色即ぜねれいしょん

色即ぜねれいしょん

みうらじゅんのリアル性春自叙伝といえる同名の小説を、同小説での挿絵も担当していた喜国雅彦が漫画化した作品。セックス目的で隠岐の島のユースホステルに旅立った男子高校生の青春をコミカルに描く。2009年には実写映画化もされている。「ヤングチャンピオン」2009年19号から2011年10号にかけて掲載された。

正式名称
色即ぜねれいしょん
ふりがな
しきそくぜねれいしょん
漫画
原作
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

京都の私立高校に通う乾純は、夢中になれることが見つからず恋人もいない、空虚な青春を送っていた。高校1年の夏、中学からの友人である池山伊部に隠岐の島へ旅に行かないかと誘われる。その島のユースホステルにはフリーセックス目的の学生たちが集まっており、セックスがやり放題だというのだ。童貞の3人は、期待に胸を膨らませて、隠岐の島へと向かうのだった。

登場人物・キャラクター

乾 純 (いぬい じゅん)

京都にある仏教系の私立高校・法然高等学校に通う高校1年生の男子。黒髪を少し伸ばし、女の子のような可愛らしい顔立ちをしている。両親との三人暮らし。スポーツや勉強に夢中になれず、恋人もいないため、青春の証となるものがなにもないことに、もどかしさを感じている。アコースティックギターを弾いてオリジナルの曲を作っているが、そのほとんどが大好きなボブ・ディランのパクリ。 また、ブルース・リーの映画に影響されて、通信教育で空手を始めている。当然童貞で、友人の本田とポルノ映画を観に行ったり、オナニー三昧の日々を送っている。中学からの友人である池山と伊部に隠岐の島のユースホステルに行けばセックスやり放題だと誘われ、そこで出会ったオリーブに恋をする。 友人からは「イヌ」の愛称で呼ばれ、ユースホステルではうっかりフリーセックス目的であることを漏らしてしまったことから、「フリーセックスその1」のあだ名をつけられた。原作者であるみうらじゅんがモデルと思われる。

池山 (いけやま)

乾純の中学時代のクラスメイトで、同じ法然高等学校に通う1年生の男子。長身で、短い髪をツンツンに立てている。純を誘い、悪友の伊部を加えた3人でセックス目的のために隠岐の島への旅を計画する。

伊部 (いべ)

乾純の中学時代のクラスメイトで、同じ法然高等学校に通う1年生の男子。純を誘い、池山を加えた3人でセックス目的のために隠岐の島への旅を計画する。実家が寺で、いずれ自分が寺を継ぐことに不満を感じており、隠岐の島への旅を境に自分を変えようと考えている。そのための第一歩としてパンチパーマをあてるが、大仏にしか見えず大失敗。 隠岐の島では、バイクを盗んだり、カツアゲしたりして停学をくらっているが根はいいヤツ、という不良キャラを演じる。

オリーブ

乾純の初恋相手となった大阪の女子大生。長い黒髪の美女。隠岐の島へ向かうフェリーで純、池山、伊部と出会い、「オリーブ」と名乗った。その時にノーブラだったことから、伊部が彼女もフリーセックス目的での旅行だと確信して声をかけ、仲良くなる。隠岐の島では、3人と同じユースホステルに宿泊。海辺で見せた白のビキニ姿は、純たち3人の心を虜にした。 のちに京都で純と再会し、本名が「木ノ内直子」であることを教える。

ヒゲゴジラ

乾純たちが宿泊した、隠岐の島のユースホステルの管理人を務める男性。長髪を後ろでしばり、その名のとおりひげが濃い。眼鏡をかけ、前歯が欠けている。大学8回生で25歳。学園紛争での友人の死などを体験して活動グループを脱退し、人との触れあいや優しさを求めてユースホステルへと流れ着き、管理人となる。いい声をしていて、ヒゲゴジラ名義で「旅に出てみよう」という5曲入りのレコードも出している。 純たちの先輩で良き理解者となる。

ポパイ

東京から隠岐の島のユースホステルにやって来た男性。よく日に焼けたワイルド系のイケメン。いきなり乾純に、海での水泳勝負を挑むような熱い男。その際、溺れた純を助ける優しさも持つ。そのあだ名から、純たちからはオリーブの恋人と勘違いされていたが、実際はただの友人だった。

本田

乾純の高校のクラスメイト。パーマ頭にソバカスが目立つ男性。根っからのスケベで、よく純をポルノ映画に誘っている。純に言わせると、帰る方向が同じだけで、特に仲がいいわけではないとのこと。また、エロ本もたくさん持っているが、えげつなさ過ぎて純の趣味とは合わないらしい。

足立 恭子 (あだち きょうこ)

乾純の小学校時代の同級生。高校生になった純が、彼女が欲しいと思い立ち、ラブレターを送る相手として小学校の卒業アルバムから選んだ女性。紙に大きく「好きだ」とだけ書いたラブレターを純から受け取り、その後、町で偶然出会った純にイタズラしないでと伝えて去っていった。のちに文化祭で演奏する純を見に来る。

佐藤

乾純の家庭教師としてやって来た男性。京都芸大で油絵を専攻している。純は家庭教師と聞いて、セクシーなお姉さんによるピンク色の個人教授を期待していたが、現れたのは長髪で顎鬚を生やしたヒッピーだった。しかも、やる気がなく、家庭教師の初日から純のベッドで眠る始末。純のことは、ボンボンを意味する「ボン」と呼ぶ。家庭教師としてはほとんど仕事をしなかったが、純が作った曲を聴いて、曲を褒め、絶対にシンガー・ソングライターになれると励まし、同時にオリジナリティの大切さを説いた。

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