聖闘士星矢EPISODE.G

聖闘士星矢EPISODE.G

車田正美の代表作『聖闘士星矢』の前日譚となる、黄金聖闘士たちの過去の戦いが描かれる。コミックスは全20巻の本編に加え、本編のさらに前日譚となる「アイオロス編」や『聖闘士星矢EPISODE.G』の完全解説記事が掲載された第0巻の、計21巻が発行されている。原作は車田正美。

正式名称
聖闘士星矢EPISODE.G
ふりがな
せいんとせいやえぴそーど じー
原作者
車田 正美
漫画
ジャンル
バトル
関連商品
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概要・あらすじ

ギリシアには、普通に生活している人々の都市とは別に、女神を信仰の頂点に掲げる聖闘士が暮らす聖域があった。聖域と世界の平和を守る聖闘士はここで育成され、鍛錬を重ね傑出した小宇宙を有し得た者にのみ、実力に応じた聖なる鎧である聖衣が与えられる。聖衣は88の星座の数だけ存在し、それを身に着けることは聖域で戦う者たちの悲願だった。

そんな聖闘士の中でも最上位とされる、黄道十二星座を守護星とした獅子座(レオ)の黄金聖衣をまとう黄金聖闘士のアイオリアは、若くして強い戦闘能力を持っていたが、聖域で大罪人とされている射手座(サジタリアス)の黄金聖闘士アイオロスの弟であることから、他の黄金聖闘士たちから嫌悪や疑念を向けられていた。

そんななか、聖域の深部である黄金十二宮に、漆黒の小宇宙の気配が突如出現する。これに対応すべく、教皇は世界各地に散っていた黄金聖闘士に「黄金の間」に集結せよとの勅令を下す。そこで教皇は黄金聖闘士たちに、自分たちに敵対するものが、時を司るクロノスを主神とするティターン神族であると語るのだった。

登場人物・キャラクター

アイオリア

黄道十二星座の1つ、獅子座(レオ)を守護星に持つ黄金聖闘士の少年で、黄金聖闘士の中では最も若い。聖域にある黄金十二宮では獅子宮を守護している。兄である射手座(サジタリアス)の黄金聖闘士アイオロスが大罪を犯して行方をくらましたせいで、他の黄金聖闘士からは疑惑の眼を向けられている。そのため、兄を想起させる金髪を嫌い、赤く染めている。 仁義に厚い性格で、自分を信じてくれる者を守るためならば無限の力を発揮することができる。必殺技はすべての小宇宙を拳に込め、光速の打撃を数百万回放つ超高速攻撃「雷光電撃(ライトニングプラズマ)」、小宇宙を拳に集約し雷光をまとわせて放つ「雷光放電(ライトニングボルト)」、地面に向けて放った拳から雷光を地に這わせ、広範囲の敵を一斉に攻撃する「雷光電牙(ライトニングファング)」、最大効力を発揮するためにはさまざまな段階を踏む必要があるが、成功すれば宇宙開闢(うちゅうかいびゃく)に匹敵するほどの威力を持つ「光子破裂(フォトンバースト)」がある。

ジョン・ブラック (じょんぶらっく)

フリーランスの交渉人の青年。アメリカのペンシルベニア州スリーマイル島の原発に、自身の力を誇示するためだけに立てこもった聖闘士の落伍者のもとに、聖域からの要請に従ってアイオリアを送り届けた。兄が聖域で逆賊として扱われているせいで、自身の正義のあり方に思い悩んでいたアイオリアを身を挺して守り、アイオリアの迷いを払拭する。

リトス・クリサリス (りとすくりさりす)

アイオリアの従者。緑色の髪と大きな瞳を持つ、表情豊かで少しそそっかしい少女。父親は聖域から受注を受けるほどの優れた彫刻家だったが、その仕事をやり遂げる寸前で病により命を落とした。その際、リトス・クリサリスの父親は、自分の死後のリトスの生活を案じるあまり、遺作の巨大な石像に魂を縛られて正気を失ってしまった。 その巨像が聖域を荒らしたことでリトスは心を痛めていたが、アイオリアに石像の暴走を止めてもらって心身ともに救われ、以後は従者として付き従うようになる。以降、アイオリアとはお互いに家族のように大事に思っている。力で敵わないと分かっていても、アイオリアを守るためにティターン神族の刺客の前に立ちはだかるなど、アイオリアのためなら命を投げ出すこともいとわない。

ガラリアン・シュタイナー (がらりあんしゅたいなー)

アイオリアの従者。短くした金髪に褐色の肌の青年。もともと、アイオリアの兄であるアイオロスとは親友だった。かつて母親の病を治すため、禁忌とされ厳重に管理されている神々の小宇宙が凝縮された霊薬の青い血液「霊血(イーコール)」を持ち出すという大罪を犯した。その処罰は、定められた使者と命をかけて戦うという、死刑にも匹敵するもので、親友のアイオロスと戦うこととなった。 この戦闘において右目と右手を失ったが、のちに恩赦を得てアイオリアの従者となることを許されたという過去がある。

アイオロス

アイオリアの兄。黄道十二星座の1つ、射手座(サジタリアス)を守護星に持つ黄金聖闘士。金髪で穏やかな表情をした青年。黄金十二宮では人馬宮を守護していた。仁愛・智・勇のすべてを備えた最高の聖闘士といわれていたが、まだ赤ん坊だった女神をさらい、聖域から姿を消した。その後、山羊座(カプリコーン)の黄金聖闘士シュラ、乙女座(バルゴ)の黄金聖闘士シャカらの追撃を受けることとなった。 実は教皇に成りすまして女神を殺害しようとした双子座(ジェミニ)の黄金聖闘士サガから女神を守るために、命懸けで聖域を逃れたというのがことの真相だが、それを知るのは当事者のサガしかいない。必殺技は燃焼させた小宇宙を無数の矢のように放射する「無限破砕(インフィニティブレイク)」。

サガ

黄道十二星座の1つ、双子座(ジェミニ)を守護星に持つ黄金聖闘士。6年前にアイオロスが女神をさらった事件以降消息を絶ったとされているが、実はその際に教皇に成り代わっており、以降聖域を統べている。そのため、もともとサガが守護していた双子宮は現在は無人になっている。正義の心と野望のためなら手段を選ばない闇の心を持ち、2つの心が常に身中でせめぎ合っている。 必殺技は小宇宙を一気に爆発させる「銀河爆砕(ギャラクシアンエクスプロージョン)」、小宇宙を燃やして異界に繋がる空間を作り出し、敵を異次元に叩き込む「異界次元(アナザーディメンション)」、相手の脳に攻撃を加えて完全に支配下に置く「幻朧魔皇拳(げんろうまおうけん)」。

女神 (あてな)

ゼウスの娘であり、神話の時代からギリシアの人々の平和を見守り続けていた戦神。今は人間に転生しているが、転生してすぐの6年前にアイオリアの兄であるアイオロスにさらわれ、現在は彼とともに消息不明になっている。

シュラ

黄道十二星座の1つ、山羊座(カプリコーン)を守護星に持つ黄金聖闘士。短髪で凛々しい顔だちの青年。黄金十二宮では磨羯宮を守護している。正義唯一を行動理念に、どんな状況でもその考えを揺るがさずに貫き通す。射手座(サジタリアス)の黄金聖闘士であるアイオロスの逆賊扱いに不審を抱いていたが、サガの「幻朧魔皇拳(げんろうまおうけん)」により強制的に忠誠心を植え付けられてしまった。 必殺技は高めた小宇宙で神をも切り裂く斬撃「聖剣抜刀(エクスカリバー)」。

ムウ

黄道十二星座の1つ、牡羊座(アリエス)を守護星に持つ黄金聖闘士。紫色の長髪に、丸い眉が特徴の青年。口調と物腰は丁寧で穏やか。黄金十二宮では白羊宮を守護しているが、聖闘士の中で唯一、聖衣の修復ができるということもあり、その作業のために居を構えるジャミールにいることが多い。必殺技は小宇宙によって生じさせた銀河から無数の隕石を降らせる「銀河革命(スターダストレボリューション)」、小宇宙によって生み出した光に対象を取り込み、光の入口を閉じることで対象を消滅させる「星明識延(スターライトエクスティンクション)」、小宇宙による障壁を作り出す「結晶障壁(クリスタルウォール)」がある。

アルデバラン

黄道十二星座の1つ、牡牛座(タウラス)を守護星に持つ黄金聖闘士。褐色の肌に長い金髪を首の後ろで束ねた、堂々とした体格の青年。黄金十二宮では金牛宮を守護している。細かいことは気にしない豪放磊落な性格で、アイオロスの聖域に対する反逆を気にする聖闘士が多いなか、早くから彼の弟であるアイオリアへの疑念を解いていた。 アイオリアの聖衣を修復するため、ムウの住むジャミールに同行するなど面倒見も良く、仲間の危機には必ず駆けつける、友情に厚い人物。必殺技は、一撃必殺の拳を相手に向けて打ち込む「威風激穿(グレートホーン)」。

デスマスク

黄道十二星座の1つ、蟹座(キャンサー)を守護星に持つ黄金聖闘士。深い紺色の髪に、きつい目つきをした赤い瞳の青年。黄金十二宮では巨蟹宮を守護している。力が正義であり、すべての倫理を凌駕すると信じ、そのためには残虐な振る舞いもいとわない。力及ばず敗れた者は常に悪であるという明確で一貫した行動理念を持ち、デスマスクの言動は常にそれに則っている。 必殺技は相手の魂を一撃で冥府へ送る「積尸気冥界波(せきしきめいかいは)」。

シャカ

黄道十二星座の1つ、乙女座(バルゴ)を守護星に持つ黄金聖闘士。普段は目を閉じており、ストレートの長い金髪が特徴の青年。黄金十二宮では処女宮を守護しているが、釈迦の入滅の地である、インドのウッタルプラディーシュ州のクシナガラにも涅槃堂という拠点を持っている。聡明で物静かだが、敵と見なした相手には容赦しない。 神に最も近い男と評され、教皇の相談役のような務めも果たしている。ティターン神族の持つ漆黒の小宇宙に呼応して各地で蘇りつつある神話級の魔物を一挙に封じるべく、小宇宙を極限まで高めるために涅槃堂に籠った際、アイオリアがシャカのことを命がけで守ったことからアイオリアを認め、友と呼ぶようになる。必殺技は目を閉じることで高めていた小宇宙を開放し、敵をすべて因果地平の彼方へと封じる「天魔降伏(てんまこうふく)」、相手の五感を1つずつ奪って攻撃力を削いでいく「天舞宝輪(てんぶほうりん)」、不動明王が身にまとう浄化の炎・迦楼羅炎を纏うことで攻防一体の効果を発揮する「カーン」がある。

ミロ

黄道十二星座の1つ、蠍座(スコーピオン)を守護星に持つ黄金聖闘士。淡い金色で、肩を覆う位の長さの癖のある髪を持つ青年。黄金十二宮では天蠍宮を守護している。裏切者アイオロスの弟であるアイオリアを強く危険視しているが、それはミロが聖域の平和と秩序、正義を重んじるからこそでもある。アイオリアに対し何かと突っかかるが、心の奥底ではお互いを認めている部分もある。 必殺技は一撃ごとに激痛で相手の力を削ぎ、15発目で死に至らしめる「真紅光針(スカーレットニードル)」。この技において、相手を死に至らしめる最後の一撃は「赤色巨星(アンタレス)」と呼ばれる。

カミュ

黄道十二星座の1つ、水瓶座(アクエリアス)を守護星に持つ黄金聖闘士。緑がかった青い長髪の青年。黄金十二宮では宝瓶宮を守護する。常に冷静な判断を下すことこそが、自身の最大限の力を発揮するための最良のあり方と考え、意識的に落ち着いた振る舞いをしている。そのため、性格がまるで正反対のミロとも親友関係にあり、直情的な戦いをするアイオリアのことも認めている。 戦いながらでも最も効果的な戦果を挙げるための判断を下せる頭脳派で、冥府から地上に攻め入って来たティターン神族を封じるため、十一神の1人であるオケアノスとの戦いの最中に通り道の扉を氷結させた。必殺技はすべてのものを凍結させる「極光処刑(オーロラエクスキューション)」、相手を氷輪で包み動きを封じる技「カリツォー」、氷結させた水分と小宇宙を相手に叩きつけて冷気によるダメージを与える「極小氷晶(ダイヤモンドダスト)」、相手のまわりの空気中の水分を急速凍結させて氷の棺に閉じ込める「氷結唐櫃(フリージングコフィン)」がある。

アフロディーテ

黄道十二星座の1つ、魚座(ピスケス)を守護星に持つ黄金聖闘士。水色の肩を覆う位の長髪に、左目の下にほくろがある青年。黄金十二宮では双魚宮を守護している。美を至上のものとし、美を有するものこそが勝者であるとの考えを持っている。時に厳しい主張も口にするが、異なる考えでもそれぞれの信念を貫く姿はそれはそれで美しいと認める柔軟なところもある。 必殺技は、小宇宙によって触れるものすべてを破壊する黒薔薇を生じさせ敵を攻撃する「黒鋸薔薇(ピラニアンローズ)」、芳香を放つ薔薇で敵を陶酔させ徐々に五感を奪って死に至らしめる「王魔薔薇(ロイヤルデモンローズ)」、相手の心臓に白薔薇を打ち込み、その血で薔薇を赤く染め上げる「紅血薔薇(ブラッディローズ)」。

童虎 (どうこ)

黄道十二星座の1つ、天秤座(ライブラ)を守護星に持つ黄金聖闘士。黄金十二宮では天秤宮を守護する役を担うが、現在は廬山五老峰に留まっている。今は大瀑布に面した地に座し続ける老人だが、往時には堂々とした男らしい体躯の青年聖闘士だった。数百年前の聖戦で生き残ったただ2人の聖闘士のうちの1人。天秤座の聖衣の一部である「盾」は神の攻撃も跳ね返す強固なものであり、アイオリアの戦いを見守りながら、彼が危機に陥った時に自身の聖衣を送り届けて助力した。

魔鈴 (まりん)

鷲座(イーグル)を守護星に持つ白銀聖闘士の女性。短めの茶髪に白い仮面を付けている。弱ったアイオリアを守るために敵兵の前に立ちはだかったリトス・クリサリスを助けた。雑兵程度なら1人で一蹴できる力を持っている。必殺技は高速の蹴りを繰り出す「鷲星閃光(イーグルトゥフラッシュ)」。

シャイナ

蛇遣い座(オピュクス)を守護星に持つ白銀聖闘士の女性。目の周りを囲むように彩色の施された仮面を付けている。青銅聖闘士のレツとともに、世界各地で起こっている怪現象を調査するために派遣されている。必殺技は雷を纏った五指で相手を切り裂く「雷鳴鉤爪(サンダークロウ)」。

ノエシス

三角座(トライアングル)を守護星に持つ白銀聖闘士の青年で、青銅聖闘士のレツを弟子としている。怪物と戦った際、レツを逃がすために自身の小宇宙を燃やし尽くした。聖域から増援として派遣されたアイオリアが到着した時には既に石化され半身を破壊された状態となっていたが、それでも弟子を守るために燃やした小宇宙は右手に残って敵の姿を照らし出し、弟子の戦いを最後まで助けた。

レツ

山猫座(リンクス)を守護星に持つ青銅聖闘士の少年。親のない天涯孤独の身の上で、師のノエシスを尊敬している。地上に蘇りつつあるティターン神族に呼応して蘇った神話級の怪物「ゴルゴン」と戦って一度は敗れたが、命を賭したレツにより逃がされ、のちに再戦を挑んで師の仇であるゴルゴンを討った。本来、アイオリアはゴルゴンを倒すために派遣されていたが、レツの意志を尊重して聖域の決定をこっそり握りつぶし、見届け人に徹した。

クロノス

ティターン神族を統べる神々の王。天空神ウラノスと地母神ガイアの子で、森羅万象を支配する力を持つが、子のゼウスに敗れ、冥府に落とされていた。楚真は大鎌(メガスドレパノン)で、その楚真は長い間、聖域の最奥にある女神像の台座に封じられており、封印を解く力を持つアイオリアの雷を求めていた。幻影だけでも強大な力を感じさせる、底知れぬ力を秘めた神。

ヒュペリオン

ティターン神族十一柱の神の中の1人で、楚真は「大剣」。「漆黒」の異名を持つ。イアペトスとともにティターン神族の中で最初に蘇り、聖域に攻め入ってアイオリアと対決した。コイオスとは友人関係にある。必殺技は相手の身体を破壊し尽すまで止まない竜巻「漆黒旋風(エボニーボルテクス)」、大剣の周りに竜巻を生じさせそれを相手に叩き込む「死剣旋風(グアサンクボルテクス)」。

コイオス

ティターン神族十一柱の神の中の1人で、楚真は刺突剣(レイピア)。「黒雷」の異名を持つ。アイオリアと同じく雷属性の技を使う。涅槃堂に籠り小宇宙を高めるシャカの討伐をクロノスから命じられた。ヒュぺイオンとは友人関係にある。必殺技は自在に曲げることが可能で、建物も一撃で破壊する漆黒の光「漆黒光源(エボニーイルミネイション)」、無数の刺突剣のように鋭い突きを繰り出す「閃光刺突(スパークルレイピア)」、敵を切り裂く「漆黒疾風(エボニーゲイル)」。

イアペトス

ティターン神族十一柱の神の中の1人で、楚真は剪刀。「次元」の異名を持つ。テミスの夫で、テミスとの間に人類に火を与えたプロメテウスという子がいるが、現在プロメテウスはその罪により、ゼウスに重い神罰を課せられている。ヒュペリオンとともにティターン神族の中で最初に蘇った。主神クロノスの指示を待たず、聖衣修復のためムウのもとを尋ねていたアイオリアを独断で討とうとしたが、ムウとの戦いの最中、クロノスに止められて勝負は保留となった。 人類がプロメテウスのもたらした火の恩恵を受け、文明を発展させ得たことを忘れている恩知らずだと激しく憎んでいる。異次元への道を開く技や、異次元から巨人ヘカトンケイルを召喚し使役する技を駆使して戦う。 必殺技は、自身の支配下の惑星上の命のすべてを奪って小宇宙として取り込み輪を形作る「渾沌乃輪(カオスキュクロス)」、渾沌乃輪を剣状に変化させ、相手を攻撃する「渾沌乃刃(カオスブレイド)」、渾沌乃刃を衝撃波に変えて打ち出す「渾沌衝撃(カオスプロスボレー)」がある。

テミス

ティターン神族十一柱の神の中の1人で、イアペトスの妻でもある。審判を司る女神。イアペトスとの間に人類に火を与えたプロメテウスという子がいるが、現在プロメテウスはその罪により、ゼウスに重い神罰を課せられている。人類がプロメテウスのもたらした火の恩恵を受け、文明を発展させ得たことを忘れている恩知らずだと激しく憎んでいる。 一方でゼウスに課せられた重い神罰に苦しみ続けるわが子を助けたいとも願っており、ゼウスの治める地上を滅ぼすことを望んでいる。そのためにはどんな手段もいとわず、配下の惑星の命を奪ってまでイアペトスの小宇宙の糧に代えた。アイオリアとの戦いを重ねるうちに劣勢になったイアペトスを救うため、最終的に自らの命まで差し出す。 必殺技は、相手の罪の重さを上乗せして攻撃を弾き返す蹴り「審判乃刃(ブラベウスブレイド)」、自身の裁量により決めた対象の罪を重量に変えて与え圧殺する「審判乃天秤(ブラベウスタラントン)」がある。

クレイオス

ティターン神族十一柱の神の1人。現世のあらゆるものを断つ神剣・星断剣の使い手で、楚真は自在に動く柔軟な刃を持つシャムシール。「星漢」の異名を持つ。戦いに赴くにあたって、深海に住む妻に別れを告げてクロノスのもとに参じた。必殺技は肉体、精神、小宇宙までも斬る「星断剣(アステルブレイド)」、攻撃を加えた者の血と小宇宙とすべての力を奪う「星断円斬(アステルコレイア)」、奪った力を自身の攻撃に乗せて放つ「星断光輪(アステルキュクロス)」。 冥府にて、最大の力を発揮できる環境のもと、同じく斬撃を得意とするシュラと戦った。

オケアノス

ティターン神族十一柱の神の1人で、大海を司る神。楚真は二振りの短剣で、その刀身は常に水で満たされている。必殺技は楚真によって2つの渦を生みだし衝突させ、巨大な衝撃波を発生させる「海流衝撃(カレントインパクト)」、空気中の水分を操り水流を自在に発生させる「清流乃刃(ストリュウムエッジ)」、発生させた水流を相手にぶつけて攻撃する「大海氾濫(タラッサデリュージュ)」、大気中にある微細な水分に自身の小宇宙を内包させて相手の血液中に送り込む「輝光水流(アウゲーヒュドール)」。

レア

ティターン神族十一柱の神の1人で、クロノスの妻。伝説の魔物である九つの頭部を持つ大蛇「ヒュドラ」を召喚・使役することができる。大地を使って作り出した巨大な蛇を使役する技「天地乃蛇(ゲーピュートーン)」でアイオリアと戦った。

ポントス

地母神ガイアの最初の子である四大神の1人で海洋の神。ティターン神族よりも古い神で、歴史の流れを見届ける立場にある。現在、教皇を騙っているサガを傀儡のように使っている。必殺技は、神の力(デュナミス)を一点集約させ解き放つ「黒キ波(メラスキューマ)」、神の力を荒波のように迸らせる「黒渦(メラスヘリクス)」。クロノスらティターン神族を蘇らせるのに力を貸していたが、真の狙いは彼らの復活とは別のところにあり、刻の迷宮が再建された際にクロノスらの宮から姿を消した。

集団・組織

聖闘士 (せいんと)

聖域に暮らし、聖域と地上の平和を守護する闘士たちで、彼らの活躍には現世でおとぎ話として語り継がれているものもある。上からその実力順に、「黄金聖闘士(ゴールドセイント)」「白銀聖闘士(シルバーセイント)」「青銅聖闘士(ブロンズセイント)」の3つの階級に分かれている。すべての聖闘士の憧れの存在である黄金聖闘士は黄道十二星座の、射手座、獅子座、蟹座、水瓶座、天秤座、牡牛座、牡羊座、蠍座、乙女座、双子座、山羊座、魚座の12人で構成されている。 その1つ下位の存在である白銀聖闘士は24人存在し、聖域の守護や若い聖闘士の育成などに携わっている。青銅聖闘士は聖闘士としての位は一番下だが、それでもその戦闘力は常人を遥かに凌駕している。

ティターン神族 (てぃたーんしんぞく)

クロノスを含め、六柱の男神と六柱の女神で構成される古の神々。すべて同じ両親の神から生まれており、それぞれが黄金聖闘士と同等またはそれ以上の力を持つ。皆一様に外観は若く、青年らしい容貌をしている。地上支配のため、聖域への侵攻を開始した。彼らの支配下には「巨人族」、ノエシスやレツと戦ったゴルゴンなどの「魔物」、イアペトスが召喚し使役したヘカトンケイルなどの「古の神」が連なっており、果ては惑星までも意のままに操る。

場所

聖域 (さんくちゅあり)

聖闘士たちが暮らす場所で、地上の最後の砦と言うべき存在。現世の一般人にはその存在すら秘匿されており、聖闘士を筆頭に、戦う者とそれに携わる者以外は立ち入ることが許されない。大国の首脳クラスのごく一部の人間のみがその存在を知っており、聖域からの依頼は国の最高責任者の決定よりも優先される。

黄金十二宮 (ごーるどぞでぃあっく)

聖域を見下ろす高みに立ち並ぶ十二の神殿。それぞれが黄金聖闘士の守護星座の名を冠しており、その聖衣をまとう黄金聖闘士が各宮を守っている。一本道になっており進むためには各宮を1つずつ通り抜けていく必要がある。黄金十二宮をすべて越えた最奥には教皇の間がある。教皇の間の背後には巨大な女神像がそびえ立っている。

冥府 (たるたろす)

何よりも深い漆黒に包まれた地。神話の時代に「ヘカトンケイル族」、「キュプロクス族」が追放された地であり、民が生活を営む区域もある。クロノスもこの地にある堕ちた神の神殿にゼウスの雷光の枷を付けられた状態で封じられていた。

堕ちた神の神殿 (おちたかみのしんでん)

冥府にある朽ちた神殿。ポントスがここに籠ってティターン神族の復活の儀式を行っていた。クロノスもここにゼウスの雷光の枷を嵌められて封じられていたが、ポントスの行った復活の儀式が成就した際に本来の姿を取り戻した。

刻の迷宮 (くろのすらびゅりんとす)

ティターン神族が住まう冥府にある居城。王の間を中心に、その周りをティターン神族十一柱が守護する宮が囲んでいる。ティターン神族の完全復活に伴い、この居城も本来の姿を取り戻した。主神クロノスと、十一柱の神が守護する宮にそれぞれの主が帰還した際、刻の迷宮の上空には巨大な「神の紋章(テオスセーマ)」が現れる。 この紋章は生きとし生けるものすべての心を狂わせ、争いに向かわせる影響力を持っている。またティターン神族の神々はこの紋章が現れている地において、古の力を発揮し万全の状態で戦うことができる。

その他キーワード

小宇宙 (こすも)

聖闘士の心の奥に燃えるもの。この小宇宙を燃やすことで、物質の「原子」そのものを破壊することができる。女神の聖闘士たちは武器を持たず、鍛錬を積んだ己の身体と、小宇宙のみを武器に戦う。

聖衣 (くろす)

聖闘士が身に着けている、女神の加護を受けた神具。聖闘士の位によって最高位の「黄金聖衣(ゴールドクロス)」、次の「白銀聖衣(シルバークロス)」、最下位の「青銅聖衣(ブロンズクロス)」に分けられている。武器を嫌う女神の意向を汲んだ形状となっているため、基本は身を覆う鎧の姿をとるが、例外として天秤座(ライブラ)の攻防の武具を具えた黄金聖衣と、射手座(サジタリアス)の黄金聖衣に備わった弓矢がある。

楚真 (そーま)

地上最強とされる黄金聖闘士の聖衣を超える強度を持つ。

漆黒の小宇宙 (えぼにーのこすも)

ティターン神族の持つ漆黒の小宇宙は、地上に厄災をもたらし、すべてを無に変え、暗く強力な重圧を感じさせる力。地上の世界の礎を築いたゼウスを敵視していることから地上を守る女神の聖闘士にとっては邪悪な気配として感知される存在。

クレジット

原作

続編

聖闘士星矢EPISODE.G アサシン (せいんとせいやえぴそーど じー あさしん)

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