細村さんと猫のおつまみ

細村さんと猫のおつまみ

過酷な幼少期を過ごしてきた天涯孤独のアラサー女性・細村紗千は、捨て猫・おつまみとの出会いを機に、少しずつ輝きを取り戻していく。質素倹約を旨とし、自分と猫のご飯を手作りする紗千の日常を描く、お料理ヒューマンドラマ。KADOKAWA「ヤングドラゴンエイジ」2020年Vol.2から掲載の作品。

正式名称
細村さんと猫のおつまみ
ふりがな
ほそむらさんとねこのおつまみ
作者
ジャンル
動物・ペット
 
料理
関連商品
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あらすじ

朝、家を出た細村紗千は、玄関近くに黒い子猫がいるのを発見する。くわえていたパンを小さくちぎって子猫が食べられるようにその場に置き、会社へと向かう。その日、会社では焼き鳥屋で親睦会が行われる予定だったが、お金のない紗千はいつものように不参加を申し出ていた。同僚の斉藤春崎は、一度だけでも参加してみたらどうかと紗千を誘うが、そこに現れた上司の黒堅は、自分が紗千の分まで食って飲んでくると語り、無理やりその場を収めるのだった。仕事帰り、親睦会で焼き鳥を食べられなかったことを残念に思いながら、紗千はスーパーで半額の手羽元を購入。そして家に帰り、洗濯物を取り込むために縁側へ向かったところで、紗千は朝の子猫が軒下にいることに気づく。子猫はまだ生きてはいたが体温は低く、時間的に動物病院ももう閉まっていた。急遽、湯たんぽを出して子猫を温めながら、紗千は買ってきた手羽元で、子猫と自分用の料理を作り始める。(第1話「鶏粥とゆで鶏の金柑味噌」)

登場人物・キャラクター

細村 紗千 (ほそむら さち)

会社員のアラサー女性。黒髪ロングヘアの美人だが感情の起伏に乏しく、暗い印象を与えがち。実は幼少期に、重度のDV・モラハラ気質の父親と、夫に虐げられてその矛先を細村紗千に向ける母親という過酷な家庭環境に育ち、さまざまなトラウマを抱えている。これらの出来事は、日常のちょっとしたきっかけで頻繁にフラッシュバックし、そのたびに心に大きなダメージを負っている。その後、母親は紗千と共に、「安住」という別の男性と暮らすようになったが、母親も安住もすでに亡くなった現在は、当時三人で暮らしていた古びた一軒家で一人暮らししている。これまでの学費をはじめ、多額の借金を抱えていることもあって非常に倹約家。ある日、家の前で弱っていた子猫と出会い、「おつまみ」と名づけて一時的に保護して里親探しを開始する。だが、おつまみといっしょに暮らすうちに彼女に心癒されるようになり、里親探しを断念して自分で飼うことを決意した。料理が得意で、おつまみのエサも手作りしている。料理の腕は、幼い頃から母親を助けようと努力を重ねるうちに磨かれたもので、そもそも料理をするようになったきっかけは、安住の存在が大きい。ちなみに酒は飲めないが、酒のつまみになるような食べ物が大好き。

おつまみ

細村紗千の家で飼われているメスの子猫。全身真っ黒だが、胸の部分と両前足、左後ろ足の先だけ白く、尻尾の先が丸まっている。もともと飼い猫だった母親のもとに生まれたが、兄弟の中でおつまみのみが段ボールに入れて捨てられた。放浪の末に紗千の家にたどり着き、彼女の介護の甲斐(かい)あって一命を取り留める。その後は紗千の家で世話になり、のちに里親探しをやめた紗千に正式に飼われるようになる。捨てられた経緯もあって人慣れしていなかったが、紗千の家で暮らすうちに、彼女に心を開いていく。ちなみに「おつまみ」の名の由来は、紗千が酒のつまみのような食べ物が好きなことから。

斉藤 (さいとう)

細村紗千と同じ会社に勤務する中年女性。ノリが軽くおせっかいで少々デリカシーのないところがあり、何げない言動がいちいち紗千のトラウマを刺激してしまい、上司の黒堅にやんわりとたしなめられることが多い。ただし基本的に悪気はなく、それを理解している紗千にも嫌われているわけではない。斉藤自身もそんな自分の粗忽さには悩んでおり、同時に紗千のことを気にかけ、なんとか距離を縮めたいと考えている。しっかり者の中学生の娘がおり、家庭のことに関しては何かと助けてもらうことも多く、彼女に対して親としてのふがいなさを感じている。

春崎 (はるさき)

細村紗千と同じ会社に勤務する若い女性。ふんわりとしたボブヘアで、明るい性格をしている。同僚である斉藤のハラスメントギリギリの下世話な話にも、時にうまくかわし、時に顔を真っ赤にしながら、仲よく付き合っている。

黒堅 (くろかた)

細村紗千と同じ会社で主任を務める男性。紗千の上司にあたる。非常に大柄で、がっしりした体格をしている。また眉毛がなく、眼鏡をかけているせいで表情がまったく読めないため、紗千には、いつも不機嫌そうに見えると苦手意識を持たれている。実際は堅物ながら優しく誠実な性格で、紗千の家庭環境もある程度は把握しており、斉藤のハラスメントじみた下世話な会話から紗千を守ることも多い。重度の猫アレルギーの持ち主だが、猫好きでかつて自分でも猫を飼っていたことがある。そのため猫に関する知識は豊富で、おつまみと暮らすようになった紗千のことを、猫にまつわる方面でもフォローするようになる。

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