御緩漫玉日記

御緩漫玉日記

作者である桜玉吉の生活を描く「漫玉篇」と、作者自身の投影である桜タモ吉とアシスタントの牛田トクコの交流を描いた私小説風の「トクコ篇」を中心に、現在と過去が不規則に描かれる。水墨画や版画風、書き殴ったようなタッチなど、画風も目まぐるしく変化する。作者の過去と現在の「恋とエロス」を描くというテーマがあったものの、突然の急性腹膜炎によって当初の想定外の方向に展開する。

概要

漫画家・桜玉吉は長年の夢であった「伊豆の一軒家」を持ち、調布との往復生活を開始する。だが突然、玉吉の投影である桜タモ吉と女性アシスタント、トク子との日々描くトク子篇がスタートする。その後も伊豆での新生活やO村への憤りといったほぼリアルタイムの漫玉篇は続き、現在と過去のエピソードが不規則に入れ代わっていく。

さらに急性腹膜炎による入院生活、幼少期からの性にまつわる回想と、内容は次々と変化してゆく。

登場人物・キャラクター

桜 玉吉

作者である桜玉吉自身をモデルとした、41歳(冒頭の、伊豆の一軒家購入時)の漫画家。調布での一人暮らしから、家を買った伊豆との往復生活に入る。過去を描いた「トクコ篇」では桜タモ吉として登場するが、事実上同一人物と思われる。2005年1月、急性腹膜炎で入院する。

主人公

桜玉吉の過去をフィクションとして描いた「トクコ篇」のヒロイン。白瀬の紹介で桜タモ吉のアシスタントとなった、漫画の専門学校生。眼鏡をかけた地味な外見の女性。同じクラスの男と交際しており、不平不満を漏らし... 関連ページ:牛田 トクコ

M氏

伊豆の不動産屋店長。桜玉吉に中古家屋を仲介した。柔和な雰囲気の、物静かな男性。

K氏

伊豆の銀行で桜玉吉への融資を担当する銀行員。最初は調子の良いことを言っていたが、次々と書類や証明を要求して玉吉やM氏を振り回し、融資額も最初の話より低くなる。その調子の良さや風貌が植木等を連想させることから、玉吉とM氏からは「ヒトシ」と呼ばれるようになる。

ぱそみちゃん

前作『幽玄漫玉日記』の時代から玉吉に食事をたかっている、介護職の若い女性。住んでいたアパートの取り壊しを期に、調布で玉吉と同居生活に入るが、一年未満で玉吉のもとを去る。以後の消息は不明。

ヒロポン

長年桜玉吉の担当編集者を務めていた青年。桜玉吉の過去をフィクションとして描いた「トクコ篇」に「白瀬」として登場する。従来の桜玉吉作品に登場するヒロポンは常に鼻提灯を出している奇妙な男だったが、白瀬は比較的常識人として描かれている。桜タモ吉のアシスタントとして牛田トクコを紹介した。

O村 勝彦

モデルは漫画誌『コミックビーム』の編集長・奥村勝彦。人相が悪く粗暴な性格だが、漫画を愛し仕事熱心な男。エロDVDの独占や、姓名判断で玉吉を嘲笑したことで、玉吉の怒りを買う。桜玉吉の過去をフィクションとして描いた「トクコ篇」では、女性社員との肉体関係をギリギリで自重する男・種村として言及される。

『御緩漫玉日記』に登場する、桜玉吉の脳内彼女。まつ毛が長く、ネグリジェのようなゆったりした服を着ている。玉吉が急性腹膜炎で入院したエピソードで突然姿を見せた。玉吉の想像上の人物とされているが、第三者と... 関連ページ:白鳥さん

タナベ キヨミ

桜玉吉が急性腹膜炎で入院した病院の、看護婦の一人。「タナベキヨミ」は仮名で、玉吉の推定では31歳。玉吉にとっては頭が上がらない苦手な感じの女性で、入院中でありながら勝手な行動が多い玉吉を度々叱る。

オーバ君

前作『幽玄漫玉日記』から登場した、桜玉吉の担当編集者。有能で仕事が速いが、理知的な人格が災いし、その場その場の衝動で行動する上司・O村勝彦によく困惑させられる。『幽玄漫玉日記』の頃よりもアゴの長さを強調して描かれており、玉吉に「アゴル」と呼ばれることもある。

『御緩漫玉日記』の作者・桜玉吉の無意識からしばしば顕在化して主導権を乗っ取る、別人格。桜玉吉が〆切に追われて切羽詰った状態のときに現れて入れ替わり、完成間近の原稿に落書きをしたり、ホワイトで白く塗り潰... 関連ページ:

集団・組織

有限会社玉屋

『御緩漫玉日記』の主人公・桜玉吉が社長を務める会社。前作『幽玄漫玉日記』の時代に設立され、『御緩漫玉日記』の時代にも存続していたと思われる。事務所は調布の賃貸マンションで、玉吉の住居も兼ねていた。

場所

都立芸術的高校

ここでは玉吉の名はトモキチになっている。芸術に比重を置いた学校で、一学年に音楽科と美術科が1クラスずつ、生徒の8割が女子という構成だった。裸婦デッサンに思春期のトモキチがドキドキしたエピソードが描かれ、当時からの友人であった、後のサイバー佐藤やちょりそのぶもアレンジされた名で登場する。

その他キーワード

よん様の誘惑

『御緩漫玉日記』の中で突然発表された、暗く陰鬱な雰囲気の劇中漫画。姓名判断で本名の画数が悪いことをO村勝彦に嘲笑された桜玉吉が激怒し、O村の本名である「奥村勝彦」をペンネームとして描いた。この奥村勝彦をペンネームとしている間、玉吉は様々な不幸に見舞われた。

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