ネメシスの剣

ネメシスの剣

謎の組織に叔父や仲間を殺され、自らも瀕死の重傷を負った青年が、バイオ・オペと呼ばれる特殊な手術を受けて死の淵から蘇り、犯人たちに復讐するアクション作品。「ヤングアニマル」1995年23号から1996年4号にかけて掲載された。

正式名称
ネメシスの剣
ふりがな
ねめしすのけん
漫画
原作
ジャンル
復讐
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概要・あらすじ

優しい叔父・神北巧一の支援のもと、駆け出しの役者として活動していた青年・神北健作は、巧一のロッジで仲間の劇団員と合宿していたところを、突然謎の武装集団に襲撃され、巧一と仲間は全員殺害されてしまう。命からがら現場から逃げ延びるも、自らも瀕死の重傷を負い、死を待つばかりの身となった健作は、意識を失う直前に謎の白人女性であるミナ・シュトライヒャーによって命を救われる。

目を覚ました健作は、自身がバイオ・オペと称される特殊な手術を施され、死の淵から蘇った事を知るのだった。巧一が殺害された理由が、全国の原子力発電所から出る低レベル放射性廃棄物を、リゾート地に不法投棄している大河原淳一郎を告発しようとしていた事にあったと知った健作は、淳一郎に復讐を誓い、ミナの指導のもと、ヒットマンとしてトレーニングを開始する。

2週間後、淳一郎の結婚式に潜り込んだ健作は、役者として培った演技力を駆使して周囲に溶け込み、首尾よく淳一郎を殺害。逃亡中、バイオ・オペの影響によって人知を超えた力を発揮するようになった右腕に戸惑いながら、ミナと共に都内のホテルに潜伏する。

その後の調査で、淳一郎にロッジ襲撃の指示を出したのが、彼の父親である大物政治家・大河原実であることを突き止めた健作は、本当の復讐を果たすため、実が送り出した刺客や自衛隊の追撃をかわしながら、国会議事堂へと赴くのだった。

登場人物・キャラクター

神北 健作 (かみきた けんさく)

売れない役者の青年。年齢は20歳。通称は「ケン」。幼い頃に両親を亡くしており、優しく面倒見のいい叔父の神北巧一によって育てられた。役者としての才能は仲間の劇団員も認めるところだが、控えめで消極的な性格が災いして、今はまだ端役に甘んじている。巧一のロッジで劇団の合宿に参加していたところ、大河原淳一郎が率いる武装集団に襲撃され、巧一と仲間は全員殺害される。 自らも瀕死の重傷を負うが、ミナ・シュトライヒャーの計らいでバイオ・オペを受け、一命を取り留める。その後は、自分がミナと彼女の所属する組織に利用されている事を承知のうえでヒットマンとなり、淳一郎に復讐するために猛特訓をすることになった。バイオ・オペの副作用により、感情が爆発すると右腕が黒く染まり、通常の人間を遥かに超えたパワーを発揮するようになる。 口数は少ないが、どんな困難にあっても目的を遂行しようとするなど、鋼鉄のように固い意思を持つ。役者生活で培った周囲に溶け込む技術力はかなり高く、その気になれば気配を完全に消し去る事ができる。

ミナ・シュトライヒャー (みなしゅとらいひゃー)

謎の組織に所属する、ブロンドヘアが美しい白人女性。大河原淳一郎の襲撃で虫の息となった神北健作を助け、バイオ・オペを施して命を救った。その後は健作に厳しいトレーニングを課し、淳一郎を暗殺するためのヒットマンへと育て上げる。バイオ・オペの副作用で、異変が起こりつつあった健作の動向を監視するうちに、徐々に健作に惹かれていく。 冷静沈着な性格をしており、組織の一員としては非常に優秀だが、電車に一度も乗った事がないなど、世間一般の女性とはかけ離れた生活をしている。組織としての本当の目的は大河原実の暗殺にあったが、健作個人の意思を尊重し、あえて淳一郎を暗殺させ、健作のヒットマンとしての生活をそこで終わらせようとしていた。

神北 巧一 (かみきた こういち)

元ジャーナリストの中年男性で、郊外でロッジを経営している。神北健作の叔父で、早くに両親を亡くした健作を立派に育て上げた人格者。健作からは親しみを込めて「叔父貴」と呼ばれていた。健作の所属する劇団員にも何かと目をかけており、劇団の合宿場所にロッジを提供するなど、面倒見のいい性格をしている。ロッジ周辺のリゾート地に原子力発電所の放射性廃棄物が不法投棄されている事を突き止め、首謀者である大河原淳一郎を告発しようとするも、それを知った淳一郎に先手を打たれて惨殺されてしまう。

大河原 実 (おおがわら みのる)

大物政治家の男性で、政界を牛耳ってきた。息子である大河原淳一郎の結婚を機に引退し、すべての権力を淳一郎に譲って、裏で政界を操ろうと画策していた。神北健作によって淳一郎が殺害されたため復讐の鬼となり、自衛隊や刺客を送り込んで、なんとしてでも健作をこの世から亡き者にしようとする。冷酷非情な性格をしており、放射性廃棄物の不法投棄を告発しようとしていた神北巧一を殺害するように淳一郎に指示を出した張本人。

大河原 淳一郎 (おおがわら じゅんいちろう)

新進気鋭の若手実業家の男性。年齢は25歳。大物政治家である大河原実の息子。親の威を借りた傍若無人な振る舞いが目立つタイプで、数々の女優と浮名を流したり、財閥の令嬢との結婚式でも、ホテルの女性従業員を捕まえて情事にふけろうとするなど、無類の女好きでもある。放射性廃棄物をリゾート地に不法投棄するという不正行為に手を染めており、それを告発しようとした神北巧一を、自ら武装集団を率いてその場にいた劇団員ごと殺害する。 それにより神北健作の強い恨みを買い、結婚式中に暗殺される。

大河原実の秘書 (おおがわらみのるのひしょ)

実直そうな雰囲気をした男性で、眼鏡をかけている。大河原実の政策秘書を務めており、つねに彼に付き従っている。見た目とは裏腹に、格闘技や銃器の扱いに長けた猛者で、大河原淳一郎を殺害した神北健作を暗殺するために、彼のもとに送り込まれる。

その他キーワード

バイオ・オペ (ばいおおぺ)

細胞を遺伝子レベルで復元する特殊な手術。そのため、後天的な傷はすべて跡形もなく治ってしまう。本来は皇族でもなければ受けられない最先端の高度な医療技術だが、大河原淳一郎によって重傷を負った神北健作は、ミナ・シュトライヒャーの計らいでこのバイオ・オペを施される。通常は深刻な副作用は発生しないが、健作は右腕が特殊な代謝を行うようになり、感情が高ぶると黒く変色し、人知を超えたパワーを発揮するようになった。

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