繋がる個体

繋がる個体

山本中学の初連載作品で代表作の一つ。舞台は現代の日本。5年前に別れた職場の元カノ、澤くるみと、彼女の妹で女子高生の澤ここみの間で揺れる、30歳の真面目なサラリーマン、井口正行を描いたラブストーリー。講談社「週刊Dモーニング」新人増刊号2014年冬に掲載された読み切り版が好評を得て連載化。「モーニング」2015年15号から52号まで連載。

正式名称
繋がる個体
ふりがな
つながるこたい
作者
ジャンル
恋愛
 
ヒューマンドラマ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
全4巻完結
関連商品
Amazon 楽天

姉妹と主人公の三角関係を描く

30歳のサラリーマン、井口は、数合わせで参加した合コンで、可愛い女子校生のここみと出会う。酔いつぶれて、ここみと一晩をともに過ごした井口は、手を出してしまったのではと頭を悩ます。一方、ここみは体を求めてこない井口を好きになり、それ以来グイグイ迫るようになる。ここみの大胆な誘惑に翻弄されっぱなしの井口だが、真面目な性格ゆえに女子高生との恋愛など考えられない。なにより、5年前に別れた元カノで同僚のくるみのことが、まだ好きで仕方がなかったのだ。そんなある日、くるみとここみが異母姉妹であることが判明。元カノと可愛すぎる女子高生の間で揺れる井口の、危険な三角関係が始まることになる。

堅物サラリーマン×こじらせ姉×小悪魔系妹

井口は、バカ真面目でまっすぐな男性。5年前にくるみにフラれたにも関わらず、彼女を気づかい続ける優しい性格の持ち主である。また、ここみが同僚の長谷川に騙されそうになったときは、必死で居場所を突き止め、彼女を助けた。くるみは、そんな井口のことが大好きだが、彼の気持ちがいつか他人に向くのではと心配し、付き合う決心がつかない。子供の頃、母が亡くなってすぐに父が再婚したことがトラウマになっているくるみは「人は簡単に心が離れて忘れる」ものだと信じ込んでいるのだ。くるみの異母妹のここみは、自分がすごく可愛いことを自覚している小悪魔系女子。ちやほやされたり、口説かれたりすることに慣れているここみは、まったく自分に手を出してこない井口のことが好きになってしまう。それぞれ事情を抱えた三人の気持ちが交錯する様子を、丁寧かつユーモラスに描いていく。

ここみと同級生の恋愛を描く第2部

本作は2部構成になっており、第1部は井口と姉妹の三角関係を、第2部はここみを軸にした三角関係を描いている。第1部から約1年後、ここみと同級生の千原孝太郎が、同棲生活を始めるところから第2部がスタートする。甘い生活を送る二人だが、些細なケンカや誤解から徐々にひずみが生じてしまう。そして、孝太郎との溝が広がる一方、ここみと隣人の青年、原田との距離は縮まっていく。

登場人物・キャラクター

井口 正行 (いぐち まさゆき)

30歳のサラリーマンの男性。真面目で優しい性格で倫理観が高い。同期のくるみと交際していたが、結婚話をしたことを契機にフラれてしまう。それから5年間、くるみに未練を抱きながら過ごしていた。合コンで女子高生のここみと出会うが、くるみの妹とは知らずに酔いつぶれて一晩を過ごしてしまう。ここみからは「まーくん」の愛称で呼ばれる。

澤 くるみ (さわ くるみ)

井口と同期の30歳のOL。幼い頃母を亡くしており、再婚した父、継母、異母妹という新しい家族に居場所を見つけられなかった過去を持つ。井口と交際していたが、結婚までは考えられず、5年前に別れてしまう。

澤 ここみ (さわ ここみ)

くるみの異母妹で、高校3年生の美少女。愛称は「ココ」で、可愛いことを自覚している小悪魔系女子。会社員との合コンに参加し、井口と出会う。井口がくるみの元カレとは知らずに好意を寄せ、必死で落とそうとする。井口のことを「まーくん」と呼ぶ。

書誌情報

繋がる個体 全4巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2015-07-23発行、978-4063884807)

第2巻

(2015-07-23発行、978-4063884913)

第3巻

(2015-12-22発行、978-4063885415)

第4巻

(2016-01-22発行、978-4063885514)

SHARE
EC
Amazon
logo