書誌情報

盤上のポラリス 4巻 講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉

第1巻

(2015-05-15発行、 978-4063714715)

第2巻

(2015-08-17発行、 978-4063714807)

第3巻

(2015-12-17発行、 978-4063925043)

第4巻

(2016-05-17発行、 978-4063925258)

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