聖女懐妊

聖女懐妊

アンドロイドと人間という種族の違いを乗り越えて結ばれたA413289マリヤと南川博。博の死によって引き裂かれながらも、残されたマリヤの想いが起こした奇跡を描くSFストーリー。「プレイコミック」1970年1月10日号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『時計仕掛けのりんご』に収録されている。

正式名称
聖女懐妊
ふりがな
せいじょかいにん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

地球からはるか遠く、土星を巡る衛星のひとつに築かれた宇宙基地で、7年を共に過ごしてきた南川博とアンドロイドのA413289マリヤは、いつしか互いに愛し合うようになっていた。2人きりの結婚式を挙げて幸せの絶頂にいた時、火星の衛星フォボスにある特殊刑務所から脱獄してきた囚人たちに博が殺されてしまう。

人間に逆らえないようプログラミングされているマリヤは、彼らに召し使いとして奉仕させられる生活を送るようになった。そんななか、過酷な労働を続けるマリヤの体に、少しずつ変化が現れてくる。お腹が徐々に大きくなり、まるで妊娠しているような姿になっていく。それを見た囚人たちは、無理矢理マリヤの腹を開いて中身をかき出そうとする。

赤ん坊を守るため、マリヤはついに行動を起こす。

登場人物・キャラクター

A413289マリヤ

宇宙基地で南川博のアシスタントとして働いていたアンドロイド。7年という時間を一緒に過ごすうちに、博と強い愛情で結ばれるようになる。博からプロポーズを受けて結婚、「南川マリヤ」を名乗るようになるが、火星の衛星フォボスにある特殊刑務所から脱獄してきた囚人が基地を占拠し、博を殺されてしまう。博との子供を産みたいという望みを持っており、博の死後にお腹が膨らんで妊娠したような姿になる。

南川 博 (みなみかわ ひろし)

宇宙基地でチーフとして働いていた男性。7年という時間を一緒に過ごすうちに、A413289マリヤを愛するようになる。ある日マリヤにプロポーズし、2人きりで結婚式を挙げた。しかし火星の衛星フォボスにある特殊刑務所から脱獄して来た囚人たちが基地を占拠し、マリヤをかばって反抗したために射殺されてしまう。

ドーディ

火星の衛星フォボスにある特殊刑務所から脱獄してきた囚人たちのリーダー。A413289マリヤに手を出そうとしたチャーリィを止めようとした南川博を射殺した。自分たちの召し使いとして働くようにマリヤに命令する。お腹が膨らんできたマリヤのボルトナットを外して、中のものをかき出すようにチャーリィに指示する。

チャーリィ

火星の衛星フォボスにある特殊刑務所から脱獄してきた囚人たちの一人。当初からA413289マリヤに興味を示し、手を出そうとしたところを南川博に邪魔される。それからもマリヤに強い執着を示し、何度も無理矢理に関係を持とうとしては拒まれる。

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