概要・あらすじ
尾藤涼子はピアノの優れた才能を持ちながら、極端なまでのあがり症で、人前で演奏するのが苦手だった。ある日、涼子は転校生の翅生晶也がヴァイオリンを弾いているところに遭遇。彼に憧れている涼子は、本能の命ずるままにヴァイオリンに合わせてピアノ伴奏を始める。その素晴らしい演奏に感動した晶也は、涼子にともにコンクールに出場して欲しいと懇願する。
晶也はかつて権力者から卑怯な手で貶められた経験があるものの、コンクールに優勝すればウィーンに留学する夢を叶えることができるのだという。その事情を知った涼子は、意を決して彼に協力することを申し出る。
登場人物・キャラクター
尾藤 涼子 (びとう りょうこ)
高校3年生の女子。愛称は「ビー」。ピアノがとても上手にもかかわらず、あがり症なので自分の満足する演奏ができないことに悩んでいる。何をするにもうまく表現できず、ぐずぐずと思い悩む自分が嫌いで、変わりたいと思っている。翅生晶也に憧れており、ずっと陰から見つめていた。晶也から頼まれて、迷った末に彼のヴァイオリンのピアノ伴奏を引き受ける。
翅生 晶也 (しき せいや)
高校3年生の男子。尾藤涼子の高校に転校生としてやって来たヴァイオリンの名手。もともと通っていた音大附属の高校では首席だったが、噓の噂をでっちあげられて退学に追い込まれてしまう。イケメンでスポーツも上手なので、女子人気が高い。先生相手にも辛辣な物言いをする、はっきりとしたタイプ。涼子のピアノに惚れ込み、コンクールで一緒に演奏したいと願い出る。
但馬 (たじま)
尾藤涼子と翅生晶也の通う高校の男性教師。吹奏楽部の顧問を務めている。音大附属の高校にいる友人から、晶也が不当に退学させられたことを聞きつけ、自分のいる学校に転校して来るように働きかけた。晶也の才能を認めており、なんとしても晶也をウィーンに留学させてやりたいと願っている。実は晶也の腹違いの兄。