天空侵犯arrive

天空侵犯arrive

大羽隆廣の『天空侵犯』の続編。宇宙飛行士にあこがれている男子中学生の松田千夜が突如召喚された、朽ち果てた高層ビルしかない世界「領域」で、クラウドと呼ばれるエネルギー体や仲間の助けを借りながら生き残りをかけたバトルを繰り広げる。次元を超えて結ばれる絆を描いたサバイバルデスゲーム。「マガジンポケット」2019年7月24日号から2021年4月21日号にかけて掲載された作品。

正式名称
天空侵犯arrive
ふりがな
てんくうしんぱんあらいぶ
原作者
三浦 追儺
作者
ジャンル
バトル
 
デスゲーム
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊7巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

元の世界で実在しないはずの、宇宙へと伸びる軌道エレベーターを目にした人間たちが、「領域」と呼ばれる朽ち果てた高層ビルしかない街に召喚され、ビル同士をつなぐボロボロの吊り橋しか移動手段のない世界で、生き残りをかけて戦う。遊理たちのいる領域での戦いの顚末(てんまつ)が作品の根幹にあり、前作『天空侵犯』の世界設定がそのまま踏襲されている。

あらすじ

召喚編

松田千夜は学校の屋上で、存在しないはずの軌道エレベーターを目にして、突然「領域」と呼ばれる、ボロボロの高層ビルしかない街に召喚された。アニメやコミックでよくある「異世界入り」ではないかと期待する千夜だったが、その直後、仮面を付けた男から命を狙われ、必死に逃げ惑うこととなる。しかし千夜は逃げた先で、クラウドと呼ばれる黒いモヤが取り憑(つ)いたライフルを入手し、仮面の男を撃退することに成功する。そんな千夜の前に、千夜たちのいる領域でレジスタンス活動を続けている望月義斗七海が現れ、この世界で殺戮(さつりく)を繰り返す天魔たちの情報を伝える。

クラウド喪失編

望月義斗たちの仲間となった松田千夜は、スナイパー仮面クラウドの助けを得て有能な戦力となっていた。そんな中、偵察に出ていた速水志歌から、天魔によって千夜の通っている中学校の校舎ごと、大勢の生徒が千夜たちのいる領域に召喚されたことを聞かされる。そして千夜は、義斗たちと共に生徒たちの救出に向かうことを決意。しかしその準備を始めたとたん、スナイパー仮面のクラウドが突如として消失し、千夜は急激に自信を喪失してしまう。そんなある日、千夜たちの進路に全裸の少女、マユコが現れ、保護することになる。また、中学校の校内では千夜の片思いの相手である織部今日子が、千夜に対する人質として利用されようとしていた。

二つの領域編

松田千夜十王との戦いを繰り広げる中、織部今日子本城理火クラウドの力を借りて自力で脱出を試みていた。しかし校舎内で運悪く天魔と鉢合わせし、本城遊理によって千夜たちのいる領域遊理たちのいる領域の狭間(はざま)の空間へと導かれる。そこで今日子は、遊理から直接遊理たちのいる領域で過去に起こった戦いと、その顚末を伝えられた。さらに遊理たちの戦いの結末を認めることができなかった大聖によって、千夜たちのいる領域が利用されていることを知る。一方その頃、十王はスナイパー仮面のクラウドに異常なまでに闘争心を搔き立てられている、自らの存在に疑問を抱き始めていた。

遊理と天魔編

本城遊理織部今日子に、大聖との因縁を話していたところ、千夜たちのいる領域遊理たちのいる領域の狭間の空間に天魔が乗り込んで来る。遊理のレプリカとして大聖に作られた天魔は、遊理と同等の能力を持ち、オリジナルである遊理を超えるために遊理殺害を目的とした戦いを挑む。桁違いの機動力で動き回りながら攻撃を仕掛けてくる天魔に対し、限られた足場でしか動けない遊理は防戦一方となる。一方、十王を味方につけた松田千夜たちは、十王から大聖や天魔、そして十王たちの情報を聞き出していた。だがその最中、かつてスナイパー仮面たちが苦戦を強いられた大天使のレプリカ、大天使モデルが大聖に忠実な人形として現れる。

決戦編

千夜たちのいる領域の支配を目論んでいた大聖が、空を覆う雲から覗く巨大な目となって現れた。遊理たちのいる領域との完全融合が終了するまでの時間稼ぎを任された織部今日子十王たちは、大天使モデルたちに苦戦を強いられていた。しかし今日子が生命の危機に瀕(ひん)する中、魂消失間際だったはずの松田千夜が立ち上がり、さらに本城遊理と和解した天魔も後援に現れる。大聖から挑まれた一騎打ちのために校舎へと向かった千夜を迎え撃つのは、大聖が会心の出来だと自負する、スナイパー仮面をモデルとしたレプリカだった。千夜が自分自身の魂の消滅を賭けた戦いに臨む中、吉田陸矢が次元の狭間に落とされていた望月義斗川村未来を伴って、巫女仮面モデルとの戦いに参戦する。

登場人物・キャラクター

松田 千夜 (まつだ せんや)

中学生の男子。年齢は14歳。肩上までの黒髪を外ハネさせている。学校の屋上で、存在しないはずの軌道エレベーターを目撃し、千夜たちのいる領域へと召喚された。召喚された直後に沢城アスカの配下によって命を狙われるも、スナイパー仮面のクラウドが出力端末にしているライフルを入手し、スナイパー仮面に近い狙撃技術を身につけた。しかし精神的に不安定なところがあり、強力な戦力となる時もあれば、まったく戦力にならない時もあるなど、気持ちの浮き沈みが激しい。同じ学校に通っていた先輩の織部今日子にあこがれている。

スナイパー仮面 (すないぱーかめん)

松田千夜のクラウドとなってサポートしている男性。ダークスーツにボルサリーノ帽をかぶっている。千夜が入手したライフルを出力端末として千夜たちのいる領域にアクセスしている。かつて遊理たちのいる領域において激戦を生き抜いた人物で、非常に高い狙撃技術を有している。本城理火からは「ユウちゃん」と呼ばれている。

七海 (ななみ)

望月義斗に協力している小学生の少女。肩までのロングボブヘアで、前髪を編み込みにしている。松田千夜が千夜たちのいる領域に来る前から、千夜たちのいる領域で生き残っている。新崎久遠のクラウドが出力端末にしているスマートフォンを入手し、軽い電撃攻撃や敵の気配を察知する能力を得ている。しかし、久遠の能力を充分に引き出せていないことを自覚しており、自分を出来損ないであると考えている。ハヤブサと共に行動しているが飼い主というわけではなく、単純に懐いているだけ。沢城アスカの部下によって目の前で父親を殺害されたことで、アスカが崇(あが)めている天魔を激しく憎んでいる。

新崎 久遠 (しんざき くおん)

七海のクラウドとなってサポートしている少女。腰まである青みがかった髪を三つ編みハーフアップにしている。お嬢様言葉を使って、おっとりとしていながらも言葉に強制力がある。七海が入手したスマートフォンを出力端末として千夜たちのいる領域にアクセスしている。遊理たちのいる領域では肉体は消滅しているが精神だけが生き残っており、膨大な情報整理などを行っている。意思の力が強過ぎるため、能力を完全に発現すれば七海の自我を食い潰しかねないために能力をセーブしている。

ハヤブサ

七海が連れているオスの柴犬。二瀬真由子のクラウドが出力端末にしているナイフ入りのリュックをつねに背負っている。七海の父親が殺害された現場に居合わせ、七海をも殺害しようとしていた沢城アスカの部下を撃退した。怒るとリュックから切っ先がナイフのようになった黒いモヤが発生し、敵対者に襲いかかる。

二瀬 真由子 (にせ まゆこ)

ハヤブサのクラウドとなってサポートしている少女。ウェーブがかった金髪をポニーテールにしている。ハヤブサが背負っているリュックサックの中に入ったナイフを出力端末として千夜たちのいる領域にアクセスしている。本城遊理に恋愛感情を抱いており、遊理を悲しませる大聖に対して強い殺意を抱いている。

望月 義斗 (もちづき よしと)

宇宙飛行士の男性。年齢は31歳。赤茶色の短髪で、日本刀を所持している。七海や庄司たちのいるグループのリーダーを務め、天魔や沢城アスカたちに対抗するレジスタンスとして活動している。松田千夜が特別な能力を持っていると考えており、仲間に迎え入れた。天魔によって友人で同僚でもある川村未来を奪われ、妹も殺害されていることから天魔を激しく憎んでいる。

庄司 (しょうじ)

望月義斗に協力している体育教師を務める男性。額に厚く包帯を巻き、ジャージを着用している。千夜たちのいる領域に召喚された直後に、自らの手で教え子を殺害したことから精神的に不安定となり、人間をすべて敵と見なして殺害しようとする。しかし、松田千夜が悩んでいる時には積極的に話を聞き、力になろうとする教師らしい一面がまだ残っている。

岡田 (おかだ)

望月義斗に協力している男性。眼鏡をかけている。千夜たちのいる領域に召喚された直後、快楽殺人を行うカップルに襲われていたところ、天魔によって助けられた。それ以降天魔のファンとなり、義斗たちに協力しているのも天魔と再会するためである。

速水 志歌 (はやみ しか)

望月義斗に協力している女性。年齢は20歳。内巻きのセミロングヘアで、パンツスーツを着用している。行方不明となった義兄と再会することを願い、「義兄の帰還が無理なのであれば、せめて同じ世界に送られたい」と月に祈り続けていた。この宇宙でもっとも優先されるべきものは「愛」だと考えており、義兄を愛している。ふだんは丁寧な口調で話しているが、感情が高ぶると言葉遣いが非常に荒くなる。

織部 今日子 (おりべ きょうこ)

中学生の女子。年齢は15歳。背中までの長い赤髪を下ろしたままで、シャギーを入れている。天魔が中学校の校舎ごと千夜たちのいる領域に召喚した際に巻き込まれた。本城理火のクラウドが出力端末にしている写真を入手しており、なにもない場所から鉄槌を生成する能力を得ている。自己中心的な思考の持ち主で、人間としてクズであるという自覚を持っているが、そのことを理火に否定されずに受け入れられたことで、理火の姿を知らないまま恋愛感情を抱いている。

本城 理火 (ほんじょう りか)

織部今日子のクラウドとなってサポートしている少年。ハネ癖のあるショートカットにしている。非常に冷静な性格で、知識も豊富で判断能力も優れている。今日子が所持している写真を出力端末として千夜たちのいる領域にアクセスしている。今日子の行動をサポートしており、危険のないよう導いている。

マユコ

千夜たちのいる領域に全裸で現れた少女。ウェーブがかった金髪ロングヘアで、二瀬真由子に酷似した容姿をしている。当初は記憶をなくしていたことから松田千夜たちと行動を共にしていたが、十王から望月義斗と川村未来の戦いの顚末を聞いた直後、大聖から作られた存在であることを認識し、攻撃を仕掛けてきた。しかし、オリジナルの真由子の情報がプリセットした際に本城遊理への恋愛感情もインストールされたため、遊理に関する事象に対しては大聖からのコマンドを無視する傾向がある。自らを「二瀬真由子モデル」とも称している。

本城 遊理 (ほんじょう ゆり)

遊理たちのいる領域で管理者を務めている少女。腰まである黒髪を下ろしたままにしている。かつて、遊理たちのいる領域を「神を生み出さないまま終了」させ、平和を築いた存在でもある。しかし、そのことで神になり損ねた大聖を追い詰め、千夜たちのいる領域を生み出す結果となってしまったことを非常に後悔している。「境界を越える能力」を所持している。織部今日子からは「ユリ先輩」と呼ばれている。

吉田 陸矢 (よしだ りくや)

遊理たちのいる領域で神に近い能力を手に入れた少年。ロングヘアで、前髪だけアップにしている。かつてなんらかの罪を犯し、そのことに負い目を感じている様子が見られる。本城遊理よりは低いが「境界を越える能力」を所持しており、天魔がほかの人間を千夜たちのいる領域に転移させる際に、次元の狭間に落ちてしまった者を救出する役目を担っている。

谷口 (たにぐち)

沢城アスカの部下である男性。ウェーブがかった長髪で額にバンダナを巻き、デニムベストなどを身につけたオタクっぽい容姿をしている。天魔が千夜たちのいる領域に召喚した中学校の校舎で、どんな殺し方に一番人が絶望するかの実験を続けている。理不尽なことや納得のいかないことが起こると、ギターで弾き語りをするクセがある。

川村 未来 (かわむら みらい)

宇宙飛行士の男性。沢城アスカの部下で、望月義斗の友人で同僚でもある。長い黒髪をうなじでひとつにまとめている。かつて天魔によって仮面を付けられ、アスカの部下となった。またその際、洗脳具合を試すという名目で、婚約者だった義斗の妹を自らの手で射殺させられている。

沢城 アスカ (さわしろ あすか)

中学生の少女。年齢は15歳。非常に小柄な体型で、一見すると小学生にも見える。盲目で、視覚は明暗を感じられる程度しかない。部下たちからは「祭司様」とも呼ばれている。つねに居丈高な振る舞いを見せる傲慢な性格で、気に入らないことがあるとすぐに不機嫌になる。また、天魔に心酔して一番弟子であると自負しており、天魔から特別扱いされていると感じられる十王に敵対心を持っている。

十王 (じゅうおう)

大聖が生み出した存在。ハネ癖のある短い黒髪の少年で、本城理火に酷似した容姿をしている。ライフルを武器としており、跳弾などの高等技術も使用するがスナイパー仮面の射撃術には及ばない。理火よりもわずかに言動が幼く、一番最初に自分たちが何者かによって作られたレプリカであることを認識した。天魔を敬愛しており、天魔を守るためなら大聖にも叛意を翻すこともある。

ヤマ

大聖が生み出した存在。茶髪のショートカットの青年で、左目に眼帯をつけている。前作『天空侵犯』に登場した山波康平に酷似した容姿をしている。十王の部下で、左の眼球だけを取り外して遠隔操作することができる能力を持っている。

世音 (ぜおん)

大聖が生み出した存在。腰まである青みがかった髪を三つ編みハーフアップにした少女で、新崎久遠に酷似した容姿をしている。しかし、口調は久遠の完璧なお嬢様言葉と違い、語尾が「ですわ」ではあるものの、野蛮な雰囲気がある。天魔を敬愛しており、天魔を守るためなら大聖にも叛意(はんい)を翻すこともある。

天魔 (てんま)

大聖が生み出した存在。腰まである黒髪を下ろしたままにした少女で、本城遊理と酷似した容姿をしている。レザー製の全身ボンデージスーツを身につけている。また、口の部分の開口部のない仮面を付けているが、仮面を外すと顔面に大きな銃創のような傷を負っている。大聖の指示によって、千夜たちのいる領域の管理者を殺害した。遊理と同じく境界を越える能力を有しており、大聖から危険視されている。沢城アスカからは「お姉さま」と呼ばれている。

巫女仮面モデル (みこかめんもでる)

大聖が生み出した存在。もみあげだけ長く伸ばしたおかっぱ頭の女性で、もみあげは毛先で組紐で括っている。巫女装束を身につけており、前作の『天空侵犯』に登場した巫女仮面に酷似した容姿をしている。大聖からの指示を最優先と考えており、大聖の命令をこなすだけの人形として自我を持っていない。

大天使モデル (だいてんしもでる)

大聖が生み出した存在。頭頂部が尖った屈強な肉体の男性で、全身タイツに登山用ブーツを身につけている。前作の『天空侵犯』に登場した大天使に酷似した容姿をしている。大聖からの指示を最優先と考えており、大聖の命令をこなすだけの人形として自我を持っていないはずが、徐々に「正義」に執着する様子を見せている。

大聖 (たいせい)

かつて遊理たちのいる領域で神を目指していた少年。詳しい容姿は描かれていない。殺し合いの世界を望んでおり、本城遊理の築いた平和と、神になれなくなったことに大きな不満を抱いていた。エネルギーを材料として、人間に限りなく近い存在を無限に作り出せる能力と、脳を失っても大聖の自我と存在をその場に維持できるという能力を持っている。遊理たちのいる領域で平和が築かれたあと、遊理との対話を拒否して自殺した。その後自我だけの存在となり、千夜たちのいる領域へとやって来て改めて神になろうとしている。

茶髪のショートヘアの男子大学生。年齢は19歳。額から左目にかけて包帯を巻いている。大学を卒業後はゲーム製作会社への就職を希望していたことから、領域でのルールも比較的早く理解した。天使に襲われ、絶望して... 関連ページ:山波 康平

守護天使の女性。年齢は21歳。巫女装束を身につけ、もみあげだけ長く伸ばしたおかっぱ頭で、もみあげは毛先を組紐で括っている。米軍使用の対物ライフルを武器としており、反動にもぶれることなく片手で撃つことが... 関連ページ:巫女仮面

相川守が従えている天使の男性。頭頂部が尖った全身タイツに、登山用ブーツを身につけた屈強な肉体を持つ。しかし、元の世界では白髪をおかっぱ頭にした病弱な少年だった。守が出会った時には暴走状態にあり、天使や... 関連ページ:大天使

場所

千夜たちのいる領域 (せんやたちのいるりょういき)

かつて本城遊理たちが戦った遊理たちのいる領域と同一境界線上に存在している世界。朽ち果てた高層ビルと、ビル同士をつなぐボロボロの吊り橋が、松田千夜たちの行動範囲を広げる唯一の経路となっている。軌道エレベーターが存在しており、この軌道エレベーターは人間が絶望した時に発するエネルギーを集めることが動力と考えられている。また、この軌道エレベーターを使用して宇宙に行くことが、千夜たちのいる領域を脱出するための手段だと考えられている。遊理たちのいる領域が作られる以前に作られたプロトタイプの世界であり、食料や飲料水などの供給が乏しい。

遊理たちのいる領域 (ゆりたちのいるりょういき)

前作の『天空侵犯』において舞台となった世界。高層ビルしかないことや、ビル同士をつなぐ吊り橋を使用しないと行動範囲を広げられないところは千夜たちのいる領域と同じだが、本作はビルも吊り橋もほとんどが新しいモノで、食料や飲料水の供給も豊富にある。本城遊理が管理者を務めており、遊理たちのいる領域と元の世界や千夜たちのいる領域をつなぐ境界が崩壊しないよう、つねに気を配っている。

その他キーワード

クラウド

千夜たちのいる領域に存在する物体に含有する情報エネルギーが具現化した存在。黒いモヤに大きな一つ目がついたような外見で、見る者によっては、ぼやけたモヤにしか見えない場合もある。望月義斗らは「強さ」と表現している。遊理たちのいる領域から侵入してきたモノと千夜たちのいる領域にもともとあったモノの2種類が確認されているが、詳細は明らかにされていない。

仮面 (かめん)

目と口の部分だけが大きく開口した平面的な仮面。上下2か所にベルトが付いている。人間の脳に特殊な変化を生じさせ、場に存在するエネルギーを的確に処理する能力を与える道具。身体能力が大きく向上するが、仮面を付けた者は仮面の種類ごとに設定されたコマンドに従って、千夜たちのいる領域に存在するそれぞれの主のために活動する存在となる。主の内訳は「管理者」「天魔」「沢城アスカ」で、大聖はここに含まれていない。ほとんどは口の部分の開口部が笑みの形になっているが、運営側の仮面は怒りの形になっている。

運営側の仮面 (うんえいがわのかめん)

千夜たちのいる領域の運営側最高責任者「管理者」のコマンドだけを受け付ける仮面。口の開口部が怒りの形になっており、主に対する忠誠を刷り込むようなコマンドは入力されておらず、自らの意思に沿った行動をすることができる。

クレジット

原作

三浦 追儺

前作

天空侵犯 (てんくうしんぱん)

ごくふつうの女子高校生の本城遊理が、神を生み出すために作られたとされる、吊り橋でつながった高層ビル群だけの世界「領域」の中で生き残りを懸けたバトルを繰り広げる。「天使」と呼ばれる殺人鬼や、己の欲望のた... 関連ページ:天空侵犯

書誌情報

天空侵犯arrive 7巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2019-11-08発行、 978-4065173060)

第2巻

(2020-02-07発行、 978-4065181690)

第3巻

(2020-05-08発行、 978-4065188460)

第4巻

(2020-09-09発行、 978-4065203286)

第5巻

(2020-11-09発行、 978-4065212653)

第6巻

(2021-02-09発行、 978-4065223543)

第7巻

(2021-06-09発行、 978-4065231234)

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