マニアック解説で爬虫類の魅力にせまる
本作のヒロイン、長良は筋金入りの爬虫類マニア。爬虫類の話題になると、彼女は周囲が見えなくなるほどの情熱で、専門知識をマシンガンのように次々と語り始める。そのマニアックな解説は本作の大きな特徴であり、彼女を通じて爬虫類の寿命や適温、飼育環境などの情報が、図解を交えながら非常にわかりやすく紹介される。このため、爬虫類に馴染みのない読者でも、自然とその生態や魅力について詳しくなれる構成になっている。
奥手な長良と鈍感な海原のじれったい関係
長良は早くから海原に対する恋心を自覚し、さりげなくアピールを続けているが、海原はなかなかその思いに気づかない。しかし実は、海原も長良と出会った頃から淡い好意を抱いており、そのことを周囲に指摘され、応援されるというもどかしい関係が展開されていく。メールを1通送る際にも文面に悩み、些細なことで失恋したとカンちがいして距離を置くなど、恋に一喜一憂する二人の姿がほほえましく描かれている。
アニマーレの個性豊かなスタッフたちの恋愛模様
総合ペットショップ「アニマーレ」には、個性豊かなスタッフがそろっている。年齢や恋愛の話になると急に卑屈になる純白静、女装男子の噛谷尖里と彼に寄り添う女々崎有絵、サディストの凶塚射、そしてBL好きでドイツ人のハーフである此野ミーツェ弛芽。さらに、海原の同僚である川々枡や十二時ヶ丘タイトも加わり、物語はさらに広がりを見せる。彼ら一人ひとりの恋愛模様も丁寧に描かれており、物語に彩りを与えている。
登場人物・キャラクター
海原 入鹿 (うなばら いるか)
ブラック企業に勤める男性。年齢は25歳。厳しいノルマに心身共に疲れ果て、癒しを求めて総合ペットショップ「アニマーレ」を訪れた際に、長良と出会う。当初は爬虫類に対してあまりいい印象を持っていなかったが、長良の熱心な説明に心を動かされ、ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)を家族として迎えることに決めた。ライトノベルやファンタジー、神話に強い興味を抱いており、「自分もいつか特別な力に目覚める」と信じている。長良の影響を受けて爬虫類の世界にどっぷりと浸かり、次第にマニアとしての才能を開花させていく。また、サディスティックな女性に惹かれるマゾヒストな一面を持つ。
長良 永 (ながら なが)
総合ペットショップ「アニマーレ」で働く女性スタッフ。黒髪に紫のインナーカラーを施し、ショートボブヘアにしている。爬虫類をこよなく愛しており、ほかの生き物には興味を示さず、時には嫌悪感を抱くこともある。もともとは動物全般を愛していたが、一部の哺乳類愛好家が爬虫類を軽視する姿に心を痛め、次第に哺乳類に対して嫌悪感を抱くようになった。偶然にも、長良は客として訪れた海原のとなりの部屋に住んでおり、海原が生体販売証明書に記載した住所からその事実を知り、何かと理由をつけて海原の部屋を訪れるようになる。海原との交流を通じて、哺乳類もかわいいと思うようになっていく。そんな中、爬虫類の脱走事件に関するテレビインタビューで、自身の発言が悪意ある編集によって歪められたことに激怒するが、海原が動画の削除要請をしてくれたことを知り、彼に特別な感情を抱き始める。
書誌情報
秘密のレプタイルズ 14巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2016-09-16発行、978-4091273871)
第2巻
(2017-02-17発行、978-4091275226)
第3巻
(2017-06-19発行、978-4091276391)
第4巻
(2017-10-19発行、978-4091280107)
第5巻
(2018-05-11発行、978-4091282996)
第6巻
(2018-09-19発行、978-4091285195)
第7巻
(2019-02-12発行、978-4091288318)
第8巻
(2019-09-19発行、978-4091294043)
第9巻
(2020-03-12発行、978-4098500390)
第10巻
(2020-10-16発行、978-4098502998)
第11巻
(2021-09-16発行、978-4098507030)
第12巻
(2022-07-19発行、978-4098512003)
第13巻
(2023-05-12発行、978-4098520640)
第14巻
(2024-04-11発行、978-4098532032)







