笠佐木梓と七人の敵

笠佐木梓と七人の敵

笠佐木梓は大学の指定校推薦の枠を獲得するため、品行方正でまじめな生徒を演じている。そんな梓がテスト問題を盗んだ犯人だと疑われた事件をきっかけに、これまでライバルだと思っていた個性的な学友たちと、親交を深めていく姿を描いた青春コメディ。「LaLa」2019年7月号に掲載されたあと、2020年1月号から連載の作品。

正式名称
笠佐木梓と七人の敵
ふりがな
かささぎあずさとななにんのてき
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

人より秀でた特技はないものの、大学進学にあたって指定校推薦の枠を狙っている笠佐木梓は、品行方正でまじめな生徒を演じて生活を送っていた。しかしある日、梓はテスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられ、これまで積み重ねてきた努力が無になってしまうことに焦っていた。そこで学校内の情報に詳しい大河内マナミに協力を依頼し、真犯人探しを開始。自分と同じく指定校推薦の枠を狙っている者が、ライバルを減らすために仕組んだことに違いないと考えた梓は、該当すると目星を付けた竹内隆一松本三輪三枝に声をかけると、その四人も真犯人探しに協力すると申し出る。さらに梓に挑発的な言動を繰り返し、真犯人の容疑がかけられている殿村大希も合流し、七人は行動を共にするようになる。すると、テスト問題が盗難に遭ったとされる事件は、そもそも教師の勘違いだったことが判明する。この出来事を通じ、梓以外は指定校推薦の枠を狙っていないことがわかり、同時に七人のあいだには奇妙な友情が芽生えていく。そんな中、竹内は梓に好意を抱いていることを告白し、実際にアプローチを開始する。しかしそれは、ひそかに指定校推薦の枠を狙っていた竹内の罠であった。

登場人物・キャラクター

笠佐木 梓 (かささぎ あずさ)

品行方正で成績優秀な高校2年生の女子。大学進学にあたって指定校推薦の枠を狙っており、日夜努力を惜しまない。周囲からは何をされても怒らない温厚な性格で、お人好しだと思われているが、実際は短気な性格で、すべては指定校推薦の枠を獲得するために我慢を重ねているため。しかし、テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられ、指定校推薦の枠を獲得することが危うくなる。そこで、大河内マナミに協力を求め、笠佐木梓自身と同じく指定校推薦の枠を狙っているであろう竹内隆一、松本、三輪、三枝に声をかけ、真犯人探しを始める。この出来事をきっかけに、これまで指定校推薦枠を狙うライバルだと思っていたみんなと友情を築いていく。

殿村 大希 (とのむら だいき)

笠佐木梓と同じ学校に通っている高校2年生の男子。梓と同じ中学校出身。成績は学年トップで、梓からはレベルの高い国公立の大学を狙っているはずだと、指定校推薦の枠を狙うライバルだとは認識されていない。プライドが高いうえに非常に屈折した性格をしており、周囲を見下している。テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられて落ち込んでいる梓に対しても、これまでの好成績もそうやって維持していたのだろうと発言するなど、嫌がらせを繰り返す。この悪行が原因で周囲から犯人と疑われることとなり、梓たちの真犯人探しに巻き込まれてしまう。この出来事を通して、梓やほかのみんなと親交を深めていく。大河内マナミと三枝からは、なぜか梓に好意があると勘違いされている。

竹内 隆一 (たけうち りゅういち)

笠佐木梓と同じ学校に通っている高校2年生の男子。成績は梓よりも少しだけ下ではあるが、優秀で周囲からは指定校推薦の枠を狙えるとされている。また、梓からも指定校推薦の枠を狙う手強いライバルだと認識されている。テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられている梓を不憫(ふびん)に思い、真犯人探しに協力する。その出来事を通して、梓やほかのみんなと親交を深めていく。さわやかなルックスの持ち主で、温厚な性格で人あたりもよく、友達からも信頼されている。竹内隆一自身は自覚はしていないが、女子生徒からも非常に人気があり、学校内のアイドル的な存在で、三枝からもあこがれられている。一見好青年に見えるが、実は梓と同じく指定校推薦の枠を狙っており、周囲に手を回して梓を蹴落とそうとしている。

松本 (まつもと)

笠佐木梓と同じ学校に通っている高校2年生の男子。成績は梓よりも下ではあるものの、先生受けがよく、梓からも指定校推薦の枠を狙う手強いライバルだと認識されている。テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられている梓を不憫に思い、真犯人探しに協力する。その出来事を通して、梓やほかのみんなと親交を深めていく。関西弁でしゃべり、適当でマイペースな性格の持ち主ながら、周囲からはすべて許される得なキャラクターで人脈も広い。ノリが非常によいため、大河内マナミと気が合う。

三輪 (みつわ)

笠佐木梓と同じ学校に通っている高校2年生の女子。成績は梓よりも下ではあるものの、小説家として頭角を現している。文芸愛好家たちからは既に注目を集めており、在学中にデビューするのではないかといわれている。そのため、梓からは現役高校生としてデビューをすれば、指定校推薦の枠を狙う手ごわいライバルになるだろうと恐れられている。テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられている梓に対して、小説のネタになりそうだと興味を抱き、真犯人探しに協力する。この出来事を通して、梓やほかのみんなと親交を深めていく。

三枝 (さえぐさ)

笠佐木梓と同じ学校に通っている高校2年生の男子。成績は梓よりも下で、三枝自身も「受験勉強をする時間があればマンガを描いていたい」と発言しているが、梓からは指定校推薦の枠を狙うライバルだと認識されている。テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられている梓に対し、マンガのネタになりそうだと考え、真犯人探しに協力する。その出来事を通して、梓やほかのみんなと親交を深めていく。外見は地味で、内向的な性格をしている。マンガ研究会に所属しており、好きなジャンルは少女漫画。ふだんは口数が少ないが、少女漫画のことになると饒舌(じょうぜつ)になる、典型的なオタク気質で、竹内隆一をモデルにした作品を制作しており、将来的にはプロになることを目指している。

大河内 マナミ (おおこうち まなみ)

笠佐木梓と同じ学校に通っている高校2年生の女子。テスト問題を盗んだ犯人の容疑をかけられている梓から、真犯人を見つけるために協力を依頼される。無類のネコ好きで、梓に協力したのも報酬としてネコグッズを提示されたため。年齢よりも大人びたセクシーな容姿で、「男とはどんな生き物なのか」を知り尽くした言動が多い。学校内の不良グループも大河内マナミには頭が上がらず、マナミの言うことならばなんでも聞いてしまう。それゆえに情報通で、学校内のさまざまな出来事を把握しており、周囲からは「マナミ姉さん」と呼ばれている。

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