概要・あらすじ
聖ミカエラ学園に新たに転入した美村亜維子は、早々に遅刻の危機に晒される。急ぎ学校に向かう亜維子だったが、足を踏み外して滝壺に落ちてしまう。滝壺の先に洞窟を発見した亜維子は、学園への近道だと思い走り抜けるが、その洞窟はタイム・トンネルと呼ばれる特殊な空間。抜けた先には40年前の世界が広がっていた。
登場人物・キャラクター
美村 亜維子 (みむら あいこ)
東京から聖ミカエラ学園に転校してきた少女。通学の途中で滝壺に落下してしまい、40年前の世界に迷い込む。無事に帰還するも、初日から遅刻をしてしまい、生徒、およびシスターから問題児と認識されてしまう。しかし、入学してすぐに不思議な感覚を身につけ、凶暴な熊を簡単に手懐けるといった離れ業を披露。さらには勉学、運動共に非凡な結果を挙げていき、学園内を震撼させる。
狩野 大介 (こうの だいすけ)
40年前の世界の住人で、大日本帝国海軍の少尉を務める青年。タイム・トンネルを通って迷い込んできた美村亜維子と偶然遭遇する。英語を使ったり近代の音楽を聞かせたりする亜維子に、ジェネレーションギャップを感じさせる素振りを見せる。実は既にタイム・トンネルの存在を知っており、両方の時代を往復することで、何らかの目的を果たそうとしている。
平岩 由紀 (ひらいわ ゆき)
40年前の世界の住人で、狩野大介の許嫁。常に右目を眼帯で覆っている。この右目には未来を見通す特殊能力が備わっているが、大介以外からは信用されていない。ある時、転校生である美村亜維子が災いをもたらすという未来を見通してしまい、彼女を排除するために動き出す。
権左 (ごんざ)
40年前の世界の住人で、平岩由紀の使用人を務める男性。常に由紀の傍らに控えており、狩野大介との関係に悩む彼女を強く励ましたりと、心の底から彼女に尽くしている。しかし、彼女の左目に宿る能力は信用しておらず、病気だと思い込んでいる。
シスター弓子 (しすたーゆみこ)
聖ミカエラ学園の学長を務める女性。表向きは清楚で掟に厳しい。校則を破ったうえに反抗的な態度を取った美村亜維子に少女十字団をけしかけ、懲罰室と呼ばれる個室に宙づりにしている。しかし、聖ミカエラ学園が男子禁制で、人里離れた場所に建っているのはシスター弓子の指示によるもので、その裏では生徒たちを使った恐ろしい計画を進めている。
シスター加寿子 (しすたーかずこ)
聖ミカエラ学園の教師を務める女性。武術を教えているが、教育方針は非常にスパルタ。金網に閉じ込めて格闘の訓練をさせたりするのは序の口で、腹を減らしたヒグマをけしかけてそれを撃退させるなど、命に関わることも平気で行う。シスター加寿子自身も当然武術の心得はあるが、雲の上甚五郎一座の襲撃には苦戦を強いられた。
大和 和都子 (やまと わとこ)
聖ミカエラ学園に通う少女。少女十字軍月組の隊長を務めている。シスターたちの見てないところで、こっそり喫煙をしている不良学生。身体能力は非常に高く、ベンチプレスでは100キロを持ち上げる。反面、学力の方には大いに問題があり、英語のテストでは48点を取るという失態を犯した。
萩尾 美佐世 (はぎお みさよ)
聖ミカエラ学園に通う少女。少女十字軍月組第一分隊の隊員である。清楚かつ大人しそうな雰囲気だが、イメージに反してポルノ雑誌に興味を持つ。所持していた雑誌をシスター加寿子に発見されてしまい、激しく叱責されたこともある。また、重火器に詳しく、シスターの命によって何らかの砲塔を開発している。
竹宮 こずえ (たけみや こずえ)
聖ミカエラ学園に通う少女。少女十字軍星組の隊長を務めている。ポルノ雑誌が見つかり、落ち込んでいる萩尾美佐世を気遣うなど、仲間意識が強い。また、食べるのが好きという側面があり、お弁当の卵焼きを食べられてしまった時は、ストレートな怒りをあらわにしている。
池田 理佳 (いけだ りか)
聖ミカエラ学園に通う少女。文武両道に秀でた優等生で、学園の中では比較的真面目な性格。そのため教師の受けがいいが、それ故に嫌う生徒も多い。英語のテストでは99点という高得点を獲得しているが、同じテストで美村亜維子が100点を取ったことで、驚きと共に興味を示すこととなる。
ケンケン
シスター弓子の飼い犬。奇妙かつ愛嬌のある目をしており、身体能力が非常に高い。性的な欲望に忠実で、女生徒の股座(またぐら)に顔を押しつけたり、下着を脱がそうとしたりと暴挙の限りを尽くす。しかし、紆余曲折を経て美村亜維子に懐くようになる。
集団・組織
少女十字軍 (しょうじょじゅうじぐん)
聖ミカエラ学園の生徒たちで構成されている私設軍。星組、月組、花組、雪組など、宝塚歌劇団と同じ組分けがされている。メンバーはいずれも帯刀しており、いずれかのシスターの命令があれば即座に抜き放つことが許されている。さらに重火器の扱いや、戦闘兵器の開発など、およそ女学生では考えられないような役割を、いくつも果たしている。
雲の上甚五郎一座 (くものうえじんごろういちざ)
40年前の世界で活動している旅芸人の5人組。表向きは気のいい人たちで、迷い込んできた美村亜維子に、水とおにぎりを分けてあげたり、宝塚歌劇団の話で盛り上がったりした。しかし実際は、タイム・トンネルで2つの時代を行き来する術を知っており、シスター弓子を操る催眠術や、シスター加寿子を凌駕する戦闘能力を発揮するなど、得体のしれない集団である。
場所
聖ミカエラ学園 (せんとみかえらがくえん)
美村亜維子が新たに通うこととなったミッション系の学校。人里離れた山奥に建っている。卒業した生徒は宝塚歌劇団への道が開けるとされ、劇団育成のためのカリキュラムが組まれていると言われている。しかしその内情は、さながら軍人のような訓練を課せられたり、校内に大量の爆薬や弾薬が運び込まれていたりと、非常に不穏である。
タイム・トンネル (たいむとんねる)
聖ミカエラ学園近くにある滝壺に隠された謎の洞窟。美村亜維子が通学途中に偶然進入し、40年前の世界へと迷い込んでしまう。山奥であるため40年前の世界と気づかぬまま彷徨い歩き、やがて元の世界へと帰還した。しかし狩野大介や雲の上甚五郎一座などは既にこのトンネルの存在を知っており、両方の時代を行き来して、各々の目的を果たすために暗躍している。
クレジット
- 原作
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高取英
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