荒川アンダー ザ ブリッジ

荒川アンダー ザ ブリッジ

荒川の河川敷に暮らす、市ノ宮行とニノを中心とした個性的な面々が起こす騒動を描く。ラブコメの体裁を取りつつも、終始シュールなボケとツッコミが展開されるギャグ漫画。全体の展開にはSF的な要素も含まれる。コミックス第15巻の刊行と同日に、第15巻+αという扱いで「THE FINAL LAUNCH」というサブタイトルが付いたファンブックも発売されている。

正式名称
荒川アンダー ザ ブリッジ
ふりがな
あらかわあんだーざぶりっじ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
ラブコメ
関連商品
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あらすじ

第1巻

何事も人に借りを作らないのが信条の市ノ宮行は、川に落ちたところをニノに助けられた。命の恩人に借りを作りたくない行が、なにか望む事はないかとニノに尋ねると、彼女は恋をさせてほしいと答える。そんなニノの言葉に行は一も二もなく頷き、こうして二人は恋人同士になるのだった。(第2話「大きな星の橋の下」。ほか、23エピソード収録) 

第2巻

市ノ宮行ニノは、初デートとしてふだん暮らしている河川敷のある荒川の河口を見に行く事にした。今一つぎこちない雰囲気のまま、二人はデートに相応しい「距離感」を模索し始める。だが、どうやってもギャグぽくなってしまい、うまくいかない。(第32話「初デート」。ほか、24エピソード収録) 

第3巻

高井照正市ノ宮行を溺愛するあまり、橋の下にある行の家に居着いてしまった。照正はと共に、恋人同士ならキスの一つもするのがふつうだとニノを冷やかし、それを聞いたニノは平然と行にキスをしてみせる。だがそれは、行にとってファーストキスであった。(第73話「初めての」。ほか、30エピソード収録) 

第4巻

偶然、マスクをかぶらず素顔で買い物に行ったところを市ノ宮行に目撃されたは、自分がかつて売れっ子のミュージシャンとして世間に知られていた頃の事を打ち明ける。サードアルバムがオリコンで1位を獲得した事もあったが、作詞作曲を自分でやっていなかったのが苦悩のもとで、それで河川敷にやって来たのだという。(第84話「一等星」。ほか、30エピソード収録) 

第5巻

市ノ宮行達は、河川敷にある美容院に散髪しに向かう。そこは、日本刀を腰に差したチョンマゲ頭の変人、ラストサムライが経営する奇怪な店だった。技術は確かなのだが、ギャグが寒かったり、性格に難があったりするラストサムライに、行はかかわりになりたくない人物としての雰囲気をひしひしと感じてしまう。(第108話「ラストサムライ」。ほか、29エピソード収録) 

第6巻

市ノ宮行は、出席日数が危ないため大学に行く事にした。だがそこに、心配したニノと、おちょくりたいから携帯電話に連絡が来る。しかし、テレビ電話というものを知らないニノは、行が小さくなってしまったものと思って心配する。(第155話「ラブコール&ラブメール」。ほか、30エピソード収録) 

第7巻

荒川河川敷では物々交換のフリーマーケットが開かれていた。市ノ宮行は、シロが出品していた「金星の土地権利書」をニノにプレゼントするべく、それぞれに入手しようと試みる。しかし、ほかの誰かに先を越され、二人ともそれを手に入れる事はできなかった。(第168話「愛のプレゼント争奪戦」。ほか、30エピソード収録) 

第8巻

ラストサムライが河川敷に住み着く前、カリスマ美容師として一世を風靡していた頃の姿を、ひょんな事から見る事になったP子は、その美男子ぶりに衝撃を受ける。そしてP子は、ラストサムライにふつうのファッションをさせようと、に相談を持ち掛ける。(第203話「オシャレ免許皆伝への道」。ほか、29エピソード収録) 

第9巻

に恋をして涙するアマゾネスを見たニノは、涙を洗い流すためにおもむろにアマゾネスの頭を摑み、荒川に沈めるという暴挙に出る。だが、メイクを落として水から上がったアマゾネスの素顔は、意外にも市ノ宮行を仰天させるほどの美少女だった。(第246話「恋の引力」。ほか、30エピソード収録) 

第10巻

河川敷で私服デビューを果たした市ノ宮行のファッションセンスは、河川敷の変人達をして心底ドン引きさせるほどひどいものだった。いくらなんでも突っ込むのは気の毒だから黙っていようと思う面々だったが、ニノの、とだいたい同じようなものだという言葉に、当の星はたまらずツッコミの絶叫を上げる。(第274話「系統」。ほか、25エピソード収録) 

第11巻

河川敷の面々は、言い出しっぺの村長に付き合って「冬眠」と称して合宿を始めた。だが、寝てばかりの暮らしにみんなすぐ飽きてしまう。一方の村長はといえば、巨大甲羅の中で冬眠しているようなふりをして、その中でテレビを見ていた。(第293話「生命の神秘」。ほか、31エピソード収録) 

第12巻

[★市ノ宮行]が風邪を引いて寝込んでいた。ニノはこれは魔の山の呪いだと言い張り、呪いを消すための秘薬を手に入れて来ると、シスターが用意した雪山用の服に身を包んで出かけていく。口には出さないが、その服装を見てちょっといいなと思う行であった。(第311話「看病」。ほか、24エピソード収録) 

第13巻

突然、村長を辞めると言い出した村長が、市ノ宮行にその座を譲った。行は固辞しようとするが、そんな彼に対しシスターマリアは、早く村長としての命令を出すようにと告げ、シスターは銃を、マリアは鞭を突きつける。(第331話「春の人事」。ほか、31エピソード収録) 

第14巻

市ノ宮行は、「村長の名を持つ者だけが入れる部屋」なる場所に連れて来られた。そこはニノの住処の地下にあるクローゼットであり、おりしもニノはその前で生着替え中であった。そこで行の存在に気づいたニノは、このクローゼットで「裏表逆のジャージに名前を書かれた人間」は、河川敷に入って来る事ができなくなると語る。(第357話「ニノとジャージと二人組」。ほか、21エピソード収録) 

第15巻

河川敷の住人達は、それぞれ新しい行き場所や戻る場所を見つけて、それぞれに荒川河川敷を去って行く事になった。村長は最後に、河川敷の面々の前で人間としての本当の姿を披露する。そしてその後、市ノ宮行ニノにプロポーズをした。(最終話「荒川イリュージョン」。ほか、24エピソード収録) 

登場人物・キャラクター

市ノ宮 行 (いちのみや こう)

T大に現役合格し、学費からマンション代まで自分で稼ぐエリート大学生。財閥「市ノ宮カンパニー」の御曹司で長男。他に複数のトップ企業を経営する。一ノ宮家の跡取りとして、代々家宝のネクタイにも入っている「他人に借りを作るべからず」という家訓に従って生きてきたことが誇り。 物心ついたころには母はおらず、父に徹底的に「借りを返す」という厳しい教育を施された。一ノ宮家の持病で、人に借りを返せないとストレスから喘息の発作が出てしまう体質。河に落ちたところをニノに助けられ、20歳にして命の恩人という人生初にして大きな借りを作ってしまう。その彼女に借りを返すため、ニノの恋人となって荒川河川敷に住むことに。 自称勝ち組の自信家で鼻持ちならないが、真面目で律義な部分や、ニノの金星トークに付き合うやさしさもある。村長に命名されたあだ名のリクルートは、初対面でスーツ姿だったことから。河川敷では当初ヒモ扱いされるが、鉄人兄弟に泳ぎを教えたことがきっかけで、仕事は教師に。 授業には主にニノ、鉄人兄弟、ステラが生徒として参加している。一時、河川敷の2代目村長にもなる。

ニノ

自称金星人電波系天然美少女。金髪ワンレングスで、特技は泳ぎ。名前の由来は、いつも着ているジャージに書かれた2年3組を意味する「2-3」の文字から。地球人の恋というものを理解するため、リクに「恋をさせてくれないか」と持ちかける。物忘れが激しく、1日で人の顔を忘れてしまうため、恋人の顔を忘れないよう、リクに荒川河川敷に住むよう頼む。 泳ぎが得意で、河川敷での仕事は魚獲り。挨拶代わりにいきなり相手の口に鮮魚を突っ込むなど、不可解でワイルドな行動をよく示す。自宅はダンボールハウス。極端に寝相が悪いため、寝床はビロード張りのベッドの引き出し。夢遊病の気があり、冬の寒い日などは寝たままリクが改装した元自分の別荘に上がり込むことがある。 眠っている間は、シスターに仕込まれた合気道が使える。両親からの贈り物らしい大量のカセットテープを大切に保管している。

村長 (そんちょう)

荒川河川敷の住民を仕切っている自称河童。甲羅を背負って常時河童の着ぐるみを着ており、首から地肌やチャックが見えているが、隠す気はない様子。屁理屈の名人で、人外であることを主張。ただ、たまに言うことに妙に説得力がある。着ぐるみスーツは冷却ファンが内蔵されていたり、頭部を回すと髪を長めに出せたりと高性能だが、ビニール製のため火には弱い。 だらだらした生活を送っており、やる気のない気分屋。P子に好かれている。好物はキュウリと、P子作の地酒「河川敷」。自宅のかぱちゃんハウス地下には、村長専用室がある。 河川敷の住人になるには、村長に名前をもらわなければならない決まり。 ニノを幼少の頃から知っている。

(ほし)

人前では常に星形のマスクを被っている男。ギターを抱えたミュージシャン。自他共に認めるフェミニストで、お洒落にも気を遣っている。河川敷で定期的にコンサートを開くのが仕事。昔オリコンで1位を取ったことがあるが、作詞の才能がなく、自作の歌詞のウケは大抵かんばしくない。 星のマスクの下はお月さまのマスクになっている。また精神的にヘコむと、星が凹凸の少ないヒトデ顔になる。マスクを取られそうになると必死で抵抗するので、河川敷の住民は誰もはっきりと素顔を見たことはない。マスクの下の顔は赤毛で、美形らしい。村長と異なり、マスクを被っていることは認めており、ポリシーで素顔を見せないだけ。 ニノが好きで、恋敵のリクをライバル視している。たびたび嫌がらせをするものの、よき悪友でもある。ほら吹きで大風呂敷を広げる傾向あり。リクが新村長になった際は、俳音(はいね)と改名されそうになる。

シスター

シスターの格好をした元傭兵。マリアには女装癖と言われている。がたいのいい美青年。荒川河川敷の教会で、毎週日曜にミサを執り行っている。イギリスで孤児院をしていたことがあり、ステラはその時面倒を見ていた子の一人。傭兵時代の習慣で、修道服の下には常に銃を携行し教会は河川敷の洪水だけでなく、核戦争にも耐えうる仕様になっている。 昔戦場で出会って以来、マリアのことが好きだが、下僕扱いされている。拷問に耐えられるよう訓練したせいで表情は変わらないが、罵倒による精神的ダメージが限界を超えると、右頬にある古傷が開いて、血が噴き出る。失われた戦場のスリルを補うため、日々不発弾を抱いて寝ている。

シロ

家に帰るまで白線から出ちゃダメという、白線渡りに並ならぬ情熱を燃やす。元大手企業の営業マンだったが、出張先で「白線から出たら妻が白色コーニッシュになる」というルールでゲームを始めてしまう。以来、白線の上しか歩けなくなり、妻娘の待つ北海道の家には6年以上戻っていない。「渡ラー」を自称し、普段は優しいおじさんだが、白線渡りの価値を認めない者に対する態度はきつく、時に意固地。 大会出場時には、理解ある妻に保証人になってもらっている。特技は上司オーラ。唯一マリアの罵倒に動じない人物。

鉄雄、鉄郎 (てつお、てつろう)

幼い兄弟。いつも鉄仮面を被っている。鉄雄が兄。自分たちは施設から逃れてきた超能力者だと主張。とある研究所にNo.29、No.30という番号で収容されていたという。仮面を外せば、空を飛び時空を超えるなど、超能力が使えるらしい。仕事はドラム缶銭湯。いつもお揃いの服を着ている。 リクの授業に最もよく出席している生徒でもある。

P子 (ぴーこ)

河川敷住人の食べる野菜をすべてまかなっている。幼女体型。葉っぱのような形をしたアホ毛が生えている。言うことは比較的常識人だが、破壊的なドジっ娘。冬の間は野菜の種や苗を求めて旅に出ている。野菜をこよなく愛しており、農家としてのプロ意識は高い。ピーマンが好物。恋する村長のため、キュウリは多めに栽培している。 恋バナに反応しやすく、ベタなラブロマンスが大好き。リクが新村長になった際には、豊美(とよみ)と改名されそうになる。

マリア

荒川河川敷で牧場を運営するグラマーな外国人美女。住人の食べる卵・乳製品を作っている。元某国のスパイ。生粋のサディストで毒舌家。人をいじめることが生きがいのクールビューティー。痛めつけられた相手の反応に、膨らんだ頬を抑えてこらえた独特の笑顔を見せる。標的は主にシスターで、当初はリクをひいきすることでシスターに嫉妬させようとする。 たまにリクや星にも、しばしば毒舌の矛先が向く。寝起きは特にSの化身。女の子には優しくと決めているが、何日も誰もいじめていないと女性にも容赦なくなる。シスターと互角の戦闘力の持ち主。

ラストサムライ

Tシャツ・ジーンズに髷を結った青年。元はカリスマ美容師だったが、流行に流されてやりたいことが分からなくなり、荒川河川敷の住民に。1人称は拙者で、相手には必ず殿を付け、丁寧語で話す。語尾は「ござる」。実家は武家の血筋。「まげない」という言葉の書かれたTシャツをいつも着ている。 村長への想いを曲げないP子のことが好き。仕事は青空美容室の経営で、鋏の代わりに日本刀でカットする。リクが新村長になった際には、武士(たけし)と改名されそうになる。

ビリー

オウムのマスクを被ったダンディでハードボイルドな色男。ジャクリーンの恋人。タイハクオウム4歳。ビリーはロカビリーの略。リクや星からはアニキと呼ばれている。常にスーツを着用し、村長と同じく、自分は人外だと言い張っている。三歩歩いたら過去のことは全部忘れるのがポリシー。 胸ポケットには小松菜が入っている。元は関東最大組織の国鳥会に所属するヤクザ。組長の女だったジャクリーンに手を出し、逃避行の末、荒川河川敷の一員に。

高井 照正 (たかい てるまさ)

リクが経営する会社の有能な秘書。リクを「行様」と呼び溺愛しており、厳しい父親とは対照的。行き過ぎた執着ぶりには、荒川河川敷の住民も引き気味。眼鏡をかけ、髪の毛は後退している。仕事のしすぎで10年前に妻に離婚され、そのころ幼いリクから送られてくる指示のメールが心の支えになる。 リクとは一ノ宮家の朝の習慣、相互虫歯チェックをする仲。ニノと出会ってからのリクの変化を喜ばしく思っているが、ニノには激しい嫉妬を感じている。

アマゾネス

リクが野球のボールを探しに荒川河川敷沿いに埼玉まで遠出した際に、上流で出会った屈強な女子高生。露出の多い鎧で身を固め、天狗の面を着けた男3人を従えている。片言の女子高生口調で話す。見かけによらず病弱。厚化粧の下の素顔は美少女だが、本人は見せるのを嫌がっている。 惚れっぽい性格で、最初はリク、のちに自分に恋愛アドバイスをくれた星を追い回すようになる。

ステラ

シスターがイギリスで経営していた孤児院の出身。一見美少女だが、怒ると広島弁になり、マッチョに巨大化する。シスターのことが好きで、強くないと好かれないと思い込んでいる。シスター仕込みの教育で、戦闘力は河川敷の住民の中でマリアとシスターについで高い。 好きな遊びはタイマン残虐ファイト。会って早々負けたリクは、舎弟呼ばわりされる。同年代の鉄人兄弟に好かれている。

アニメ

荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ

世界的大企業の御曹司である主人公の市ノ宮行は、川で溺れかけた際に、自称金星人の美少女・ニノに助けられる。彼女は荒川河川敷に住むホームレスだった。出会いをきっかけに荒川河川敷に住むことになった市ノ宮行と... 関連ページ:荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ

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