真・一騎当千

真・一騎当千

塩崎雄二の『一騎当千』の続編。南陽学院に転校して来た女子高校生、孫権仲謀が、中華三国と邪馬台国の因縁の戦いに巻き込まれていく。現代日本を舞台に、『三国志』をモチーフとした登場人物が繰り広げる格闘アクション作品。「ヤングキングアワーズ」2016年1月号から連載の作品。

正式名称
真・一騎当千
ふりがな
しん いっきとうせん
作者
ジャンル
バトル
レーベル
YKコミックス(少年画報社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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あらすじ

覇王の目覚め

今を遮る1800年前の中華三国時代、中華統一を目指して散っていった多くの英雄たちがいた。その英雄たちの魂をそのまま封印した装身具「勾玉」は海を渡って日本に流れつき、それぞれの勾玉を継承した者は、闘士として戦う運命を背負うこととなった。現代日本では、闘士として目覚めた者が関東を中心に戦いを繰り広げ、時には重傷を負ったり命を落としたりする者もいた。そんな激闘の中、関東の覇権争いはようやく収拾の兆しを見せ始めていたが、関西を支配する卑弥呼が関東の闘士の勾玉を狙って「勾玉狩り」を始動する。1800年前に遮る中華三国と邪馬台国による、時代と場所を超えた因縁の戦いが幕を開け、卑弥呼とその刺客に襲われた関東の闘士たちは傷つき、仲間とはぐれたり行方不明になったりする者も続出していた。そんな中、南陽学院に新たな闘士の少女・孫権仲謀が転入してきた。強くなりたいという願いを胸にやって来た仲謀は転校初日からいきなり、現頭首である孫策伯符不在で荒れている南陽学院の闘士たちに絡まれる。転校初日から悲惨な目に遭って凹んでいた仲謀だったが、それでも次期頭首候補である彼女は、伯符の臣下たちから受け取った勾玉を受け継ぐ。しかし、卑弥呼が新たに差し向けた刺客・山田朝右衛門因達羅が校内に侵入したことで、仲謀はさらなる絶体絶命の危機に陥る。執拗に狙われる仲謀を助けるべく、関東最強として有名な趙雲子龍が駆けつけ、朝右衛門と剣を交える。激闘の末に子龍の腕を認めた朝右衛門は再戦を誓いながら退くが、そこに于吉を倒した因達羅が現れ、薬の効果で動けないままの子龍もろとも蹴散らそうとする。だが、子龍が攻撃を受けた瞬間に仲謀の中に眠る力が目覚め、因達羅をあっという間に返り討ちにする。勾玉を通して、仲謀の中にはかつて覇王として恐れられた呉の初代皇帝・孫権の人格が宿り、卑弥呼の気配を察知した孫権はその力を暴走させ、周囲を次々と破壊していく。

闘士修験の地

卑弥呼に差し向けられた刺客との戦いの中で、秘められた力を暴走させた孫権仲謀は、氣を使い果たして昏睡状態に陥ってしまう。仲謀の姉である孫策伯符は、大切な妹を救うべく、闘士たちの伝説の修行の場として有名な熊野の徐福院に向かって旅立つ。徐福院はこの世とあの世の境としても知られており、水龍の力を失ったままの伯符は、そこに現れた多数の亡霊相手に苦戦を強いられる。ピンチのところを徐福院の闘士・佐々木巖流に救われ、さまざまな試練を乗り越えた伯符は、徐福院で新たな人々と出会うのだった。一方、徐福院の地下で目覚めた呂蒙子明は、介抱してくれた黄蓋公覆と出会う。徐福院に詳しい彼から話を聞くことになった子明は、徐福院の現状とかつての日本で起こった邪馬台国崩壊に関する歴史、そして卑弥呼が闘士たちから勾玉を奪っている本当の理由を知る。勾玉はもともと、かつて邪馬台国を治めた女王卑弥呼の物であり、彼女を殺して略奪した男王が、魏に貢物として贈っていた。女王卑弥呼の器として彼女の遺志に従い、すべてを取り戻そうとする卑弥呼は黄泉への入り口を開き、霊界に通じた徐福院は死者の亡霊があふれ出す地獄と化していた。

千曳の岩の崩壊

卑弥呼が黄泉への入り口の封印を解いたことで、徐福院は死者があふれ出し、その場にいる者たちはさまざまな幻覚にとらわれたうえに、亡霊の襲撃を受ける。あの世とこの世の境を塞いでいた千曳の岩の崩壊は、日本の武将と三国志の英雄の魂を現代で邂逅(かいこう)させていく。徐福院の門番を務める楠木多聞丸は、大量発生した亡霊を退けるべく、満身創痍で孤軍奮闘を続けていた。徐福院での体験でかつての仲間やライバルと再会し、自分が戦う意味を決意した呂蒙子明は、自らの頭首である孫策伯符を守るべく、死海からの脱出を試みる。一方、関西では卑弥呼が新たな動きを見せるとともに、彼女と敵対する日本武尊も動き出す。孫権仲謀と卑弥呼、そして日本武尊、1800年前から続く宿縁を宿すそれぞれの闘士たちの思惑と死闘は、現代に新たな嵐を呼び込もうとしていた。

魔都に集う思い

厳しい修行を通して折れない強さを手に入れた呂蒙子明は、楠木多聞丸たちの助けを得ながら一人で徐福院を抜け出し、現世に戻ることに成功する。地下を渡って井戸から地上に出た子明は劉備玄徳たちと再会するが、そこに孫策伯符の姿はなかった。その頃関西では、源九郎義経が曹操孟徳と決着をつけるために、卑弥呼に協力することを決意していた。しかし、一人になった途端に襲来した日本武尊により、義経は妖刀・薄緑を片手もろとも奪われて倒れてしまう。義経から奪った薄緑を持つ武尊に遭遇した武蔵坊弁慶は、主人の愛刀を取り戻すべく、一人で立ち向かおうとする。だが、武尊の猛攻の前に敗れてしまい、薄緑もそのまま奪われてしまう。一方、勾玉を失ったままの孟徳は部下たちと共に伯符がいる徐福院へと向かい、趙雲子龍をはじめとする闘士たちも、それぞれの思いを抱いて関西へと向かっていた。闘士たちの目指す魔都・京都のあちこちには卑弥呼や武尊の手下たちも暗躍をはじめ、勾玉と過去の因縁を巡る新たな戦いが幕を開ける。

外伝

漫画

本作『真・一騎当千』の外伝として、塩崎雄二の漫画『真・一騎当千外伝 勾玉列伝』がある。『真・一騎当千外伝 勾玉列伝』は勾玉の秘密を描いた格闘アクションで、闘士たちが激闘を繰り広げる中、エセ勾玉を持つ者や勾玉を持たざる者の戦いや日常を描いている。

メディア化

テレビアニメ

2022年から、本作『真・一騎当千』のテレビアニメ版『真・一騎当千』がAT-Xで放送された。キャストは、孫権仲謀を大橋彩香、山田朝右衛門を種﨑敦美が演じている。

登場人物・キャラクター

孫権 仲謀 (そんけん ちゅうぼう)

南陽学院に転校してきた女子高校生で、孫策伯符の妹。南陽学院の次期頭首候補でもある。茶髪のロングヘアをツインテールにまとめ、ピンクのリボンをつけている。気弱な性格で自分に自信が持てず、クラスメートから陰湿ないじめに遭っていた過去があり、弱い自分を変えて強くなりたいと願っている。姉の伯符にあこがれて南陽学院に転入し、準備万端で華麗なデビューを決めようと意気込んでいたが、転校初日からいきなり闘士たちに勝負を挑まれて恥をかいたうえに、かつての伯符以上のヘタレぶりを周囲に晒してしまう。さらには卑弥呼が差し向けた山田朝右衛門や因達羅との戦いに巻き込まれ、刺客たちから執拗に命を狙われる羽目になる。かつて覇王として恐れられた皇帝・孫権の勾玉を引き継ぎ、戦いの中で秘められた力を覚醒させ、正式に闘士となる。勾玉を通して孫権の人格を宿しており、覚醒時は彼に意識を乗っ取られて男っぽい口調になり、女子供を問わず攻撃する残酷で暴虐的な性格に変貌していた。水氣と龍の力を秘めているため、物理攻撃や勾玉のランクなどを軽く超えるほどの実力を持つ。その暴力的な力をまだ制御し切れていないが、関東の闘士の中では卑弥呼に対抗できる希少な存在となっている。潜在能力だけならSランク闘士をも凌駕するといわれているものの、実際にはまだまだ未知数なところがある。因達羅が趙雲子龍を襲った瞬間に龍の力が覚醒し、目覚めた孫権に体を乗っ取られ、彼の暴走の末に氣を使い果たして昏睡状態に陥る。

楽就 (がくしゅう)

闘士の男子高校生。南陽学院四天王の一角を担う。愛称は「がくちゃん」。かつて、29人抜きをした実績を持つ孫策伯符を指一本で一蹴したほどの実力者。頭首である伯符不在の南陽学院を守るべく、攻め込んで来た山田朝衛門と対峙する。好きなものはジャンボフルーツパフェと妖怪退治。

魯粛 子敬 (ろしゅく しけい)

南陽学院の闘士の女子高校生。全身のあちこちに包帯を巻いている弓使い。冷静沈着な性格で、つねに敬語で話す。南陽学院と成都学園の橋渡し役として、孫策伯符達を支えている。楽就らと共に、伯符不在の南陽学院を守るため、孫権仲謀のサポート役となる。

于吉 (うきつ)

闘士の女子高校生。呉郡高校で頭首を務めている。色黒で男勝りな性格をしており、一人称は「ボク」。あらゆる体術を使いこなし、鍛練も欠かさない天才格闘家。普段はおもりの入ったリストバンドを両手足に装着しているが、本気で戦う時にはそれを外す。孫策伯符とはよきライバルでもある。

趙雲 子龍 (ちょううん しりゅう)

成都学園の闘士の女子高校生。妖刀村正「斬龍」をあやつる冷静沈着な剣士で、つねに目を閉じていて、魯粛子と同じく敬語で話す。因達羅の襲来の際は、諸葛亮孔明の指示で孫権仲謀を守り、山田朝衛門と剣を交える。剣士として高い戦闘力を持つが無駄な戦いは好まず、武人としての志を重んじる相手には、たとえ敵であっても敬意を払う。 好きなものはポッキー。

孫策 伯符 (そんさく はくふ)

南陽学院の頭首を務めている女子高校生で、孫権仲謀の姉。金髪ロングヘアの巨乳美少女で、天然気味で好戦的な性格をしている。強大な水の龍、通称「水龍」の力を宿している。ケンカが強いものの、南陽学院に通い始めたばかりの頃は負けてヘタレぶりを晒すことも多く、当初は勾玉のランクもEランクだった。しかし、さまざまな闘士との出会いや戦いを経て成長を遂げ、もともとのポテンシャルを生かして水龍の力もコントロールできるようになっていった。いまいち空気が読めないところがあり、羞恥心に欠けて色恋沙汰にも鈍感。頭はいい方ではなくその自覚もあるが、仲間思いで根性もあり、数々の体験や仲間の死などを通して精神的成長も見せている。闘士の基本は拳という信念を持ち、刀などの武器は持たず拳を中心に戦う。遠征中に迷子になり、長らく行方不明となっていたが、仲謀の転入後に南陽学院に帰還し、侵入していた因達羅を倒す。かつての戦いの中で勾玉を失い、現在は水龍をはじめとする闘士としての能力をほとんど失っており、因達羅への攻撃も氣を込めて思いっ切り殴っただけであった。それでも、もともとのケンカの強さや身体能力の高さもあり、因達羅を一発で蹴散らしている。戦いの直後に仲謀が昏睡状態になるが、妹がいることすら知らなかったため、当初は彼女のことを妹と認識できていなかった。その後は放っておくと危険な状態の仲謀を救うために、一人で徐福院へと向かう。気に入った相手や友人にあだ名を付けて呼んでいる。趣味はケンカと寝ること。

因達羅 (いんだら)

大和学院の「十二神将」の一人。卑弥呼に仕える少女。トランプを武器に戦い、「呪」と呼ばれる術によって人をあやつる。卑弥呼の命令で孫権仲謀の命を狙い、南陽学院にやって来た。

山田 朝右衛門 (やまだ あさえもん)

関西の六波羅高校に通う女子で、特Aランクの闘士。卑弥呼の命令で孫策伯符不在の南陽学院にやって来た関西闘士の一人で、孫権仲謀の勾玉を狙っている。銀髪のロングヘアで黒いセーラー服を身につけ、刀を武器に戦う。刀の刃先には、大型動物すら動けなくする強力な麻酔が塗ってある。無口で無表情だが、剣士としての強さと戦いを渇望している。仲間からも忌み嫌われるほどの非情な性格で、つねに孤独を感じている。仲謀を追い詰めるが、彼女を助けるために駆けつけた趙雲子龍と剣を交える。子龍に対しては敵ながら相通じるものと確かな強さを感じ取り、彼女を追い詰めるものの仲謀のことを殺さず、再戦を誓いながら帰って行った。これらの行動から、子龍からも真の武人と評されている。めったに感情を荒らげないが、子龍を悪く言われた時には珍しく怒っていた。京都に戻ったあとは、仲謀を討たなかった罰として、卑弥呼の手下たちから制裁を受ける。好きなものは勾玉と奈良漬、死体。

呂蒙 子明 (りょもう しめい)

闘士の女子高校生。南陽学院四天王の一角を担う。愛称は「もうちゃん」。陸遜伯言には「蒙ねーさま」と呼ばれて慕われている。関節技の使い手で、孫策伯符とは互いにその実力を認め合う、よきライバルでもある。卑弥呼に仕える「十二神将」の一人・伐折羅の術によって車ごと崖から落下し、行方不明になっていた。黄蓋公覆に助けられ、徐福院にて目覚める。

卑弥呼 (ひみこ)

京都の大和学院の頭首を務める女子高校生。関西の闘士たちを束ねるリーダーを務める。頭首を中心に関東の闘士たちの持つ勾玉を狙う、「勾玉狩り」の首謀者でもある。関西の闘士たちを率いて遠征し、孫策伯符と曹操孟徳から奪った勾玉を所有している。ウエーブのかかったロングヘアで、色黒肌を持つ。非情で冷酷な性格で、目的のためなら手段を選ばない。その一方で傷ついた部下を気遣う優しい一面があり、蘆屋道満の悪口を言っていた女子生徒に制裁を下したこともある。また直接戦った孟徳からも、実は優しい奴などと評されている。現在のランクは不明だが、部下や仲間からはその強さを高く評価されるとともに恐れられており、Sランクの孟徳をはじめとする強力な闘士を圧倒するほどの実力を秘めている。勾玉を集めているのは、かつて邪馬台国を治めた女王卑弥呼の器として彼女の遺志に従っているためであり、御神体である冠をかぶることで彼女の魂と交信ができる。すべてを取り戻そうとする女王卑弥呼に従う一方で、心の奥では勾玉狩りや闘士の存在意義に疑問を抱き、苦悩している。

諸葛亮 孔明 (しょかつりょう こうめい)

成都学園の闘士の女子中学生。無表情だが冷静で知的な人物で、普段は山奥に住んでいる。ほかの闘士のように直接戦わないが、軍師としては天才的な才能の持ち主。

諸葛瑾 子喩 (しょかつきん しゆ)

南陽学院の闘士の女子高校生。愛称は「瑾ちゃん」。闘士としての戦闘力は低いが、「氣」と呼ばれるエネルギーをコントロールし、高い治癒能力を発揮する。その治癒能力を活かし、華陀診療所にてほかの闘士達をサポートしている。

劉備 玄徳 (りゅうび げんとく)

闘士の女子高校生。成都学園の頭首を務めている。読書好きで、気弱なおとなしい性格をしており、戦いを好まない。一方で強力な「龍」の力を宿しており、暴走すると獣のように理性をなくし、凶暴化してしまう。関羽雲長、張飛益徳と仲がいい。

関羽 雲長 (かんう うんちょう)

成都学園の闘士の女子高校生。劉備玄徳に忠義を誓い、また彼女には恋愛感情に近いものを抱いている。青龍刀の使い手で、すべての闘士の中でも圧倒的な強さを誇る。現在は玄徳と離れ、京都の愛宕山にて修行している。

張飛 益徳 (ちょうひ えきとく)

成都学園の闘士の女子高校生。劉備玄徳に忠義を誓い、彼女のボディガードを務めていた。関西弁で話す。闘士として関羽雲長をも凌ぐ高い潜在能力を秘めている。お菓子が好きで、つねに持ち歩いている。現在は玄徳と離れ、京都の愛宕山にて修行している。

曹操 孟徳 (そうそう もうとく)

闘士の男子高校生。許昌学院の頭首を務めている。孫策伯符や劉備玄徳と同様、強力な炎の「龍」の力を秘めており、時折暴走し凶暴化する。普段はのんびり屋だが、密かに天下統一の野心を胸に秘めている。現在は卑弥呼に勾玉を奪われ、その力のほとんどを失っている。

夏侯惇 元譲 (かこうとん げんじょう)

許昌学院の闘士の男子高校生。愛称は「惇ちゃん」。曹操孟徳の親友で、許昌学院の幹部として彼をサポートしている。熱血漢の番長タイプで、ストリート系ファッションに身を包んでいる。もともと、孫策伯符とは敵同士だったが、戦って以降は彼女を気に入り、友好関係にある。

曹仁 子孝 (そうじん しこう)

許昌学院の闘士の女子高校生。警備隊長を務めている。バストが小さいのが悩みで、ドジっ子なところがある。勾玉のランクはBランクだが、Aランクを自称している。現在は卑弥呼の刺客に勾玉を奪われ、その力のほとんどを失っている。

陸遜 伯言 (りくそん はくげん)

南陽学院の闘士の女子中学生。語尾に「ぞね」を付けて話す。愛称は「陸ちゃん」。戦闘力が高くないので、軍師として活躍している。呂蒙子明を「蒙ねーさま」と呼んで慕っている。

呉栄 (ごえい)

孫権仲謀と孫策伯符の母親。ほかの闘士達からは「ママ殿」と呼ばれている。伯符に武術を叩き込んで厳しく育ててきたが、娘達をいつも大切に思っている優しい心の持ち主。

張紘 子綱 (ちょうこう しこう)

孫策伯符をはじめとする孫家の闘士に代々仕えてきた老人の男性。ほかの闘士達からは「張紘老師」と呼ばれている。普段は山に籠っており、伯符や于吉などさまざまな闘士の修行をサポートし、彼女達の師匠でもある。

新免 武蔵 (しんめん たけぞう)

大和学院の闘士の女子高校生。顔や脚に包帯を巻いている。一人称は「オレ」。一度戦った際には関羽雲長を降参させており、日本最強クラスの底知れぬ力を持った剣士。関羽に自身の刀を預け、彼女との再戦を望んでいる。

佐々木 巖流 (ささき がんりゅう)

闘士の女子高校生。孫策伯符が関西の徐福院で出会った。クールな雰囲気を漂わせており、無愛想な性格をしている。長刀「備前長船長光」の使い手だが、拳で戦っても強い。徐福院の闘士の中ではトップクラスの実力を持つ剣士。

黄蓋 公覆 (こうがい こうふく)

徐福院の番人を務める闘士の青年。クールな性格の剣士で、いつもタバコを吸っている。気絶していた呂蒙子明を介抱し、徐福院の秘密と邪馬台国崩壊の真実を明かす。実は関東の出身。

士孫 瑞 (しそん ずい)

南陽学院の教諭を務める老齢な男性。あごヒゲを生やしたツルツル頭で、ふだんはジャージを着用している。道場の師範代も兼任している。転校初日から闘士たちの洗礼を受けた孫権仲謀を介抱し、目覚めた彼女に校内を案内する。

賈詡 文和 (かく ぶんわ)

関東の許昌学院に通う女子。勾玉のランクはDランク。まじめな性格で、黒のロングヘアで眼鏡をかけている。かつては洛陽高校の闘士であったが、現在は曹操孟徳が率いる許昌学院へ下り、彼の軍師といじられ役を担っている。知識豊富で情報収集にも長け、ノートパソコンを持ち歩いている。孟徳に連れられて徐福院に向かう。

村正 (むらまさ)

関東で有名な刀鍛冶の老齢な男性。大柄で太った体型をしている。趙雲子龍の愛刀「斬龍」を打った人物で、彼女以外にも多くの闘士たちの刀を鍛えたり、修行に付き合ったりしている。刀の修理にはあまり乗り気ではないが、大抵は根負けして依頼を受けている。盲目だが刀鍛冶(かたなかじ)としての実力は高い。現在は京都の愛宕山に滞在している。

蘆屋 道満 (あしや どうまん)

京都の大和学院に通う女子中学生。卑弥呼の部下。両刃リボン「松風弐号」をあやつる闘士で、自称Sランク。切りそろえた黒のロングヘアで狐面をかぶっており、戦闘時はレオタードを着用している。語尾に「にゃ」を付けるなど猫語で話す。漫画研究部に所属している。卑弥呼と共に関東遠征に向かった際に曹仁子孝の勾玉を奪い、劉備玄徳の勾玉を持ってくるよう脅迫している。ふだんは卑弥呼の使い走りをさせられている。オタク趣味を持ち、百合妄想をしていることがある。学校でも狐面をかぶっているため、一部の生徒からは気味悪がられて陰口を叩かれている。

源 九郎 義経 (みなもと くろう よしつね)

京都の山城学院の頭主を務める女子中学生。勾玉のランクはSランク。金髪の縦ロールヘアで、ゴスロリファッションを好む。妖刀「薄緑」を武器として使う。卑弥呼と共に関東遠征に赴き、忠臣の武蔵坊弁慶と共に許昌学院の襲撃する。中学生ながら曹操孟徳の目に重傷を負わせるなどかなりの手練(てだれ)だが、途中で不利になって返り討ちにされ、弁慶と共に撤退した。京都に戻ったあとは修行に明け暮れていたが、孟徳へのリベンジのために卑弥呼と再び手を組むことを決意する。しかし日本武尊の奇襲を受け、片手もろとも薄緑を奪われてしまう。追い込まれたり機嫌が悪くなると罵詈(ばり)雑言を乱発する悪癖があるが、ドMな弁慶にはまったく通用しない。子供っぽい未熟さはあるものの、弁慶のことは大切に思っている。関西弁で話す。

武蔵坊 弁慶 (むさしぼう べんけい)

京都の山城学院に通う女子高校生。源九郎義経の忠臣。勾玉のランクは特Aランクで、薙刀(なぎなた)を武器に戦う大柄な闘士。長い銀髪で片目が隠れており、僧兵の服をまとっている。忠誠心が厚く、礼儀正しい性格をしている。卑弥呼と共に関東遠征に赴き、義経と共に許昌学院を襲撃する。曹操孟徳の臣下たちを圧倒するも劣勢になり、義経と共に撤退した。京都に戻ったあとは修行に明け暮れていたが、義経の妖刀「薄緑」を奪った日本武尊に一人で立ち向かうも片手を失い、薄緑を奪い返すこともできなかった。義経に忠誠を誓う一方で、彼女に対してはストーカーでドMなところがあり、怒った彼女に罵倒されても喜んでいることがある。背が高過ぎるのがコンプレックスで、教室の扉にぶつかったり集合写真から頭がはみ出ることを、ひそかに気にしている。

楠木 多聞丸 (くすのき たもんまる)

徐福院の闘士の少女。勾玉のランクは特Aランク。ニット帽をかぶり、チェック模様のロングマフラーを巻いている。生まれた時から、あの世とこの世の境を封印する「千曳の岩」を門番として守る使命を持つ。徐福院に修行しに来る闘士と戦い、蹴散らしてきた相手の刀を背中に背負っている。佐々木巖流は共に徐福院で戦ってきた戦友であり、彼女の強さにあこがれを抱く。千曳の岩が破壊され亡霊があふれ出した際は、傷つきながらも刀を振るい続け、呂蒙子明の脱出をサポートした。なお「多聞丸」は幼名であり、本名は「楠木正成」。

虎徹 (こてつ)

鍛冶屋を生業とする若い女性。京都の山奥に住んでいる。関西の名工として知られ、村正とは顔見知り。ロングヘアをポニーテールにまとめている。裸にオーバーオールを着用しており、頭にゴーグルをかけている。クールな性格で、関西弁で話す。山田朝右衛門をはじめ、多くの闘士たちの刀を打ってきた。

日本 武尊 (やまと たける)

皇学院女子高校の頭首。ふだんは能面をかぶっているため、その姿を見た者はほとんどいない。謎多き闘士で、華奢(きゃしゃ)な体型から少女と思われていたが、実際は少年である。学校には女装して通っており、制服の時はロングヘアをツインテールにまとめ、眼鏡をかけている。無口で無表情だが、部下のことも平気で切り刻む残虐な性格の持ち主。その残虐性から鎖につながれていることが多く、薬で朦朧(もうろう)としながらも本能で神楽(かぐら)を舞っている。卑弥呼とは敵対関係にある。山城学院を襲撃し、源九郎義経から妖刀「薄緑」を奪った。

場所

南陽学院 (なんようがくいん)

千葉県木更津市に位置する学校。中等部と高等部がある。成都学園や許昌学園と並ぶ、闘士達が集う三大学園のうちの一校として知られている。『三国志』でいう「呉」にあたり、頭首の孫策伯符をはじめ、呉の英雄達の魂を宿した闘士達が集まっている。

徐福院 (じょふくいん)

闘士達の修験の地と呼ばれる伝説の修行場。秦の時代、不老不死を求めて渡来した徐福が眠るという伝説がある。関西の熊野に現存し、黄泉の国とつながる「黄泉の入り口」ともいわれている。山田朝衛門をはじめとする関西の強力な闘士達が、何度も修行を積んでは命を落としかけた場所でもある。何者かによって封印石「千曳の岩」が破壊されたため、地獄の魑魅魍魎があふれ、崩壊の危機に晒されている。

その他キーワード

勾玉 (まがたま)

中華三国の英雄たちの魂が封印された、伝説の装具。それぞれの英雄の名前と一致する継承者が着用することで、闘士として目覚めることができ、大半の闘士はピアスにして左耳につけている。ほかの闘士を倒したときや、修行して強くなったときにランクが上がっていき、ランクに応じて色が変わっていく。最低はEランクで、最高はSランクだが、Eランク以下の闘士には勾玉を持たない者もいる。装着した瞬間に力が沸いたような感覚はあるものの、身につけるだけでは戦闘力は上がらず、修行を積んでランクを上げていく必要があり、実力が上がれば封じられた英雄に応じた力を引き出すことも可能になる。元は邪馬台国を治めた女王卑弥呼の所有物であり、彼女を殺して奪った男王が魏に貢物として贈ったために中国に渡っていた。

闘士 (とうし)

勾玉を通して中華三国の英雄達の魂を継承した戦士達の総称。大半は現役高校生。また魂だけでなく、英雄の名前も引き継いでいる。闘士の強さによって身につけた勾玉のランクが変化する。もともと闘士は『三国志』に登場する中国の英雄のみだったが、のちに卑弥呼をはじめとする、日本の英雄の闘士も登場するようになる。

頭首 (とうしゅ)

各学校の闘士達を束ねるリーダー。大半は「龍」と呼ばれる強力な異能力を宿しており、それにより、時おり我を失って暴走する。南陽学院の場合は孫策伯符が現頭首で、孫権仲謀が次期頭首となっている。またそれぞれの学校には頭首を守護・サポートする「四天王」と呼ばれる闘士が存在している。

前作

一騎当千 (いっきとうせん)

三国志時代の英傑たちの魂が封じ込められた勾玉。それを受け継ぐ高校生の闘士たちが、英雄たちの運命をなぞるように、勢力拡大のための戦いを繰り広げていく。胸チラあり、パンチラ満載のちょっとHな三国志バトルス... 関連ページ:一騎当千

書誌情報

真・一騎当千 5巻 少年画報社〈YKコミックス〉

第5巻

(2023-09-28発行、 978-4785974930)

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