吸血鬼と生贄のダークファンタジー
本作の舞台は、悪魔や吸血鬼が存在するダークファンタジーの世界。ヴァレンティン王国をはじめとする一部の国々には、吸血鬼に生娘を生贄として捧げるという残酷な風習が根付いている。その風習に従い、吸血鬼のラビに生贄として嫁ぐことになったステラ。種族や立場を超えて惹かれ合う二人の、切なくも美しい恋物語が展開される。「怪物」と呼ばれ孤独を抱えるラビの秘密や、過酷な運命に立ち向かうひたむきなステラの姿が見どころとなっている。
呪われた吸血鬼に嫁いだ少女
幼い頃に両親を亡くしたステラは、クインウィッチ子爵家に引き取られ、新しい家族と共にヴァレンティン王国で幸せな日々を送っていた。しかし、その平穏な日常は突然破られることとなる。ステラの大切な義理の妹、リリネットが、100年に一度の生贄として「呪われた怪物」と噂される吸血鬼ラビのもとへ嫁ぐことが決まったのだ。絶望に沈むリリネットを前に、ステラは自ら身代わりになることを決意する。生きて帰れるかもしれないという一縷(いちる)の望みを胸に、ステラは一人で吸血鬼の屋敷へと向かう。屋敷には、同じく生贄として集められたほかの娘たちもいたが、「生贄となった者はすべて死ぬ」という噂に怯え、彼女たちはラビにただ恐怖を抱いていた。
吸血鬼の孤独と禁断の恋
吸血鬼の屋敷で、ステラは不思議な蝶に導かれ、美青年のラビと出会う。ステラはラビに吸血されるものの、なぜか無傷のままだった。その特異な体質は周囲に波紋を広げるが、ステラ自身もその理由は理解できなかった。ラビとの関係を深める中で、ステラは数々の不思議な出来事を体験し、「怪物」として人々から疎まれてきたラビが抱える深い孤独と、その奥に隠された優しさに触れていく。やがて二人は、種族を超えた禁断の恋に落ち、ステラのひたむきな思いは凍てついたラビの心を少しずつ癒していく。
登場人物・キャラクター
ステラ・クインウィッチ
クインウィッチ子爵家の養女として育った少女。年齢は17歳。桃色の髪をロングヘアにしている。幼い頃に両親を亡くし、養父母の深い愛情に支えられ、強い意志と前向きな性格に成長した。家族への思いは人一倍強く、愛する義妹のリリネットがラビの生贄に選ばれた際には、自ら身代わりとなって彼のもとへ嫁ぐ道を選ぶほどの勇敢さを持っている。また、ラビに吸血されても体に変化が見られないなど、不思議な耐性を持っている。
ラビ・ヴァン=ヴァレンティン
呪われた吸血鬼の青年。銀髪と血のように赤い瞳を持つ。その美しい容姿とは裏腹に、ヴァレンティン王国では「呪われた怪物」として人間たちから恐れられている。人を喰らう化物として忌み嫌われ、深い孤独を抱えながら、人間と分かり合うことをあきらめている。しかし、生贄として捧げられたステラと出会い、彼女の特異な体質を不思議に思いつつも、ステラの純粋な優しさに心惹かれていく。王国に伝わる伝承によれば、ラビはかつて人間に追放された悪魔が、復讐のために王妃から生まれた子に宿った存在とされている。
書誌情報
花秘める君のメテオール 4巻 BookLive〈フレックスコミックス エトワール〉
第1巻
(2024-10-11発行、978-4866753850)
第2巻
(2024-11-15発行、978-4866753928)
第3巻
(2025-02-14発行、978-4866754154)
第4巻
(2025-08-08発行、978-4866754499)







