概要・あらすじ
あらすじ
第1巻
新体操部で活躍する女子高校生・日下部まろんは、一見普通の女子高校生だが、実は世間を騒がせている怪盗ジャンヌの正体であった。神の力を持つジャンヌ・ダルクの生まれ変わりであるまろんは、準天使フィン・フィッシュと共に、人間に取り憑いた悪魔を回収するために、怪盗の仕事を続けていた。警察や東大寺都に追われながらも、順調に仕事をこなしていたある日、まろんは同じマンションに引っ越して来た謎の美少年・名古屋稚空と出会う。さらに稚空は後日、まろんのクラスに転入して来る。そして、まろんはプレイボーイの彼に突然告白され、振り回される日々を送るようになる。後日新たな仕事で絵画を狙っていたジャンヌは、怪盗シンドバッドに遭遇する。ジャンヌは同じ力を持った怪盗のライバルとして、シンドバッドと敵対するようになるが、足をケガしてしまい彼に協力を求める事になる。ジャンヌは無事悪魔回収に成功するが、協力した見返りとして、シンドバッドに怪盗を辞めるように言われてしまう。
第2巻
怪盗ジャンヌのライバル怪盗シンドバッドの正体が名古屋稚空だと知り、日下部まろんはますます彼に振り回されるようになった。稚空が近づいて来たのは怪盗を辞めさせるためだったと知り、まろんは深く傷ついてしまう。稚空への複雑な思いに揺れながら、怪盗の仕事を続けるまろんだったが、ある日まろんの留守番電話に、母親の日下部ころんからのメッセージが入っていた。ずっと連絡を待っていた両親が離婚する事を知ったまろんは、大きなショックを受けて怪盗の仕事も放り出し、家を飛び出してしまう。行方不明になったまろんを探すため、稚空は東大寺都達と共に町中を探し回る。稚空は遊園地に向かい、一人で伏せっていたまろんを見つける。強がりながらも稚空の言葉に勇気づけられ、まろんは元気を取り戻して都達のもとへ戻る。そしてまろんは、敵だとわかっていながらも、いつの間にか稚空を好きになっていた事を自覚するのだった。
第3巻
突如実家に連れ戻される事になった名古屋稚空は、久しぶりに父親の名古屋海生と再会する。しかし海生は人が変わったようになっており、悪魔が取り憑いていた事が判明する。連れ去られてしまった稚空を助けようとした日下部まろんは、海生の持つ絵画を狙い予告状を出す。その夜、海生の屋敷に向かった怪盗ジャンヌだったが、そこにはさまざまな罠が仕掛けられており、生きた人間のようなジオラマがあちこちに飾られていた。海生に取り憑いた強力な悪魔に苦戦しながらも、何とか稚空と再会したまろんは、彼を救出し悪魔を封印する事に成功する。海生に反抗していた稚空は彼と和解し、同時にまろんが大切な女の子だと気づき、彼女への思いを改めて自覚するようになる。バレンタインの日、まろんは稚空にチョコレートを渡し、少しずつ彼との距離を縮めていく。そんな時、長谷川先生が女子生徒達のチョコレートを突然没収しはじめ、彼が悪魔に取り憑かれている事が判明する。
第4巻
順調に怪盗ジャンヌとしての仕事を続けていた日下部まろんだったが、東大寺都の頼みを聞いた際に入った仕事のあと、変身を解いた瞬間を通りすがりの男性に見られてしまう。正体がばれてしまったと恐れるまろんのクラスに、変身を見ていた男性・紫界堂聖が新任教師として赴任して来た。まろんは普通の人間には見えないフィン・フィッシュを見る事のできる紫界堂と、意気投合し仲よくなる。紫界堂がジャンヌの正体に気づいていない事に安堵するまろんだったが、後日ジャンヌの仕事中にケガをしてしまい、そこに紫界堂が現れまろんを助ける。紫界堂に最初から正体がバレていた事を悟ったまろんは、霊能力を持つという彼から、新たな悪魔が名古屋稚空の実家の病院に潜んでいる事を聞く。次の日、悪魔を探すために病院に向かったまろんは、病室を抜け出した少年・高土屋全と出会う。紫界堂が見た悪魔が、全に取り憑いている事を見抜いたまろんは、ジャンヌに変身して悪魔を回収しようとする。しかしそこに現れたノイン・クロードの指摘で、全に取り憑いた悪魔を回収すると、全の命も危ないという事実が判明する。
第5巻
紫界堂聖の正体は悪魔騎士「ノイン・クロード」で、さらにジャンヌ・ダルクの恋人だった。ジャンヌの生まれ変わりである日下部まろんの純潔を奪い、再び恋人になろうとするノインは、まろんを襲おうとする。間一髪で名古屋稚空に助けられたまろんだったが、稚空が何も言わない事に強い寂しさを覚える。稚空は後日、隠し事をせずすべてをまろんに話すと約束し、まろんは彼と二人きりの時間を過ごす事になる。まろんに再び怪盗を辞めるよう伝える稚空だったが、フィン・フィッシュを裏切る事ができないまろんは、稚空の願いを拒否する。しかし稚空の言葉で、フィンが自分を裏切っていると知ったまろんは、信じられずにフィンのもとへ急ぐが、正体を現したフィンはまろんのチェス駒を持って去ってしまう。家族だと思っていたフィンに裏切られていた事実を悟ったまろんは強いショックを受け、アクセス・タイムからフィンの過去を聞くのだった。
第6巻
フィン・フィッシュの裏切り、そして彼女の過去を知った日下部まろんは、強いショックを受けて意気消沈してしまう。ロザリオは石のようになり、まろんは怪盗ジャンヌに変身する事ができなくなる。そんなまろんの前にフィンが再び現れ、魔王の仲間になるよう誘ってきた。断ったまろんのロザリオを奪い、外に投げ捨てたフィンだったが、まろんはベランダから飛び出して大切なロザリオを追う。そこにノイン・クロードが現れ、間一髪でまろんを助けるが、二人はそのまま気を失ってしまう。まろん達が目覚めた先は中世フランスで、そこでは処刑前夜のジャンヌ・ダルクが牢に捕らえられていた。まろんとノインはジャンヌを助けようとするが間に合わず、ジャンヌは火あぶりになってしまう。それでもあきらめようとしないまろんを見たジャンヌは、彼女から新たな力を託される。まろんは名古屋稚空から貰ったネックレスをロザリオに変え、再び怪盗ジャンヌに変身した。人々に憑いた悪魔を封じるため教会に向かった怪盗ジャンヌは、ロザリオの聖剣で悪魔を封じる事に成功する。ノインと共に現代に戻ったまろんは病院で目覚め、稚空と再会するのだった。
第7巻
名古屋稚空が東大寺都と付き合うと急に言い出した。実はフィン・フィッシュが都に悪魔を取り憑かせて、稚空を誘惑していた。フィンの思惑を知った日下部まろんは、悪魔を封印する。正気に戻った都は、まろんが怪盗ジャンヌになっていた理由と事情を知り、二人の友情はさらに強いものとなった。しかし稚空は、フィンによってまろんの目の前で消失し、魔王のもとへ送られてしまう。一方で[準天使になったアクセス・タイムは、偶然発見したセルシア・フォームとトキ・ハイヤーを救出していた。二人を連れてフィンの前に現れたアクセスは、自ら消滅しようとしたフィンに聖気を送る。聖気を受け取り堕天していたフィンは正天使に成長し、まろん達とも和解する。まろんは稚空を取り戻そうとするが、すでに神の力は弱まっており、その影響は世界に現れはじめていた。天界に呼ばれたまろん達は、フィン達と共に神と対面する。まろんは神の話で自分自身の正体、さらに魔王の正体を知る。そして、神から魔王と戦えるのはまろんだけだと告げられる。稚空と再会したまろんは、意を決して魔王との最終決戦に挑むのだった。
登場人物・キャラクター
日下部 まろん (くさかべ まろん)
桃栗学園に通う高校2年生の女子高校生。ウェーブのかかった栗色のロングヘアで、新体操部に所属している。明るく人気者で人望も厚く、気高く心優しい少女。10歳の頃に両親が海外に行ってしまい、現在はマンションで東大寺都の両親に世話になりながら、一人暮らしをしている。つねに強気に振る舞っているが、幼い頃から体験してきた孤独感から、密かに寂しさと闇への恐怖を抱えている。実はジャンヌ・ダルクの生まれ変わりで、前世の記憶はないが悪魔や魔王に対抗できる特別な力を持っている。この力とロザリオを使って怪盗ジャンヌに変身し、フィン・フィッシュと共に絵画を通して人間に取り憑いた悪魔を回収(チェックメイト)する仕事をしている。フィンから悪魔回収の報酬として願いを一つ叶えると言われているが、単に願いを叶えるだけでなく、人を救える怪盗になる事で自分の居場所や存在意義を見出そうとしている。このためロザリオは「強くなれるお守り」でもあり、怪盗シンドバッドに怪盗を辞めるよう言われた時も強く拒絶していた。名古屋稚空には何かと振り回されているが、次第に思いを寄せるようになる。
名古屋 稚空 (なごや ちあき)
桃栗学園に転校して来た男子高校生。日下部まろん、東大寺都とは同じクラスで、同じマンションに引っ越して来た。まろんに好意を寄せて突然告白するなど振り回しているが、実はそれらの行動は、怪盗ジャンヌを辞めさせるためのものだった。しかし、まろんと接するうちに彼女に惹かれていき、次第に真剣に愛するようになる。実は怪盗シンドバッドの正体で、アクセス・タイムと共に悪魔を回収しており、ジャンヌとはライバル関係。怪盗としては敵同士であるため、なかなかまろんとは両思いになれずにいた。また、まろんを騙していた事には強い罪悪感を抱いている。幼い頃に母親を亡くしており、父親の名古屋海生が別の女性と再婚と離婚を繰り返すのを見て、母親を大切にしていないと思い込み、毛嫌いしていた。このため実家を離れ引っ越して来たのは、父親への反抗からの家出でもあった。父親への誤解が解け和解したあとも一人暮らしを続けるものの、時おり実家の病院にも顔を出したり、仕事を手伝ったりしている。女性に優しいフェミニストで、女子生徒からもモテるプレイボーイ。まろんには強引に迫る事が多い。好物はグラタン。
フィン・フィッシュ
日下部まろんの前に現れた準天使の少女。明るく元気な性格で、まろんに力を与えて怪盗ジャンヌの仕事を手伝っている。ジャンヌの使命とは別に、一人暮らしをしているまろんにとっては、側にいてくれる大切な家族となっている。天界では黄緑色の髪色を持つ珍しい天使で、能力も優秀なため友人のセルシア・フォームやトキ・ハイヤーと共に、いち早く準天使に昇格した。アクセス・タイムに思いを寄せられているが、冷たくあしらう事が多い。しかし本音では、彼の事を大切に思っている。好物はホットケーキ。実はまろんと出会う前に人間界へ降りた際に罪を犯し、堕天していた堕天使であり、魔王の手先としてまろんに近づいていた。魔王の命令により、ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりであるまろんの力を消すために、まろんの心を強く傷つけるのが目的。天使になる前は、久ヶ原魚月という人間の少女だった。
アクセス・タイム
名古屋稚空の傍にいる黒天使の少年。稚空に力を与え、怪盗シンドバッドの仕事を手伝っている。天界にいた頃からフィン・フィッシュに片思いしているが、彼女には冷たくあしらわれる事が多い。堕天して魔王の手先となったフィンを助けるために人間界に降り、そこで出会った稚空にロザリオと悪魔を封じる力を与えていた。日下部まろんを裏切り魔王の手先として動くようになったフィンを救うため、まろん達にも協力するようになる。のちにフィンを助けるために神に願い、準天使となる。天界ではフィン達と異なり準天使には昇格できず、落ちこぼれ気味だったが、明るく前向きでやんちゃな性格。好物はホットケーキ。
東大寺 都 (とうだいじ みやこ)
日下部まろんの幼なじみの女子高校生。まろんと同じ新体操部に所属している。父親の東大寺氷室と共に怪盗ジャンヌが予告を出した現場に行き、捕まえようとしている。幼少期から意地っ張りで不器用なところがあるため、周囲に誤解される事もあるが、心根は優しい。幼稚園時代にまろんに誤解を解いて貰ったのをきっかけに、彼女となかよくなる。まろんとはケンカをしたり張り合う事もあるが、心から大切に思っており、彼女を傷つける者はたとえ自分自身であろうと許さないと宣言している。同じマンションに引っ越して来た名古屋稚空に一目惚れし、積極的にアタックしている。のちにまろんと稚空が両思いだと気づき身を引くが、失恋だけでなくまろんのとなりにいるのが自分ではない事に対し、心を痛めていた。ジャンヌが現れたばかりの頃に、クラスメイトがジャンヌとまろんの顔がよく似ていると言ったのを聞き、まろんの潔白を証明するためにジャンヌを追うようになる。しかし、早くからジャンヌの正体には気づいていた。まろんに片思いし怪盗シンドバッドを追っている水無月大和とは、何かといっしょに行動したり、巻き込んだりする事が多い。
水無月 大和 (みなづき やまと)
桃栗学園に通う男子生徒で、日下部まろんのクラスのクラス委員長を務めている。ビン底眼鏡をかけた、内気で気弱な少年。まろんには密かに片思いしているが、自信が持てずなかなか話掛けられずにいた。まろんに近づく名古屋稚空の出現をきっかけに、自分にコンプレックスを抱くようになり、悪魔に取り憑かれてしまう。悪魔の力でまろんに対し積極的になり、メガネをコンタクトに変える。のちにその悪魔を回収した怪盗ジャンヌに諭され、まろんにも勇気を出して話しかけるようになり、次第に前向きな性格に変わっていく。まろんへの思いから怪盗シンドバッドを捕まえようとしており、よく事件の現場にも現れる。のちに勇気を出してまろんに告白する。ジャンヌを追っている東大寺都とは何かといっしょに行動したり、彼女に巻き込まれる事も多い。しかし、まろんを大切に思っている都のひたむきさに少しずつ惹かれていく。
パッキャラマオ先生 (ぱっきゃらまおせんせい)
桃栗学園の日下部まろんのクラスの担任で新体操部の顧問でもある女性教師。美人だが何故か常にリコーダーを持っていてザマス口調で喋る。悪魔に取り憑かれたが怪盗ジャンヌによって元に戻った。
十六夜 理恵 (いざよい りえ)
十六夜偲の娘。小学生の女の子。いじめられっ子で男の子にからかわれているところを日下部まろんに助けられた。十六夜偲のことが大好き。
十六夜 偲 (いざよい しのぶ)
絵画を通して悪魔に取り憑かれていた男性。おもちゃや仕掛けなどを作っている。十六夜理恵の父親。
東大寺 氷室 (とうだいじ ひむろ)
東大寺都の父親。警察署に勤める警部だが、娘の都には弱い。二頭身で描かれている。
山茶花 弥白 (さざんか やしろ)
名古屋稚空の婚約者。枇杷高校の高校生の女の子。本気で名古屋稚空のことが好きだったが、親同士が決めた婚約者のため名古屋稚空は意識してなかった。悪魔に取り憑かれ、新体操の大会で東大寺都に嫌がらせした。
名古屋 海生 (なごや かいき)
名古屋稚空の父親。病院の院長。見た目が若く名古屋稚空に瓜二つでノリが軽く飄々としている。再婚を何度も繰り返していたが、実は妻であり名古屋稚の母親を亡くした後、名古屋稚空の母親になる人を探していた。
彼方木 神楽 (かなたき かぐら)
名古屋海生の秘書。名古屋海生の暴走をとめる役目もあり名古屋稚空のことを溺愛している。喧嘩が強い。実は山茶花弥白のことが好き。
長谷川先生 (はせがわせんせい)
日下部まろんの高校の先生。元は恋愛に理解があったが悪魔に取り憑かれて生徒のバレンタインを否定するようになってしまった。怪盗ジャンヌによって浄化されたが、これをきっかけに東大寺都が怪盗ジャンヌの悪魔を浄化する力に確信をもった。
東大寺 昴 (とうだいじ すばる)
東大寺都の兄。地震を止める研究をしている科学者。メガネをかけておりバナナが好き。悪魔に取り憑かれ大地震を起こそうとした。
紫界堂 聖 (しかいどう ひじり)
日下部まろんの高校に赴任してきた新任教師。怪盗ジャンヌと怪盗シンドバッドの正体を知っており日下部まろんに近づいてきた。しかし正体はノイン・クロードという悪魔騎士だった。元々はジャンヌ・ダルクの恋人だったが神に嫉妬したため悪魔に魅入られ、自ら悪魔になってしまった。
高土屋 全 (たかつちや ぜん)
心臓の病気で名古屋海生の病院に五年前から入院している男の子。中学二年生。普通の人には見えないフィン・フィッシュの姿が見える。難しい病気で悪魔に取り憑かれることで命を長らえている。
高土屋全の母 (たかつちやぜんのはは)
高土屋全の母親。高土屋花店で働いている。高土屋全が入院して依頼、願掛けをして会いに行っていない。また、手術費が高いためお金を稼ぐ目的もある。
シルク
紫界堂聖に仕える魔獣。小さい竜のような生き物。人間の姿だと男の子になる。
セルシア・フォーム
フィン・フィッシュが堕天してなかった頃の同期の準天使。フィン・フィッシュと仲が良く一緒に人間界に行くことになったが、人間界の空気が合わず久ヶ原相模に保護される。
トキ・ハイヤー
フィン・フィッシュが堕天してなかった頃の同期の準天使。フィン・フィッシュのことが好きでナルシストな一面がある。一緒に人間界に行くことになった。
久ヶ原 相模 (くがはら さがみ)
神社で神主をする男性。妹の久ヶ原魚月を若くして失っている。聖水と称した水を売っていたが、聖水を得るために久ヶ原魚月を人身御供にして聖水の元となる氷漬けにした。
久ヶ原 魚月 (くがはら なつき)
久ヶ原相模の妹で16歳で亡くなったとされていたが、実は病気で長く患っている時に久ヶ原相模によって人身御供として氷に入り命を落とした。死んだ後に天使としてフィン・フィッシュになった。
ジャンヌ・ダルク
日下部まろんの前世。無実の罪によって捕まり、悪魔の取り憑いた看守に襲われ悪魔を封じる力を失い火炙りの刑に処された。死ぬ直前に自分の持つ神力を日下部まろんに託す。ジャンヌ・ダルクがモデル。
大天使リル (だいてんしりる)
フィン・フィッシュが堕天する前の天界の正天使。神の言伝を天使達に伝えるのが仕事。
神 (かみ)
今は実体を持たない存在。かつては実体がありアダムとイヴを作り出し3人で楽園で暮らしていたがイヴが知恵の実を食べてしまったのでアダムとイヴを追放し楽園に一人残ることになった。その時の寂しい気持ちが実体を持ち魔王になった。
魔王 (まおう)
今は実体は持たない存在。かつての神の寂しいという気持ちから生まれた。孤独と絶望を感じており、人間を滅ぼそうとしていた。
日下部 匠 (くさかべたくみ)
日下部まろんの父親。日下部ころんが遊園地のメリーゴーランドに乗る時に踏み台になったことがきっかけで日下部ころんと結婚するが悪魔のせいで不仲な結婚生活を送ることになる。
日下部 ころん (くさかべ ころん)
日下部まろんの母親。遊園地のメリーゴーランドに乗る時に踏み台になったことがきっかけで日下部匠と結婚するが悪魔のせいで不仲な結婚生活を送ることになる。日下部まろんに離婚の報告をするため6年ぶりに電話をかけてきた。
ノイン・クロード
紫界堂聖の正体である男性の悪魔。悪魔の上位階級にあたる「悪魔騎士」と呼ばれる。日下部まろんの前世であるジャンヌ・ダルクの恋人で、ジャンヌに仕えるフランスの騎士でもあった。しかし愛するジャンヌが神に仕える聖女であったため、彼女に触れる事ができず、次第に神に嫉妬するようになっていく。その強い嫉妬心を魔王に魅入られ、自ら悪魔となった。ジャンヌの生まれ変わりであるまろんに紫界堂の姿で近づき、まろんの純潔を奪う事で神から解放し、再び恋人にしようとする。まろんと共に過去にタイムスリップし、処刑前のジャンヌと再会する。
怪盗ジャンヌ (かいとうじゃんぬ)
世間を騒がせている女怪盗。主に美術品をターゲットとしている。金髪ロングヘアのポニーテールで、胸元には金色のロザリオを身につけている。何度も捕まえようとしても捕らえる事はできず警察を悩ませているが、一方で警察官達には「ちゃん」付けで呼ばれて慕われている。リボンや扇子といった武器をたくみにあやつり、目的の絵画を華麗に盗み出す。ただし絵画を丸ごと盗むのではなく、悪魔を封じる力が宿ったピンを「チェックメイト」の掛け声と共に刺す事で、絵画に取り憑いた悪魔を回収している。悪魔が消えた絵画は、美しい天使が描かれたまったく別の絵に変わる。また、悪魔の影響で性格が変わっていた絵の持ち主も、元の性格に戻る。その正体は日下部まろんが変身した姿。ポニーテールを結んでいるリボンをほどくと、変身が解けてまろんの姿に戻る。一時期変身できなくなるが、まろんが過去に行ってジャンヌ・ダルクから力を受け継いでからは衣装が一変し、新しいロザリオが変形した聖剣を武器として戦うようになる。
怪盗シンドバッド
怪盗ジャンヌの前に現れた謎の男怪盗。黒いロザリオを身につけている。初めはジャンヌの邪魔をしていたが、ジャンヌに助けを求められた際に協力し、その見返りとして彼女に怪盗を止めさせようとする。以降ジャンヌのライバルとして敵対するようになるが、目的のためにジャンヌと戦う事もあれば、互いに協力する事もある。投げナイフで戦い、ジャンヌと同様悪魔を封印するピンを絵画に刺す事で、悪魔を回収できる力を持つ。正体は名古屋稚空がアクセスの力で変身した姿。バンダナをほどかれると変身が解け、稚空に戻ってしまう。
その他キーワード
準天使 (じゅんてんし)
天使の階級の一つ。フィン・フィッシュの現在の階級でもある。黒天使よりも一つ上の階級で、黒かった翼は白く変化している。妖精のように小さいが、人間と同じサイズに変身する事も可能。
悪魔 (あくま)
魔王の使い魔。人間世界の絵画を中心とした美術品に宿る事で、人間に取り憑いている。取り憑いた人間が持つ人間の心を吸い取る事で成長していく。これらの力は神の力の源ともなっているため、魔王は人間界に悪魔を放つ事で、間接的に神から力を奪っている。また悩みやコンプレックスを抱えた人間は、特に悪魔に取り憑かれやすくなっている。悪魔に取り憑かれた者は性格が豹変し、暴力や悪事に走る事もある。人間の心を吸って成長した悪魔は強力な力を持つようになり、怪盗ジャンヌや怪盗シンドバッドを苦戦させている。
黒天使 (くろてんし)
天使の階級の一つ。アクセス・タイムの現在の階級でもある。まだ誕生したばかりの天使で、体が小さく翼が黒い。「聖気」と呼ばれるエネルギーを髪に溜め込む事で、翼が白くなって準天使になる事ができる。準天使とは異なり、体のサイズを変える事はできない。
ロザリオ
日下部まろんが、怪盗ジャンヌに変身するための変身アイテム。金色の十字架の形をしており、フィン・フィッシュの力を得る事で変身する事ができる。変身後はジャンヌの胸元に飾られている。中央の宝石から武器を始めとしたアイテムを出す事もできる。普段は悪魔探知器や、フィンとの通信機としても使用されている。フィンの裏切り後にただの石と化すが、まろんがジャンヌ・ダルクと出会った際に、名古屋稚空のプレゼントのネックレスがロザリオに変形し、再びジャンヌに変身する力を得た。また新たな力を手に入れた際は、ロザリオが聖剣としても使えるようになる。
チェス駒 (ちぇすごま)
悪魔が封印されたアイテム。怪盗ジャンヌ、もしくは怪盗シンドバッドが、悪魔が取り憑いた絵画にピンを刺し、悪魔の封印に成功したあとに、ピンがチェス駒に変化するようになっている。ただし何らかの理由で悪魔封印に失敗した場合は、ピンは変化せずそのままになる。悪魔が回収されたあとのチェス駒は、日下部まろんの部屋のチェス盤の上に、結界を張った上で保管されている。
書誌情報
神風怪盗ジャンヌ 全7巻 集英社〈りぼんマスコットコミックス〉
第1巻
(1998-09-14発行、 978-4088561004)
第7巻
(2000-08-07発行、 978-4088562216)