神客万来!

神客万来!

ねむようこの代表作の一つで、祥伝社「FEEL YOUNG」にて連載の『君に会えたら何て言おう』『こっち向いてよ向井くん』とは並行連載。舞台は、人間以外の存在が願いを叶えるために訪れるツバメ屋ホテル。さまざまな不運に見舞われ、仕事が長続きしない人生を送っていた女性・雲野みちるが、ツバメ屋ホテルの客室係として働く中で人外との交流を深め、自らの価値観や考え方を見つめ直しながら、恋愛や人生を謳歌していく姿を描いたお仕事ファンタジー。芳文社「週刊漫画TIMES」2019年10月18日号から2023年11月10日号にかけて連載。

正式名称
神客万来!
ふりがな
しんきゃくばんらい
作者
ジャンル
その他職業・ビジネス
 
ファンタジー
レーベル
芳文社コミックス(芳文社)
巻数
全6巻完結
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ツバメ屋ホテルの不思議な日常

ツバメ屋ホテルは、絵本『幸福の王子』の登場人物である王子の宝石を、人間たちに分け与えたツバメが設立した「ハッピープリンス財団」が運営している。幸福の王子が人々を幸せにしようとしたように、ハッピープリンス財団も人外の幸福を願って設立され、世界中に人外の願いを叶えるための施設としてツバメ屋ホテルを展開している。そのため、ツバメ屋ホテルに訪れるのはすべて人外であり、神や妖怪、ドラゴンなども客としてやってくる。彼らは自力でどんな願いも叶えられる存在だが、体面上、なかなか叶えにくい願いも存在する。たとえば、五穀豊穣の神は「洋服を思い切り楽しみ、現代のジャンクフードを堪能したい」と願い、きつねの親子は「娘が人間を化かす練習台になってほしい」といった、ささやかでありながら切実な願いを叶えにやってくる。そんな人外たちの姿に、雲野みちるは次第に共感を覚えるようになる。

みちると鬼の模索と葛藤

みちるは幼少期、満月の夜に出会った鬼と影踏みをして勝利し、その結果、鬼の影を奪ってしまう。みちる自身はその影響に気づいていなかったものの、それ以来彼女は半分鬼の力を得て、人外の存在と触れ合うことができるようになる。一方、鬼は霊的な存在だけで成り立つ世界に戻れなくなってしまい、ツバメ屋ホテルの大女将でさえ、鬼に影を返す方法を知らなかった。みちると鬼はツバメ屋ホテルで働きながら、影を返す方法を模索していくが、影を返してしまうと鬼が元の世界に戻ってしまうことを懸念している。やがて、みちるは鬼に影を返してもホテルに滞在できる方法がないかを考え始め、吸血鬼と駆け落ちしたツバメ屋ホテルの長女・伊吹や、人間と子どもをつくった鶴の恩返しの鶴に興味を抱くようになる。

みちる、鬼、瑞希の恋愛騒動

みちると瑞希は、鬼と年齢が近いこともあり、同僚として親しくなっていく。しかし、酒呑童子がツバメ屋ホテルに客として滞在した際、鬼は影を取り返す方法として「影を奪った相手を食べればいい」と教えられる。それ以来、鬼はみちるを食べるべきか悩むようになり、鬼の悩みを聞いた瑞希は、みちるを守るために二人のあいだに割って入るようになる。生死にかかわる関係ではあるが、やがて三人の恋愛感情が絡み合っていく様子も、本作の魅力の一つとなっている。

登場人物・キャラクター

雲野 みちる (うんの みちる)

ツバメ屋ホテルで客室係を務める女性。黒髪をショートボブヘアにしている。これまで不運が続き、仕事が長続きしなかったが、ある日、きつねの少女に導かれてツバメ屋ホテルの敷地に足を踏み入れる。そこで、ツバメ屋ホテルを経営する一家の長男・瑞希に客室係としてスカウトされた。その際、住み込みで三食付きの仕事だと聞き、詳しいことを確認せずに飛びついたため、初日までツバメ屋ホテルの客が人外であることに気づいていなかった。幼少期の満月の夜、鬼と影踏みをした結果、意図せず鬼の影を盗んでしまう。鬼に影を返したいと願っているが、その結果としてツバメ屋ホテルでの仕事を続けられなくなるかもしれないことに戸惑いを覚えている。

(おに)

かつて雲野みちるに影を奪われた鬼の青年。名前はない。幼少期に影を奪われたため、人間界の孤児施設で育てられた。偶然にもみちるを見つけ、ツバメ屋ホテルに潜入して影を返してもらおうとしたが、方法がわからず、そのままツバメ屋ホテルで客室係として働くことになった。鬼の成人の儀式までに影を取り返すため、日々試行錯誤を重ねている。影に関する悩みを抱えつつも、人間の感情を完全には理解できない部分があり、良い意味でつねに率直な一面を見せる。人間としての生活を送るため、偽名として「吉野太一」と名乗っている。

書誌情報

神客万来! 全6巻 芳文社〈芳文社コミックス〉

第1巻

(2020-05-14発行、 978-4832237438)

第2巻

(2021-01-15発行、 978-4832237995)

第3巻

(2021-09-16発行、 978-4832238572)

第4巻

(2022-06-16発行、 978-4832239227)

第5巻

(2023-02-16発行、 978-4832239692)

第6巻

(2024-01-16発行、 978-4832203587)

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