あらすじ
神無き世界への転生
ユキトは、父親がカルト宗教の教祖であるため、友達もできずに暗い毎日を送っていた。そんなある日、2代目教祖になるため、父親から強要された「産霊の儀(むすびのぎ)」の最中に命を落としたユキトは、神や信仰という概念の存在しない世界への転生を果たす。そこは水道も電気もない環境だったが、ユキトはロイやシルリル、アルラルといった気の合う仲間を得て、念願だった幸せな暮らしを手に入れる。しかしユキトが暮らす村は、皇国から忌み嫌われる人々が暮らす「カクリ」と呼ばれる村で、皇国の命令によって村人は簡単に命を奪われる理不尽な状況にあった。大事な仲間を救うため、ユキトは神の顕現を願う祈りを捧げるが、それに応じて姿を現したのは、幼女の姿をした神様、ミタマだった。ミタマの力によって仲間を助けることに成功したものの、ミタマは神の力を使い果たしており、再び力を使うには信者を集めることが必要だった。こうしてユキトは、カクリの村人を皇国から守るため、ミタマの信者を増やすべく、教団「救世御霊教」を設立し、神無き世界のカミサマ活動をスタートさせる。
異世界の真の姿
ユキトは、神様、ミタマの力を使って村に水道や電気を整備し、農耕器具などを作り、信者の数を着実に増やしていく。そんな中、皇帝陛下の直属部隊「アルコーン」の一柱であるアータルが、ユキトたちの村を粛清しにやって来るが、なんとか退けることに成功する。そこで村の仲間だと思っていたクレンが、実は「アルコーン」の一柱であるロキであったことが判明。ロキは、ユキトとミタマ、アータルに皇国の本当の姿を見せる。皇国の皇帝は大昔に息絶えており、アータルが忠誠を誓う皇帝は「機械」が作り出している幻であった。実はこの世界は異世界ではなく、文明が滅んだはるか未来の地球「葦原中国(あしはらなかつくに)」だったのだ。神も宗教もない世界に生まれ変わりたいというユキトの願いを聞いたミタマが、条件に合う世界としてユキトを転生させたのだった。ロキたちアルコーンの面々は、皇国を滅ぼし、新たな神となってこの世界を本来の姿に戻すために行動を開始する。それに対抗してユキトは、ロキたち偽の神に勝つため、ミタマを本物の神にするべく信者集めを再開し、新たな神々の時代の幕開けを迎えるのだった。
登場人物・キャラクター
ユキト
新宗教「神地崇教(しんちすうきょう)」の教祖、卜部聡一朗を父親に持つ青年。本名は「卜部征人」。インチキカルト宗教の教祖の息子と揶揄され、友達もできずに肩身の狭い学園生活を送っていた。2代目教祖になるべく、3日間水中に沈められる「産霊の儀(むすびのぎ)」を強要された結果、命を落として神や宗教という概念の存在しない牧歌的なファンタジー世界へと異世界転生を果たす。異世界ではロイやシルリル、アルラルといった仲間もでき、その平穏な暮らしを守るため、ミタマを神とする教団「救世御霊教」を設立し、最高運営指導者兼最終意思決定管理人となる。
卜部 聡一朗 (うらべ そういちろう)
ミタマを全知全能の最強の神と崇める、一神教の新宗教「神地崇教(しんちすうきょう)」の創始者にして現教祖を務める男性。筋骨隆々の肉体にスキンヘッドで、丸眼鏡をかけている。息子のユキトを2代目教祖にするべく、幼い頃から厳しい修行を課してきた。その修行「産霊の儀(むすびのぎ)」は、命を落としかねない拷問のようなものだったため、ユキトからは恨まれている。
ミタマ
異世界において、ユキトの願いに応じて姿を現した神様。見た目は幼女の姿で、一人称は「ボク」。実はユキトが幼い頃から見守ってきた存在で、ユキトのことを溺愛している。ベルトランによって倒されたユキトや、終生制度で殺された村人たちを神の力で復活させた。しかし、神としての力を使うには信者が必要なため、異世界に移ったことで信者が一人もいなくなったため、現在は本来の力を使えなくなっている。信者の数を増やすべくユキトが設立した教団「救世御霊教」では、唯一神「国之常世御霊大御神」となる。
シルリル
食堂を経営する女性。アルラルの姉。ユキトを居候させて、面倒を見ている。アルラルをかわいがっており、店でアルラルにちょっかいを出そうとする男には容赦しない。アルラルがユキトに思いを寄せていることを知り、からかいつつも応援している。お酒が大好き。
アルラル
シルリルの妹。シルリルが経営する食堂で働いている。ショートカットの髪型で、巨乳の持ち主。全裸で川に浮いていたユキトを保護して、連れて帰った。すぐに赤面する純情な性格ながら、エッチなことに興味があり、思いを寄せているユキトに対して大胆な行動に出ることもある。
ロイ
異世界においてユキトの冒険仲間の男性。スケベでお調子者ながら、憎めない性格をしている。ユキトと共に外獣(モンスター)退治をしているが、ビビったり泣いたりと戦闘ではまったく役に立たない。ミタマへの下心から、異世界における最初の信者となり、教団「救世御霊教」の広域布教伝導推進局執行委員長を務める。
ベルトラン
皇国で騎士を率いる褐色の肌を持つ男性。皇都第6騎士団団長を務める。本名は「エンリルタ・リースハイド・ベルトラン」。ユキトが暮らすカクリへ、終生制度を実施するためにやって来たが、ミタマによって倒される。のちにミタマの神の力によって復活するが、手違いで女性となってしまう。そのため皇国に戻ることができず、不本意ながら教団「救世御霊教」の修道騎士としてその剣の腕を振るう。
クレン
異世界においてユキトの冒険仲間となった女性。クールな性格で、ふだんは農業に従事している。その正体は、皇帝陛下の直属部隊「アルコーン」の一柱である「ロキ」で、皇国の中枢である「機械」を長年管理していた。そこで世界のあるべき本来の姿を知り、皇国を崩壊させて自らが神となることを望む。
アータル
皇帝陛下の直属部隊「アルコーン」の一柱の少女。銀髪をショートカットにしている。皇帝に絶対の忠誠を誓っており、ユキトが暮らすカクリを粛清しにやって来る。しかし、クレンが崩壊させた皇国を復活させるため、一時的にユキトと同盟を組み、二神教となった教団「救世御霊教」の新たな神となる。
ダキニ
皇帝陛下の直属部隊「アルコーン」の一柱の女性。見た目やしゃべり方がギャルっぽい。「性愛」を司る神を名乗り、複数のカクリを支配下において、信者1万人規模のダキニ教団を作っている。教団の教えは「性欲のままに」。
リシュ
ダキニ教団の幹部を務める女性。ソバカス顔で眼鏡をかけている。目が合っただけで男性を射精させ、一晩で男女を見境なく1000人犯したという伝説を持つ。教団一の色情狂と噂されているが、実は処女。ダキニ教団を潰すために潜入している。
その他キーワード
カクリ
ユキトが転生した皇国において、民衆から忌み嫌われるはぐれ者が集められた村及び、そこに住む人々を指す言葉。シルリル、アルラル、ロイがカクリに住んでおり、その証として焼き印が体のどこかに押されている。カクリの住む村は皇都を囲むように多数存在し、ユキトが暮らすカクリには約2000人が生活している。
終生制度 (しゅうせいせいど)
ユキトが転生した皇国にある制度。国からの指示で「終生者(しゅうせいしゃ)」として使命された国民は、自ら命を絶たなければならない。人々は何百年も生きていられるらしいが、ある程度の年齢になると国からの命令に応じて、死を恐れることなく自殺する。しかし、一部の死を恐れる者たちが現れたため、国から異常者とされ、カクリとして各地の村に隔離されている。
クレジット
- 原作
-
朱白 あおい
書誌情報
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