ヒメアノ~ル

ヒメアノ~ル

ビル清掃会社で働く岡田進と安藤勇次を中心としたギャグテイストの恋愛パートと、性的倒錯者且つ快楽殺人者でもある森田正一によるシリアスなパートが入り混じった構成のストーリー漫画。後半になるにつれて、徐々にシリアスな場面が増えていく。

正式名称
ヒメアノ~ル
ふりがな
ひめあのーる
作者
ジャンル
推理・ミステリー
 
サスペンス
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概要・あらすじ

ビル清掃会社で働く25歳の青年・岡田進は変わり映えのない日々に恐怖を覚えていた。ある時岡田は年上の同僚安藤勇次に声をかけて食事に誘い、それがきっかけで安藤が好意を寄せる女性・阿部ユカと知り合うことになる。その時、岡田はユカが働くコーヒーショップで高校の同級生・森田正一を発見する。

岡田は 仕事終わり後もまだコーヒーショップにいた森田に声をかけるも、彼は交流を避けるかのように去って行ってしまう。その後岡田は森田がユカのストーカーであることを知り、ユカから止めさせるように依頼を受ける。安部と二人で対策を練るものの、森田が再び現れることはなく、一息つく三人。

やがて岡田はユカから告白を受けて交際を始めることとなる。安部にばれないように逢瀬を重ね、充足感を感じる二人。一方で森田は、パチンコを通して知り合った伊藤から殺人を持ちかけられる。

登場人物・キャラクター

岡田 進 (おかだ すすむ)

ビルの清掃員をしている25歳の青年。毎日ただ無意味に過ごす日常に嫌気が差している。ある日同じ職場に勤める安藤勇次に声をかけたことによって、奇妙で騒がしい日々に引きずり込まれていく。卑屈な性格をしているが基本的にお人よしで、安藤のお願いによく付き合っている。今までに恋人がいたことがなく、そのこともコンプレックスとなっていたが、安藤がきっかけで出会った阿部ユカと後に交際をすることになる。 ユカを付け狙う森田正一とは高校の同級生。

阿部 ユカ (あべ ゆか)

コーヒーショップで働く21歳の女性。長い茶髪の美人で、安藤から好意を寄せられている。仕事中にずっと視線を寄せてくる森田正一をストーカーではないかと考え、彼と話をしていた岡田進に止めさせるように頼んだ。その後岡田に好意を抱くようになり告白、交際を始める。純粋な性格であり、自分勝手な行動をする安藤勇次のことを案じる優しさも持っている。

安藤 勇次 (あんどう ゆうじ)

ビルの清掃員をしている岡田進の同僚で、30歳前後の男性。「自分より不幸そう」という理由で岡田から声を掛けられる。それ以来何かと岡田に物を頼むことが多く、「お願いおじさん」と陰口を叩かれている。卑屈で拗ね癖があり、根性もないダメ人間。今まで恋人がいたことがなく、また風俗に入る勇気もない童貞。 阿部ユカを始めとした様々な女性に運命を感じるも、ことごとく振られてしまっている。自称するように純粋で嘘の付けない人間であり、後に織田涼子から好意を寄せられるようになる。

森田 正一 (もりた しょういち)

岡田進の高校の同窓生。高校時代に和草浩介と共に、川嶋や高橋などから凄惨ないじめを受けた過去を持つ。卒業式の一週間前に川嶋を捕まえて和草浩介とともにリンチ、最終的に絞殺してしまった。現在は共犯者となった和草を強請り、彼からの仕送りで生活している。小学生のころに見たテレビ番組のサスペンスドラマで男が女の首を絞めているのを見たのをきっかけに、人を殺すことで快楽を得る性的倒錯に目覚める。 中学時代は、学校の音楽教師・佐伯先生を絞殺する妄想で毎日のように自慰行為に励んでおり、彼女によく似た阿部ユカを殺そうと企む。パチンコが好きで、一日で数万を使い果たすこともある。

織田 涼子 (おだ りょうこ)

筋力不足を指摘された安藤勇次が行ったスポーツジムで働く24歳の女性。彼女目当てに入会する男性がいるほどの美人だが、感情表現が苦手なことがコンプレックス。しかし、感情のままに生きる安藤の前でなら素直になれることに気づき、彼を運命の人と思うようになる。言動から冷徹そうに思われることが多いが、優しい心の持ち主。

和草 浩介 (わぐさこうすけ)

岡田進の同窓生で、森田正一と共に苛められていた男性。現在では父親が経営するホテルのマネージャーを務めている。久美子という婚約者と同居中。高校卒業前に森田と共にいじめの主犯である川嶋をリンチしており、森田の共犯者となってしまう。そのことをネタに、森田から金を強請られている。

川嶋 (かわしま)

岡田進や森田正一の同窓生。森田と和草浩介を苛めていた主犯。喧嘩は強くないものの、持ち前のコミュニケーション能力で後ろ盾を作り、教師ですら手を出しかねるほどの力を得る。しかし、卒業を前にして森田と和草の二人にリンチされた上に絞殺されてしまった。

伊東 (いとう)

パチンコ屋に入り浸る元警察官の男性。小心者な自分を鼓舞するために腕に入れ墨を入れており、悪者ぶってはいるが根は真面目。川嶋に容姿が似ている。馴染みのパチンコ屋でよく見かける森田正一に興味を持ち、ある時飲みに誘ったのをきっかけに、飲み友達となる。その後近所のマダム・藤原から彼女の旦那の殺害依頼を受けて、その話を森田に持ちかける。

平松 ジョージ (ひらまつ じょーじ)

美人インストラクターの織田涼子を目当てにスポーツジムに通う男性。涼子のことを自分の恋人と公言し、彼女の指導を受ける安藤勇次に釘を刺した。しかし、実際には涼子とは恋人ではなく、ただの妄想癖の強い中年。安藤と男の勝負をし、負けた時には素直に涼子を譲ると言った。安藤以上に奇行が目立ち、哲学めいたこととを頻繁に口にする。 後に岡田進と入れ替わるように安藤と同じ職場へ就職した。

高橋 健 (たかはし けん)

喫茶店で良く漫画を書いている男性。漫画を何度か出版社に持ち込むも、編集との感性の違いから受け入れられていない。目につく人間をバカと称し、見下している。ある時、お粗末な変装をして阿部ユカを観察する森田正一を見つけ、彼に興味を持ち尾行。森田が岡田進を殺そうとしていることを知ると、岡田に匿名で置手紙を残した。 その後も勉強と称し、森田の周辺捜査を独自に始めていく。

飯田 アイ (いいだ あい)

阿部ユカの友人で、彼女とは対照的に背が低く野暮ったい顔の女性。言いたいことは素直にいう性格であり、初対面の岡田進や安藤勇次にも遠慮がない。将来はユカと共に喫茶店を開くことを目標としており、彼女に絶交されることを極端に怖がっている。勘はとても鋭い。

主任 (しゅにん)

岡田進や安藤勇次の上司を務める初老の男性。問題ばかり起こす安藤に手を焼いているが、何かと心配もしている。

安斉 アザミ (あんざい あざみ)

広い豪邸に一人で住む若い女性。四年前に両親を立て続けに亡くしており、それ以来不眠症が続いている。目を瞑ると知らない誰かに不吉なことを言われる幻覚を見てしまうため、暗い所が苦手。町で不信な行動を取る森田正一に興味を覚え、彼を家へと招待する。

山田 (やまだ)

岡田進や安藤勇次が務めるビル清掃会社の同僚で、36歳の女性。いつも一人で黙々と作業をしており、周りの人間と交流を持たず過ごしている。そのため、様々な噂が飛び交っている。実際は純朴な性格であり、将来の見えない人生をつまらなく思っている。趣味は貯金。ピュアな自分を捨てて下劣になりたいと望む安藤に偽りの告白をされるも、逆に彼を惚れさせてしまう。

河島 (かわしま)

岡田進の元同級生。高校時代、森田正一と和草浩介にひどいいじめを行っていた。頭は悪く、ケンカも弱いが、持ち前の社交術を利用してあらゆる強面の人々に気に入ってもらい、それを利用して2人をいじめていた。最終的に森田と無理やり加担させられた和草によって殺されてしまう。

久美子 (くみこ)

和草浩介の婚約者。同棲している。眼鏡をかけており、地味な顔立ち。和草勇次から金をむしり取る森田正一を殺そうと提案するが、逆に殺されてしまう。

富田 (とみた)

阿部ユカのアパートの隣の部屋に住んでいる男性。難しい本を多数持っていることから知的な人物だと思われるが、友人には基本的に暗い人だと思われている。阿部ユカの部屋の前で四六時中張っている森田正一を通報しようとするが、逆に森田に攻撃され殺されてしまう。

伊藤 (いとう)

森田正一が通っているパチンコ屋の常連。自分の愚痴を聞いてほしいという理由で森田に接触する。容姿が河島に似ている。全身タトゥーが入っており、強面だが、自堕落な性格。同じくパチンコ屋の常連である大地主の女性から「自分の夫を事故に見せかけて殺してほしい、見返りは一千万円」と依頼され森田正一共に実行するが失敗し、最終的には森田に殺されてしまう。

高橋 (たかはし)

岡田進の元同級生。高校時代に河島と共に森田正一と和草をいじめていた人物。名前のみの登場で人物像は明らかにされないが、和草浩介の話によれば、彼は既に結婚しており、子供も持っている。

安斉 アサミ (あんざい あさみ)

不眠症を患っている女性。両親は既に癌で死んでいる。ロングヘアで常にグラサンをかけている。自分と雰囲気が似ているという理由で森田正一に接触し家に呼ぶが、殺されてしまう。

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