詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。

詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。

「最恐の怪談」を心から欲する幻の生徒、四ッ谷先輩が怪談話と引き換えに数々の怪奇事件を解決していく姿を描いた学園ホラー漫画。「週刊少年ジャンプ」で平成22年13号から平成22年31号にかけて連載された。

正式名称
詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。
ふりがな
きべんがくは よつやせんぱいのかいだん
作者
ジャンル
ダークファンタジー
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概要・あらすじ

突如として行方不明となってしまった親友、弥生ヒナノの手がかりを求め、藁をもつかむ思いで怪奇事件の専門家とされている都市伝説的な存在、四ッ谷先輩のもとを訪れた女子中学生の中島真。しかし、当の四ッ谷先輩は怪奇事件の専門家などではなく、オリジナルの「最恐の怪談」をストイックに追い求め、怪談を聞いた者の悲鳴をこよなく愛するという筋金入りの変人であった。

嬉々として怪談を聞かせる四ッ谷先輩の態度を「人の不幸を面白がっているだけ」と憤慨し、一度は彼のもとを去った真だったが、四ッ谷先輩から聞いた「人の手足をほしがる人形」の話をクラスメイトにするうちに、真は図らずも近隣で発生していた「連続女児誘拐殺人事件」の真相へと迫ることになるのだった。

登場人物・キャラクター

四ッ谷先輩 (よつやせんぱい)

怪談をこよなく愛する笑い声が不気味な中学2年生の男子。本名は不詳。中島真と同じ2年A組に在籍しているが、教室の席に彼が座っていたことはなく、ほかの生徒からは「学校に住み着く幽霊」「妖怪」「恋のキューピッド」など、校内における都市伝説的な存在として「幻の生徒」扱いされている。親友である弥生ヒナノを助けてもらうために彼のもとを訪れた真は、目つきが非常に鋭く、常に不敵な笑みをたたえ、さらに180cmを超える長身という出で立ちの彼を見て「どう見ても中学生じゃない」と心の中で全力の突っ込みを入れていた。 本人いわく、怪談集めに行き詰って卒業をし損ねたとのことだが、真偽は定かでない。校舎の屋上を拠点にして「最恐の怪談」を追い求め、「すべての悲鳴は俺のモノ」と公言する筋金入りの変人で、怪談に対する情熱と執着心は人一倍。 語り部とのしての能力も一級品で、巧みな「語(カタリ)」によって聞いている者の心を一瞬にして完璧なまでに掌握してしまう。声が耳からではなく直接脳に入ってくるようだと、彼の怪談を聞いた真は思わず戦慄していた。怪談は集めるものではなく創るもの、という強固な信念の持ち主で、オリジナルの怪談を語り、それによって聞き手が恐怖の悲鳴を上げることを無上の喜びにしている。 真と出会った後は、怪談を創り上げる過程で、その怪談にまつわる未解決事件の真実を明らかにしていくことになるが、当の本人はそれらはすべて「たまたま」であるとしている。真のことは自身の怪談における重要な「ネタ探し要員」、あるいは「演出要員」であると認識しており、飴とムチを使い分けながらこき使っていた。 趣味は昼寝と読書。悲鳴以外に好きなものは飲むおしるこ。

中島 真 (なかじま まこと)

中学2年生の女子。14歳。はつらつとした性格をしたショートカットの女の子で、行方不明になった親友の弥生ヒナノを探すために、怪奇事件の専門家と噂される四ッ谷先輩のもとへと出向くことになった。怖い話を苦手としており、他に類を見ない独特の世界を持つ四ッ谷先輩のことを最初は不気味に思っていたが、オリジナルの怪談を創る過程でヒナノの事件を「たまたま」解決まで導いた彼の巧みな手腕に魅せられ、その後の成り行きからともに怪談創りに励むことになる。 得意な科目は体育で、バレーボール部に所属。少々食い意地が張っている。

工藤 忠信 (くどう ただのぶ)

学校に在籍するスクールカウンセラーの男性。26歳。キツネのような顔をしたクールなイケメンで、女性徒からの人気は高く、四ッ谷先輩は「キツメン」と呼んでいた。人心を言葉巧みに操る能力を持ち、自己暗示によって人はどこまで動くのか、という実験をするために生徒や教師のカウンセリングをする過程で暗示をかけ、人間が本来持っているグロテスクで偏執的な一面を外へ引きずり出そうとしていた。 自分に絶対の自信を持っており、四ッ谷先輩に対しても、自分の企みと手口を臆面もなく語り、「聞いたところで止められるの…?」と嘯いていた。趣味は人間観察で、人の心をもてあそぶのも、あくまで遊びの一環である。

小町 ゆき (こまち ゆき)

女性教師。優しい性格をしたスタイル抜群の美人で生徒からは人気があるが、同時に甘く見られてもいる。非常に美しい黒髪の持ち主で、それに魅入られた刈谷先輩の手によって監禁されてしまう。工藤忠信のカウンセリングを受けてからは、生徒たちには冷徹な態度で接するようになった。

品茂 考介 (しなも こうすけ)

進学校から赴任してきた男性教師。2年A組の担任代理となる。教育に対する態度は非常に厳格で、授業中に怪談の解析をしていた中島真を厳しく叱っていた。嫌味な部分はあるが本質的には生徒想いの人物で、いつの間にか四ッ谷先輩や真とともに活動をするようになる。アゴが2つに割れているため、生徒からは影で「アゴ」「AGO」といったあだ名で呼ばれている。 また、同僚の小町ゆきに好意を抱いていた。

弥生 ヒナノ (やよい ひなの)

中島真の親友の女子中学生。14歳。真と放課後に旧校舎の前で待ち合わせ、一緒に帰るのを日課にしていたが、突如として行方不明になる。優しい性格をしたしっかり者で、真は彼女のことを姉のように慕っていた。土屋先輩によって旧校舎に監禁されていた。得意な科目は数学、英語、音楽。

長谷川 青太 (はせがわ せいた)

どことなく暗い影を持った中学2年生の男子。14歳。中島真とは小学生以来の友人。出生時に母親を失い、姉の「花子」と2人で暮らしてきた。自分の代わりに母親が死んだと姉からは恨まれ、まともに会話したことがほとんどないなど、姉弟仲は最悪だったが、それでも姉を慕っていた。

針子先生 (はりこせんせい)

細身で繊細な性格をした家庭科の男性教師。一見すると人畜無害な風体ではあるが、実は近隣で発生していた「連続女児誘拐殺人事件」の犯人で、お気に入りの「ワンピース」を完成させるために幼女をさらい、手足を切断して「ワンピース」にはめ込んでいた猟奇殺人者。四ッ谷先輩が周到に準備した怪談を聞かされたことで精神に失調をきたす。

土屋先輩 (つちやせんぱい)

中学3年生の男子。甘いものが好きな物腰の柔らかい少年だが、実は手に入れたものを隠して自分だけのものにすることに悦楽を感じるという、異常なまでの独占欲の持ち主。旧校舎に弥生ヒナノを監禁した張本人で、「僕が隠したから僕のなんだよ」と狂気に満ちた目で中島真に主張していた。

早乙女 良太 (さおとめ りょうた)

美術部に所属する中学1年生の男子生徒で、28年前に校庭にある桜の木で首吊り自殺をした早乙女頼子の甥。明るい性格の少年だったが、美術室で見つけた「桜の木で首を釣る女性」の絵を発見したことで、自分も完璧な構図で同様の絵を描きたいという思いに囚われて、田中先生を精神的に追い詰めて首吊り自殺へと追い込もうとしていた。

白木 華 (しろき はな)

中島真のクラスメイトの女子中学生。元々は地味なタイプだったが、「こっくりさん」を繰り返すうちに自己暗示にかかり、明るい性格へと豹変する。しかし、行動の規範すべてが「こっくりさん」によって支配されており、「こっくりさん」を途中でやめた中島真に対し、罰を与えようとしていた。

田中先生 (たなかせんせい)

美術部の顧問をしている温厚な性格の男性教師。28年前に早乙女頼子の首吊り自殺体を見た際に、桜の木とのあまりに完璧な調和に心を奪われ、思わずその姿をモチーフにした作品を描いてしまう。

刈谷先輩 (かりやせんぱい)

中学3年生の男子。「髪」に異様な執着を見せ、小町ゆきの美しい髪を育てるために彼女を監禁するという暴挙に出た。のちに工藤忠信によって心を操られていたことが判明する。

早乙女 頼子 (さおとめ よりこ)

28年前に学校に在籍していた女子中学生。早乙女良太の叔母に当たる、絵画を愛する人物だった。桜の木と死体の完璧な構図を実現するため、自らの意思によって桜の木で首をくくる。

姫野 良太 (ひめの りょうた)

大人しく気弱な性格の中学1年男子。優しい小町ゆきを慕っていたが、監禁事件後に豹変した彼女の態度に困惑し、工藤忠信によって心を掌握され、思うがままに操られてしまう。

くまきち

3年前から学校に住み着いている迷い犬。中島真と弥生ヒナノをはじめとする在校生になついており、よく2人と遊んでいる。「ホネっこ」と呼ばれる犬用のガムが大好き。

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