概要・あらすじ
東京のある小選挙区。衆議院議員選挙に立候補した民自党の仲阪典栄のもとに、白鳥遥と名乗る容姿端麗な若者が現れた。彼は仲阪典栄の著書に感銘を受け、選挙を手伝いたいという。選挙で勝利した後、仲阪典栄の公設第一秘書となった白鳥遥は、表向きは誠実に職務をこなすが、恐るべき野望を秘めていた。
仲阪典栄の不慮の死を経て、白鳥遥は補選に立候補。圧倒的不利を覆し当選を果たす。議員バッジを得た彼は、クリーンなイメージで国民の人気を得ていく。同時に民自党内では派閥の領袖の仁田山豊や玉島豊、そして時の総理大臣の天城満らを謀略で振り回し、密かな計画を進めていく。
登場人物・キャラクター
白鳥 遥 (しらとり はるか)
涼やかな表情で整った容姿の青年。初登場時23歳。民自党衆議院議員の仲阪典栄のもとに選挙ボランティアとして現れ、後に秘書を経て民自党議員となる。誠実・清潔なイメージで人気を博すが、その裏では権謀術数を用いて何人もの人間を陥れていた。また高級クラブママの由利香、テレビ局TV7レポーターの逸見真理子らと男女の仲となり、彼女達の握る人脈や情報を手中にする。 当選1回ながら入閣が取り沙汰されるが、民自党を離党して新党白い翼を結党し、党首となる。結成後の総選挙で新党白い翼は躍進し、政界のキャスティングボードを握る。天才的な頭脳を持ち、東京大学法学部を首席で卒業し、理工系の大学院博士号を取得。 また語学にも堪能。大学在学中2年休学し、世界を1人で旅している。大学入学以前の経歴はほとんど明らかにされていないが、戸桐信司によって、鹿児島県の青澄村に関係していることが徐々に明らかになる。その生い立ちの過程で、ある出来事から密かに怨念を抱え、復讐のために日本を支配する座を手に入れようとしている。
仲阪 典栄 (なかさか のりひで)
初登場時54歳。民自党所属の衆議院議員。仁田山派に所属している。選挙にあたってボランティア志望として現れた白鳥遥を採用し、後にその能力を見込んで第一公設秘書に採用する。旧文部省出身で、文部科学副大臣の座を狙っている。
仁田山 豊 (にたやま ゆたか)
民自党の大物衆議院議員。仁田山派の領袖。自派の議員の仲阪典栄の秘書、白鳥遥が、愛人の由利香と関係していることを知り仲阪典栄を干そうとする。その後、民自党を揺るがす疑惑の中で白鳥遥の優れた判断力を知り、彼を利用しようと衆議院議員に立候補させる。白鳥遥が当選後は自派に引き込むが、彼が予算委員会で総理大臣の天城満に対して問題発言をしたため派閥からの除名を決意。 しかし剛屋源造政権誕生によって政調会長に抜擢され、除名を取り消す。変態的な性愛趣味があり、後にこれが命取りとなる。
由利香 (ゆりか)
高級クラブのママ。政財界の大物をパトロンにしている。民自党大物議員の仁田山豊の愛人。仁田山派の集会で知り合った白鳥遥と男女の関係になる。仁田山豊に関係がばれて、白鳥遥とボスの仲坂典栄は窮地に陥るが、自身の人脈を使って助ける。以後、白鳥遥に様々な情報を提供する。
成沢 文吉 (なるさわ ぶんきち)
民自党幹事長。仁田山豊が白鳥遥を衆議院議員選挙に立候補させると、その不利な状況を見て選挙戦ではほとんど支援をしなかったが、当選すると彼に近づいてくる。剛屋政権の民自党幹事長。政策通として知られている。
戸桐 信司 (とぎり しんじ)
フリージャーナリスト。元テレビ局TV7報道局のエリートとして世界各地の紛争地を取材していたが、取材費を横領したためクビになった。政治ゴロ的取材方法で、煙たがられている。由利香に白鳥遥に有利な情報を渡すが、以前紛争地帯の取材で撮影した写真に白鳥遥らしき人物が写っている事を見つけ、彼が仲阪典栄の疑惑に関係していることに気づき、彼から金を引き出そうと取材を重ねる。 その後、元同僚の逸見真理子と共に鹿児島県青澄村のダム建設に絡む事件に行き着き、白鳥遥の恐ろしさに気づいていく。
逸見 真理子 (いつみ まりこ)
テレビ局TV7のレポーター。上司の指示によって初当選後の白鳥遥を取材に訪れるが、次第に彼の魅力に惹きこまれ男女の関係になる。白鳥遥が芦川麗奈と婚約した後も、由利香の勧めで引き続き彼を支えようとしていたが、元同僚の戸桐信司と共に彼の恐ろしさに気づいていく。
原西 (はらにし)
民自党の大物衆議院議員である玉島豊の秘書。玉島豊を総理大臣にするために奔走している。白鳥遥が仲阪典栄の秘書だった時に兄のように面倒を見ていた。議員となった白鳥遥が予算委員会で総理大臣の天城満に対して問題発言をした後、密かに彼から相談を受ける。
玉島 豊 (たましま ゆたか)
民自党最大派閥、玉島派の領袖を務める大物衆議院議員。天城満の後継総理大臣の座を狙っている。秘書の原西から白鳥遥が掴んだ情報を聞き、白鳥遥を呼び出して取引を持ちかける。
天城 満 (あまぎ みつる)
初登場時67歳。第92代内閣総理大臣で民自党総裁。閣僚の不祥事や失言で、支持率は低下の一途を辿っている。衆議院予算委員会で仁田山派の新人議員、白鳥遥から問題発言をされ、彼に対して懲罰動議を起こす。
剛屋 源造 (ごうや げんぞう)
民自党の有力衆議院議員。元国土交通大臣。天城満の後継総理大臣の座を狙っているが、玉島豊に一歩遅れを取っていた。しかし民自党役員会での白鳥遥の発言をきっかけにして、一転第93代総理大臣となる。
芦川 麗奈 (あしかわ れいな)
大手外食産業芦川グループ会長の芦川幸輔の娘。学生時代、原西は家庭教師だった。白鳥遥と知り合い、彼を愛するようになる。後に父の反対を乗り越えて白鳥遥の妻となる。
真加部 進 (まかべ すすむ)
民自党所属の衆議院議員。後に白鳥遥に賛同し、共に新党白い翼を立ち上げ幹事長となる。
鈴村 香保 (すずむら かほ)
友民党衆議院議員。潔癖な性格で初めは白鳥遥に反発していた。その後、白鳥遥に賛同し、男女の関係となる。後に友民党を離党し、白鳥遥、真加部進らと共に新党白い翼を立ち上げる。